普段から野菜を食べる習慣はありますか?
野菜の調理法といえば、生のままサラダとして食べる、煮物・炒め物・揚げ物・蒸し野菜として食べるなど、さまざまな食べ方があります。しかし、干して乾燥させた「乾燥野菜」になじみがない人は多いものです。
しかし、乾燥野菜は、ぜひ自炊生活に取り入れていただきたい食材です。乾燥野菜には、乾燥させることで栄養価が増したり、うま味がアップしたりするなど、嬉しいメリットがたくさんあるのです。
今回は、自炊生活を充実させたい方にぴったりな乾燥野菜のメリットやレシピを、管理栄養士であり野菜ソムリエプロでもある私がご紹介します。
- 乾燥野菜(ドライベジ)とは?
- 乾燥野菜の特徴と魅力
- わが家での活用方法
- 乾燥野菜を使った健康レシピ4選
- レシピ①:アレンジ無限大! 乾燥大根葉のふりかけ
- レシピ②:切り干し大根と水菜のさっぱり柚子胡椒サラダ
- レシピ③:やみつき! かんぴょうナムル
- レシピ④:乾燥ごぼうときのこの煮びたし
- 乾燥野菜をフル活用するなら3口コンロが便利
- 常備したい、使い勝手のいい乾燥野菜ベスト3
- ①大根
- ②ごぼう
- ③しいたけ
- 家でも作れる! 乾燥野菜の作り方
- チャレンジしやすい野菜の種類
- 乾燥野菜の作り方~天日干し編~
- 乾燥野菜の作り方~電子レンジ編~
- 乾燥野菜の作り方~ディハイドレーター(食材乾燥機)編~
- 乾燥野菜の作り方~保存期間~
- まとめ
乾燥野菜(ドライベジ)とは?
私は病院管理栄養士を目指し大学で学んでいましたが、在学中に「栄養学よりも、より身近にある野菜から食事のサポートを行ったほうが、食や健康に興味をもっていただけるのでは?」と考え、野菜ソムリエプロの資格を取得しました。
管理栄養士の資格習得後、病院に勤め1,000人以上の方の食事のサポートを行ってきましたが、多くの方が抱えられている問題が『野菜を日常生活に取り入れること』でした。
野菜を食べたほうがいいことはわかっていても、すぐに鮮度が落ちてしまい腐らせてしまって食べきれない、価格変動が大きく野菜が高騰すると手が出しにくいという声をたくさん伺ってきました。そのような方にこそ、ぜひ召し上がっていただきたいのが、『乾燥野菜(ドライベジ)』です。
乾燥野菜は生の野菜を天日干しにしたり、凍結させたり、熱風をあてて乾燥させたもので、保存がきくだけでなく栄養価がアップするのでおすすめです。
乾燥野菜の特徴と魅力
乾燥野菜の1番の魅力は、生の野菜に比べて栄養価がグンと高まることです。特に天日干しで増える栄養素は、代謝ビタミンとも呼ばれ、“ヒト”が生きるための源であるエネルギーを作ってくれるビタミンB群、骨の健康に役立つビタミンDやカルシウム、酸素を全身に供給し貧血を予防してくれる鉄分などの栄養素が多くなります。
生の大根と切り干し大根の栄養価を比べると、カルシウムは5倍、鉄分は3倍、食物繊維は4倍も増えるといわれているので、かさが減っても栄養素がギュっと凝縮されているのがわかります。
野菜を乾燥させることによって、水分が抜けるので長く保存できるのが乾燥野菜の魅力の1つです。そのため、災害時の保存食としても有効です。
冷蔵庫が使えなくなってしまっても常温で保存ができるほか、物資として届けられるものはおにぎりやパンなどの糖質が多く、食物繊維不足で発生する便秘や、ビタミン不足からくる不調も緩和してくれます。
また、野菜室を大きく占領してしまう野菜たちも、かさが減って小さくなるので保存場所にも困りません。野菜を乾燥させることで野菜のうま味も増します。
野菜独特の青臭さを抑えられるので、普段は廃棄してしまう葉や皮も乾燥させることで美味しく食べることができますよ。
調理面では、調理をする際に野菜の皮むきや野菜を切るなどの手間がいらず、そのまま鍋やフライパンに入れるだけなので、忙しい日の自炊に最適です。季節によっては価格が高騰することもある野菜ですが、乾燥野菜の価格は安定しているので、栄養価の高い乾燥野菜をぜひ使ってみましょう。
わが家での活用方法
わが家では、常に数種類の乾燥野菜をストックしています。なぜなら仕事柄、外食で済ますことが多く、生の野菜を買いこみすぎると鮮度が落ちてしまうからです。
ほとんどの生の野菜は収穫後からみるみる栄養素が減っていきますが、乾燥野菜は開封しなければ栄養素が減少したり、劣化したりする心配がありません。また、まな板を用意しなくてもすでに小さく切られているので、すぐに調理を始められるところもお気に入りです。
・短時間で火が通る
・味が染みこみやすい
・煮込んでも荷崩れの心配が少ない
こんなメリットもあります。時短で手抜きなのに、栄養価が高く、スープなどに入れるとうま味が凝縮されているので美味しさもアップし、使用する調味料も減らせます。食べたときの食感もよくなるので、お腹のもちもよくなります。
あと1品が欲しいときに手軽に作れるのはもちろん、災害が起きたときもスーパーからは真っ先にカップ麺や缶詰が売り切れになりますが、乾燥野菜は在庫がたくさんある場合が多いです。日頃から数種類の乾燥野菜を常備されるといいでしょう。
乾燥野菜を使った健康レシピ4選
ここからは、私が実際に食べている乾燥野菜を使ったお手軽レシピを4つ紹介します。
レシピ①:アレンジ無限大! 乾燥大根葉のふりかけ
① 大根葉20gを水で戻し、醤油大さじ1/2、砂糖大さじ1/2、酒大さじ2、だし汁大さじ3、ごま油1/2と混ぜ合わせ15分ほど味を染みこませる。
② ①に、かつお節といりごまをお好みで混ぜ合わせて500Wで2分ほど電子レンジで加熱しでき上がり。
そのままお浸しとして食べるのもよし、アツアツのご飯の上にふりかけとして食べるもよし、お弁当のお供にも役立つ一品です。
レシピ②:切り干し大根と水菜のさっぱり柚子胡椒サラダ
① 水菜2束を4cmほどに切り、耐熱容器に入れ、電子レンジで500Wで2分加熱する。
② 切り干し大根20gはぬるま湯で戻し、水分を絞る
③ ボウルに①②とごま油大さじ1、ポン酢大さじ2、柚子胡椒小さじ1、和風だし小さじ1を混ぜ合わせてでき上がり。
水菜を豆苗やカイワレ大根に変えてアレンジしたり、ハムやツナ缶を一緒に混ぜ合わせたりしても美味しくいただけるので、アレンジを楽しんでみてください。
レシピ③:やみつき! かんぴょうナムル
① かんぴょう20gは、水でサッと洗い、お好みの長さに切った後、好きな硬さになるまで茹でて水気を切る。
② 醤油小さじ2、酢大さじ2、砂糖小さじ1、ごま油小さじ2、すりごまを①とよく混ぜ合わせてでき上がり。
お好みで、ニンニクや鷹の爪、一味唐辛子などを辛味のアクセントとして楽しんでいただけます。
レシピ④:乾燥ごぼうときのこの煮びたし
① 乾燥ごぼう20gを戻さずに鍋に入れる。
② お好みのきのこ(今回は、干ししいたけ、しめじ、えのき)適量も一緒に鍋に入れて、水200cc、麺つゆ大さじ5を入れ火にかけて、全体に味が染みこんだら完成。
ごぼうやきのこのうま味が凝縮しているので、味付けは薄くてもしっかりとうま味を楽しめます。にんじんを入れると、さらに彩りもよく華やかになるので、ぜひ試してみてください。
乾燥野菜をフル活用するなら3口コンロが便利
毎日の暮らしを充実したものにするためには、広々としたキッチンはかかせません。特にわが家のお気に入りは、コンロが3口あることです。
2口コンロでも同時に調理はできますが、少し心もとない気持ちになることがあります。特に乾燥野菜を使った料理は作り置きにも最適なので、3口コンロがあると待ち時間にスムーズに加熱調理できますよ。
常備したい、使い勝手のいい乾燥野菜ベスト3
①大根
一番メジャーな乾燥野菜といえば、大根です。細切りにした大根を干したもので、東の地域では「切り干し大根」、西の地域では「千切り大根」と呼ばれています。
生の大根は、部位によっては苦みや青臭さを感じることもありますが、乾燥させることで甘みが増すので、お子様からお年寄りまで年齢に関係なく好まれます。お腹の調子を整えてくれる食物繊維が豊富なので、便秘の方におすすめしたい乾燥野菜です。
②ごぼう
生のごぼうを買ってくると、一度に使いきれなかったり土がついていたりして調理までの処理が大変なため、食卓に並ぶことが少ないという家庭が多いかもしれません。そのようなときにこそ、活用していただきたいのが乾燥ごぼうです。
乾燥ごぼうはすでに下処理がされているので、すぐに調理を始められるだけではなく、水分が抜けてうま味が凝縮されているので、材料に少し乾燥ごぼうを混ぜるだけでも、ごぼう特有の風味を楽しめて料理の格も一段と上がります。
③しいたけ
しいたけは、1袋はストックしておきたい乾燥野菜です。乾燥しいたけは出汁を取るのに最適で、出汁を取った後のしいたけを切って具材に混ぜ込むことで、無駄なく乾燥しいたけを食べられます。
また、しいたけに多く含まれるエルゴステロールという成分は、日光を浴びることでカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDに変化するため、生しいたけと比べるとビタミンDの含有量が豊富です。
家でも作れる! 乾燥野菜の作り方
乾燥野菜は「スーパーなどで既製品を買わなければいけない」と思われている方も多いかもしれませんが、意外にも家で簡単に作ることができます。
チャレンジしやすい野菜の種類
乾燥野菜に適しているのは、基本的に水分の少ない野菜です。大根、にんじん、カボチャ、れんこん、ごぼうなどの根菜類に加えて、長ネギなどの薬味野菜やピーマン、プチトマトが比較的乾燥野菜にするのに向いています。
一方、水分の多いレタスやキャベツなどの葉野菜は乾燥させるまでに時間がかかり、カビの原因にもなるので避けたほうがいいでしょう。
乾燥野菜の作り方~天日干し編~
洗った野菜を細かく切り、断面の水分をキッチンペーパーなどでふき取ります。その後は、通気性のいいザルや網に乗せて乾かすだけです。特別な器具は必要ありません。
秋~冬の乾燥した天気のいい日に、風通しのいい日なたで干すのがおすすめですが、ホコリなどが気になる場合は日の当たる室内でも問題ありません。干す時間帯は太陽が出ている10時~15時の間で3~5日かけてしっかりと干すようにしましょう。
乾燥野菜を手作りする場合には、日当たりと風通しのいいベランダがほしいところ。スペースは広いに越したことはありませんが、広々としていなくても大丈夫です。
今は乾燥野菜用の3段ネットなども安く売られているので、このようなグッズを効率よく使いながら乾燥野菜作りを始めてみましょう。
乾燥野菜の作り方~電子レンジ編~
湿気の多い季節は、カビが発生する原因にもなるので乾燥野菜を作るのを控えたほうがいいでしょう。
そこで天候や場所を気にせず、時短で乾燥野菜を作りたいという方には、電子レンジを使った方法がおすすめです。
野菜の種類や切り方によって加熱時間は変わりますが、洗った野菜の水分をふき取った後、キッチンペーパーの上に重ならないように並べ、500Wで1~1分半ほど加熱しましょう。そのまま電子レンジの庫内で放置しておくと、水分がしっかり飛んで乾燥野菜が手軽にできあがります。
一度に長時間加熱すると焦げの原因にもなるので、少しずつ様子を見ながら加熱していくのがポイントです。
乾燥野菜の作り方~ディハイドレーター(食材乾燥機)編~
近年、ローフードが流行り家庭にも少しずつ普及しているのが、ディハイドレーターです。ディハイドレーターとは、温風を食材にあて続け、食材を乾燥させる食材乾燥機のことです。
天日干しのように季節や天候に左右されず、電子レンジよりも自然な仕上がりで乾燥野菜を楽しみたい場合には、ディハイドレーターがおすすめです。
乾燥野菜の作り方~保存期間~
完全に乾燥させた野菜は、空気を入れないように密閉されたビンやジッパーつきのポリ袋、乾燥材を入れたタッパーなどに入れ、冷蔵庫保存で1か月ほどを目安に食べきりましょう。
まとめ
乾燥野菜は、栄養価が高いだけでなく保存もきき、うま味もアップする万能食材ということに気づいていただけたでしょう。価格も安定しているので旬でない野菜は、乾燥野菜を使うと安く栄養価が高いものを食べられる可能性もあります。
かさが少なくストック場所にも困らないので、ぜひこれからの常備食材としても取り入れてみてくださいね。
乾燥食材は、野菜だけでなく高野豆腐やワカメ、ひじきなどの海藻類も豊富です。これらの食材も栄養価がとても高く、普段摂りづらい栄養素も多いので乾物コーナーを楽しみながら、新しい時代の自炊生活を楽しんでみてください。