木の香りと森の緑に包まれた想像を超える理想の住まい（札幌市　F様邸）

玄関ドアを開けると目の前に木質感あふれるLDKや開口越しの緑が広がる。リビングのコンクリート壁は、擁壁を兼ねた基礎。外と内をつなぐ構造が空間の個性になり、木と緑の柔らかさにコンクリートの力強さが呼応。安心感とデザイン性を兼ね備えた住まいの顔となっています。

玄関土間続きに造作棚をたっぷり設えた玄関収納を設置。アールをつけた遊び心ある出入り口が空間のアクセントに。靴や外遊び道具、季節用品もすっきり収まり、家族の暮らしを支えます。「見せる」「隠す」を両立させた収納が、暮らしを快適にしてくれます。

キッチンに隣接してユーティリティを設け、洗って干すまでの作業が1ヵ所で完結する。右手奥は浴室。水まわりの動線が短く効率的で、家事のストレスが軽減されます。乾いた洗濯物をすぐに片付けられる、快適で実用的なプランニングが叶いました。

多肉植物や観葉植物を育てるのが、昔から好きだったFさん。新居をみずみずしく彩るグリーンの多くが、旧居で大切に育ててきたもの。お気に入りの鉢を並べた窓辺はまるで小さな温室のようで、暮らしに潤いを添えています。家とともに植物も成長していくのが楽しみです。

江別レンガの壁が温かな雰囲気を醸し出す造作キッチン。作業動線に寄り添うような収納が設けられ、使い勝手もバツグン。レンガは年月とともに豊かな表情を見せてくれます。料理の香りと共に、暮らしの記憶を積み重ねる場所になっています。

木とレンガ、塗り壁で整えられたダイニング・キッチンに、ご夫妻が集めたアンティークテイストの照明や家具がしっくりとなじむ。キッチンは裏動線でファミリークローゼットやパントリー、玄関収納につながっている。美しさと機能性を兼ねた設計が、毎日の暮らしを軽やかに支えます。

2階の階段ホールに立つと、隣家の庭が一望できる採光窓が正面に見える。繊細なラインを描くアイアンの手すりは、ご夫妻のお気に入り。窓から注ぐ光が手すりに影を落とし、時間ごとに異なる表情を見せてくれます。日常の中にアートのような美しさを感じられる場所です。

1階と2階は、雑木林の緑を採り込む開口を設けた吹き抜けでつながっている。「戸建てでなければ実現できない吹き抜けは長年の憧れ。その夢が叶い、大満足です」とFさん。季節ごとに色を変える緑を背景に、家族の会話が響き渡る大らかな空間になりました。

2階には、家族の個室をレイアウト。完成間際に、部屋の壁を自分で塗ったのも家づくりの良い思い出になった。手仕事の跡が個室に温もりを与え、唯一無二の表情を生んでいます。不揃いな塗り跡も暮らしの一部となり、時間を重ねるほど愛着が深まる空間になりました。

背後の雑木林に溶け込むようなカラマツ板張りの素朴な外観。材を揃えた屋根付きカーポートも造作し、冬の暮らしに備えた。緑に馴染む色合いと自然素材の風合いが、周囲の景観と調和。四季を感じながら、時間と共に味わいを深める住まいの姿を描き出します。