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宮城と東京での二拠点生活。人生のバランスを大切にする暮らし
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新型コロナウイルスの影響により、多くの人の働き方に変化が起こっています。

私は偶然にもコロナ禍以前から、テレワーク・リモートワークをメインとした働き方をしていました。場所に縛られずに働けることで、生まれ育った東京と、嫁ぎ先である宮城県との二拠点生活を送っています。

今回は、そんな私の実体験をもとに二拠点生活のメリットや注意点、二拠点生活に適した住まいについてご紹介します。

私が二拠点生活をするまで

海と共に暮らすまち南三陸町
海と共に暮らすまち南三陸町

南三陸町と私のつながり

私は嫁ぎ先の宮城県南三陸町と、生まれ育った東京都との二拠点生活を送っています。東京の拠点は一人暮らし用に借りている台東区のマンションです。

宮城県南三陸町との出会いは、2011年の東日本大震災です。当時、私は将来教員になることを目指し、都内の私立大学に通っていました。震災直後はすぐにできることなど思いつきもしませんでした。しかし徐々に、実際に現地へ足を運び、自分の目で見て感じることも教員を目指すうえで大事なことだと思ったのです。

そうして、一人でも参加しやすいバスツアー形式のボランティアに参加しました。たまたま訪れたのが、そのときの私は名前も知らなかった宮城県南三陸町でした。

東京と宮城を往復しつつ社会人に

最初は月に1回の訪問でしたが、次第に週1回のペースで通うようになりました。
月曜日から木曜日までは大学の授業やサークル活動、アルバイトなどをして、木曜日の夜行バスで仙台へ行き、金曜日の朝の集合にギリギリ間に合うように南三陸町に入り、金・土・日と活動。
大学院に進学後は都内で一人暮らしを始め、2015年3月に修了するまでずっと東京と宮城の往復生活を送っていました。

ちなみに南三陸町では、親切な方にいただいた中古の軽自動車の中で寝泊まりをしていました。

実際に生活していた軽自動車(※現在は廃車)
実際に生活していた軽自動車(※現在は廃車)

震災当時は免許もなかった私ですが、被災地では移動手段もままならず、歩くにもまだまだ危ない場所ばかり。運転免許を頑張って取得し、いただいた軽自動車で被災地を回りながら生活していたのです。

結婚しても「移住」ではなく「通う」生活

その後、社会人になってから台東区に引越しましたが、週末は南三陸町に通い続けていました。のちに縁あって夫と出会い、2017年に結婚し、南三陸町民になったのです。

ただ私にとっては、“通い”から“移住”になることは、まったく違う意識がありました。東京で生まれ育った私にとっては、どこに行こうと何日帰ってこなかろうと自分のペースを整える拠点は東京です。

南三陸町は「自分で決めた日数分の活動をやり切って帰ってくる」、そんな目的のある場所でした。南三陸町を拠点にすることは、どんなに大好きになった町とはいえ、自信がなかったのです。何よりも仕事が大好きな私が、仕事を辞めて嫁ぐことは考えられませんでした。

そこで、本拠地は南三陸町に移しましたが、結婚後も台東区のマンションを残すことにしました。必要最低限の物を置いて生活できるようにし、月のおよそ半分を南三陸町、そのほかの期間は仕事に合わせて東京やその他エリアにいるという二拠点生活を続けています。

家庭と仕事を両立させる二拠点生活

宮城の自宅の書斎
宮城の自宅の書斎

二拠点それぞれの役割分担

幸い私の仕事は、現地集合・現地解散が多い仕事です。オフィスワーカーではなかったので、在宅ワークでよいときは、平日でも南三陸町で過ごせました。その後、勤めていた会社から独立しましたが、新しい会社も所在地は東京です。

南三陸町から東京に移動するには、仙台まで高速バス、または在来線で出てから新幹線を使う経路。そして、東北新幹線のくりこま高原駅まで、車で行ってから乗る経路のどちらかが基本です。移動時間を有効活用して音楽を聴く時間や読書、できる限りパソコンワークをする時間にあてています。

東京では「自分の時間」を大切に

南三陸町の自宅では新調した家具も多い一方で、東京の部屋には幼少期から使っていた家具を置いて、自分らしい居場所を築くようにしました。
東京での一人暮らしでとくにうれしい時間は、部屋でラジオを聴きながら仕事をすることと、思う存分お風呂を楽しむことです。私は小学生の頃からラジオを聴くのが好きでした。

南三陸町では聴けないのが寂しくて、東京に出てくるたびに、部屋に入るとまずはラジオのスイッチを入れています。お風呂も、家族がいるとなかなか1時間も2時間も入っていられません。

湯船に何時間も入るわけではないですが、細かいお手入れや、マッサージなどの自分のメンテナンスをします。音楽を聴いたり動画を観たりしてお風呂に入る時間が至福のひとときなのです。

また、東京では、「私のルーツ」「東京でのアイデンティティ」「都会のスピード感」「深呼吸」などを意識した暮らしをしています。私のルーツを感じる暮らしは、実家に帰ることもひとつです。幼少期から過ごした町へ出かけることや、長年通ったお稽古へ顔を出すことなどがあります。

せわしない東京を感じることも、田舎と都会の両方で仕事をするうえでは、物事を進める大事な物差しになっています。

ラジオを聴くことも、ジムやダンスのレッスンに通うこと、ショッピングを楽しむことなども、私自身を研ぎ澄ます大事な時間です。今は新型コロナウイルス対策でなかなかできませんが、友人と飲み明かすことも私らしさを再確認できる時間といえます。東京にいるときは、このように仕事や一人の時間を存分に楽しみ、メリハリを大事にしています。

南三陸町では「家族との時間」を大切に

癒やされる町内の森林
癒やされる町内の森林

一方で、癒やしを感じる南三陸町では、クリエイティブな作業や精神力が必要な仕事がはかどると感じています。
また、東京でリフレッシュしているので、南三陸町の自宅に帰ったときは、「仕事」「一人」を望みません。家族との時間をより大切にできるスイッチを、自ら入れられるようになったのです。

宮城では「新しい家族」「地域の文化や行事」「自然との関わり方」「身体によい暮らし」なども楽しんでいます。夫婦での時間や受け入れてくれた義母、地域の皆さんとの時間を大事にし、地域の行事にも積極的に参加しています。

毎日はいられなくても、自分が胸を張って南三陸町民の一員でいられるように心がけています。南三陸町の里山と、海の恵みを感じられる町の産業にも関心を持ち、町から発信できることや生み出せる事業にもチャレンジしたいと考えているところです。

二拠点生活の魅力は、自身のバランスを整えられること

二拠点生活は、スケジュールを上手に組んで生活できれば十分有意義な選択だと感じています。また嫁・妻としての私と、仕事をしたい私とのメリハリもつけやすい環境が整備できたという感覚もあります。

連日東京にいると、南三陸町の自宅も夫も恋しくなって帰りたくなります。しばらく南三陸町にいると、実家の家族や東京の空気感、ラジオが恋しくなります。この日常が、私にとっては生きやすいバランスになっているのです。

二拠点生活ならではの大変さ

このように二拠点生活の魅力もたくさんあります。ただし、「バランスを取ること」そのものが大変でもあります。

まず家族や周りの人たちに、この暮らし方を理解してもらう必要があります。さらに自分の仕事がこのようなライフスタイルを可能にするものでないと、難しいでしょう。

また、メインの拠点以外にサブ拠点を持つ以上、資金面も検討が必要です。二拠点生活は、”あらゆる要素を並べたときにバランスよく成立するか”を考えたうえでしないと、“大変”のほうが勝ってしまう可能性があります。

二拠点生活はこんな人におすすめ

では、実際どのような条件がそろえば、二拠点生活をしやすいのでしょうか。次のような条件に当てはまる人は、二拠点生活をしやすいと思います。

〇仕事の時間・一人の時間・友人との時間・家族との時間、どれも大事にしたい人
〇二拠点を行き来しながら、仕事やプライベートの予定を調整できる人
〇家族の理解を得つつ、仕事も家族との時間も両立できる人
〇経済的に無理なく、二拠点生活が可能な居場所を見つけられた人

上記に当てはまると思った方は、二拠点生活を検討してみてもいいかもしれません。

二拠点生活を始めるには

東京拠点の部屋
東京拠点の部屋

メイン・サブ物件に必要な条件

二拠点生活は、メイン住居とサブ住居での過ごし方を整理して、切り替えながら暮らす必要があります。私の場合のメイン・サブ物件の特徴をまとめます。二拠点生活に興味がある人は、物件選びの参考にしていただければうれしいです。

南三陸町の住まいの特徴(メイン)

・気分転換できる広さ
・キッチンや浴室など水回りもゆったり
・インテリアも気に入ったものを

宮城県南三陸町の自宅は、東京より断然広いです。部屋数もあるので、部屋ごとに使い分けて、家の中でも気分転換できる暮らし方ができます。
宮城の自宅はキッチンも広々としていて料理もしやすく、お風呂ものびのび脚を伸ばして入れます。ひとつひとつの目的に合わせて、その部屋や機能を堪能しています。部屋のインテリアも、気に入った家具や置物などを置いて、私好みに仕立てるのを楽しんでいます。

東京都台東区の住まいの特徴(サブ)
・最低限の広さ ・狭い空間を楽しむ ・掃除のしやすいシンプルなインテリア
東京都にあるマンションは、最小限の広さしかない部屋です。学生時代のように一人の狭い空間を楽しむ暮らし方をしています。
東京は、宮城より滞在する時間が短く、時期によっては1ヶ月以上空けることもあります。置き飾りを少なくしてホコリが溜まらないようにし、掃除や手入れが最小限で済むようにしています。来客用布団や東京で着る衣類などは、備え付けの収納に収まる量です。

二拠点生活で自分の幅を広げる

旬を感じながら暮らす宮城の暮らし
旬を感じながら暮らす宮城の暮らし

東京と宮城の暮らしは、仕事とプライベート、家族と一人の時間、都会と自然、せわしないテンポとゆったりした時間、このような二項対立を私のなかでゆるやかに結びつけられます。

「結婚したから」「遠くに行ってしまったから」と、仕事や友人との時間、実家に帰ることを諦めませんでした。頻度は変わるものの、これまで以上にそれぞれの時間を大事に、目的を持って過ごせるようにもなりました。

逆に結婚するまで「当たり前」だった暮らしにも、ありがたみを感じます。通っていた南三陸町での催し物も、町にいる時間を大事にすることで一生懸命取り組めています。

この暮らしを続けていくことで、世の中の動きや社会問題、地域の課題をリアルに理解することができると思います。復興の歩みと風化、地産食材のおいしさ、環境問題などについても、より理解が深まりました。
二拠点生活は、自分の暮らしの幅や理解の幅、見識の幅も広げてくれることが、最大の魅力だと感じています。

二拠点生活の組み合わせはさまざま

今回は、東日本大震災をきっかけにご縁のできた宮城県南三陸町と、東京で生まれ育った私をつなぐお話をしました。

東京と地方、東京と大阪のような都会と都会、地方と地方など、二拠点生活の組み合わせはさまざまです。
日常をより自分らしく心豊かに過ごすために、これからは二拠点生活が選択肢の一つになっていくかもしれません。大変さもありますが、きっと得るものもたくさんあると思いますよ。

Leiaプロットデザイナー/ライター/防災士

東京都世田谷区に生まれ育ち、東日本大震災を機に宮城県南三陸町へ通い続けたのちに移住。現在は東京と宮城の二拠点生活を楽しみながら、家庭と仕事を両立している。仕事のジャンルは主に「教育」と「まちづくり」。母が台湾出身で、近年自分のルーツにもなる台湾への関心が高まり始めている。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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