ローコスト住宅は本当に安い?施主支給やDIYを取り入れたハーフビルド住宅に実際に住んで分かったメリット・デメリット、後悔しないための注意点を体験談ベースで中立的に解説します。
わが家にとってのローコスト住宅とは?

当初の住宅ローンシミュレーション「毎月の支払額は8万円以下」
わが家のローコスト住宅の定義は、アパートに住んでいた頃の家賃「月8万円以下」で建てられる家であることです。
当時、住宅ローンをシミュレーションして3,000万円(35年固定金利、ボーナス払いなし)を上限とした記憶があります。
家の本体価格は1,000万円台前半
わが家が住みたいエリアの土地相場を考えると、家にかけられる予算は2,000万円程度。そうなると、家の本体価格は1,000万円台前半。
というわけで、ローコスト住宅をウリにしているハウスメーカーを見学するところから家づくりが開始しました。
土地探しはネットと自転車で徹底!最終的に予算内で土地確保!
それと同時に土地探しも開始。土地代が家の予算に直結するわが家にとって、土地探しはかなり重要でした。
ネットでの土地探しはもちろん、不動産会社巡りや自治体の売却土地情報のチェック、さらに時間を見つけては自転車で路地裏まで探し回ったりもしました。
そして、ちょっと狭くて不便な土地ではありましたが、ひとまず予算内で土地の確保に成功しました。
ハーフビルドとの出会い
ハウスメーカー選びに悩んでいるある日、「ハーフビルド」という家づくりの方法があることを知ります。それは、施主が家づくりに参加して、予算を抑えつつ自分たちの希望する家を建てるという方法でした。
わが家はDIYに興味があったので、まさに願ったりかなったりの方法でした。そこから、施主支給やDIYができるハウスメーカーを選ぶことにしました。
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施主支給、DIYができるビルダー探し
ハウスメーカーは規格化制約が強く断念
そうは決まったものの、施主支給やDIYが自由にできるハウスメーカーを探すのはたやすいことではありませんでした。
わが家の予算だと、どうしても規格住宅(仕様がほとんど決まっている住宅)になってしまうからです。ハーフビルドはおろか、わが家が希望している北欧デザインさえ、かなえるのは難しそうな状況でした。
標準仕様を変えると予算オーバー
具体的には、希望のひとつだった2階リビングに変更すると、配管の追加や設計料で50万円アップ、リビングにロフトを追加すると100万円アップといった具合です。
施主支給やDIYもかなり制限されているところもありました。いろいろ回りましたが、最終的にはハウスメーカーでのローコスト住宅は断念し、地元の工務店や建築士事務所も当たってみることにしました。
自由度の高い建築士事務所の分離発注方式を採用
しかし、やはりわが家の予算では、工務店もハウスメーカーと同じように標準仕様が基本です。「もはやこれまでか…」と諦めかけていたとき、近くで見学会を開催していた建築士事務所と出合いました。
その建築士事務所は分離発注方式という契約方法を採用していて、自由設計はもちろん、施主支給やDIYもすべて自由、ハーフビルドも可能で、建築費用は施主次第というものでした。
マネジメント費用として250万円がかかるのですが、ハーフビルドでコスト削減のチャンスにかけて契約を決めました。
限られた空間を最大限活用する工夫
33坪の総二階建て

その建築士事務所で完成した2階部分の図面がこちら。1,000万円台前半の予算をクリアするために、総二階建てで延床面積33坪が限界ということでした。
一見、狭くて面白みにかけるシンプルな間取りに見えるかもしれませんが、いろいろローコスト化のアイデアが詰め込まれていますので、いくつか紹介します。
勾配天井で開放感を演出

こちらがわが家の2階リビングの写真です。勾配天井を採用して、狭くても開放的で明るい空間が実現できました。
勾配天井は施工費や光熱費の面ではデメリットですが、それ以上に理想どおりの空間にできたことへの満足度の方が高いです。
階段上スペースも有効活用
図面だとちょっと分かりにくいですが、階段の右端の上部は吹き抜けにせず、半畳の収納スペースにしました。この半畳の収納がとても重要で、あるのとないのとでは、かなり生活が変わっていたと思います。
屋根裏を活用

収納スペースが少ない2階ですが、天井裏をロフトにしてデッドスペースを有効活用することにしました。ちなみに、ロフトは建築士事務所だとハウスメーカーに比べて、かなり安い金額でつくることができました。
徹底した廊下の排除
また、図面を見ると分かりますが、2階には廊下がほぼありません。リビングからすべての部屋にアクセスできるようにすることで無駄な空間を排除し、居住空間を広げるように設計してもらいました。
浴室とトイレは洗面所からアクセス
トイレも廊下を減らすために、洗面所からアクセスするようにしました。
最近は、洗面所と脱衣所を分ける間取りが人気ですし、わが家でも悩んだところだったのですが、1階にトイレがあることやお客さんが来ているときにお風呂に入ることはないということもあり、今のところ、この間取りでも問題なく生活できています。
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北欧風の外観とコスト工夫
窓で外観とコストを一緒にコントロール

窓は家のなかでもコストがかかる部分です。わが家は外観を北欧風デザインにするために、既製品の縦すべり出し窓を2つ使って、開き窓にすることにしました。
できれば、本物の開き窓を採用したいところでしたが、予算的に難しかったので見た目を工夫することでよしとしました。思ったとおりになるか心配な点はありましたが、完成してみると想像以上によい出来で満足しています。
屋根や外壁にもローコスト化の一工夫
屋根や外壁にもローコスト対策を取り入れています。
屋根材は、ローコストのハウスメーカーでよく採用されているアメリカ製の安くて強度のあるものを採用したり、外壁は2階だけガルバリウムにして、1階は一番安いサイディングを採用したりするなどしてコストを削減しました。
実践!DIYでコスト削減&満足度アップ
DIYはローコスト化のために始めたのですが、家族で家づくりに参加して思い出がつくれたり、職人さんたちと仲良くなって信頼関係が築けたり、大きなメリットもありました。いくつか紹介したいと思います。
ナチュラルな雰囲気にするためしっくい風の塗り壁

内壁はしっくい風の塗り壁DIYをしました。
職人に頼むと、大きな金額になる塗り壁ですが、材料自体はそこまで高くないので自分たちで施工することで壁紙とそこまで変わらない金額で、塗り壁の家に住むことができるようになりました。
YouTubeで勉強してタイル貼り

キッチンや洗面所は、タイル貼りDIYをしています。ちょっとDIYとしては難易度は上がりますが、初心者の私たちでも問題なく貼ることができました。
タイルも材料自体はとても安いので、施主支給してDIYすると安く仕上げられます。このサブウェイタイルもかなりお気に入りです。ちなみに、DIYの方法は本やYouTubeで学びました。
安価な集成材とオイルペインティング

カウンターや手すりには本物の木を採用したかったので、安価な集成材を採用しました。
ワトコ(WATCO)オイルをDIYペインティングで仕上げています。こういうテイストが好きな人には、お値段以上の仕上がりになるのでおすすめです。
カーテンの取り付けは簡単
カーテンの取り付けはよくあるDIYですが、裏板さえ入れてもらえば、誰でも取り付けることができると思います。地味ですが、こういうところも自分でやることでコストを抑えることができます。
外構もDIY
外構は100万円単位で費用がかかる部分なので、予算オーバーになりがちなところです。
わが家は、見た目こそプロには及びませんが、固まる土やレンガ敷設、フェンス設置、物置設置などをDIYしてコスト削減してきました。今後も植栽を増やしつつ、楽しみながら手を加えていきたいと思っています。
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施主支給で実現した設備と質の向上
ローコスト化にかかせないのが施主支給。わが家は家中の物を施主支給して、コストを削減してきました。主なものを紹介します。
高額になりがちなキッチンまわりの設備

ローコスト住宅だとキッチンまわりが廉価グレードになったり、おしゃれなメーカーの製品が自由に選べなかったりします。
しかし、わが家の建築士事務所では、安いI型キッチンを採用して、ガスコンロやグースネック水栓、レンジフードを施主支給することができました。これはさすが建築士事務所と驚きました。
担当者が取り扱ったことがない商品は自分たちで調達

北欧風住宅にするために、アメリカンスイッチや輸入ドア、輸入タイルを採用したいと思っていたのですが、担当者や工務店が取り扱ったことがない商品も多くありました。
こういう商品は基本的にこちらで調べて施主支給しました。ただ、たまに個人では購入不可の商品もあるので、そういう場合だけ担当者に購入依頼をするようにしました。
ハーフビルドを選んでよかった点
毎月の支払いが安い
一番は当初の目標どおり、アパート暮らしの頃と同じくらいの支払いで一戸建て生活が送られていることです。生活の質が一戸建ての方が圧倒的に高いのは、言うまでもありません。
DIYで好み通りに調整可能
DIYは不安も多かった挑戦でしたが、やってみると意外と簡単なものもあり、しかも自分たちでいろいろ微調整できるのがよかったです。今後も補修を自分でできるのもいいところです。
施主支給で性能アップ
わが家はタイルやスイッチなど、ありとあらゆるものを施主支給にしてきました。これらをハウスメーカーで実現していたら大幅に予算オーバーしていました。
同じ予算で性能がグレードアップできたのは、やはり施主支給のおかげだと思っています。
断熱・快適性は満足レベル
予算の関係上、断熱や耐震、換気システムにはそこまで予算をかけられませんでした。しかし、エアコンが効きやすかったり、台風がきても静かだったりと、生活そのものは快適に感じています。
今の時代、ローコスト住宅でも最低限の快適さは得られるということを実感しています。
建築士や大工、職人たちと信頼関係が築けた
家中をDIYしたことで、建築士や大工をはじめ、水道工事や電気工事の職人さんたちと一緒に作業する機会が多かったです。
電気屋さんとはスイッチやコンセントの位置を一緒に決めたり、水道屋さんとは洗濯機の水道の位置や雨水マスの位置の調整をしたりなど、普通なら施主では関与できない細かな部分まで家づくりに携わることができました。
今後何かトラブルがあったときも、職人さんと信頼関係が築けているのは、とても大きな安心材料です。
自分たちでつくった愛着が湧く家
DIYで家づくりに参加してきて、自分たちで家をつくった経験やいろいろな出来事が強く記憶に残りました。
ハーフビルドによる家づくりは、家族でつくった愛着が湧く家という、お金では買えない大事なものを手に入れたという思いが強いです。
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ハーフビルドで大変だった点

DIYは非常に時間がかかる
DIYは非常に時間がかかります。調査から設計、建築士との打ち合わせ、施工方法の勉強、材料や道具の購入、養生から施工、仕上げまですべて自分たちでやらなくてはなりません。
時には仕事終わりに、真っ暗な家の中で懐中電灯をつけて壁を塗る日もありました。ある程度、時間が確保できないと、いつまでたっても完成しないリスクがあることを実感しました。
素人仕上げが目立つ箇所も
しょせん素人なので、仕上げがプロにはかなうわけがありません。そのため、細部が雑だったり、補修が必要だったりと、ある程度素人感を受け入れて生活する必要があります。
特に、塗り壁は、プロと素人の差が分かりやすいといわれています。ただし、素人が出す味のある仕上げは、プロには出せないそうです。
施主支給・DIY部分の保証が弱い
DIY、施主支給の最大のデメリットは、ビルダーの保証がないところです。施主支給したコンロが壊れても、塗り壁にヒビが入っても、ビルダー側に一切責任はありません。
わが家は、今のところ大きなトラブルは発生していませんが、何かあったときは自分でやるしかないという心構えで過ごしています。
ローコスト住宅の家づくりで振り返り・後悔しないためのアドバイス
見た目も予算も満足
ハーフビルドで家を建てて5年たちましたが、住み心地がよく、見た目が理想どおりの家で日々過ごせることは本当に幸せです。
あのときハウスメーカーを選んでいたら、今の家は実現していなかったと思うと、建築士事務所を選んで本当によかったと思っています。
もし当時の自分にアドバイスするなら
とはいえ、建築士事務所でハーフビルドで建てるのは、なかなかハードルが高いものです。
なので、施主支給やDIYをしたい場合は、住んでいるエリアで「施主支給」「DIY」「ハーフビルド」などのキーワードで実績があるビルダーを探して、担当者と実際に話をしてみるのが最善の策だと思います。
わが家のように、いろいろなことを自分たちでやりたい場合は、ハーフビルドが得意な建築士事務所もおすすめです。この記事がローコスト住宅を検討されている人の何かのヒントになれば幸いです。
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更新日: / 公開日:2022.08.12










