定期借家とは？

定期借家とは、契約期間があらかじめ定められている賃貸契約のことを指します。

一般的な普通借家契約とは異なり、契約期間が終了すると自動的に契約が終了するのが特徴です。更新は行われないため、引き続き入居を続けるためには再契約を結ぶ必要があります。

このとき、貸し手は再契約を拒絶することができるため、普通借家契約よりも貸し手の権利を守る意味合いが強いといえます。

国土交通省の調査によれば、2020年度に三大都市圏で行われた賃貸借契約のうち、95.5％が普通借家契約とされており、定期借家契約が用いられるケースはまれです。

定期借家契約が用いられる理由

定期借家契約が用いられるシチュエーションはある程度限られています。

たとえば、以下のようなケースで用いられることが多いです。

・建物の取り壊しが予定されている古い物件

・貸し手自身がいずれは住みたいと考えている物件

・貸し手が賃料の滞納や近隣トラブルを避けたいと考える場合

ほかにも、貸し手が万が一のトラブルを避けるために、いつでも再契約を断れるようにしておきたい場合も考えられます。このケースであれば、マナーを守って入居する限り、再契約の交渉が通る可能性もあります。

そのため、再契約をして長く住みたい場合には、どんな理由で定期借家契約が利用されているのか理解しておきましょう。

定期借家契約の物件はどんな人におすすめ？

定期借家契約が向いているのは以下のようなケースです。

・短期間だけ住みたい人

・家賃や初期費用を抑えたい人

・引越しが多い人

・一人暮らしの人

更新ができないため、短期間だけ住みたい人に向いている契約方法といえるでしょう。

また、定期借家契約は、普通借家契約よりも借主の負担が大きいため、その分相場よりも家賃が安く設定されている場合があります。

普段から引越しが多く荷物が少ない人、一人暮らしで移動の負担が少ない人などにも向いているでしょう。

定期借家契約の中途解約は可能？

定期借家契約の注意点として「中途解約」が認められにくいという特徴があります。普通借家契約とは違い、途中での解約は原則として認められていないため、場合によっては違約金が発生することもあるのです。

ただ、転勤や療養、親族の介護など、やむを得ない事情がある場合は解約が認められるケースもあります。契約を結ぶ際には、事前に入居期間を明確にしたうえで中途解約の条件や手続きについてしっかりと確認しておくことが重要です。

家賃はいくらが理想？ 家賃の決め方のポイント

家賃の目安は、収入や生活スタイルによって異なります。家賃を決める際に最も大切なことは、家賃を支払っても生活に余裕があることです。

家賃を高めに設定してしまうと、収入によっては生活が圧迫され、余裕がない状態でやりくりをしなければいけません。生活に支障をきたさないように、まずは年収から家賃に割ける金額を算出しましょう。

賃貸の場合では、年収の20％～25％を目安に考え、高めに設定するとしても年収の30％を上限としておくと、家賃を支払ってもゆとりのある生活が送れるでしょう。

家賃を決める際には、ほかの生活費や貯蓄、将来の計画を考慮し、無理のない範囲で設定することが大切です。また、物件の立地や設備、周辺環境も考慮して、総合的に判断することが求められます。

定期借家契約の家賃交渉はできる？

定期借家契約でも、家賃交渉は可能です。入居中の交渉は難しいものの、新規契約の時点であれば、交渉によって家賃を減額してもらえる可能性があります。

ただ、無理な家賃交渉によって、契約を断られるリスクもあるため、あくまでもお願いをするといったスタンスを崩さず、交渉の際には礼儀正しく、具体的な理由を示すことがポイントです。

物件のオーナーや不動産会社との信頼関係を築くことが、交渉を成功させるカギとなります。

一人暮らしの初期費用はいくらかかる？

一人暮らしの初期費用は、物件の家賃や敷金、礼金、仲介手数料などによって大きく異なります。一般的には、家賃の4～6ヶ月分が目安とされています。

そのほかにも、家具や家電の購入費用、引越し費用なども考慮する必要があります。初期費用を抑えるためには、家賃を抑え、敷金や礼金が少ない物件を選ぶことが有効です。

一人暮らしにかかる1ヶ月の費用はどれくらい？

一人暮らしにかかる1ヶ月の費用は、家賃のほかに光熱費や食費、通信費、娯楽費などが含まれます。

総務省統計局が公表している「家計調査報告〔家計収支編〕2021年(令和3年)平均結果の概要」によれば、住居費を除いた単身世帯（全年齢）の生活費の平均額は13万2,813円となっています。

住居費以外の支出イメージを固めて、毎月捻出できる家賃を逆算してみるといいでしょう。

無理のない範囲で予算を設定することが大切です。予想外の出費にも対応できるように、余裕を持った予算を組むことをおすすめします。

一人暮らしをするときの年間費用はいくら？

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定期借家物件を選ぶ際には、自分のライフスタイルや将来の計画を考慮して物件を見つけることが大切です。

この記事が、快適な住まい探しの参考になれば幸いです。