お歳暮はいつ贈ったらいいのか知っていますか?
私がお歳暮を初めて贈ったのは、今勤めている会社に入った12年前のことでした。先輩から、上司にお歳暮を贈るように言われたのがきっかけです。
お歳暮を贈る時期や方法、品物の選び方についてまったく知らなかった私は、インターネットで色々調べました。当時は、「お歳暮を贈らなければいけない」という義務感のようなものがありました。それからお歳暮とお中元を毎年贈り続けてきましたが、今では贈り物を選ぶのが楽しみになっています。
そこで今回は、お歳暮の基礎知識と、品物の選び方についてお伝えしていきます。さらに、新しい生活様式が求められる今年のお歳暮の贈り方についてもご提案していきますので、ぜひ参考にしてください。
お歳暮の基礎知識とマナー
「お歳暮のマナーを守らないと常識のない人と思われてしまう」というイメージをもっている人は少なくないでしょう。
もちろんマナーは大事ですが、今の時代、形を重視する風潮は薄らいでいます。何のためにお歳暮を贈るのかを理解し、相手を思って贈れば、多少世間の決まりとずれていても失礼にはなりません。
お歳暮とお中元との違い
お歳暮の由来は、神様や祖先の霊を正月に迎えるためのお供え物を、本家へ持って行く慣習にあります。
お歳暮がお礼の気持ちを表す今のかたちになったのは江戸時代で、商人が取引先に贈り物を持参したことがはじまりとされています。お中元の「中元」とは、中国では旧暦7月15日のことです。中国では中元に祖先を供養する風習がありました。
その風習が日本に伝わり、お盆の時期にお世話になっている方に、季節のご挨拶とお礼の意味を込めて贈り物をするようになりました。
お歳暮を贈る時期はいつ?
お歳暮を贈る時期は、贈る相手が住んでいる地域によって異なります。
関東:11月下旬から12月の25日頃
関東以外の東日本、沖縄以外の西日本:12月の13日から25日頃
沖縄:12月 1日から25日頃
※沖縄県内では正月三が日の間にお歳暮を贈るという習慣もあるそうです。
このように地域によってお歳暮の時期はある程度決まっていますが、現代では気にする人は減りつつあります。しかし、お歳暮を贈る相手のなかにはマナーを重んじる方もいますので、注意する必要があります。関東では12月の初めに届くように手配し、他の地域に住んでいる方に贈る場合でも12月15日頃に届くように手配すれば間違いないでしょう。
お歳暮は12月25日までに贈るのがいいとされていますが、もし贈る時期を過ぎてしまっても焦る必要はありません。なぜなら年が明けてから「お年賀」として贈り物をすることで、お歳暮と同じように気持ちを伝えることができるからです。
なにかと忙しい年末に遅れてお歳暮を届けるよりも、お年賀として余裕をもって贈る方が好印象を残せるでしょう。ちなみに、お年賀は松の内までに贈るものとされていています。松の内は関西・四国地方では1月15日まで、それ以外の地域では一般的に1月7日までです。
お歳暮は誰に贈るのか
お歳暮は一年の感謝の気持ちを伝えるための贈り物なので、お世話になっている方に贈りましょう。仕事の上司、取引先、実家、親戚など、目上の人に贈るというイメージが一般的です。
会社にお歳暮の習慣がない場合もあるので、上司にお歳暮を贈る前に周りに確認してみるのがおすすめです。私は社会人になればお中元やお歳暮は贈るものだと思っていましたが、初めて勤めた会社ではお中元やお歳暮の習慣がありませんでした。
結婚してからは夫と自分の実家にお歳暮を贈るようになりました。これはとくに誰かから言われたわけではありませんが、日ごろお世話になっているので感謝の気持ちを届けるために贈っています。実家に贈らなければいけないという決まりはないので、「贈りたいな」という気持ちがあれば贈るという判断で問題ありません。
茶道や華道など、伝統文化を学ぶ教室では先生へお歳暮を贈る習慣があるところが多いです。月謝とは別に、みんなで出し合ったお金を先生へのお歳暮とする場合もあります。現金を贈るというと驚かれるかもしれませんが、「稽古用のお道具代にあてて欲しい」という意味合をもっています。
また、友人など特別にお世話になった場合には、お歳暮を季節の挨拶がわりに贈り合うことがあるようです。友人にお礼をしたいけれど、お歳暮を贈ることで気をつかわせたくないのであれば、品物ではなく手書きの手紙で想いを伝えるのがおすすめです。
友人への贈り物は、世間一般の相場ではなく、友人との関係性で考えましょう。後半にご紹介するソーシャルギフトも気軽に贈れますよ。
お歳暮で贈る品物
お歳暮を贈るときに一番困るのは、品物の選択です。初めて贈るときは予算も悩みますし、相手が喜んでくれる品物がわからないと困ってしまいます。相手の好みや私生活を知らないと、なかなか決められないものです。
そこで、お歳暮の品物を選ぶときには次のことを考えてみるのがおすすめです。
・予算
・人気の品物
・人と被らない品物
さらに、今年は新しい生活様式のなかでお歳暮を贈る必要があります。昨年までなら挨拶がてら出向いてお歳暮を渡していた方にも、会いに行くのが難しい場合もあるでしょう。
ここからは、今の時期にぴったりな新しいお歳暮の贈り方をご紹介します。
お歳暮の予算はいくらにする?
まず、お歳暮の予算が決まらないと品物を決められません。一般的な相場と大きく離れた品物を贈ると、相手を恐縮させたり、不快にさせたりする可能性もあります。
お歳暮を贈る目的は、感謝の気持ちを伝えることです。したがって、感謝を伝えたい相手に嫌な思いをさせるのは避けたいもの。そのために、世間の相場を知っておく必要があります。
お歳暮の予算は、贈る相手との関係性により変わりますが、一般的な相場は以下になります。
上司:5,000円程度
親戚:3,000~5,000円程度
友人:3,000~5,000円程度
特別にお世話になった方や、取引先の企業に贈る場合は、10,000円くらいの品物を贈る場合もあります。会社の上司や、教室の先生にお歳暮を贈る場合は、周囲に予算感を聞いてみるのもおすすめです。
私の場合は、贈るようになってからずっと上司には3,000円台のものを贈っているのですが、できるだけ金額以上に喜んでいただけるものを選ぶようにしていますよ。
人気のお歳暮とはどんなもの?
お歳暮で人気がある品物にはどんなものがあるのでしょうか。スーパーやデパートのお歳暮コーナーでよく見かける品物を挙げてみました。
・ハム
・ビール
・海苔
・食用油
・洗剤
・缶詰
どれも定番のお歳暮です。定番品ということは、人と被る可能性が高いともいえます。私の場合、会社の同僚が毎年上司にハムを贈っているので、上司へのお歳暮にハムは選びません。
過去には、私を含めた同僚3人がおかきセットを贈ったという年もありました。示し合わせたわけではなく、上司の年齢や好みなど考えたときに皆おかきがいいだろうと思ったのでしょう。上司は高齢ではっきりとものを言う方だったので、そのときはおかきはやめてほしいと言われました。
「同じものは絶対駄目」というわけではないですが、同じものがいくつも届くと困ってしまいますよね。そのような経験から、私は人と被らない品物選びを心掛けるようになりました。
人と被らないお歳暮選びを楽しむ
とくに上司にお歳暮を贈る場合は、同僚が贈っているから贈るという形式的なお歳暮になりがちです。それでも、贈り物をする以上は相手に喜んでもらいたいですよね。贈る相手の年齢や好み、生活のことを考えた品物選びをすればきっとその気持ちは伝わるでしょう。
毎年同じ品物を贈って、「○○さんはハムの人」という印象をもってもらうのもいいですが、私は毎年違うものを贈るようにしています。単純に品物選びが楽しいことがその理由です。
私の楽しみは「これ何?」と、受け取った方の興味を引く品物で、自分ではなかなか買わないだろうというものを探すことです。
以前、上司が炭酸水を自宅で作っていることを知り、炭酸水に味をつけるドライフルーツセットを贈ったことがあります。後日、「面白いものをありがとう」と言っていただき、喜んでもらえて嬉しかったです。
料理の手間が1食分でも省けるように、鍋セットや、魚の切り身が入ったお茶漬けセットを贈ったこともありました。健康を考えて飲むお酢を贈ったり、重い買い物をしなくていいように醤油を贈ったりするなど、理由があって品物を選んでいます。私がその品物を選んだ理由は、きっと相手に伝わっているでしょう。
贈り物を選ぶときに「相手に迷惑にならないだろうか」と心配し、深く考えすぎてしまっては何も選べなくなります。私が人と被らないようにと考えて選んだものでも、偶然被ってしまうこともあるかもしれません。しかし、相手のことを思った品物選びをすれば、無駄にはならないだろうと考えるようにしています。
ソーシャルギフトという新しい形のお歳暮
すでに利用されている方も多いと思いますが、新しい生活様式が求められるようになった今年は、お歳暮もインターネットで購入する方がさらに増えるでしょう。
インターネットショッピングのいいところは、自宅にいながら日本全国の品物をお歳暮として贈ることができる点です。
さらに最近では、ギフトをもっと気軽に贈ることができるサービスが広まっています。それが”ソーシャルギフト”という、住所を知らなくても相手にギフトを贈れる画期的なサービスです。これはギフト専門のインターネットショップや大手百貨店でも導入されているシステムです。
このサービスは、贈りたい品物を購入したときに発行されるURLを、SNSやメールなどで贈りたい相手に送信します。受け取った人はURLのリンク先で、自分の住所の入力などをし、ギフトが届くのを待つという仕組みです。
なかには選んだ金額のギフトコードを購入して相手に送れば、受け取った人が好きな品物を選べるという、カタログギフトのウェブ版のようなサービスもあります。
ソーシャルギフトは、インターネットが得意でない方に贈ると困らせてしまうかもしれません。しかし、インターネットが使える相手であれば気軽に利用できるため、お歳暮の敷居を下げるサービスといえるでしょう。
インターネットでお歳暮選び
日本全国の商品から選ぶことができるインターネットでのお歳暮選びでは、珍しいものや新しい品物に出会えるためとても楽しいものです。外出する必要もありませんし、どこに住んでいても条件は変わりません。
ただし、インターネット環境は整える必要があります。お歳暮を贈る以外の場面でも、物件にインターネット環境が整っているかどうかは家で過ごすことが多くなった今、とても重要なポイントです。
新しい生活様式はインターネットが必須
インターネットで贈り物を選ぶときに注意したいのが、品物の詳細がわからないことです。よくある失敗例ですが、写真では見栄えがよくても、実際に届くとがっかりしてしまうこともあります。
このような事態は、お歳暮等のギフト選びではとくに避けたいことです。最近では品物を動画で紹介しているショップも増えてきました。私のようにできるだけ詳細まで確認して購入したい方には、参考にしてほしいです。
ただし、電波の入りにくい立地にある物件だと、動画を確認したくても通信がスムーズにいかずストレスを感じてしまうでしょう。
そのため、これからは光回線など、元々インターネット環境が整備されている物件がおすすめになります。インターネット料金が賃料に含まれている物件や、無料でインターネットを利用できる物件を選べば、すぐにインターネットが利用できますよ。
直接会ってお歳暮を渡したいなら
ほんの一年前までは、会いたい人がいれば、どこへでも会いに行けていました。しかし今では、住んでいる都道府県が違うと、実家にさえ行くことがためらわれます。
友人にもお世話になった方にも、迷惑が掛かってはいけないと会いに行くのを遠慮することも多いでしょう。このような状況が続くと、人とつながることや、気持ちを伝えることがどんなに大切か身に染みて感じられます。
今年のお歳暮は、「仕方なく」と義務として贈るのではなく、会えない方に気持ちを伝える手段だと思って選んでみてくださいね。