あなたの地元には、どんな「ご当地野菜」がありますか?
私がご当地野菜の魅力に気づいたのは、夫と結婚して地元である京都を離れてからです。引越した先で「賀茂なすが売っていない。その代わりに見たこともない長いなすが売っている! 」と驚いたのがきっかけでした。同じ日本、しかも本州でありながら「なすひとつでもこんなに違うのか!」と、衝撃を受けたものです。
引越した先でその地域ならではのご当地野菜のおいしさを知った私は、京都に帰ってきた今、京野菜に魅了されています。懐かしい独特のシルエットや味わい、やはり生まれ育った地元の野菜は最高です。
今回は、地元の野菜に魅了された私が、おうちでご当地野菜「京野菜」を楽しむ暮らしをお届けします。
京の食卓の必需品、京野菜の魅力
私の地元である京都のご当地野菜といえば、「京野菜」です。わが家の食卓には、必ずといっていいほど京野菜の料理が並びます。
京野菜は、お漬物や煮物などいろいろな料理で活躍します。新鮮な京野菜は、サラダで食べても美味しいです。わが家の食卓には京野菜が必需品ですが、そもそもどんな野菜を京野菜と呼ぶのでしょうか。
「京野菜」とは
少し特別な野菜のイメージがある京野菜。実は、京野菜に明確な定義はなく、京都で育ち収穫されたお野菜はすべて京野菜と呼ばれています。きゅうりやキャベツも、京都で育てば京野菜なのです。
京都産の野菜の中でも、以下のように定義されている野菜があります。これらの野菜こそ、私たちがイメージする京野菜といえるでしょう。
京の伝統野菜
1988(昭和63)年3月に京都府農林水産部により、以下の条件に当てはまるものが京の伝統野菜と定義されています。
(1)明治以前に導入されたもの
(2)京都府内全域が対象
(3)たけのこを含む
(4)キノコ、シダを除く
(5)栽培または保存されているものおよび絶滅した品種を含む
上記に該当するのが辛味だいこん・聖護院かぶ・賀茂なすなどの37品目です。
食卓に四季を届ける京野菜
野菜には旬があり、京野菜にももちろん旬があります。丸っこい賀茂なすの田楽や漬物を見れば夏の到来を感じ、迫力がある聖護院だいこんの姿を見ると年の瀬を感じます。
ほかにも旬を感じる野菜はありますが、やはり京都に住むと目に留まるのは京野菜。私にとって京野菜は、食卓に四季を届けてくれる大切な存在です。
京都の長い歴史の中で育った京野菜。京都ならではのブランド野菜というだけでなく、京野菜は京都の食卓に息づいています。
京野菜のお漬物は美味しい
京野菜といえば、お漬物の存在は欠かせません。
お土産としても有名な千枚漬けは聖護院かぶ、すぐき漬けはその名もすぐきという京野菜から作られています。しば漬けと合わせて冬の京都の三大漬物とも呼ばれ、年末年始のお歳暮やお年賀としても人気です。
切るだけでさっと食卓に出せる京野菜のお漬物も、京都の食卓の必需品といえるでしょう。
京都の食文化、京野菜とおばんざい
京都の大切な食文化である京野菜。その中でも、代表的な京野菜を紹介します。
代表的な京野菜を知ろう
・九条ねぎ
すき焼きやラーメンに大量に入れて食べるのが美味しい九条ねぎ。麺が九条ねぎで見えないくらい、大量に入れて食べるのがおすすめです。
・聖護院だいこん・聖護院かぶ
丸々としたシルエットにずっしりとした重量感で、冬の風物詩といえる存在です。聖護院だいこんは、煮物(京都では“炊いたん”といいます)やサラダで食べるのがおすすめですよ。聖護院かぶは、千枚漬けの材料としても有名ですね。
・賀茂なす
丸いシルエットがかわいい賀茂なす。小ぶりなものはぬか漬けにして、大きなものは田楽にする、夏にはかかせない京野菜です。
・くわい
「芽が出ますように」という縁起物として、京都のおせちに欠かせないくわいも、伝統野菜として認定されています。
・京みず菜・京壬生菜
しゃきしゃきとした食感が美味しい京みず菜と、独特の辛味がくせになる京壬生菜。煮物やサラダなど、いろいろな料理に活躍します。洋風にベーコンなどと炒めても美味しいですよ。
おばんざいとは?
おばんざいは京都の日常的なお惣菜を指す言葉です。このおばんざいにも、京野菜が多く利用されています。
京都を舞台としたテレビドラマなどで、大鉢に盛り付けられたお惣菜が並んでいる居酒屋のシーンをご覧になったことはありませんか? あのお惣菜こそが、おばんざいです。
私が独身の頃によく通っていた居酒屋にも、カウンターの上に京野菜をふんだんに使ったおばんざいの大鉢がありました。ビールと一緒によく味が染みたおばんざいを食べ、大将とたわいもない話をする時間が、仕事帰りのちょっとした楽しみでした。
結婚して出産を経た今、居酒屋へ行くことはほとんどなくなりました。しかしあの頃食べた味が忘れられず、自分でおばんざいを作ってはおうち居酒屋を楽しんでいます。
ここからは、そんな私のおうち居酒屋おばんざいレシピを紹介します。
聖護院だいこんの炊いたん(煮物)
前の日の晩に作って翌日食べると、より味が染みて美味しいです。軟らかな聖護院だいこんがたまりません!
<材料>
聖護院だいこん(丸大根)半分
油揚げ 1枚
だし汁 適量
☆酒・薄口しょうゆ・砂糖・みりん 各大1さじ
<作り方>
1. 聖護院だいこんは、食べやすい大きさに切って下ゆでする。
2. 油揚げは、2cm幅の食べやすい大きさに切って油抜きをする。
3. 1.と2.を鍋に入れ、だし汁をひたひたになるくらい加える。☆の調味料を加えて20分ほど煮る。
海老芋まんじゅう
海老芋の煮物が残ったときのアレンジ料理としてもおすすめです。海老芋がないときは、里芋でも作れます。
<材料> 3~4個分
海老芋 250~300g
にんじん 少量(10g)
しいたけ 小さじ1枚
☆だし汁 250~300ml
☆砂糖 大さじ1
☆しょうゆ 大さじ1
☆酒 大さじ1
しょうがのすりおろし 小1/3(お好みで)
片栗粉 適量
揚げ油 適量
<作り方>
1. 海老芋の皮をむいて適当な大きさに切り、お鍋でゆでこぼす。
2. にんじんとしいたけを粗めのみじん切りにする。
3. 鍋に1.と☆を入れ、煮立ったら端の方に2.を加えて、弱火で軟らかくなるまで煮る。
4. 鍋から1.と2.を別々に取り出す(多少混ざっても大丈夫です)。残った煮汁にしょうがのすりおろしを加え、水溶き片栗粉でとろみをつけておく。
5. 海老芋を潰し、にんじんとしいたけを混ぜて3~4等分して丸めて片栗粉をまぶす。
6. 揚げ油を熱して、5.を揚げる。
7. とろみをつけた4.の煮汁をかけて完成。
菊菜のおひたし
シンプルかつスピードレシピ。存分に菊菜を味わいたいときに、おすすめのレシピです。
<材料>
菊菜(春菊) 1袋
お好みのポン酢 大さじ1~2
かつお節 適量
<作り方>
1. 菊菜(春菊)は洗って根元を切り落とし、お湯でゆでる。
2. ゆで上がったら冷水にとり、水気を絞って食べやすい長さに切る。
3. お好みのポン酢に浸し、かつお節をかける。
京野菜を楽しむ京都の住まい
新鮮な京野菜を楽しむなら、やはり京都に住むのが一番です。京野菜を楽しみたいあなたにおすすめの、京都のエリアを紹介します。
レトロな三条会商店街に近い住まい
全長800mもの長さのアーケードがある、レトロなたたずまいの三条会商店街。新鮮な京野菜を扱う、昔ながらの八百屋さんがあります。
昔ながらのお店だけではなく、おしゃれなカフェや雑貨屋さんもあり、地元の方に愛されている商店街です。
三条会商店街に近いJR・京都市営地下鉄の二条駅エリアに住めば、元離宮二条城などの京都の観光名所や映画館などの商業施設にも近く、充実した毎日を送れるでしょう。
三条会商店街エリアの賃貸物件
三条会商店街
所在地:京都府京都市中京区今新在家西町1-1
アクセス:JR線「二条」駅下車・京都市営地下鉄東西線「二条」駅もしくは「二条城前」駅下車
錦市場や京都八百一本館に近い住まい
京都の八百屋といえば、京都八百一さんをイメージする方も多いでしょう。私の住まいの近くにも店舗があり、大変重宝しています。店舗自体は京都以外にもあるので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
烏丸御池駅近くには京都八百一さんの本館があります。八百屋のイメージを覆すおしゃれさには、きっと驚かれることでしょう。京野菜以外にも、京都ならではの丹波牛を取り扱う肉屋など、いろいろなお店がそろっています。
また、近くには京都の台所として名高い錦市場もあり、京都のおばんざい生活を楽しむにも最適な場所といえるでしょう。
京都八百一本館や錦市場がある烏丸御池から四条烏丸のエリアは、京都の繁華街です。多様な交通機関や百貨店などの商業施設がそろっていますので、便利な生活を送れますよ。
京都八百一本館
所在地:京都府京都市中京区東洞院通三条下る三文字町220番地
アクセス:京都市営地下鉄「烏丸御池」駅から徒歩3分、阪急京都線「烏丸」駅から徒歩5分
営業時間:10:00~21:00
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農産物直売所・じねんと市場に近い住まい
伏見にある農産物直売所じねんと市場には、地元農家さんが直接、毎日新鮮な京野菜を卸しています。採れたての新鮮な京野菜を購入できるので、毎日のお料理が楽しくなりますね。
同じ敷地内には、地元野菜をふんだんに使ったビュッフェレストランやフィットネス施設、スーパー銭湯までそろっています。じねんと市場の近くの住まいなら、新鮮な野菜に運動にと、生き生きと健康的な生活が送れるでしょう。
じねんと市場
所在地:京都府京都市伏見区竹田青池町125
アクセス:近鉄電車・京都市営地下鉄烏丸線「竹田」駅から徒歩5分
営業時間:10:00~18:00
竹田駅エリアの賃貸物件
ご当地野菜で地域活性化
京都出身の私にとって、ご当地野菜は京野菜です。他の県にお住まいの方にも、きっとご当地野菜があることでしょう。地元の農家さんが丹精込めて作った、その土地ならではのご当地野菜。ぜひ、地元の野菜を知って積極的に食べてみましょう。
地元の野菜を愛することは、あなたの地元の活性化にもつながります。この機会に、ご当地野菜・地元の野菜を食卓に並べてみましょう。あなたのお住まいの地域に伝わる、すてきなお料理が見つかるかもしれませんよ。