いい街にはいい書店があるというのが、本当かはわからないけれど、いい書店がいい影響を街に与えるのは確かなことでしょう。それは、本はさまざまな知識や知恵を与えてくれるものと同時に、いい書店はそれをうまく人と結びつけてくれているから。このコーナーではそんな大阪の書店とその店から見える界隈の様子をご紹介します。大阪府の物件を探す
子どもの頃から本に触れ合う、街の書店としての役割

大阪の中でも有数の活気ある商店街、駒川商店街。その商店街の路地裏にあるのが「本のお店スタントン(以下:スタントン)」です。店主の田中利裕さんは、「スタントン」を始める前、心斎橋にもお店を構える書店「アセンス」の針中野店に勤めていました。初めは心斎橋店でアルバイトとして、その後社員になり、針中野店の店長が抜けるということで針中野に。それから約10年務めましたが、2018年9月にすべての「アセンス」が閉店することとなります。そこで、「この地域に書店を残さねば」という気持ちが沸き上がりスタントンを2018年11月23日にオープンすることになったのです。
田中さん:「この街の人たちとお話会をしたり、親子に向けた本の取り組みなどをしたりして、顔馴染みになっていたこともあって、ここから本屋がなくなるのは、と思ったんです」
できるだけ、その近くということ、閉まる日からそれほど遠くない、そんなスケジュールで物件を探していたところ、偶然にも好立地に物件が見つかったのがこちらの場所でした。
田中さん:「こういう場所にあることと目的がさっきお伝えした通りなので、いわゆる街の本屋、この地域のニーズに応えるというところを強く意識して、外からのお客さんのことはそれほど考えてはいなかったです」
とはいえ、オープンして4年、「スタントン」はさまざまなメディアでも取り上げられ、いわゆる街の本屋というよりも個人経営の独立系書店という認識が広がっているようにも。
田中さん:「ギャラリーもあるので、遠方からきてくださる人も増えました。楽しんでもらえるように品揃えも工夫したりはしていますが、1時間程度みて貰えば十分、商品は見渡せますので、お店を出た後も楽しんでもらえるようにと、商店街のおすすめの場所などをお伝えしています。たとえうちで本を買わなくても、近隣の店舗で楽しい思い出を持って帰ってもらう。そうすることでまたこの街に来てもらえる。そういうことを思ってやっています」
「スタントン」の商品は、新刊と古本がおおよそ半分ずつ。店舗前にも古本が並び、楽しい時間が過ごせます。また、絵本が中心で子どもの頃から本に親しんでもらって、これから先も欠かせない存在になってほしい、と店主・田中さんは言います。
貸し本棚にさまざまな人たちのセレクトした本も並ぶ

「スタントン」の特徴は、店主の街への想いやラインアップだけではありません。大阪市阿倍野区にあるミツバチの巣のように棚を複数人でシェアする「みつばち古書部(居留守文庫)」が棚を作っています。
田中さん:「オープンの時に『みつばち古書部(居留守文庫)』の方々に、お手伝いいただきました。当初は、最初だけのつもりだったのですが、この棚を目当てに来てくださる皆さんもいらっしゃって、今ではこんなにたくさんの方々に棚を借りていただいています」
人の書棚を眺めるのは、人の心の中を覗き見るようで楽しい。書店が店主の理想だとするとそこに違う人の気持ちが、入り込むのもなかなかおもしろいと感じられます。そして、もうひとつ、忘れてはならないのが、ギャラリー。作品集「90歳セツの新聞ちぎり絵(里山社)」の著者・木村セツさんの作品展をしたところ、かなりの賑わいが、10月には、台湾発のコミック「緑の歌(KADOKAWA)」の展示も行い盛況のうちに終了。クリスマスシーズンには馴染みのイラストレーターの展示を企画しているそうです。
<街を楽しむための1冊>

「視点の対比」で楽しむ街
田中さん:「『大阪』は、大阪を出て東京に行かれた柴崎友香さんと大阪に来られた岸雅彦さんによる本なのですが、同じ大阪をみているのに、違う視点でその違いがおもしろいのと同時に、私は柴崎さんが見ていた大阪がすごくしっくりきて、それは登場する建物とか、場所など自分も同じようにみてきたところに共感を覚えたからだと思います」
さまざまな視点があるということは、捉えられる、楽しめる要素もさまざまとも言えるように思います。街、例えば、今回の駒川商店街と一口に言っても、裏路地が気になる人もいれば、スーパーマーケットの野菜の値段に着目する人、働く人の顔、商店の前で蚤の市を開く姿、と注目ポイントは多数。活気のあるメインストリート、裏路地からあなたの注目ポイントを探すのも楽しいはずです。

◆今回取材したお店
「本のお店スタントン」
住所:大阪府大阪市東住吉区駒川5-14-13
電話:06-6694-5268
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜、第1・3月曜休
Twitter:@BooksStanton
商店街の賑わいで安心して暮らせる駅
「本のお店スタントン」のある針中野駅には、もう1つの最寄駅、駒川中野駅前から続く駒川中野商店街があります。約500メートルの賑わいある商店街で、大阪の中でも知られる商店街の1つ。
周りには住宅が広がり、住みやすい住環境。天王寺の繁華街へも電車で10分もかからず到着できるので、ファミリーにも一人暮らしにも最適。
針中野駅周辺に興味を持った方は、ぜひ物件情報を探してみてくださいね。
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◆本記事の担当者
取材・文:松村貴樹 写真:大塚杏子
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