日本におけるビジネスの拠点としての印象が強い大手町。実はその周辺エリアは“住む場所”としての魅力が増しています。本記事では、大手町エリアに徒歩で通える神田・日本橋エリアを中心に、その利便性や街の変化を紹介します。神田・日本橋エリアでの暮らしを具体的にイメージするための一助となれば幸いです。大手町駅の物件を探す

大手町周辺エリアの概要

大手町・神田・日本橋エリアの位置関係 ※出典:国土地理院地図一部加工

近年、大手町をはじめとした東京駅周辺では、国家的な都市再生プロジェクトの一環として、積極的な市街地再整備が急速に進められており、街並みが日々目覚ましく変化しています。特に大手町には、2028年に国内最高層となる「Torch Tower」の完成が予定されており、国内外から一層の注目が集まると考えられます。

現時点で大手町には居住用の住宅はほとんどありませんが、隣接エリアである神田や日本橋では、都心エリアでありながらも、充実した商業施設に加え、多くの住宅が供給されています。

「神田」は「大手町」と同じ東京都千代田区に、「日本橋」は東京都中央区に位置しており、これらの地域は日本橋川沿いに連続した市街地を形成しています。大手町の南側は東京駅のある「丸の内」で、大手町・東京駅とその周辺エリアは巨大な地下空間で連結されています。大手町がある千代田区は、23ある特別区の中で最も人口が少ない区として知られていますが、その中でも大手町の人口は2025年6月時点で4名と極めて限定的です。

大手町は、政府系金融機関やメガバンクをはじめとする多くの企業が本社を置く、日本有数のオフィス街です。これに加え、南側の丸の内エリアには丸の内オアゾや新丸の内ビルディングなど、充実した商業施設が集積し、平日・休日を問わず多くの人々でにぎわいを見せています。さらに、大手町・東京駅の東側に広がる日本橋エリアには、歴史ある日本橋三越本店をはじめ、多様な商業施設が数多くあります。

千代田区の都市計画マスタープランでは、大手町を含む丸の内や永田町などが「首都東京を牽引し、進化し続ける強靭な都心」と位置づけられ、その特徴を活かしたまちづくりが進められています。

歴史を紐解くと、「大手町」という地名は、江戸城の正門である「大手門」に由来します。全国の城下町から発展した都市に現在も「大手町」という地名が残る例は少なくありませんが、東京の大手町は、江戸時代に全国の大名が登城に利用した、まさに日本の歴史を形作ってきた重要な地域です。現在の門は1967年に復元されました。

常盤橋門跡 ※2025年6月撮影

また、大手門に接続する常盤橋門跡も残されています。石垣は1928年に国の史跡に指定されました。

大手町周辺エリアの交通利便性

大手町駅には、東京メトロ丸ノ内線・東西線・千代田線・半蔵門線、そして都営地下鉄三田線と、合計5路線が乗り入れており、その利便性は極めて高いと言えます。さらに、大手町駅は東京駅と巨大な地下空間で直結しており、雨天時でもスムーズな移動が可能です。

加えて、大手町に隣接する日本橋エリアでは、現在、首都高速道路の地下化と連動した複数の市街地再開発事業が進行しています。これらのプロジェクトでは、現在のところ地下で繋がっていない大手町駅と日本橋駅間を、新たな地下歩行者ネットワーク空間で結ぶ計画が進められており、日本橋方面から大手町への徒歩でのアクセス性が飛躍的に向上する見込みです。

一方、神田と名の付くエリアは、南は大手町から日本橋川を越えた内神田から、北は湯島や御徒町に隣接する外神田まで、西は水道橋駅付近から東は浅草橋駅の西まで広がっています。大手町に隣接するエリアからは徒歩でも大手町にアクセスできますが、それ以外のエリアでも鉄道が縦横に走っており、大手町へは容易にアクセスできるはずです。

<大手町駅から主要駅へのアクセス時間>

・東京駅:約1分(電車)、約10分(徒歩)

・品川駅:約20分前後(電車)

・新宿駅:約20分前後(電車)

大手町駅周辺エリアの買い物・飲食店事情

日本橋三越本店 ※2025年6月撮影

日本橋三越本店 ※2025年6月撮影

神田駅や日本橋駅周辺には、充実した買い物環境と魅力的な飲食店が多くあります。神田駅周辺は、多くのビジネスパーソンに親しまれる「サラリーマンのまち」として、飲食店が軒を連ねています。一方で、日本橋エリアでは、伝統的な個人商店に加え、国の重要文化財に指定されている日本橋三越本店や日本橋高島屋といった百貨店が位置しており、歴史と現代が融合した独特の商業環境を形成しています。また、歩道幅が広く歩きやすいのも日本橋周辺エリアの特徴の一つです。

大手町自体はオフィス街のイメージが強いものの、その周辺エリアでは、多様な魅力を持つ街が隣接していることがお分かりいただけると思います。

大手町駅周辺の自然環境

都心のど真ん中でありながら、水・緑を感じられるスポットが数多く存在します。大手町駅周辺の自然環境を象徴する施設としては、「皇居東御苑」があります。ここは旧江戸城の本丸や二の丸、三の丸の一部を皇居附属庭園として1968年に整備・公開されたもので、見学可能な時間は限られていますが、豊かな皇居内の自然に触れることができます。

︎宮内庁、皇居東御苑公式ページ

また、大手町では、市街地再開発等に伴って整備された自然共生エリアがいつくか存在します。「大手町の森」や「TOKYO TORCH Park」などあります。

千代田区のエコスポット

TOKYO TORCH Park ※2025年6月撮影

大手町周辺エリアは、都心に位置しながらも、周辺環境との調和や人間中心のまちづくりが進められていることで、豊かな自然環境が広がる都市空間が創出されています。また、将来的には日本橋川に接するエリアでの市街地再開発事業や首都高の地下化に伴い「日本橋リバーウォーク」の誕生も予定されており、今後ますます自然との共生が叶うエリアへと進化していく見込みです。

【□関連リンク】︎首都高地下化で青空の戻る日本橋リバーウォーク誕生へ。水辺と街がつながる再開発が進行中

大手町周辺エリアの治安・防災情報

2024年の大手町周辺の町丁別犯罪認知件数 ※出典:犯罪認知件数:警視庁「令和6年 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」。町丁別境界:e-Stat。下図:国土地理院地図。

大手町周辺エリアでの刑法犯認知件数は、上図のようになっています。東京駅のある丸の内一丁目の年間認知件数は100件以上ですが、大手町二丁目地区は20件以下、大手町一丁目地区でも40〜60件程度に収まっています。日本橋のエリアに目を向けると、おおむね20〜80件以下に収まっています。ちなみに、上図において最も認知件数が多い丸の内一丁目地区では、千代田区内でも最も多く2024年では418件の認知件数です。

なお、犯罪の種別としては、2024年統計では、丸の内では万引き、詐欺、暴行の順に多く、日本橋エリアでは万引きが多い傾向となります。

大手町周辺の災害リスク(抜粋) ※出典:千代田区洪水ハザードマップ

大手町周辺エリアは、その地形的特性から低地に位置する部分が多く、エリアの大部分において洪水や高潮による浸水が想定されています。一部には浸水想定がないエリアも存在しますが、広範囲で水害リスクが指摘されているため、特に神田や日本橋エリアでの居住を検討される際には、災害リスクに関する情報を正確に把握しておくことが不可欠です。

専門的な視点からお伝えすると、浸水想定図には河川洪水、高潮浸水、内水(ないすい)浸水など、様々な種類の浸水被害が想定され、それぞれ個別に情報が整備されています。そのため、ハザードマップや浸水想定図をチェックする際には、ご自身が確認したい情報(例:居住予定地の河川氾濫リスク)と表示されている内容が一致しているか、注意深く確認するようにしてください。

︎参照:千代田区ハザードマップ

︎参照:中央区ハザードマップ

︎参照:不動産情報ライブラリ

大手町周辺の病院事情

大手町周辺は、大規模なオフィス街である特性から、そこで働く人たちを主な対象とした医療機関、特に診療所が充実しています。同様に、隣接する神田や日本橋エリアでも主に昼間のビジネスパーソンをサポートする医療施設が多数立地しているという特徴があります。また、住宅も多い日本橋周辺では子育てに不可欠な小児科なども多数あります。

加えて、日本橋エリアには「日本橋休日応急診療所」や「京橋休日応急診療所」が設けられています。このように、緊急時にも利用可能な医療機関が身近にあることは大きなメリットです。なお、千代田区内では、大手町に近い九段下などに休日応急診療所が設置されており、休日の急な体調不良にも対応できる体制が整っています。

千代田区「休日応急診療」

︎中央区「休日応急診療所・休日応急歯科診療所・休日応急薬局」

︎東京都、「救急医療機関」

大手町周辺の子育て環境

TOKYO TORCH常盤橋タワーの広場前に設置されている巨大赤べこ ※2025年6月撮影

大手町自体は主にオフィス街であるため、子育て環境が特に充実しているとは言えません。しかしながら、日本橋エリアや神田エリアに居住しつつ、皇居東御苑の豊かな自然環境や、丸の内・日本橋エリアの優れた買い物利便性を享受できるという点においては、大手町周辺エリアは子育てに適した地域であるといえます。区立小学校が日本橋や常盤橋、神田などにあり、都心ならではの環境や文化的な刺激を子育てに取り入れることが可能だと思います。大手町周辺エリアだからこそ体験できる、独自の豊かな子育て環境があるといえそうです。

︎中央区「子育て・教育」

︎千代田区「子育て応援ページ」

大手町周辺の家賃相場

<日本橋駅の家賃相場>

・1K:11.61万円

・1DK:16.94万円

<神田駅の家賃相場>

・ワンルーム:14.17万円

・1LDK:22.38万円

・2LDK:29.57万円

参照元:LIFULL HOME'S家賃相場(2025年7月4日時点)

大手町駅周辺エリアの市街地再開発

TOKYO TORCH 全体開業時外観イメージ ※出典: 三菱地所株式会社『東京駅前常盤橋プロジェクトの街区名称を「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」に決定』

TOKYO TORCH断面・平面イメージ ※出典: 三菱地所株式会社『東京駅前常盤橋プロジェクトの街区名称を「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」に決定』

建築工事中のTOKYO TORCH ※2025年6月撮影

現在、大手町においては「大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業」が進行中です。この市街地再開発事業において建築中の「Torch Tower」は、高さ約390m、地上62階、地下4階建てにおよぶ規模で、竣工予定の2028年には国内で最も高い建築物となる見込みです。用途としてはオフィス、ホテル、ホール、店舗などが計画されており、延べ面積は約54万m2という、圧倒的なスケールを誇る複合施設が大手町に誕生する予定です。

日本橋北側方面より日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業を撮影 ※2025年6月撮影

また、再開発事業地の北側は日本橋川と首都高日本橋区間に面しており、再開発に連動して首都高速道路の地下化工事も進められています。日本橋川沿いではほかにも複数の市街地再開発事業が進展中です。これらのプロジェクトの完成後には、大手町および日本橋エリアがさらなる進化を遂げ、世界的な注目を集めることになると考えられます。

日本橋と首都高 ※2025年6月撮影

日本橋の道路元標 ※2025年6月撮影

日本橋川。将来的に川沿いにリバーウォークの整備が予定されている ※2025年6月撮影

本稿では、大手町周辺エリアである神田・日本橋エリアの住みやすさについて紹介しました。大手町エリア自体はオフィス機能が中心ですが、江戸時代から続く歴史と伝統、皇居東御苑の豊かな自然、そして近年の市街地再開発事業によって新たに整備された豊かな緑地環境。これらに加えて、充実した商業環境が、このエリアの“住む場所”としての魅力を高めています。

近年の市街地再開発では、「ウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態。Well-being)」をテーマに、人間中心のまちづくりが注目されています。これは、従来の木造密集市街地等の解消や単なる街区の再編の目的にとどまらず、利用者が快適に活動するための視点に立った取り組みが積極的に進められていることを意味します。これにより、日本の中心地でありながらも、快適に暮らせる環境が整いつつあるのです。特に日本橋エリアでは、首都高の地下化工事が進行しており、2040年頃には日本橋の上空を覆っていた高架橋が撤去され、日本橋川沿いには快適な歩行者空間が整備される予定です。加えて、日本橋に接する大手町エリアでは、日本最高層の「Torch Tower」が2028年には完成する見込みです。

したがって、神田や日本橋エリアに暮らすと、日常生活の中でこれらの魅力的な施設の利便性を享受することが可能となります。現在でも高い居住ポテンシャルを備えた街ですが、ぜひ今後10年、20年先の暮らしをイメージしながら、大手町至近の神田・日本橋エリアへの居住を改めて検討してみてはいかがでしょうか。

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