情緒あふれる昔ながらの街並み。「下町」というと、東京では浅草や日本橋といったエリアを思い浮かべる方も多いでしょう。

それでは、「横浜の下町」と聞くとどこの街が思い浮かびますか? 縁あって、私は大学進学と共に横浜へやってきて、社会人として横浜市内の企業で働き、合計4つの区で過ごしました。南区の物件を探す

地方から引越してきたばかりの私にとって、横浜のイメージといえば”キラキラしたみなとみらい”や”港町の開放的な風景”。

それから7年ほど住んだ中で、横浜は洗練された街や海だけでなく、歴史を感じる場所や素朴でのどかな景色などたくさんの魅力があることに気付かされました。

過ごした数々のエリアの中で今でもよく思い出すのが、粋な下町”南区”エリアでの暮らしです。

今回は、そんな横浜の下町の温かな魅力やおすすめポイントについてご紹介します。

横浜といえば、まず頭に浮かぶのは「みなとみらいエリア」、という人も多いのではないでしょうか。 何度訪れても胸が高鳴る、私も大好きな景色です。

しかし海に面しているのは横浜市のほんの一部。人口370万人以上の大都市・横浜は、一歩踏み入れば活気ある商店街や個人店、住宅地など人々の暮らしの場所が広がっています。

横浜の下町を定義する

下町といえば、浅草のように”活気と人情味がある街”をイメージしますが、横浜の下町とはどこにあるのでしょうか?

横浜には18もの区があり、昔ながらの商店街も点在していますが、今回取り上げる下町は”南区”周辺のエリア。地理的には「横浜ランドマークタワー」、「横浜中華街」、「山下公園」といった観光地がある西区や中区といった横浜の中心地から南西方向へ進むと、南区が広がっています。

そもそも下町とは、高台の住宅エリア”山の手”との対比で、海や川にほど近い低地や商人気質の気取らない雰囲気の土地を指す言葉。横浜にも、旧外国人居住地として有名な山手エリアがあります。山手から海側に下ると山下公園のある”山下”町、大岡川に向かって西方向へ下ると”下町”エリアである南区にたどり着きます。

山下町の付近は「山下公園」や「大桟橋」、「横浜中華街」もある、言わずと知れた横浜の観光エリア。一方で南区は商店街や人情味あるお祭りがあり、下町のイメージにぴったりです。

横浜の下町”南区”の概要

南区には下町と呼ぶにふさわしい、活気ある商店街や個人店が残る温かい地域。坂の多い横浜らしく7つの丘に囲われ、区の中心には大岡川が流れます。大岡川沿いは横浜随一の桜の名所、お花見シーズンはたくさんの人でにぎわいます。

横浜らしい海沿いの景色まではすぐ足を延ばすことができますが、高層ビルが立ち並ぶエリアから離れているので、ゆったりとした空気感が漂います。南区は西区に次いで面積が小さい一方で、住宅エリアが大部分を占め、横浜にある18区のうち最も人口密度が高い地域。区民の日常生活を支える大きな商店街が2つあり、毎日活気で満ちています。

交通網は鎌倉街道、鉄道2路線、市内移動に便利な路線バスと、日常生活には申し分ないほど整っています。実際に私は南区吉野町に住み、中区日本大通にあるオフィスへは横浜市営バスで通勤、出張の日には京急線や横浜市営地下鉄…と便利に使い分けをしていました。

南区では、便利ながら落ち着いた横浜生活を送ることができます。道ゆく人も老若男女幅広く、公園では子どもたちが楽しそうに遊ぶのもよく見かけました。

横浜の下町”南区”の歴史

南区には横浜最古のお寺「弘明寺」をはじめ、歴史を感じるスポットも点在します。弘明寺は区内の地名や京急線と横浜市営地下鉄の駅名になるほど親しまれる存在です。その歴史は奈良時代まで遡り、横浜の変遷を見守ってきました。

横浜が都市として発展するきっかけといえば、1859年の横浜港開港。港エリアから一歩内陸に位置する南区周辺も、文明開化の波を受けて近代化が進みました。南区一帯は関東大震災や大戦中の空襲により甚大な被害を受けたそうですが、復興の中で区画整理され現在の街並みの原型が作られました。

南区の区としての成り立ちは少し複雑です。1927年に横浜市が区制施行した当初、南区自体は存在せず中区の一部でした。第二次世界大戦中の1943年に中区から分離し南区が誕生。1960年代の団地ブームで人口が急増したことにより、1969年には区内の南側が港南区として分離しました。その後、都市基盤の整備が進み1980年代には概ね開発が終わりました。

2016年には南区役所が新庁舎に移転、新しく綺麗な庁舎が20万人いる区民の生活を支えます。私も新庁舎でスムーズに手続きをすませ、気持ちよく新生活をスタートすることができました。

南区に住んで分かった魅力は、都市と自然と人情を味わう「横浜のいいとこ取り生活」が送れることです。横浜中心部へすぐにアクセスできる利便性がありながら、普段の生活は下町のほっとする雰囲気の中で過ごすことができます。

ここからは南区暮らしで分かった魅力と、注意が必要なことをご紹介します。

何度見ても飽きない大岡川の桜

南区での暮らしで最も印象に残っているのは、大岡川の桜です。川に覆いかぶさるように咲き乱れる桜と川のコントラストが感動的! 横浜で桜を見るなら大岡川は外せません。

桜のシーズンには屋台も出て桜まつりが開催され、春の香りとともにお祭りムードを楽しめます。桜まつり中は夜にライトアップされ、昼夜それぞれの魅力があります。私は、休日はもちろん、会社帰りにも何度お花見したか分からないほど通いつめました。南区に住むと、春の訪れが何倍も楽しみになりますよ。

川沿いは「大岡川プロムナード」として遊歩道が整備されていて、普段のお散歩にもぴったり。犬の散歩やジョギングをする人も多くいるほか、SUPやボートを見かけることもあります。橋のデザイン、川沿いの小さなお店、ゆるやかなアップダウン、ランドマークタワーの頭が見えるスポットなど、歩く度に小さな発見が楽しいコースです。

進化を続ける粋な商店街がパワースポット

南区には個人経営の小さなお店やお寺など、街歩きが楽しめるスポットがたくさんあります。

中でも南区を語る上で欠かせないのは、昭和初期から今まで賑わい続ける2つの商店街、「横浜橋通商店街」と「弘明寺かんのん通り商店街」です。

横浜橋通商店街は130ものお店が立ち並び、90年以上も続く横浜随一の歴史ある商店街。桂歌丸師匠が通った商店街としても知られています。韓国・中国食材店をはじめエスニックなお店も軒を連ね、キムチや珍しい野菜、お惣菜も手に入るグルメ好きにはうれしいスポット。開港都市の横浜らしい、多様な文化が日常生活へ溶け込んでいく様子を感じます。

施設名:横浜橋通商店街

所在地:〒232-0022 横浜市南区高根町1-4

アクセス:横浜市営地下鉄ブルーライン「阪東橋駅」徒歩2分/「伊勢佐木長者町駅」徒歩6分/「関内駅」徒歩15分

京浜急行電鉄「黄金町駅」徒歩7分/「日の出町駅」徒歩10分

JR根岸線「関内駅」徒歩15分

横浜最古のお寺、「弘明寺」の前に続くアーケードには「弘明寺かんのん通り商店街」が広がっています。弘明寺商店街はテレビCMやロケで利用されることもあり、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

全国には縮小する商店街もある中、「弘明寺かんのん通り商店街」は2001年にアーケードを延長するほどの活気に溢れています。懐かしい雰囲気がありながらも、ハロウィンイベントなど時代のニーズも取り入れる魅力ある商店街です。

忙しい日々に疲れたとき、商店街を訪れると少しだけ元気を分けてもらえるような感覚になります。たくさんあるお店を少しずつ覗いて、自宅でも職場でもない”ほっとする場所”を見つけてみてはいかがでしょうか。

施設名:弘明寺かんのん通り商店街

所在地:〒232-0067 横浜市南区弘明寺町134

アクセス:京浜急行電鉄「弘明寺駅」徒歩3分

横浜市営地下鉄ブルーライン「弘明寺駅」徒歩0分

横浜屈指のお祭りで人情味ある風景に出合う

南区では桜まつりや盆踊りといった季節の行事や、活気溢れるお祭りが盛んに行われています。大都市の横浜で、祭囃子・屋台・御神輿といった人情味溢れる街の風景に出合い新鮮な気持ちになりました。

南区が誇る、市内でも有名なお祭り2つをご紹介します。

1つ目は、「お三の宮日枝神社」で9月中旬に盛大に開催される”お三の宮秋祭り”。大小40基もの御神輿が周辺地域を練り歩き、市内でも指折りの規模を誇ります。露店が並び、演芸大会や園児たちの作品展といった催し物も行われる地域に根付いたお祭りです。

施設名:お三の宮日枝神社

所在地:〒232-0013 横浜市南区山王町5-32

アクセス:横浜市営地下鉄ブルーライン「吉野町駅」徒歩3分

京浜急行電鉄「南太田駅」徒歩5分

2つ目は、横浜橋通商店街近くに鎮座する「金刀比羅大鷲神社」で毎年11月の酉の日に開催される”酉の市”です。商売繁盛を祈願するお祭りとして知られ、運をかき集める縁起物の熊手を求め、神奈川県下から多くの人が訪れます。私が働いていた会社でも酉の市の熊手がオフィスに飾られており、上司から酉の市の賑わいについて教えてもらいました。

施設名:金刀比羅大鷲神社

所在地:〒232-0021 横浜市南区真金町1-3

アクセス:横浜市営地下ブルーライン「阪東橋駅」徒歩5分

このように、南区では歴史ある神社やお寺があるおかげか、伝統行事やお祭りに触れる機会も多いように感じました。お祭りは都会暮らしでは忘れがちな地域や季節との結びつきを思い出させ、日常生活に潤いをもたらしてくれます。

都内へのアクセスは大変な場合もあるので注意

ご紹介してきたように、南区での暮らしは魅力に溢れていますが、実際に住むには利用できる鉄道路線が限られることに注意が必要です。南区内には、京浜急行電鉄と横浜市営地下鉄ブルーラインの鉄道駅があります。

京浜急行電鉄

・黄金町駅

・南太田駅

・井土ヶ谷駅

・弘明寺駅

横浜市営地下鉄ブルーライン

・吉野町駅

・蒔田駅

・弘明寺駅

南区に停車する2路線は、横浜市内や川崎方面への移動こそ便利なものの、都内へのアクセスは場所によってはイマイチな場合もあります。

例えば、京浜急行電鉄は品川駅へのアクセスは便利なものの、東京駅や渋谷駅へ行くならJRや東急電鉄の方が便利なため、横浜駅などで乗り換えが必要です。

贅沢な悩みですが、交通網が発達している横浜だからこそ、都内へのアクセスを重視するならライフスタイルに合わせてJRや東急電鉄沿いエリアもチェックした方がいいでしょう。

横浜市営地下鉄や路線バスは市内移動にとても便利なため、南区は生活の中心を横浜に置く人にはぴったりです。キラキラした横浜からちょっとディープで人情味溢れる横浜まで、とことん楽しむことができますよ。

横浜の下町暮らし、南区内でおすすめのエリアを2つご紹介します。

ファミリーなら弘明寺駅周辺エリア

ファミリーにおすすめなのは、弘明寺駅付近のエリアです。鉄道が2路線利用できる上に商店街もある弘明寺駅周辺は、腰を据えて暮らすのにぴったり。温かい街の雰囲気も心が惹かれるポイントです。

京浜急行電鉄弘明寺駅から6路線乗り入れる横浜駅へは、京急エアポート急行に乗れば約9分で到着します。家族のライフステージによって通学・通勤先が変わることを考えると、京浜急行電鉄と横浜市営地下鉄の2路線使える点は心強いです。

「弘明寺かんのん通り商店街」はもちろん、隣駅は商業施設が多くある上大岡駅のため、日常生活の買い物に困ることもありません。

一人暮らしなら黄金町駅周辺エリア

単身で少し費用を抑えてのんびり横浜暮らしをするなら、黄金町駅周辺エリアがおすすめです。

歓楽街が近く、一昔前まではお世辞にも治安はあまりいいとはいえないエリアでした。しかし最近では”アートによるまちづくり”など、街全体の印象を変える試みが実施されています。

みなとみらいや野毛エリアに気軽に繰り出せる好立地が魅力です。大岡川沿いには単身向けマンションもあるので、ベランダからお花見ができる物件が見つかるかもしれません。

黄金町と聞くと、市内に住む人から「危なくないの?」と聞かれることがあったのも事実です。私は黄金町駅も利用していましたが、静かな住宅エリアの駅という印象で不安を感じたことはありません。しかし、通りによっては夜の人気が少ないこともあるため、事前に下見をすることをおすすめします。

横浜の下町である南区の魅力と、住む上でのポイントをご紹介しました。南区は歴史、商店街、桜など毎日を彩ってくれる温かい街です。電車やバスに乗れば横浜駅やみなとみらいにもすぐにアクセスでき、横浜生活を楽しむことができます。

横浜市に住むのなら、南区でのほっとした暮らしも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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