関西圏の方ならよく聞く話ですが、京都市内の移動はバスが多く、大阪市内は地下鉄が一般的。そんな大阪にも本数は京都ほど多くありませんが、バス移動が楽しいところがあります。
この記事では、あまり知られていない大阪市内のバスの魅力について、さまざまな系統に乗って降りて、その近隣にあるスポットなどを巡りながら、お伝えしていきます。
今回は、大阪駅前のバスターミナルから住吉車庫前行き、62系統に乗車。途中、中之島を横目に、大阪城、大阪歴史博物館、四天王寺、さらにあべのハルカスのある天王寺駅へと向かいます(見どころたくさんのため、2回に分けてお届けします)。大阪府の物件を探す
観光地を北から南へ。大阪・キタの中心地、大阪駅前から次々と出て行くバスの群れ

周辺を百貨店に囲まれる大阪駅前のバスターミナル。そのバスターミナルからは、北は摂津市付近、東は大東市、南は大和川駅、西は大阪港と大阪市内は元より周辺の市まで足を延ばせます。赤字解消を名目に本数が減った路線はあるものの、多い路線だと5分に1本走るものもあり、意外に便利ということをここでも気が付かされます。
そして、今回紹介する路線も乗ってみると意外に便利。地上を走ることも大きな要素ではあるけれど、なんといっても時間をかける分、街の持つムードや人々の生活スピードなどが垣間見えるのもいいところ。
では早速、乗車。62系統がまず向かうのは、梅田から南に向かって淀屋橋。大阪の大動脈と呼ばれる御堂筋上にある橋。江戸時代の豪商・淀屋が米市の利便性向上のために私財を使って建てたと言われ、町人が公共に投資するという大阪らしいエピソードもあり、この橋に思い入れの強い大阪人も多くいます。

淀屋橋を渡るとすぐ土佐堀通と交差します。ここで、御堂筋とは別れ土佐堀通を東に入ります。この土佐堀通沿いには、大阪と京都を結ぶ京阪電車が走っていて、乗り換えれば淀屋橋から京都に向かうこともできます。そして、土佐堀通の横を流れるのが土佐堀川。その川を挟んであるのが、大阪市役所、中之島公園などがある中之島です。その川に沿いながらさらに東に向かってバスは進みます。
そこからしばらくすると見えてくるのが、天満橋です。天満橋沿いには、八軒家浜と呼ばれる船着場があり、水都大阪を楽しむ観光船に乗ることができます。
そもそも、この八軒家浜は平安時代、渡辺の津と呼ばれ、大阪の水運と陸路をつなぐ場所でした。四天王寺や熊野古道へと向かう人々がこの浜で船を降り歩いたり、馬に乗り換えたりするそんな場所。今はこの天満橋から、観光船に乗り川から大阪の街を楽しむリバークルーズなどを楽しめます。乗合で決まったコースを楽しむ船もあれば、小さな舟を予約して好きなコースを巡ってもらうこともできます。



市民の憩いの場×観光名所 大阪城公園
天満橋を越え南北に延びる上町筋に差し掛かるとそこから南に下ります。大阪市内唯一の坂がここ、上町筋を中心とする上町台地です。南に下ると書きながらも、実際は、坂を上っていきます。
そして、その坂の中腹から左手に見えてくるのが大阪城の天守と大阪城公園。早朝には、ラジオ体操や太極拳をする人々、そして、ランナーにのんびり犬の散歩をする方々も多く、大阪に暮らす市民活動の一端が窺い知れるそんな場所です。
春になれば、先程の天満橋界隈同様に桜の名所としても知られ、秋には大阪市のシンボルツリーである銀杏が見頃に。また、夏の緑から黄色に変わるその季節は、公園内の道が真っ黄色になり、美しい限りです。
さらに、春と秋には、植木市と呼ばれる市場が立ち花や木々が販売されます。そんな大阪城公園の周辺には公共施設が多く、大阪府庁舎にNHK大阪放送局、大阪歴史博物館などが立ち並びます。中でも大阪歴史博物館では、大阪の街の歴史だけでなく、地形の変化や埋め立て前の大阪についても学べるので、お笑いと粉物以外の大阪を知る絶好のスポット。バスを降りて見学してみるのもおすすめです。



大阪城公園を後に上町筋を南下すると、会社やオフィスビル、公共施設といった風景から、あたりは住宅地へと変わっていきます。上町筋沿いにはずいぶん高層のマンションが増えましたが、少し入るとまだまだ古い街並みが残るエリアになります。
特に、長堀通りと呼ばれる東西を結ぶ道近辺から南には、昔からの居住者も多く商店街などがまだまだ活気にあふれています。その代表とも言えるのが、空堀商店街。坂にある商店街としても有名で、昭和初期にはここでデートをするのが人気になるほど賑わった商店街。近年、新たに飲食店などが多数入り、週末ともなれば、遠方からの観光客の姿も多数見受けられるようになっています。

ここまでの乗車でおよそ30分。名所が多いだけにのんびり観光気分でも乗れるのがこの路線のいいところです。生活路線としても観光路線としても利用しやすい62系統。1時間に3〜4便は走っていますので、途中下車して周辺を楽しんでもバスで十分巡ることができます。
それでは次回はこの先、いよいよ四天王寺、天王寺駅前の道をご案内します。
バスの使い勝手も乗り心地も良し
今回バスに乗って巡ったのは、大阪駅前から、上本町4丁目周辺と広いエリア。中でも住宅地が多い上本町1丁目から4丁目周辺にフォーカスすると、一戸建てもマンションも満遍なくあり、文教地区と言われる天王寺区には小学校も多く在校生徒数も近年増加傾向にあるそうです。
バスにはなかなか着目されない大阪市内ですが、上町筋を南北に観光地の景色を眺めながら、または生活を感じながら乗ってみるのも新しい大阪の発見につながるのではないでしょうか。
◆本記事の担当者
取材・文:松村貴樹
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