「実家が古くなってきて住みにくい…」「今住んでいる家の老朽化が気になる…」そんな人にとって悩ましいのが、家を「建て替え」るのか、「リフォーム」するのかだと思います。 そこで今回の記事では、住まいの窓口のハウジングアドバイザーに建て替えとリフォームどちらがよいか、見極めるポイントを教えてもらいました。
実家の建て替えとリフォームで迷う、男性Kさんを例に解説します。
無料で住まいの窓口に相談する住まいの窓口とはリフォームVS建て替え講座建て替え相談が得意な会社を探す

※写真はイメージです※
◎37歳男性、Kさん◎
首都圏在住。数年前にシニア向け住宅に移り住んだ両親から木造2階建ての自身の実家を受け継ぎ、妻と11歳、9歳の子どもの4人で住んでいる。築32年、家の老朽化が目立つようになってきた。建て替えも検討しているが、子どもの進学が控えていることもあり、リフォームで済むならリフォームでもいいかも?いやこれからも住み続けるなら建て替え? と迷っている。
建て替えVS.リフォーム ポイントは「あと何年住むつもりか」
―建て替えとリフォームをどちらがおすすめかを知りたいのですが、人によっても違いがあると思います。まず、Kさんの場合を教えてください。
家の建て替えかリフォームかを検討するときにポイントとなるのが、今の家にあとどれくらい住むつもりなのかです。
木造住宅は、40~50年くらいで建て替えや住み替えを検討される方がほとんど。鉄筋コンクリート(RC)造のマンションなどと比べると居住可能な期間は長くありません。
もちろんリフォームをしてそれ以上長く住むこともできますが、リフォームはメンテナンスの面が大きく、「住み続ける」ことを考えると不向きです。
Kさんの築32年のご自宅であれば、住むのはあと10~20年程度が現実的なところ。つまり、そのあとの生活をどうしたいかで、建て替えとリフォームのどちらがよいかは変わってきます。
もし夫婦の終の住処として、またお子さんが成人して家を出た後も帰ってくるご実家としたいのなら、あと20年以上は住むと考えられるので建て替えがおすすめです。
Kさんは「これからも住み続けるなら」とおっしゃっているので、Kさんの場合は建て替えのほうが合っているのではないでしょうか。
一方で、Kさんのご両親のように、ご夫婦二人になったらシニア向け住宅、コンパクトなマンションなどに住み替えをする、または地方や海外への移住を考えているなどであれば、気になるところをリフォームで直すのがよいと思います。
住まいの窓口に相談する リフォームVS建て替え講座 建て替え相談が得意な会社を探す
建て替えVS.リフォーム 「費用」を抑えられるのはどちら?

―住む期間が短期的か長期的かがポイントなんですね。一方で、お子さんの進学を控えたKさんは費用を気にしています。建て替えとリフォームの費用について教えてください。
建て替えとリフォーム、どちらも規模により価格に差は出てきますが、リフォームの場合、
- 水回りなど部分的なリフォームなら300万~500万円程度
- 間取りの変更なども伴うフルリフォーム、フルリノベーションであれば1,000万円程度
かかるのが一般的です。
一方で、建て替えとなると、
- 建て替え費用で2000万円前後(平均的な延床30-35坪程度の住宅の場合)
- 解体費用で200万~500万円程度(木造か鉄骨で大きく異なる)
かかります。
家の建て替えでは、リフォームではかからない諸費用や解体費用などもかかりますし、仮住まいをする必要もあるので、その分費用がかさみます(仮住まいは大がかりなリフォームでも必要な場合があります)。 そのため、予算自体はリフォームのほうが抑えられます。
なお、仮住まいは、リフォーム会社や大手メーカーが不動産会社やマンスリーマンションと連携して用意している場合が多く、そこで手配してもらえることがほとんどです。
ただ、建て替えもリフォームも、それぞれローンを組めますし、助成金なども利用できます。
- 10~20年住むためのリフォーム費用 1000万円程度
- 30~50年住むための建築費用2000万円程度
上記の金額が最終的に支払えるかどうかの検討は必要ですが、あくまで先にお伝えした「あと何年住むつもりか」を基に考えるのが賢明です。
一番避けたいのは、とりあえずリフォームをしたけれど、結局数年後に建て替えになるケース。結果的にリフォームの費用と建て替えの費用が両方かかってしまいます。最初から建て替えを選択したほうが金銭的にも時間的にもロスを減らせたのに…という結果になりかねませんので、注意しましょう。
「再建築不可」と「耐震性」にも要注目!

―そのほか、建て替えかリフォームかを考えるときのポイントはありますか?
建て替えの場合、そもそも実施できない土地があることにも注意が必要です。「再建築不可」と呼ばれる物件があり、具体的には、
- 接している道路が建築基準法を満たしていない
- 建築基準法上の道路に接していない
- 建築基準法上の道路に2m以上接していない
などが該当します。 この場合、法的に建て替えができませんので、リフォームかリノベーションを選択せざるを得ないことを覚えておきましょう。
あとは、昨今頻発している地震への対策ですね。 Kさんのご自宅のような築32年の物件なら該当しませんが、1981年6月以前に建てられた物件は、「旧耐震基準」適用となります。耐震リフォームなどもできますが、耐震性はそれ以降に建てられたものと比べるとどうしても低いです。
耐震性の面に限らずですが、住宅性能は日々進歩していますので、より高い性能を求めるのであれば建て替えのほうが向いているといえます。

住まいの窓口に相談する リフォームVS建て替え講座 建て替え相談が得意な会社を探す
建て替えかリフォームか。ライフプランから考えてみよう

―建て替えかリフォームか悩んでいる人へのアドバイスをお願いします。
今回の家の建て替えかリフォームかに限らずですが、住宅購入はライフプランを考えることと密接に関わります。家族として10年後、20年後にどう暮らしたいかを考えてみてください。そうすると、自分たちに何が必要かが見えてくると思います。
何が必要かまで見えてこない…という方は、私たちが運営する無料の住宅購入相談サービス「住まいの窓口」に相談していただくのもおすすめです。
自分たちのライフプランや将来像はご自身で描いていただく必要がありますが、それに合った住宅の選び方や建築会社・不動産会社のご提案ができます。ぜひ気軽に利用してみてください。
※本記事は2022年7月に住まいの窓口noteに掲載された内容です
住まいの窓口に相談する リフォームVS建て替え講座 建て替え相談が得意な会社を探す
公開日:










