子どもが生まれてから夫の転勤と転職が続いたわが家は、子どもたちが未就学児のときに2度引越しを経験しています。今振り返ってみると、「もう少しこうしておけば、もっと楽に引越しができていたのに」「この部分はもっと手を抜いてもよかった」など、反省することもたくさんありました。
この記事では、わが家の失敗談から学んだこと、引越し準備の際にやっておいてよかったことなどを、具体的にお伝えしていきます。これから子連れで引越しをされる方は、ぜひご自身ならどうするかをイメージしながら読んでいただきたいです。
子連れ引越しはここが大変!
物件選びに不動産会社とのやり取り、荷造りや役所関係の手続きなど、引越しはやることが山積みです。子連れでの引越しとなると、さらに気を配らないといけないことが増えます。
ここでは、実際にわが家で起こって大変だった出来事をご紹介します。
大変だったこと(1)子どもたちが友人と離れるのを寂しがる
幼稚園や保育園で過ごす子どもたちにとって、引越しによる環境の変化はとても大きいです。「お友達と離れたくない」「引越ししたくない」と思うのは当然の反応といえるでしょう。
引越し当日は、何かと忙しいので予定どおりに進めたいものですが、子ども同士を無理に離すことはできません。わが家では、子どもがお友達と離れるのを嫌がり、出発までに時間がかかってしまったこともありました。
子どもたちは、引越し先の新しい環境に不安を感じやすいです。「新しいおうちの近くには、大きな公園があったね!」「おいしそうなお菓子屋さんがあったから、引越したら行ってみよう!」と、引越し先の楽しみを共有しておくことで、お子さまの不安を軽減できるでしょう。
わが家では、1回目の引越し経験を生かし、2回目の引越しでは「次のおうちはこんな場所」ということを子どもたちと共有するようにしました。比較的すんなりと受け入れてくれたように思います。親が不安に感じていると、子どもにも伝わってしまうものなので、親はできるだけどっしりと構えておくのが大切です。
大変だったこと(2)引越し準備がはかどらなかった
子どもがいる中での荷造りは本当に大変です。段ボール箱を使って子どもがかくれんぼをしたり、工作をしたり、ガムテープを家中に貼ったり…。引越し準備に加えて子どもたちの遊びにも付き合わなければいけないこともありました。
引越し直前に子どもが体調を崩してしまったことも。環境が変わったり、お別れ会続きなどで疲れがたまり熱を出してしまうこともあります。直前になって慌てないように、利用頻度の少ない物から、少しずつ荷造りを進めておくといいでしょう。
わが家の引越し体験談とスムーズに作業を進めるコツ
わが家の1度目の引越しは子どもが1歳と3歳の頃で、2度目の引越しは子どもが3歳と5歳のときでした。両方とも新幹線で3時間ほどの距離の引越しで、今振り返ってもバタバタしていて失敗もたくさん。
ここからは、わが家の失敗談を含め、反省点から分かった「スムーズに引越しをするコツ」をお伝えします
引越しの事前準備のコツ
事前準備(1)子育てがしやすい環境にある物件を選ぶ
子連れで引越しをする場合、物件選びの際に特に気をつけてほしいのが周辺の環境です。小さな子どもがいる場合、階下への足音や泣き声などが迷惑にならないか気になるところ。周囲にもファミリーが住んでいると、比較的寛容な環境の場合もあるようなので、事前に不動産会社に近隣の住人環境を聞いておくのもいいでしょう。
あまりにも元気いっぱいに走り回るお子さまの場合には、1階の部屋や、階下が駐車場や店舗になっている部屋なども選択肢に入れておくのがおすすめ。小学生以上のお子さまがいらっしゃる方は、通学路を事前に歩いておくと、お子さまの不安を軽減できます。
わが家は、小学校になる直前での引越しだったため、小学校が目の前にあり、子どもが安心できる物件を選びました。就学前の子どもと家で一緒に過ごしている方は、公園や児童館が近いかどうかも調べておきましょう。
事前準備(2)引越し先を子どもと共有しておく
親が不安に感じていると、子どもにも伝わってしまうものなので、親はできるだけどっしりと構えておきましょう。わが家の場合、あらかじめいくつか物件の候補を決めておき、物件探しは子どもたちと一緒にするようにしました。
物件探しに子どもを連れていくことができない場合でも、住居の写真を見せたり、インターネット上で物件周辺の航空写真を見せたりしながら、具体的にイメージを持たせるように心がけました。
事前準備(3)引越し前に物を減らす
引越しの際に一番大変なイメージがある荷造り。当たり前のことですが、物自体が少なければ、荷造りしなければいけない荷物も減ります。
1度目の引越しのときは、「これはまだ着られるかも」「今捨てるのはもったいないから、新居でゆっくりフリマアプリを使って売ろう」などと考え、悩んだものはとりあえず持っていくことにしました。しかし、結局段ボールに入れたまま数ヶ月放置し、そのまま廃棄という流れに。
引越しまでに時間がある方はフリマアプリを利用するのもアリですが、時間がない方は一括で買い取ってもらったり、思い切って破棄したりするほうがいい場合もあります。
事前準備(4)見積もりの段ボールは適正量を用意してもらう
1度目の引越しは会社の経費で引越しできたものの、2度目の引越しは自費で引越ししなければいけませんでした。長距離での引越しだったため、できるだけ安価に抑えようと段ボールを少なめにして予算を組んでもらうことに。
「段ボールが足りなければ、スーパーの段ボールをいただこう」と安易に考えていたのですが、荷造り中に段ボールを取りに行くというのは本当に大変でした。引越し会社指定の段ボール以外を使うと、大きさや形がバラバラで、段ボールを重ねにくく、荷造りもしにくく後悔しました。
引越し費用はできるだけ抑えたいところですが、段ボールの量を減らすのではなく、運ぶ物自体を減らすか、適正量の段ボールを用意してもらうことをおすすめします。
事前準備(5)段ボールの外側に中身と置く部屋を書く
荷造りの際に、ぜひ覚えておいてほしいのが、「段ボールの外側に、中身と新居で運んでもらう部屋を書いておく」ということ。段ボールを閉めてしまうと、中身が全く見えなくなるため、引越し先で必要になってもすぐに見つけられません。
そこで、段ボールの中に入れた物と、新居のどの部屋に置いてもらえばいいのかを書いておきましょう。例えば、靴を入れている段ボールには「靴入り。玄関」、食器を入れている段ボールには「食器。キッチン」などと書いておけば、引越し会社さんもどこに運ぶか一目瞭然です。
新居での荷ほどきをスムーズに進めるためにも、ぜひ覚えておいてくださいね。
事前準備(6)周辺のスーパーや小児科などを把握しておく
引越し直後は、冷蔵庫の中身は空っぽ。翌日の朝ごはんも買いに行かなければ何もありません。そのため、事前に新居の周囲にあるスーパーやドラッグストアの場所や営業時間を把握しておくといいでしょう。
環境が変わると子どもたちも疲れがたまって体調を崩しやすくなります。小児科の口コミをチェックしておいたり、夜間診療所の場所を把握しておくと、何かあったときでも安心です。
ほかにも子連れでの引越しについて詳しく知りたいは、こちらの記事もご覧ください。
事前準備(7)手続き関係は一冊のノートにまとめて管理
引越しに伴う作業は、荷造りや荷ほどきだけではありません。転出入届やライフラインの設定、子ども関連の書類提出など、やることはたくさんあります。
私は引越しの手続き関係を、「引越し1ヶ月前」「引越し1週間前」「引越し前日」「引越し当日」「引越し後」などとページを分けて、箇条書きにしていました。手続きが終了するとチェックをつけていくようにして、次に何をすべきか“見える化”しておくと、気持ちも焦らずにすみます。
大変な印象のある書類関係の手続きですが、今ではインターネット上でできる手続きも増えました。子連れで役所に出向く回数を最小限にするためにも、郵送やインターネットをうまく活用してみてくださいね。
引越し当日に行うこと
引越し当日に行うこと(1)最初に開ける段ボールを明確にしておく
引越しギリギリまで使っていた物は、引越し後もすぐに必要になる可能性が高いです。お子さまが小さい場合は、ミルクやオムツなどが入った段ボールはすぐに見つけられるようにしておくと安心です。
段ボールの上側だけに中身を書いておくと、積み重ねた場合に何が書いてあるのかを見つけにくくなってしまいます。少し手間はかかりますが、側面と上の2面に「中身と運んでもらう部屋」を書いておきましょう。
引越し当日に行うこと(2)引越し当日は子どもたちのおもちゃやお菓子を準備
荷出しが完了し、住んでいた家にお別れを告げたら、すぐに自分達も新居へと移動しなければいけません。
これは私の失敗談なのですが、引越し当日は引越しのことで頭がいっぱいだったため、移動中の子どもたちのことを考慮できていないことがありました。しかしお友達とお別れの際に「新幹線の中で遊んでね」と、おもちゃと駄菓子をいただいたおかげで、移動中も子どもたちはご機嫌に過ごしてくれました。
可能であれば、子ども用のリュックなどを用意して、好きなおやつとおもちゃをいくつか入れておきましょう。
引越し当日に行うこと(3)子どもたちがお昼寝する環境を整えておく
子どもを預ける場所がある場合はいいですが、新居に子どもと同じタイミングで入る場合、子どもが安心してお昼寝できる場所を確保しておきましょう。
子どもも引越し当日は疲れているので、移動中に寝てしまうことも考えられます。「子ども用布団」が入った段ボールを分かるようにしておき、新居では安全な場所に布団を敷いておきましょう。
わが家が引越したとき、なんと小さな地震が発生しました。段ボールが積み重なっている中での地震、「子どもたちの上に落ちてきたら…」と考えるとゾッとします。子どもが過ごすスペースは、段ボールがない場所にしましょう。
引越し後に行うと良いこと
引越し後に行うと良いこと(1)子どもたちと近所を冒険する
引越し後、夫はすぐに転勤先での仕事がスタートし、家には私と子どもたちだけになりました。頼れる親戚も知り合いもいない土地での、新生活。
「私が無理してしまってはダメだ」と自分に言い聞かせ、引越し後は近くのスーパーに行ったり、おいしそうなお店で惣菜を買ったりして、子どもたちと探検しながら過ごしました。
時間がある場合には、「ここに駄菓子屋があったね!」「あの公園の遊具は面白い」など、子どもたちと一緒になってお気に入りの場所を見つけましょう。
引越し後に行うと良いこと(2)近場で相談できる相手をつくる
引越ししてすぐは、知り合いが近くにいないため、子どもに関するちょっとした相談もできません。そんなときに便利なのが児童館です。職員の方に、自己紹介がてら「先週引越してきたんです」と伝えてみてください。児童館で開催されているイベントや、サークルなどを紹介してもらえますよ。
図書館では読み聞かせなどのイベントをしていることが多いので、ぜひ利用してみましょう。もし、自分から話しかけるのが苦手な方は、お子さまが興味のある習い事を始めてみるのも有効です。
習い事であれば、必ず先生がいらっしゃるので、その地域について教えていただけたり、相談相手になってくれたりします。生徒同士関わり合いがある習い事もありますので、積極的に動いてみましょう。
子連れの引越しをさらにスムーズにするポイント
ここまで、わが家の体験談を中心に、子連れ引越しをスムーズに行うポイントやコツをご紹介しました。引越しをスムーズに行うための方法はまだまだあります。ご自身の状況に合わせた方法を、選択してくださいね。
引越し会社のお任せプランを利用する
子連れで引越しをする際に強い味方となるのが、引越し会社のお任せプランです。プランにもいくつか種類があり、荷造りから搬入、荷ほどき、片付けまでの全工程を行ってくれるタイプのものもあります。
「子どもの世話で荷造りどころじゃない」「荷物の量が多くて、自分たちだけでは難しい」場合は、ぜひ検討しましょう。ただし、その分費用もかかってしまうことを忘れずに。事前に荷物の量を把握し、見積もりを立ててもらいましょう。
わが家では1度目の引越しはお任せプランを利用しました。ほかの人に見られたくない物だけを自分で荷造りし、当日の朝までいつもどおり生活することができました。
その後、引越し会社の担当の方が3名来てくださり、3時間弱ですべての荷造りが完了。ストレスフリーのまま引越しをできました。
体力的にも精神的にも疲れずにすみますので、引越しに慣れていない方は検討してみてはいかがでしょうか。
子どもの成長に合わせて変更できる家に住む
引越しにはさまざまな理由があると思います。わが家の場合は夫の転勤と転職。どちらも遠距離での移動だったため、引越しを避けることはできませんでした。
しかし、「子どもが大きくなってきたから」という理由であれば、家探しの際に「可動間仕切り」がある物件を探したり、ファミリークローゼットがある物件を選んだりすることで、引越しそのものを減らせることも考えられます。
子どもの成長に合わせて引越しをするのではなく、子どもの成長に合わせて変更できる物件を選ぶといいでしょう。
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子連れ引越しの成功の秘訣は事前準備
今回の記事では、子連れで引越しをする際のコツや体験談をお伝えしました。「事前準備・当日・引越し後の流れ」を具体的にイメージし、丁寧に準備をしていくと、子連れであってもそれほど大変ではありません。
引越しは家族全員で行うものです。親も子どもも安心して新生活のスタートができるように、とにかく無理をしすぎないようにすることが重要です。手を抜けるところは手を抜き、専門の会社を利用し、周囲の協力を得ながら、計画的に進めていきましょう。