テレワーク時代が到来し、オンライン講師への関心が高まっています。オンライン講師なら副業として手軽に自分の知識を活かせるかもしれない、と考えている人は少なくないでしょう。
とはいえ、「講師」という言葉にハードルを感じ、初めの一歩を踏み出せずにいる人も多いはず。
今回は、オンライン講師に興味がある人に向けて、大手から個人規模までさまざまなオンライン講師を務めてきた私が、オンライン講師のノウハウ・実際の収入・必要な住宅環境について、実体験に基づいて解説します。
- オンライン講師とは
- 一般的な講師との違い
- オンライン講師の魅力
- オンライン講師の困るところ
- オンライン講師の1日
- 1日のスケジュール
- 実際の授業で行っていること
- あなたにもなれる! オンライン講師のはじめ方
- テレワーク普及でオンラインへの抵抗感が激減!
- テーマはなんでも、売り方次第で誰でもなれる
- オンライン講師の収入は?
- オンライン講師の収入
- オンライン講師の求人
- オンライン講師に必要は経験
- オンライン講師初期の宣伝はペイフォワード
- オンライン講師として快適に暮らすための住環境
- オンライン講師に必要なのはそこそこ静かな環境
- インターネット環境は?
- 講習内容別に住まいを考える
- 一生できるオンライン講師生活を楽しもう
オンライン講師とは
オンライン講師とは、オンラインで生徒さんの知りたいことをわかりやすく教える仕事です。1対1の授業や、先生1人に対して生徒数人の授業、先生1人に対して生徒多数といった授業規模もあり、形式はさまざまです。
私は行政書士試験など法律系の資格試験対策や、通訳案内士試験の筆記試験対策をする資格塾、外国人相手に日本語を教える語学学校でのオンライン講師をしています。
オンライン講師の本業は生徒を相手に教えることですが、そのほかの業務(付帯業務)もあります。これは運営媒体(つまり、教える組織)の規模や教える内容によってさまざまです。
例えば、教材を作ったり、指導計画を作ったり、スケジュール管理をしたりするところもあります。オンライン講師はただ教えるだけだと思われがちですが、実はそれ以外にも付帯業務が多い仕事であるという点を、押さえておいてください。
一般的な講師との違い
一般的な講師とオンライン講師には、大きく異なる点が6つあります。
第1は、在宅でもできる点です。一般的な講座のように教室に移動する必要がないので、家事や子育ての合間にもできます。
第2は、時間的にある程度自由な点です。生徒さん次第では夜中でも授業ができるのは、オンラインだからこそ実現する強みといえるでしょう。
第3は、副業として活動しやすい点です。講座はオンラインで開催するため、時間や場所に縛られることなく、自分のライフスタイルに合わせられます。
第4は、設備にお金をかけずに済む点です。最低限の設備としてパソコンとネット環境、ある程度のソフトは必要ですが、それさえあれば今すぐ生徒さんを募集できます。もちろん、既存のオンライン学校と契約してオンライン講師になる選択肢もありますので、幅が広いといえます。
第5は、生徒さんがオンライン講師と同じ場所にいない点です。これは次項で詳しく述べます。
第6は、多人数の需要が見込めない内容(授業分野)でも商売として成立する点です。ここにオンライン講師最大のメリットがあります。
例えば、あなたが「片付け上手」だとしましょう。「片付け」に関する知識をカルタチャーセンターなどの学校で教えられるかというと、とても難しいです。
なぜなら、需要があっても同時刻・同じ場所に人を集めるのは大変なことだからです。もしお客さんが集まらなければ、講座として開講できないだけでなく、場所代だけで赤字になるでしょう。
しかし、オンライン講師であればこれが簡単にできてしまいます。あなたが優れたノウハウをもっていて、それをネットで教えられるのであれば、かなり有望です。
どんなことでも学びたいという人は必ずいます。もちろん、生徒さんがすぐに集められるわけではありませんが、事業化に伴うリスクは大変低くなります。
オンライン講師の魅力
オンライン講師のいいところは、自分で開業してしまえば、テーマを自由に選べるところです。オンライン講師はさまざまなジャンルを教える仕事なので、小学校から高校で習う授業科目はもちろん、将棋・ピアノ・プログラミング・そろばんなど、やろうと思えば何でも教えることができます。
企業によっては発信したい講座のアイデアを募集していることもあります。漫画、イラスト講座や工作講座、手品などジャンルは豊富です。
このように多種多様なジャンルに対応している、かつ働く時間や曜日などが比較的自由なため、自分のライフスタイルに合わせた働き方というメリットがあります。
また、生徒さんと同じ場所にいないという点も今の時期はメリットといえるでしょう。直接対面しているわけではないので、新型コロナウイルスのような感染症が流行っても安心して継続することができます。
オンライン講師の困るところ
オンライン講師として困ることといえば、やはり生徒さんの様子を把握しづらい点です。パソコン等の画面を通してやり取りをするため、同じ空間にいるオフラインの講師よりもコミュニケーションを取るのが難しいです。
もちろん画面越しに声をかけられますし放置しているわけではありませんが、生徒側は1人でパソコン等の前にいるので集中力を維持することが難しい場合もあります。そのため、講師側の配慮とケアが重要になります。
オンライン講師の1日
それでは、ここからは実際に私がオンライン講師として働く1日の流れや、授業の様子についてご紹介していきます。
1日のスケジュール
午前5時~: 起床し、インターネットのニュースなどをチェック
午前11時まで:本業
午前11時~:オンライン資格塾の生徒さんにその日の夜までの宿題として出す教材を送付
正午前後:昼食
午後1時〜:オンライン講師:海外の生徒さんとの日本語会話
午後3時~:本業
午後8時半〜:オンライン講師:資格塾
午後11時~:資格塾の資料作成など
オンライン講師の1日のスケジュールは、平日か土日のどちらをメインにするかで変わってきます。また、担当している科目数によっても変動するため、あくまで参考として理解しておいてください。
私の場合、オンライン講師は副業です。本業は資格を活かした個人事業なので普通の会社員と違って時間的にはそれほど拘束されていません。
実際の授業で行っていること
実際に私が行っている授業の様子を例としてご紹介します。
高校までの予備校や学習塾もそうですが、試験対策はやりやすいものです。なぜならどういう問題がこれまで出ているのか(過去問)、どんなところで間違えてしまうのか(誤解しやすい点)、どうすれば正しく理解できるかなど、やるべきポイントや目標が明確だからです。
けれども、大手の受験予備校ではこのメリットが十分に活かされていません。大手の受験予備校は大勢の生徒さんを集めて授業したり答案練習会を開いたりするので、必ずしも生徒さん一人ひとりの疑問には答えてくれないからです。
そこで、私の資格塾では、午前中に送った過去問をきちんと時間内にやってもらい、その日のうちにその結果についてどこが問題だったかを検討するシステムにしています。そうすると、個々の生徒さん特有の問題点が解消できるのです。
あなたにもなれる! オンライン講師のはじめ方
テレワーク普及でオンラインへの抵抗感が激減!
知識や経験を伝える行為を金銭化するには、本を書いて売る、カルチャーセンターで教える、最近だとY動画配信サイトで配信するなど、さまざまな方法があります。しかし、どれも、実現して収益化するにはハードルが高いものです。
オンライン講師は、このハードルが非常に低いというメリットがあります。
私もはじめたばかりの頃は、「いろいろ設定するのが面倒くさそう」だとか、「オンラインでちゃんと話が通じるのか」といった抵抗感がありました。しかし、テレワークの普及でオンラインに対するこうした心理的抵抗は非常に低くなったように感じています。
テーマはなんでも、売り方次第で誰でもなれる
オンライン講師は英会話を中心に以前からありましたが、人に教えられるほどの知識をもっているのであれば、テーマはどのようなジャンルでも問題ありません。資格や外国語でもいいですし、ハーブの育て方や都市伝説、日本庭園の見方や紅茶のマナーなど、なんでもOKです。
日本語講師として働いているとわかりますが、漫画もオンライン講師のテーマになります。漫画を教えているわけでなくとも、日本の漫画に興味のある外国の方にきちんと向き合えば、貴重なオンライン講師になりえるのです。
たとえ数は少なくとも、心に刺さるポイントを押さえればオンライン講師として十分にやっていけます。あなたがよく知っていることをしっかり勉強したいという人は必ずいますから、うまくマッチングすれば必ず商売として成立しますよ。
オンライン講師の収入は?
オンライン講師の収入
オンライン講師には、オンライン学校に所属する方法と自分ではじめる方法があります。
オンライン学校での講師には、学校の規定があります。日本人でオンライン講師をはじめる場合、英語が話せる人であれば、英語を教えるのもよいかもしれません。
あるいは、外国人に日本語を教えるのもよいでしょう。ただし、こうした内容だと市場は大きくても競合する人たちが多いため、多くの収入を得るのはそう簡単なことではありません。
1対1のレッスンでは1時間教えて手取り1,000円以下の場合もあります。レッスンを受けてもらうだけでも大変なので、趣味程度でやるのはよいですが、これで生活していくのは困難です。
単純計算で毎日2コマ埋まって2,000円程度で、月収も数万円にしかなりません。もちろん、人気講師になったり、集団レッスンが開催できたりすれば収入は増えます。
自分ではじめる方法はテーマも限定されませんし、金額設定も自由です。この場合、生徒さんをどう見つけるかが大きなポイントになります。
オンライン講師の求人
オンライン講師の求人は、大手求人サイトでも募集しているところはありますし、最近流行りの在宅ワークを専門に扱っている求人サイトでも募集をしています。また、最近ではオンライン講師と生徒をつなげるウェブサービスも多数あり、語学学校などのオンライン講師は常に募集があります。
ただし、こういったサービスは、登録しただけで仕事が入るとは限りません。レッスンがうまくないと生徒さんは離れてしまうこともあります。
こうしたオンライン学校で講師として日本語を教えるのに資格は不要ですが、何かの資格を保有していたり英語が話せたりすると有利です。
一方、自分ではじめる方法ならば、いつからでもオンライン講師になれます。講師のキャラクターが魅力的であるとさらに仕事が増える可能性があります。
オンライン講師に必要は経験
オンライン講師として働くうえで大事なことですが、実務経験がなければ教えることはできません。ただ過去に経験していたというだけで教えられるほど甘い仕事ではないのです。
例えば、将棋を教える場合、プロかアマチュアかは問われませんが、2段以上の棋力があり子どもに対して将棋を教えていた経験が一定期間以上あるなど、条件設定が細かくされていることがあります。
自由な働き方をするには、定められている応募資格をきちんとクリアしておく必要があることを理解しておきましょう。
オンライン講師初期の宣伝はペイフォワード
ペイフォワードとはボランティアを提供し合う関係性を意味する言葉です。オンライン講師を検討しているのであれば、まずはお金にとらわれず無償で教えることからはじめるのがおすすめです。
新型コロナウイルスの影響により、子どもは学びの場を奪われているといっても大げさはないでしょう。そして、仕事や給料が減り、職種によっては収入がなくなってしまった人もいます。
仮に子どもを塾に通わせていた場合、高い受講料を払えないことから辞めさせるという判断をする家庭もゼロではありません。そんなときに、オンラインというシステムを活用してボランティア精神で勉強を教えてあげる行動は、将来オンライン講師を仕事として確立させることにつながるかもしれませんよ。
オンライン講師として快適に暮らすための住環境
オンライン講師に必要なのはそこそこ静かな環境
オンライン講師として自宅で働くには、パソコンやタブレットなどを通して画面越しでやり取りをするため、車や電車などの音が入り込まない閑静な住宅街を選びましょう。
外部の騒音はオンライン授業を実施するうえで、声が相手に聞こえにくくなるなど、講義の妨げになる可能性がゼロではありません。そのため、大きな国道沿いにある物件や線路の近くなどは避けることをおすすめします。
インターネット環境は?
インターネット環境も非常に重要です。オンライン講師として働くにはオンラインシステムを活用する必要があります。
そのため、テレワークにも耐えられるネット環境が整備されていることは最低条件といえるでしょう。ネット通信が遅ければ、画面がフリーズしたり声が途切れて聞こえなかったりと、授業にすらならないことも考えられます。
オンライン授業をしやすい賃貸物件を見てみよう
エリア別に住まいを見る
※LIFULL HOME`S掲載物件のうち、掲載情報に「閑静」のワードを含み、「#快適なネット生活を送りたい」のタグに紐づく物件を集めました。
講習内容別に住まいを考える
オンライン講師として教える内容も、物件探しをするうえで重要となります。例えばピアノの演奏を教える場合、当然騒音が懸念されますので防音対策がされている物件を選ぶ方が好ましいです。
また、パソコン関連のスキルを指導する講師として働く場合、ライティング業務も指導しなければいけません。その場合、夜中でもタイピング音が気にならないよう、部屋が連なっていない物件を選ぶなどの対策も考えておきましょう。
一生できるオンライン講師生活を楽しもう
最近ではオンライン講師という働き方が、当たり前になりつつあります。自宅から授業を実施でき、かつ働く時間も自由な場合が多いため、副業として取り組むのもおすすめです。
パソコンがあれば教えられますし、幅広いジャンルを指導できるメリットもあるため、オンライン環境を整備すれば一生続けられる仕事になるかもしれません。受講する側にとってもオンラインという環境は、受けやすいシステムですので、ぜひオンライン講師という仕事に注目してみてくださいね。