地域の食材で、地域特有の調理方法で作られている郷土料理。
最近では「ご当地グルメ」として各地域が力を入れていますね。このように昔から代々伝わるご当地グルメが、名古屋にはいくつもあります。
私は名古屋で生まれ育ち、名古屋での生活はもうすぐ40年になります。
同じく名古屋生まれの妻と結婚し、昔から慣れ親しんだ郷土料理が食卓によく並ぶ毎日です。
この記事では、「名古屋めし」をこよなく愛する私が、その魅力をお伝えします。
名古屋に生まれ、名古屋で育って
名古屋で暮らして40年
簡単に自己紹介です。私は、名古屋市天白区で生まれ育ち、結婚しても同じ地域に住み続けるほど、名古屋に愛着があります。
名古屋市天白区は、天白川や植田川のある平坦な地形と、植田山・音聞山・相生山のある丘陵地を併せ持つエリアで、元は自然の多い街でした。相生山には蛍がいることでも有名で、自然に触れることもできます。
天白公園は市内の公園の中でも大型で、子どもをプレーパークで遊ばせたり、バーベキューを楽しんだりしています。
名古屋の食生活(幼少時代)
幼少の頃は、両親と祖父母、曽祖母、姉の7人で暮らしていました。母が働きに出ていたこともあり、小さいころから私をかわいがってくれたのは曽祖母でした。
両親の帰りが遅くなることが多く、夕飯は祖母や曽祖母が作ってくれていました。その頃から名古屋の郷土料理を食べることが多く、味噌は、やはり赤味噌が主流でした。
お味噌汁はもちろん、おでんや煮物にも味噌が使われ、その頃から濃い味に親しんでいたと思います。
幼少時代に最も印象に残っているのが、「鬼まんじゅう」です。これは、薄力粉と砂糖を混ぜ合わせた生地にさつまいもをまぜて蒸し上げたおやつです。いつもおばあちゃんが秋になると手作りしてくれて、一緒に食べた懐かしい味です。
名古屋の食生活(中高時代)
中学や高校では部活動に励んでいたので、いつでもおなかをすかせていました。
冬の寒い日の楽しみは、部活帰りのコンビニおでん。名古屋のコンビニでは出汁の味がしみたおでんに、味噌がついてきます。私はいつもコンビニの店員さんにお味噌を1つ追加してもらい、出汁にたっぷり味噌を入れて、空腹を満たしていました。
そして、名古屋では知らない人はいないラーメンチェーン「寿がきや」。当時は1日4~5食が普通だったので部活の帰りに仲間と立ち寄り、おやつ感覚でラーメンを食べて、家でも夕食を食べる、という食生活でした。
名古屋の食生活(社会人以降)
社会人になるとランチだけでなく、夜に外食をする機会も増えました。それまでは食わず嫌いだった名古屋名物「あんかけスパ」に目覚めたのは、社会人になってからでした。
初めて食べたときのおいしさが忘れられず、1週間に4日通う日もあったほど。今でも通い続けているお店もあります。
社会人になってからはなかなか時間が合わず、家族で一緒に食事をする機会は減りました。それでも、飲み会がある日は母親が赤味噌で作ったしじみの味噌汁を用意してくれており、二日酔いになることも少なかったです。
「名古屋めし」が魅力的な名古屋市で暮らす
家庭向け名古屋めしのレシピ3選
そんな名古屋めしとともに育った私が、家庭で作れるおすすめレシピを紹介します。ベースは名古屋で親しみのある味付けですが、わが家ならではの工夫やこだわりもあります。
あんかけスパ
茹で置きした太いスパゲッティを油で炒め、トマトベースのピリ辛ソースをからめて食べるあんかけスパは、名古屋のB級グルメとして有名です。
余談ですが、あんかけスパは1960年代に誕生したそうです。元祖の店は「そーれ」、発祥の店は「ヨコイ」、名付け親の店は「からめ亭」と、それぞれの主張を今でも続けています。
そんな、魅力ある名古屋めしのあんかけスパの作り方をご紹介します。
【あんかけソース】
水
ケチャップ
ウスターソース
砂糖
ダシダ
白こしょう
黒こしょう
水溶き片栗粉
水溶き片栗粉と水は1:2くらいの割合から、お好みのかたさに調整してください。わが家では、ケチャップよりもウスターソースの分量を増やし、黒こしょうを多めに入れるため、あんかけソースは褐色系の色です。
【具】
玉ねぎ
ピーマン
マッシュルーム
ベーコン
赤ウインナー
スパゲッティ(2.2mm)
これらの具を入れると、あんかけスパの「ミラカン」とよばれるメニューになります。
麺が茹で上がるまでに、これらの具を一旦炒めておきましょう。麺の太さは、あんかけソースによくからむ2.2mmがわが家のこだわりです。
茹でた麺をボウルに移し、少し多めの油をからめたらフライパンに入れ、麺と具材を軽く温め、あんかけソースをかければ完成です。
どて煮
味噌を使った名古屋めしの中でも、ご飯のお供としてだけでなく、お酒のおつまみにもなる「どて煮」。モツ以外に入れる卵や具材は各家庭で違いがあるため、わが家のおすすめレシピをご紹介します。
【材料】
水
豚モツ
牛すじ
生姜
大根
こんにゃく
刻みネギ
八丁味噌
砂糖
醤油
酒
みりん
モツは豚モツと牛すじの両方を入れるのがわが家流の特徴です。まずは臭みを消すために刻んだ生姜を入れてモツを茹でましょう。
食べやすい大きさに切った大根とこんにゃくを鍋に入れ、調味料と味噌を溶かし、アクを取りながら煮込んでいけば完成です。
わが家の味噌は、岡崎にあるカクキューさんの八丁味噌と決めており、スーパーで買えないときには岡崎まで買いに行きます。食べる前に刻みネギと一味をかければ、ネギのシャキシャキ感と味噌のしみこんだモツを存分に味わうことができますよ。
手羽先
ビールのお供に最高の名古屋めしといえば、手羽先の唐揚げです。「世界の山ちゃん」や「風来坊」といった有名店を自宅でも気軽に味わいたい場合、わが家では超簡単レシピで作っています。
手羽先の唐揚げの作り方は次の通りです。
【材料】
手羽先
小麦粉
油
手羽先のたれ(寿がきや)
まず、手羽先をビニール袋に入れ、小麦粉をまぶしてよく揉みましょう。フライパンに少し多めの油を温めた後、弱火で手羽先の両面を焼きます。焼いた手羽先をボウルに移し、手羽先のたれをからめたら完成です。
手羽先のたれは色々な商品を試したり、自作でチャレンジして作ったりしています。私が試した中では、寿がきやの手羽先のたれ以上にお店の味に近いものはできませんでした。
付属のこしょうをたっぷりかければ「風来坊風」、カレー粉などをまぜればスパイシーな味わいにもなります。
とてもシンプルなので、時間をかけずに名古屋めしを堪能できますよ。
郷土料理の魅力
郷土料理は、その地域の特産物を使い、季節に合った食べ方ができます。子どものころから親しんできた料理は、どこか心を落ち着かせ、年齢が経過するたびに懐かしさを感じるものです。
また、家族との団らんの場でも郷土料理が出ると会話が増えることもあります。接待や仕事で違う地域に来た人に、郷土料理でのおもてなしをすると、会話が弾むでしょう。郷土料理はとても身近な存在でありながらも、不思議な力を持っていると感じます。
名古屋で暮らすなら
先ほどご紹介した名古屋めし以外にも、味噌煮込みうどんやきしめん、味噌カツなど名古屋名物はたくさんあります。そんな魅力が溢れる名古屋の街を簡単に紹介します。
私の地元エリア(天白区)を紹介
最後に、私の住んでいる天白区についてもご紹介します。
名古屋市の中でも天白区は人口が約16.5万人です。ノーベル賞を受賞した教授がいる名城大学をはじめ、東海学園大学、名古屋女子大学(天白学舎)、豊田工業大学があります。学生が多く、駅周辺には活気あるお店が並んでいます。
アオキスーパー・ピアゴ・フィール・マックスバリューなど、いくつものスーパーがあり、買い物にも困りません。
2017年には、天白区の植田駅から名古屋市営地下鉄鶴舞線で3つ目の「赤池駅」の近くに、大型ショッピングセンター「プライムツリー赤池」が誕生しました。名古屋初出店のお店だけでなく、映画館などもあり1日中楽しめる大型施設なので、週末はたくさんの人が訪れています。
2020年には、天白区から車で20分ほどの距離にある愛知郡東郷町に、「三井ショッピングパークららぽーと愛知東郷」ができました。
天白区の魅力の一つは、天白区に本店を置く全国区のお店があるところです。若者の雑貨でも有名なヴィレッジヴァンガード本店も天白区に1号店があり、高校生のときからよく通っていました。
スジャータというブランドでおなじみのめいらくグループの工場も、天白区にあります。不定期で自社製品の販売も行っているため、お値打ちでスジャータのスイーツなどを購入できますよ。
交通機関は、名古屋市営地下鉄鶴舞線と桜通線をメインに、中心部の「名古屋駅」やオフィスが並ぶ「丸の内駅」まで乗り換えなしで行けます。
自然が豊かで、買い物や交通の利便性が高く、世代を問わず人気のエリアです。
名古屋市天白区の賃貸物件
名古屋市その他のエリア
名古屋市は16の区からなっており、現在の人口は約230万人です。名古屋で一番の繁華街の「栄駅」がある中区や、名古屋の玄関の「名古屋駅」がある西区や中村区は、交通の便もよくさまざまなお店があります。
名古屋市営地下鉄東山線で「名古屋駅」に直通している千種区・名東区は、閑静な住宅街の広がる人気のエリアです。昭和区や瑞穂区、天白区は学校の多い文京地区になり、比較的落ち着いた住宅街といえるでしょう。
また、近年では、緑区や守山区にも人気だそうです。緑区は名古屋市営地下鉄桜通線「徳重駅」が完成し、「名古屋駅」まで1本で行けるようになったため、注目されるようになりました。「野並駅」から「徳重駅」までには新しいマンションや住宅が増え、徳重にはヒルズウォークという商業施設ができ、発展を遂げています。
守山区は名鉄瀬戸線で「栄駅」まで出ることができ、JR中央線も通っているため、中心部で働く方に人気です。「大曽根駅」から春日井市の「高蔵寺駅」までを結ぶガイドウェイバス、ゆとりーとラインが通っています。ゆとりーとラインの開通に伴い、竜泉寺地区以降の開発が進み、大型ショッピングセンターが進出したことで住宅地が増えました。
名古屋市の南エリアの中川区や港区にも大型ショッピングセンターが増え、子育て世代に人気です。高齢者施設も多くあり、新しく移住した方だけでなく、昔から住んでいる方とのつながりも持てるエリアです。
名古屋で郷土料理を楽しもう
名古屋と聞くと観光地として認識されている方も多いかもしれません。しかし、市バスや地下鉄といったアクセス面も充実しています。住居エリア近くにはスーパーやコンビニ、病院などの生活に欠かせない施設が多く、生活しやすいです。
また、郷土料理がこんなに多彩な地域は他にないのではないでしょうか。今回紹介したレシピ以外にも、エビフライや味噌煮込みうどんといった名古屋めしには、隠れた名店がたくさんあります。
住んでみて、なお魅力を感じることができる名古屋。ぜひ、名古屋を楽しみ、そして名古屋を愛してもらえたらうれしいです。