家族全員の要望を実現した２世帯住宅

住宅の顔になる玄関は明るく開放感があるようにというご要望でした。そのため、玄関扉は採光・通風の取れるタイプをご提案。玄関タイルは落ち着いた色を採用し、空間を引き締めています。完全分離型ではなく、玄関を２世帯が一緒に使う一部共有タイプの二世帯住宅なので、シューズインクローゼットのスペースを設け、通常の玄関収納よりも多い収納量を確保しています。土間タイルの部分を約１．５帖分と広く計画しているので、ベビーカーや雨に濡れてしまったものなどを置いておくスペースとして活用することが出来ます。

１階親世帯のＬＤＫです。畳での生活に慣れていたご両親のご要望から、リビング・ダイニングは畳の空間にしました。このリビング・ダイニングは一般的なお部屋の天井高よりも３０ｃｍ高い、２．７ｍの高さで計画しています。南面の引き違い窓は大きな４枚引き違いサッシを採用し、暖かな明るい光あふれるＬＤＫに。また、お部屋の中に家具を置くためのスペースをあらかじめ計画し、その部分は板間の仕上げにし、窓を高く設置することで明かりを取り入れながら家具を配置できるようご提案しました。

ＬＤＫと続き間になっているご両親の寝室。重厚感ある床柱は元々、建替え前のご自宅で使われていたもの。今回の新築計画の際にご両親の要望から寝室の床柱として再利用させて頂きました。以前のご自宅での歴史を感じさせる木目と模様は木の暖かみを感じさせる、お部屋の重要なアクセントとなっています。この寝室には１帖の押入と下部を収納とした仏間、床の間を配置し、使い勝手の良いご両親も大満足の空間になりました。

2階の子世帯ＬＤＫ。各部屋で床高を変え空間を最大限利用するスキップフロアを採用し、横方向だけでなく、縦方向にも広がりを持たせました。明るく開放的なこの空間は自然と家族の集まる憩いの場となっています。壁面の一部の厚さを厚くすることで壁掛けテレビを取付けるスペースを作っています。対面式のキッチンからはLDK全体を見渡すことが出来、まだお子様が小さい施主も大喜びの空間になりました。

まぶしいくらい光が降り注ぐ２階ＬＤＫ。明るい空間にしたいという施主の要望から窓を大きく取り、天井高さは３．６ｍという開放感ある空間をご提案しました。部屋の中で高さを変えるスキップフロアを採用することで、繋がりのある空間をキッチンとリビングといったように、用途に応じて仕切ることが出来ます。また、床の高さがそれぞれ異なるのでその分、床下に収納を設けたり、天井高を高くしたりといった縦方向の空間の広がりが生まれ、最大限に空間を有効利用する事が出来ます。

勾配天井にしたことで、子供部屋は実際の広さ以上に開放的に感じる空間に。壁のクロスを一面だけ変えて、お子様も楽しくなるようなお部屋を提案しました。勾配天井を上がった先には小屋裏空間を利用した、約３帖のロフトを各部屋に設置しています。まだ小さなお子様で収納量よりも部屋の広さを優先したいという施主の要望から、新築時にクローゼットは設けていませんが、１箇所だけ天井高の下がった部分は将来的にクローゼットに変更できるよう、壁の中に棚やパイプを取付ける高さに合せて木材を入れ込んでいます。