「赤ちゃんとの暮らしには和室があった方がいい」
皆さんはそのような話を聞いたことがありませんか?
結婚や出産を機に家探しをする場合、アクセス重視の立地だけでなく、子育てしやすい間取りや空間を意識する人も多いのではないでしょうか。
その場合、「和室のある家を選ぶべきか、なくても良いのか」とても悩むポイントだと思います。
実際に和室のある家で子育てをした私が感じる、「和室のメリット・デメリット」、デメリットを解消してくれるおすすめのアイテムをご紹介します。
和室のある家を選ぶメリット

実際に和室のある家で子育てをしてみて感じるメリットは以下の通りです。
・床が冷たくない
・キッズスペースにしやすい
・産後すぐの寝室スペースに適している
ゴロゴロしてもハイハイしても、床が冷たくないので安心
0歳児は寝返りでどこまでも行ってしまうゴロゴロ期から始まり、ずり這いやハイハイなど、赤ちゃんが床と接する場面というのは意外と多いです。
そんなとき、和室であれば床が冷たくなることもないので、安心して遊ばせることができました。
またクッション性があるので、赤ちゃんの手足に優しいところもポイントです。
どうしても冬場のフローリングは冷えやすく、「カーペットの上だけ」など赤ちゃんの動く範囲に制限をかけてしまいがち。
しかし、和室であれば制限することもなく、こどものしたいように成長を見守ることができた点も親としてはうれしかったです。
赤ちゃん期は足の裏で体温調節をするため、冬場も家の中では靴下をはかないことがほとんど。
歩き始めても靴下をはくと滑りやすく、家の中ではほとんどはだしで過ごすため、和室は赤ちゃん期を過ぎても活躍しています。
音が響きにくい畳はキッズスペースにしやすい
赤ちゃん期が終わった今、和室はキッズスペースに。
畳は防音性に優れているので、やはり同じように走り回ってもフローリングと音の響きが全然違います。
ここには絵本やブロックなど、子どもが好きなおもちゃを置いているので、基本的には和室で遊ぶことが定番に。
多少騒いでも、近隣への騒音を気にするストレスがないことや子どもを怒る回数が減ることは、育児をするうえで大きなメリットだなと感じています。
ベビー布団で産後すぐの寝室スペースに
和室を選ぶメリットは何といっても床が柔らかいこと。
わが家はスペースを取られてしまうこと、嫌がって使わなかったときのことを考え、ベビーベッドではなくベビー布団を購入しました。
また、産後すぐは頻繁に授乳やオムツ交換が必要で、深夜に何度も私と赤ちゃんは目を覚ますため、毎日仕事へ行く夫とは寝室を分けていたのです。
しばらく私と赤ちゃんは一番キッチンへの動線が良いリビングに布団を敷いて寝ていたのですが、産後の疲れも合間って肩と腰がバキバキに。
いくら敷布団があるとはいえ、やはりフローリングに布団を敷いて寝るのは体がつらく、すぐに和室へと移動しました。
生後3ヵ月ごろまで和室で寝る生活が続いたのですが、この時ばかりは和室のありがたさを強く感じました。
赤ちゃんの昼寝だけならともかく、夜に何時間も大人が寝ることを考えるとやはり和室のある家にしてよかったです。
い草の香りのリラックス効果
和室というと、畳の香りを思い出す方も多いのではないでしょうか。
畳の原材料である「い草」には、フィトンチッド・ジヒドロアクチニジオリド・α-シペロン・バニリンなどの芳香成分が含まれています。これらの成分には、リフレッシュ効果や鎮静作用、リラックス効果があるといわれています。
そのため、畳の部屋には心を落ち着けて集中したり、寝つきをよくしたりする作用を期待できるのです。
調湿効果
畳に使われているい草は、天然のエアコンともいわれています。い草には水分の吸湿効果や発散作用があり、室内の湿度を調整してくれるのです。
そのため、湿気の多い夏は和室にいると涼しく感じられ、寝苦しさを緩和してくれます。
なお、この調湿効果は、い草を使用した畳の場合に発揮されるものになります。後に紹介しているポリプロピレン樹脂等で作られた畳では調湿効果を感じることはできないのでご注意ください。
傷をつけてしまった場合でも?
子どものいる家庭では、床を傷つけてしまうこともあります。そのようなときも、和室であればフローリングよりも張り替えの対処がしやすく、メリットを感じられるでしょう。
畳はフローリングと違って複数枚を組み合わせて一つの空間を作っています。そのため、万が一傷をつけてしまっても、その部分だけを新しくすることができるのです。
和室のデメリットは汚れたときの処理

ここまで私の感じる和室のメリットを述べてきましたが、デメリットに感じている部分もあります。
それは「汚れ」への対処。
赤ちゃんと暮らすとなると、大人だけでの生活では考えられなかったような想像以上の汚れが頻繁に発生します。
<汚れが発生しやすい例>
・オムツ交換
・よだれ
・吐き戻し
・いたずら
これらは毎日、しかも唐突に発生するのが恐ろしいところ。
オムツ交換1つにしても、産後すぐのうんちはゆるく、きっとどの親も1度は飛ばされた経験があるはず。
特に男の子はおしっこを頻繁に飛ばされるため、それを防ぐために苦労したお父さんお母さんも多いのではないでしょうか。
また、わが家の場合、吐き戻しが生後7ヵ月まで続いていたり、保湿クリームを倒されてベタベタになったりと、ギョッとする出来事が頻繁に起こっていました。
フローリングであれば拭けば済むことも、畳となればそういうわけにもいかないため、汚れに対して気を使う部分が多いことはデメリットといえるでしょう。
汚れないための対策、方法
畳はフローリングよりも汚れやすい素材です。そのため、ジュースをこぼしてしまうとシミになってしまい、汚れを落とすのが難しいというデメリットがあります。
様々な掃除方法を試すこともできますが、自分で落としきれないこともあります。そのようなときには、専門の会社に掃除を依頼しましょう。
汚さないための対策としては、ポリプロピレン樹脂を使った畳を利用するのがおすすめです。ポリプロピレン樹脂の畳は、い草に比べて耐久性に優れており、汚れにも強いという特徴をもっています。
汚れてしまったときの対処法、掃除法
畳が汚れてしまったときは、畳の目に沿って掃除をするように心がけてください。
食べ物や飲み物をこぼしてしまったときは、塩を使って掃除をするのがおすすめです。
塩には臭いやぬめりを落とす効果や、抗菌作用があります。い草は水に弱く変色させてしまう原因となりますが、塩を使えばい草を傷めずに汚れを落とすことが可能です。
ジュースなどをこぼしてしまった場合は、すぐにタオルやキッチンペーパーなどでふき取り、汚れた部分に塩をかけてください。塩が湿りだしたら、歯ブラシやスポンジを使って、畳の目に沿ってこするように拭いていきましょう。
その後、掃除機で塩を除去して雑巾で拭いたら完了です。
賃貸の場合、畳を汚してしまうと、敷金から引かれてしまうのか?
基本的に畳の表替えに関しては、貸し主負担が原則です。そのため、賃貸でも畳の汚れは貸し主が負担することがほとんどで、敷金からは引かれません。
しかし、あくまでも基本的な決まりであるため、故意に汚している場合は敷金から引かれるでしょう。経年劣化として認められない、もしくは通常では考えにくい損耗となる使い方には注意が必要です。
フローリングのみの家を選ぶメリット

一方で「気に入った物件に和室がない」「フローリングのみの今の自宅をカスタマイズしたい」という方もいらっしゃるでしょう。
ここまで和室のメリットを述べてきましたが、和室のない家は赤ちゃんとの暮らしに適していないのか、というとそうとも言い切れません。
例えば、夫婦の寝室にベビーベッドを置く場合、床が硬くて眠れないという問題は発生しませんよね。
逆に、ベビーベッドのような重たいものを和室に置くと、畳に跡がついてしまいます。
フローリングスペースを有効活用できるという考え方も正解ではないでしょうか。
床の防音性や保温性など和室ならではの魅力もたくさんありますが、「クッションフロアシート」などを活用すれば、フローリングでも同じようなメリットを手に入れることはできます。
もし「気に入った物件に和室がない」「フローリングのみの今の自宅をカスタマイズしたい」という場合は、カスタマイズアイテムを使いながら赤ちゃんとの快適な暮らしを作ってみてはいかがでしょうか。
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最近の和室事情
近年、畳のある賃貸マンションが人気を集めています。リビングと隣接した省スペースの和室を備えた物件も増えており、和室ありの物件を専門に扱っている会社も出てきています。
メインの寝室として和室を利用する場合は、6畳程度のある程度の広さがおすすめですが、おしゃれな部屋のアクセントとして利用したい場合には4.5畳程度のサイズがおすすめです。こぢんまりとした広さでありながら、お部屋に和の雰囲気を与えることができます。
昔ながらの「純和室」という雰囲気の物件は、年々少なくなってきています。襖ではなく建具を使用している物件や、天井に壁紙で和の雰囲気を演出している物件も多いです。
また、現代の生活になじむスタイリッシュな和室や、モダンな雰囲気を演出してくれる「黒」の畳を利用した和室が、デザイン性を重視する人に人気です。
結論!リビングと隣接している和室がベスト

もしこれから和室のある家探しをするのであれば「リビングと隣接している和室」であることをおすすめします。
なぜなら多くの時間を過ごすリビングとひと続きで使うことによって活用スペースが広くなり、家事動線も短縮することができるから。
子どもが小さいうちは、お昼寝中やおもちゃで遊んでいる間に家事を済ませることも多いです。
しかし、せっかく和室をキッズスペースとして設けても、キッチンやリビングから目の届かない位置にあると心配で放っておけないですよね。
その点、メインスペースであるリビングと隣接していると、子どもに目を配りながら家事ができるため、安心感が違います。
また家事動線が短縮されることで無駄な動きが減り、毎日の生活をスムーズにしてくれるところもポイントです。
ちなみに和室が独立している場合、客間として使うのであれば「リビングが見えない」というメリットがあります。
しかし、今まさに子育てをしている30代の私たち夫婦は、和室を客間として利用することはありません。
なぜなら友人が来てもリビングで話しますし、頻繁に誰かが泊まりに来ることもないからです。
ひと昔前は「和室は特別なときに使う場所」という位置付けでしたが、今は「リビングと隣接し、和室を有効活用する」という考え方が主流になっています。
もし和室のある住まいを探すのであれば、ぜひ配置にも注意してチェックしてみてください。
置き畳という手もある
置き畳とは、別名ユニット畳とも呼ばれており、部屋の好きな場所に置きたい分だけ置けるのが特徴の畳です。フローリングがメインの物件でも、置き畳をセットすることで簡単に和室へと生まれ変わります。
置き畳は色やデザイン、素材などの選択肢が多く、自分好みの和の空間を演出できます。置き畳を活用することで、物件探しの際も和室にこだわる必要がなくなるので、部屋選びの幅を狭めずに探せますよ。
置き畳のメリット
置き畳のメリットは、好きなデザインや色などを選択できるため、空間を自由に演出できるところにあります。
また、い草の置き畳を子ども部屋に使うことで、心を落ち着かせて集中するという香りの効果を期待できるところも、メリットといえるでしょう。
置き畳のデメリット
メリットの多い置き畳ですが、デメリットとしてはフローリングとの相性の悪さが挙げられます。
すべてのフローリングと相性が悪い訳ではありませんが、置き畳の滑り止め効果が得られず、動いてしまう場合には注意が必要です。
子どもがいる家庭では、走り回った際に置き畳がずれてしまい、ケガをしてしまう可能性もありますので、注意してください。
【まとめ】和室のメリットを子育てに取り入れよう

実際に和室のある自宅で子育てをしてみると、思った以上にメリットと感じる部分が多くありました。
特に防音性と保温性は赤ちゃん期のみならず、こどもが3歳になった今も役に立っている部分が大きいです。
一方で、そのメリットさえしっかりと把握していれば、洋室のみの住まいでも和室のメリットを取り入れられるため、必須条件ではないことも新たな発見でした。
これから赤ちゃんを迎えるにあたり、不安要素や戸惑うことも多いかと思いますが、住まいの環境次第で解決することもたくさんあります。
成長に合わせてその都度話し合い、家族にとってよりベストな選択をしていきましょう。
家族で快適な賃貸暮らしにおすすめ
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