京阪本線の大阪・大和田駅を降り約5分。閑静な住宅街と小さなスナックが並ぶ通り沿いに現れる銭湯「みやの湯」は一度閉店をするも、2021年4月に営業を再開しました。もともと50年以上続く「みやの湯」が閉店を決めたところ、京都を軸に銭湯経営を行う「ゆとなみ社」が名乗りをあげ、引き継ぐことが決まったのです。
今回はそんな「みやの湯」の店主・太田大貴さんに、「みやの湯」の現在と銭湯のおもしろさについてお聞きしました。大阪府の物件を探す
修繕も自分たちで行う「ゆとなみ社」のDIYスタイル

―「みやの湯」の営業が再開してからもうすぐ2年が経ちます。太田さんはもともと銭湯好きだったんですか?
太田さん:「実は僕、最初は銭湯に特に興味がなかったんです。大学生の頃、卒業したらアメリカに行こうと思っていたのですがコロナ禍だったので難しくて。じゃあ就活をしようかと思ったんですが、特別入りたい会社も見つからず…これからどうしようか?と悩んでいた時に、銭湯にでも行ってみようかなと思いたって。銭湯に行くなんて子どもの頃以来だったけれど、一人でお湯に浸かりながら考えるうちに、『そうだ!銭湯やったらいいんちゃう?』とひらめきました。その時はまだ『ゆとなみ社』の存在も代表の湊三次郎さんのことも知らなかったので、他にやっている人がいないだろうしやってみたいっていう軽い気持ちでした」
―そういう流れだったんですね。久しぶりに銭湯に行ってみて、どんなところが良かったですか?
太田さん:「まず、電子機器がさわれないこと。物理的に遮断される空間って、今の時代、他にはほとんどないと思うので。日常の娯楽の一つとして、もっと銭湯を広められたらいいのになと思いました。そしていつかアメリカで銭湯やったろう!って」
―アメリカで銭湯という発想は、なんだかカルチャーとして可能性がありそうな感じがしておもしろそうですね。その後、「ゆとなみ社」と出会ったんですね?
太田さん:「銭湯について調べたらすぐに『サウナの梅湯』や『ゆとなみ社』の情報が出てきて、ちょうど『みやの湯』を引き継ぐから人を募集していたので。湊さんに『いつかアメリカで銭湯をやりたいと思っていて、そのためにここで働きたい』と長文のダイレクトメッセージを送りました。いきなり(笑)。その後、興味を持ってもらえて、働けることになったんです」


―もともとあまり通っていなかったという銭湯ですが、実際に携わってみてどうでしょう?
太田さん:「僕はもともと古着や古いものが好きなので、銭湯のボイラーなど機械に一番魅力を感じているかもしれません。昔から使われているものが今もこうやって残っていることにロマンを感じるというか。『ゆとなみ社』は自分たちでボイラーや配管などの修繕をすることが多いので、メカニックな部分に携われることも楽しいです。あと『ゆとなみ社』はメンバーそれぞれが自分の好きなものを持っていて、それと銭湯をうまくつなげているように感じていて、そこがいいなと思っています。僕自身は古いものが好きというところから、SNS用の写真をすべてフィルムカメラで撮ってみたり。個人的な興味や個性を広報的な面で生かし、『みやの湯』に取り入れていきたいなと考えています」


工夫で生まれた人柄と土地柄が、銭湯の存続の要
―「ゆとなみ社」が「みやの湯」を引き継いでから、お客さんの層は変わりましたか?
太田さん:「サウナのドラマや漫画が流行ったこともあって、最近20代の方がよく来てくれているように思います。常連さんからも、若い子が増えたねと言われるように。ただ『みやの湯』の周りはスナックなどのお店が多く、若者がやっているような飲食店やアパレルなど、立ち寄れるお店がないんですよね。だからそういう拠り所になる場所を作っていきたいなと思っています。『みやの湯』でも駐車場やロビーを使って不定期でイベントを開催していて、これまで縁日やコーヒー店の出店、イラストレーターによる似顔絵出店などを企画してきました。香川の高松にある『雲雀理髪店』に来てもらって出張散髪をしてもらったこともあります」


―銭湯だけでない広がりがあるんですね。ちなみに、銭湯同士何かつながりはあるんですか?
太田さん:「最近は、大阪の銭湯組合と京阪電車、牛乳石鹸共進社、BEAMSが共同で企画した銭湯スタンプラリー『銭湯のススメ WEST』という企画があって、そこには153軒の銭湯が参加しています」

―大阪府内に153軒も銭湯があるんですね。
太田さん:「はい。でも現実問題として、銭湯は減少し続けているので、若いお客さんをどんどん呼んでこなければならないですね」
―そんな若い方々に、今後銭湯をどのように楽しんでもらいたいですか?
太田さん:「最近はサウナがあるかどうかが、その銭湯に行くかどうかの基準になってしまっているように思うので、サウナだけでなくもっと銭湯の良さを見つけて欲しいですね。もっと広い視野で見てもらえたら」
―改めて銭湯の良さとは、どういうものでしょう?
太田さん:「それは決まった答えはなくて、たとえば番台のおばちゃんがめっちゃ優しいとか、ドリンクの品揃えがおもしろいとか…具体的なお風呂についてというよりも、その銭湯で働く人やお客さんの人柄や土地柄が見えてくるようなことなのかなと思います。もちろんやっている僕らも、その銭湯らしさをアピールしていくことが必要なのですが。自分にとってその銭湯の好きなところはどんなところなのか?それを自ら見つけていくことが、一つの銭湯の楽しみ方なんじゃないかなと思います」


―浴室の「みやの湯新聞」などもいいですよね。
太田さん:「これは『ゆとなみ社』系列の銭湯はみんな作っているんです。それぞれが交代制で好きなことを書いています。銭湯はお客さんと話すタイミングがあまりないんですが、この新聞があることでお客さんから話しかけてくれることも多いです」
―この一つの新聞が、その銭湯を好きな理由につながることもありそうですね。

◆今回取材したお店
「みやの湯」
住所:大阪府門真市宮野町13−10
電話:070-8419-1126
営業時間:14:00〜24:30
定休日:火曜休
インスタグラム:@miyanoyu_kadoma
Twitter:@miyanoyu_kadoma
若者の拠点となるような銭湯がある街・大和田
京阪本線に位置する大和田駅は、淀屋橋駅まで約20分。淀屋橋や梅田などキタの中心地で働く方は通いやすいエリアです。
家賃相場は2DKで4万円台もあり、ファミリー層にもおすすめの街。
大学があるものの街中は閑静な住宅街なので、穏やかに過ごせる環境でしょう。ぜひ物件を探してみてはいかがでしょうか。
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◆本記事の担当者
取材・文:小島知世 写真:沖本明
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