皆さんは“ミニマリスト”という言葉を聞くと、どのような生活をイメージするでしょうか。
もしかしたら、欲しいものを極限まで我慢し、必要最低限なものだけで生活する、仙人のような生活をイメージする人もいるかもしれません。中にはそのような人もいるかもしれませんが、少なくとも私は違います。
実際、私自身はミニマリストとして生活していますが、「欲しいものがあるのに我慢しなければ」とか、「ひもじい生活をしている」というような感覚は一切ありません。
欲しいものはすべて買っていますが、本当に必要なもの以外は一切買わないだけなのです。ものは少ないですが、持っているものは本当に必要なものだけなので、大切に使っています。
今回はミニマリストとして20年生活してきた私の実体験を踏まえながら、誰でも簡単にできるミニマリストとしての「買い物術」を紹介します。
ミニマリストの「物」への感覚とは
「ミニマリスト」として生活している私ですが、以前は「常にもっと何かが欲しい」というマキシマリストでした。しかし「モア・イズ・ベター」という考え方にはキリがなく、常に不満を感じていたのです。
あるとき、何か新しいものを買っても嬉しいのはほんの一瞬だけで、やがてそれが“ある”ことが当たり前になり、さらにもっといいものを欲している自分に気づきました。
そしてある一定のところで満足することを覚えると、物は少なくても充実した気持ちでいられるようになりました。このように持っているものの量は少ないのに、マキシマリストよりも満足できるのが、本当の意味でのミニマリストといえます。
注意しておきたいのは、ある一定以上ものを持ちすぎる必要はありませんが、一定以上のものがないと惨めな気持ちになるということです。
ミニマリストになるには、“本当に必要なもの”と“必要でないもの”が何かを見分けるセンスが必要です。この記事ではその感覚機能を鍛えるためのいくつかの例を紹介しますが、まずはミニマリストとしてのメリットについて考えてみましょう。
ミニマリストとして暮らすメリット
ミニマリストとして暮らすと、次のようなメリットを得られます。
・浪費を避けられる
・貯金できる
・探しものや片付けにかける時間がなくなる
・不必要なものを置いておく場所が必要なくなる
・引越しが楽になる
・ものを大切にするようになる
このように、ミニマリストの買い物術を身に付けると不必要なものを買ったり、維持したりするためのお金を節約ができるというメリットがあります。さらに、生活がシンプルになるとストレスが軽減し、時間の節約にもなるのです。
そのため、お金を貯めたい人だけではなく、裕福な人でもより充実した生活を求めて、ミニマリストに興味をもつ人が増えているといいます。
広い部屋はいらない、でも満ち足りた暮らし
ミニマリストになると必然的に広い部屋が不要になり、毎月かかる家賃や光熱費を大幅に削減できます。本来なら収納に使っていた空間が、生活空間として使えるようになるので、部屋が広くなったように感じるかもしれません。
もし皆さんが貯金をしたいのであれば、小さい部屋に住むだけでかなりの額を貯金できるようになるでしょう。あるいは、想定していた同じ家賃で小さな部屋を借りれば、かなり条件のいい部屋に住むこともできます。
ここで差がつく! ミニマリストの買い物術
ミニマリストとして生活するために重要なのは“買い物の仕方”です。
普段買い物の仕方について考える機会は少ないかもしれませんが、ミニマリストとしての買い物術を知ると、今までいかに無駄な買い物をしていたかに気づくかもしれません。
私は買い物をするときには、以下の点を意識しています。
・買い物をしないのではなく買い物の仕方を変える
・買うかどうか迷ったら一度帰る
(買い物中は興奮しているので正常な判断ができません。本当に必要でないものは帰ったときに気づくので、帰ったあともまだ欲しいのであればそれは本当に必要なものといえます)
・安物を買うのではなくいいものを大切にする
・応用のできるシンプルなものを買う
・今あるものを買い換えるなら、今あるものを捨ててから買う
これらを基本として、ミニマリストとしての買い物術の例をジャンルごとに解説します。
ミニマリストの買い物術 服編
ミニマリストの服は、男性なら15着前後、女性なら20着前後で収まると思われます。服が少なくなると節約でき、収納しやすくなるだけでなく、服を選ぶ時間の節約にもつながります。
服を選ぶときや処分するときは、次の点を意識しましょう。
・数種類の着回しができる服を選ぶ
・流行に囚われず自分のスタイルに合っている服を選ぶ
・1年間まったく着なかった服は処分する
ミニマリストは不要なものを見分けて処分し、限られた本当に必要なものを大切にする生き方です。これは服の選び方に顕著にあらわれます。
ミニマリストの買い物術 雑貨編
雑貨はあると便利そうでも、実際は不必要なものが多いです。まず今あるものを処分することからはじめましょう。
不要な雑貨を処分するときは正直悲しい気持ちになりますが、そのときの気持ちを覚えておくと、次からは魅力的でも不要になりそうな雑貨を買わなくなります。そして今ある雑貨を大切にできるようになります。
雑貨を処分するときには、次の点を意識してください。
・ダブったものは処分する
・1年間まったく使わなかったものは処分する
処分する雑貨が決まったら、今度はできるだけ新しい雑貨を買わないようにします。この点でミニマリストとして特に注意しておきたいのは100円ショップです。
安いからとりあえず買っておこうと深く考えずに買ってしまいがちですが、つい無駄なものをたくさん買ってしまうものです。
安いように感じたとしても、トータルで見るとかなりの出費になっていることもあります。100円ショップ業界がここまで拡大してきたのは、この心理を上手に活かした結果ともいえるでしょう。
もちろん100円ショップにも有用な雑貨がたくさんありますが、ここで大切なのは「安さに惑わされて不必要なものを買わないように気をつける」ということです。
ミニマリストの買い物術 家電編
ミニマリストとしての家電選びは、生活スタイルや性別、周りに何があるかなどによって変わります。新しい家電を購入する前や、今ある家電を処分するかどうか決める前に、私は次の点を考慮に入れています。
・冷蔵庫/炊飯器:料理をするかどうか。コンビニが周辺にあるかどうか。
・電子レンジ:本当に温める必要があるか
・トースター:電子レンジがあれば不必要かも。
・洗濯機:周辺にコインランドリーがあるか
・ドライヤー:自然乾燥で十分かどうか
・テレビ:パソコンでテレビや映画も見られる。
・DVDレコーダー:パソコンでも見られる。
・掃除機:小さい家なら必要ないかも。
・プリンター:コンビニでもプリントできる。
・電子辞書:スマートフォンで十分かも。
もちろん、これらすべての家電が不必要というわけではありませんが、単価が大きい買い物をする前には本当に必要かどうかをじっくり考える必要があります。また、引越しするときには今一度自分にとって本当に必要かどうか、見直してみましょう。
ミニマリストの買い物術 デジタル機器編
スマートフォンやタブレット、パソコンなど、デジタル機器にはいろいろな機能がありますので、電子辞書・本・地図・テレビ・DVDなど、様々なものを断捨離できます。
一方で、使わなくなった古いケータイやスマートフォン、不必要なセカンドケータイなどが溜まってしまうこともありますので、新しいデジタル機器を買ったなら古くなった要らないものは処分しましょう。
スマートフォンやタブレットの中にも不必要なアプリやファイルが溜まってしまうということもあるかもしれません。デジタル機器のアプリやファイルは物理的にものが増えるわけではありませんが、ミニマリストを「自分にとって必要最低限のもので生活する生き方」と定義するなら、電子的なものを処分する必要があります。
物理的なものと同様に、多くの写真やファイル、アプリなど電子的なものも電子機器を複雑にし、多くのものに埋もれて本当に必要なものが見えなくなってしまいます。同じ系統のアプリをダウンロードしたのであれば、古いアプリは削除するようにしましょう。
ミニマリストの買い物術 本・書籍篇
本や書籍は私たちの心を豊かにしてくれ、自分の生き方にも大きな影響を与える大切なものです。そのため、「本の購入にはお金を惜しまない」「ほかのものは捨てられるけど、本だけは捨てられない」という方もいらっしゃることでしょう。
しかし、ここでもやはり「自分にとって本当に必要なもの以外は買わない」という原則を当てはめることができます。
本や書籍を購入、または処分するときは次の点を意識しましょう。
・何回も見直したい本は限られている
・読みたいけど読めない本はあるだけでストレスになる
・雑誌、漫画は量が多くなりがちなのでできるだけ増やさない
・買おうと思っている本に電子書籍がないかどうか調べる
本好きな人には、特に最後の電子書籍をおすすめします。活字が好きな人は、お気に入りの本を印字された本で読みたいという人が多いかと思いますが、電子書籍には次のような特徴やメリットがあることも覚えておきましょう。
・電子書籍は長く使っていると慣れる
・好きな場所に線を引いたりブックマークをつけたりメモができる
・検索機能があるので大切な点を読み返したいときに役立つ
・新品の本より安い(ただし中古の本よりは高い)
・一度買えば様々なデバイスで読める
もし今持っている本のほとんどを電子書籍化し、今後購入する書籍のほとんどを電子書籍にすれば、あなたの家からかなりのものがなくなります。特に本はとても重いので、引越しのときには楽になりますよ。
ミニマリストの部屋づくり
ミニマリストとして暮らすときに重要なのは、住まい選びです。せっかくものを少なくしているのに部屋が無駄に広いのはもったいないので、シンプルで小さな家に住みたいと考えるようになるかもしれません。
物件を選ぶときには、次の点を意識しましょう。
・物件選びの前に最低限必要な家具・電化製品その他必要なリストを作っておく
・物件を選ぶときはそのリストを入れたときのイメージをする
・持ち物が少ないのですぐに必要なものを調達できる場所に住む
これらの点を意識すれば、小さな部屋に住んでも十分に満足して生活することができるでしょう。
また、部屋に家具や家電などを置くときは、できるだけ自分の目線より上に家具を置かないようにしましょう。そうするだけで部屋が広く感じられます。
この画像を見てただければ、とてもスッキリしているのがわかるのではないでしょうか。同じ部屋に目線以上の家具や家電を置くと、ごちゃごちゃした印象になってしまいます。
家電の上など開いたスペースにはいろいろものを置きたくなるかもしれませんが、それらはできるだけ収納スペースに置くようにしましょう。
シンプルで小さな部屋がいい
もし、ミニマリストのあなたが一人暮らしなら、ワンルームで十分でしょう。ウォークインクローゼットがついている部屋であれば、厳選したものや衣服を収納できるので、ワンルームであっても部屋を広々と使えます。
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まとめ
ミニマリストの買い物術と物件選びについて解説しました。いかがだったでしょうか。
・ミニマリストになれば時間やお金を節約ができ、ストレスが軽減し、生活が充実します。
・買い物をする前に今ある不要なものをすべて処分すれば、本当に必要なものしか買わなくなります。
・ミニマリストになれば部屋が小さくても十分なので、比較的便利な場所に住むことができます。
ミニマリストは多くの著名人も自ら選んで実践している生き方です。あなたもこの機会にミニマリストとしての生活をはじめてみてはいかがでしょうか。
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