古墳が点在し緑が豊かな堺市。千利休など歴史が深い一面を持ちながら、商業施設などもありさまざまな顔を併せ持っています。そんな堺市で、43年続くお店が「プノンペン」。こちらのメインのメニューは「プノンペンそば」1種類のみ。唯一無二と言われるこの味は、地元の方にはソウルフードとして長く続いてきました。
今回は、そんな「プノンペン」を営む初代店主の平野耕平さんと2代目店主の平野耕司さんへお話を聞きしました。「プノンペンそば」ってどんな料理?そもそもプノンペンって?
さまざまな疑問の答えとともに、お店と街について教えていただきます。大阪府の物件を探す

初代店主の平野耕平さん(左)と息子さんで2代目の平野耕司さん(右)

―「プノンペン」を創業して、今年で43年も経つのですね。

耕平さん:「もともとは中華料理店やったんです。会社員を3年くらい続けてたんやけど、これからは自分で商売をしようと思って始めたのが中華料理店でした。その時は住之江のほうでね」

―そうだったのですか。中華料理店時代に「プノンペンそば」を作るようになったんですか?

耕平さん:「そうやね。高校時代に食べた『仏印そば』というラーメンが忘れられなくて、あの味をもう一回再現してみたいというのが始まりでした。再現するのにね、3年もかかったんですよ」

―試行錯誤の末、生まれたメニューなんですね。

耕平さん:「そう、ようやく完成して、普通やったら飲食店はメニューを増やしていくと思うんやけど、うちは『プノンペンそば』以外、全部やめたの」

―勇気のいる決断ではないですか。

耕平さん:「これ一本で勝負しよか!っちゅうことや」

耕司さん:「中華料理店は、どの街にもあるやないですか。だから、うちだけにしかないものを作りたかったんですね」

―学生時代に食べた「仏印そば」というのは、どのような点が記憶に残っていたんでしょう?

耕平さん:「具材が、トマトとかセロリとか…いわゆるラーメンのイメージにないものが入っていて、衝撃だったんですね。おいしくて、何度も通ってました。うちも同じようにトマト、セロリ、杓子菜を使っているし、もう全然中華そばの概念はないわけ」

耕司さん:「最初の頃は『ラーメンちょうだい』って言われることも多くて、そのたびに『うちはそばしかないですよ』って言ってたみたいです」

誰にも真似できない、おいしいものを

―日本では今までなかった「プノンペンそば」ですが、お客さんの反応はどうでしたか?

耕平さん:「お客さんはね、最初は抵抗があった人も多かったよ。でもやっぱり僕としては、普通のラーメンよりも『プノンペンそば』のほうが絶対おいしい!という確信があったからね。食材も全て国産。それぞれ決まった地域のものです。杓子菜は日本ではほとんど作られてないから、自分たちで栽培しています。杓子菜は主張しすぎない味わいが良くて、これはやっぱり小松菜や他の青菜じゃだめやね。水も自分らで河内長野市の岩湧山へ汲みに行ってるんです」

思い出の味を再現するために、自分たちで栽培している杓子菜

―全てにこだわって作られているんですね。

耕平さん:「なんせ、うちはこれ一本やから。他の人が真似できないようなおいしいものを作らんとあかんでしょう」

「プノンペンそば」を作るために、通常の3倍の火力を出せるように特注したコンロ。それぞれの野菜の味わいを逃さないよう、強い火力でさっと炊くことが大切なのだそう

―めちゃくちゃおいしそうです!

「プノンペンそば」(1,210円)にヤキブタを追加(660円)。豚肉は鹿児島県産のもの、セロリは長野県と静岡県、トマトは熊本県、ニンニクは青森県、と、全て産地を訪ね選んでいる

耕平さん:「『プノンペンそば』と言えば、一度食べたらやめられん味。辛いので小学生以下はお断りしているんやけど」

あっさりしとした味わいの奥に、ニンニクの濃厚さやほど良い辛さがじわじわと広がる「プノンペンそば」。セロリのシャキッとした食感など、それぞれの具材の個性が感じられる

―中学生になったら食べられる、というのも、また大人に一歩近づいたような楽しさがありますね。

耕平さん:「そうかもしれんね(笑)。もう若い頃からずっと通ってて、現在は家族を連れてという人もおるよ」

耕司さん:「うちはほとんどクチコミでお客さんが来てくれるんです。一度来たら常連さんになってくれて、何世代にもわたってこられるという方が多いですね」

―お客さんは堺の方が多いんですか?

耕司さん:「堺の方も多いけれど、京都や神戸、和歌山から来てくださる方も多いですね」

耕平さん:「いろんな方が来てくれる。だから、うちは通し営業にしているの。お客さんにちゃんと応えられるようにしたいから」

耕司さん:「堺は、昔は何にもなかったんですよ。ここも昔は畑や空き地ばっかり。最近は駅前に飲食店がどんどんできて、新しい人も増えているように思います。そんな中で、うちは変わらず昔ながらの店として、味を守り、お店を開けつづけていきたいですね」

◆今回取材したお店

「プノンペン」

住所:大阪府堺市堺区中之町西3-2-33

電話:072-238-3287

営業時間:11:00〜19:00

定休日:第三水曜・毎週木曜休

「プノンペン」の最寄駅である南海電鉄堺駅は、駅付近に商業施設やコンサートホール、スタジアム、ホテルなどが建ち、住む人も訪れる人も便利な街。少し離れれば閑静な住宅街や緑あふれるエリアが広がり、どの世代も暮らしやすそうです。約10分で南海難波に出ることができ、想像以上に交通の便が良いのもポイント。関西空港へも特急を使えば約30分と、旅行や出張での移動にも便利です。

3LDKのように広々とした間取りでも、家賃相場は10.3万円と比較的安く、子育て世代も納得できる物件探しができるのではないでしょうか。

◆本記事の担当者

取材・文:小島知世 写真:沖本明

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公開日: