日本を代表する観光地「浅草」。1年を通して様々な行事で賑わう浅草は、いつも多くの人で賑わっています。
当編集部が調査した「友だちと散歩するのにお勧めの街ランキング」では、見事1位になった浅草。今回は、その浅草の魅力を紐解きに、実際に歩いてきました。
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東京最古の庶民信仰のお寺「浅草寺」。中世以降に、源頼朝や足利尊氏らの寄進で浅草寺の領域が拡大し、江戸時代には、徳川家康によって幕府の祈願所と定められて庇護を受け、さらに拡大していきました。明治時代には、雷門前に鉄道馬車が、仲見世はレンガ造りの洋風建築が建ち並んでいたそうです。

 

庶民信仰のお寺として昔から多くの人に親しまれてきた浅草寺ですが、関東大震災と東京大空襲でほとんどの建物は焼失しました。歴史に「もしも」はありませんが、「もしも」浅草の仲見世が洋風建築のまま残っていれば、現代の仲見世の雰囲気とはずいぶん違ったものになっていたでしょう。

 

洋風建築の仲見世…見てみたいですね

洋風建築の仲見世…見てみたいですね

1月の初詣から12月の歳の市と除夜の鐘まで、1年中行事がある浅草寺ですが、そもそも日本を代表する観光地として有名な浅草は、行事の有無に関わらず、1年を通して混雑しています。
初詣の混雑も相当なもので、年明けに発表される参拝者ランキング等では、いつも上位に入っています。初詣なので、混雑にイライラせず、ゆったりとした気持ちで待ちましょう。

 

観光スポットとして有名な浅草寺は、行事に関係なくいつも混雑しています

観光スポットとして有名な浅草寺は、行事に関係なくいつも混雑しています

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関東大震災と東京大空襲の2度の大火を逃れ、今も浅草に残るのは「伝法院」「浅草寺二天門」「浅草神社」です。
徳川将軍が御膳所としてつかった伝法院は、当時、大名でも拝観できない秘庭だったそう。現代では、浅草寺によって期間限定で一般公開される年もあります。
浅草寺二天門は、1649年頃の建築と考えられている重要文化財です。重厚感があり、黒みがかった赤色の塗装が目をひきます。
「三社祭」で知られる浅草神社も、1649年に完成したものが現代に残っている貴重な重要文化財。長押上部に描かれた極彩色の霊獣は1994~1995年に塗り直されたものです。

 

初詣などで浅草寺を訪れたら、少し足を伸ばして二天門や浅草神社を訪ねてみてはどうでしょうか。大火を逃れた建築物から当時の様子を想像して見学するのは、ひと味違った観光になりそうです。

 

伝法院は一般開放されていませんが、伝法院に隣接した「伝法院通」は誰でも通行可能。道幅が広く、両脇に並ぶお店を見て回るのが楽しい

伝法院は一般開放されていませんが、伝法院に隣接した「伝法院通」は誰でも通行可能。道幅が広く、両脇に並ぶお店を見て回るのが楽しい

行事によって浅草寺の近くに出る屋台も楽しみのひとつ。取材時は、羽子板市が開催されていて、多くの屋台が出ていました。いろんな食事を少しずつ楽しめるのは屋台の醍醐味。家族や友だちとわいわい楽しみましょう。

 

何を食べようか、選ぶのが楽しい屋台

何を食べようか、選ぶのが楽しい屋台

 

取材時は羽子板市が開催されていました。多くの人出で大賑わい

取材時は羽子板市が開催されていました。多くの人出で大賑わい

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1853年に植物園「花屋敷」が開園したのが、現在の「花やしき」のはじまり。日本で最古と言われる花やしきのはじまりが、植物園だったとは意外です。
浅草寺に参拝した後に、花やしきまで足を伸ばす人は多く、特に年始は混み合うようです。子どもが乗れる遊具も多いため、家族連れで賑わっています。
また、日本に現存する最古の日本製ローラーコースターがあることでも知られていて、絶叫マシンのような刺激は無いけれど、ノスタルジックな雰囲気につかるのにはぴったりの場所。植物園の名残りなのか、花の多い園内でのんびりするのも良さそうです。

 

花やしきのスペースショットからは、絶叫が聞こえてきました

花やしきのスペースショットからは、絶叫が聞こえてきました

浅草の食といえば、天丼・うなぎ・どじょう・牛鍋などの和食が有名ですが、街を歩くとよく見かけるのが洋食店と純喫茶。洋食店と純喫茶が多い理由は判然としませんが、江戸時代に仲見世に茶屋が誕生したり、関東大震災前まで開催されていた浅草オペラによって、浅草界隈に大衆文化が開花したのが、その理由のひとつかもしれません。

 

ボリューム満点の浅草の洋食店のランチと純喫茶のコーヒー・紅茶。どちらも、サラリーマンから観光客まで、多くの人で賑わっていました

ボリューム満点の浅草の洋食店のランチと純喫茶のコーヒー・紅茶。どちらも、サラリーマンから観光客まで、多くの人で賑わっていました

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浅草の街を歩いていると、どこを歩いているのかわからないほど、多くの通りがあることに気が付きます。浅草寺をぐるりと囲む国際通り・雷門通り・馬車通り・言問通りという大きな4つの通りがあり、その中の観光地と住宅街を縫うように観音通り・たぬき通り・オレンジ通りなどがあります。どの通りにも特徴がありますが、この日歩いたのは六区ブロードウェイ。

 

浅草ROXのある通りは、道幅が広くて歩きやすい。観光客とスーパーで買い物をする地元の人が混ざる雑多な通り

浅草ROXのある通りは、道幅が広くて歩きやすい。観光客とスーパーで買い物をする地元の人が混ざる雑多な通り

 

大正から昭和時代に発展した浅草六区は、浅草では比較的新しいエリア。商業施設「浅草ROX」や、2015年12月にオープンした「まるごとにっぽん」など、お買いものスポットが点在する通りです。
1964年に開場した寄席「浅草演芸ホール」もこの通りにあり、毎日、落語や漫才を楽しめます。通りに貼り出した演者を見て、ふらっと寄席に入っていく地元の方も見ました。お買いものではなく、寄席で一笑いする…浅草ならではの、ちょっと粋な遊び方です。

 

寄席の呼び込みも、浅草の風物詩のひとつ。気軽に落語や漫才に親しむ環境があります

寄席の呼び込みも、浅草の風物詩のひとつ。気軽に落語や漫才に親しむ環境があります

 

特に名前がついていない路地裏も面白いのが浅草。地元の人が通うようなスナックやバーがあったり、民家から犬の鳴き声が聞こえてきたりします。
取材日(2016年12月中旬)には、お正月の門松を用意する人や、来年のカレンダーを配り歩く地元企業の方を見たりと、観光地の中に、しっかりと暮らしが根付いているのを感じる一幕がありました。

 

通りを1本入れば、渋い路地裏。浅草は散歩していて飽きない街です

通りを1本入れば、渋い路地裏。浅草は散歩していて飽きない街です

浅草らしい夕食なら、昼間からのんべえが集まって盛り上がる「ホッピー通り」がおすすめ。もつ煮込みで有名な店が多く、各店の呼び込みも名物のひとつです。
昼間からお酒を飲む怠惰な雰囲気があり、観光客も地元の人も気取りなく楽しめるのがホッピー通りの良いところ。席が近いので、隣の人と自然な会話があったりします。

 

浅草寺を中心に庶民信仰と大衆文化が混ざり合い、独特の雰囲気が受け継がれてきた浅草。誰でも受け入れてくれそうな懐の深さを感じるのは、地元の自分たちも楽しむという精神が根付いているから…? 混雑必至ですが、こんな雰囲気を感じに、年始に浅草へ遊びに行くのはいかがですか?

 

どの店に入ろうか迷う…ホッピー通りには、たくさんの煮込み料理店があります

どの店に入ろうか迷う…ホッピー通りには、たくさんの煮込み料理店があります

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更新日: / 公開日:2016.12.31