山並みを望めるダイニングと木の温もりに満ちた住まい（札幌市　T様邸）

2階は子ども室以外がゆるやかにつながるワンルーム設計。力強くも伸びやかな梁が空間の個性に。動線が短く家事がしやすい一方、気配はほどよく残る設計です。窓からの光が梁を伝い、時間とともに陰影が移ろいます。友人を招いたときも自然に集まり、家族の居場所が広がる開放的な空間です。

階段ホールとキッチンの間には、造作したパントリー。奥さんはキッチンに立ちながら、パントリー越しに子ども室の様子をうかがえる。回遊できる動線で配膳も片付けもスムーズ。ストック管理もしやすく、散らかりにくいキッチンを保てます。

ラワン材とタイル、大元工務店オリジナルのステンレスシンクを採用した造作キッチンは、奥さんのこだわりが隅々にまで反映されている。作業動線を短く、下ごしらえから配膳までノンストレス。経年で深まる素材の表情も楽しめます。日常の料理に彩りを添え、家族の会話を自然に生む舞台となっています。

ダイニングに設けた大きな窓からは、この土地の購入の決め手となった山並みを一望できる。季節で姿を変える山を眺めながら、日常の食卓に小さな旅気分が生まれます。窓辺の席は家族のお気に入りで、四季折々の風景がアルバムのように積み重なっていきます。

カラマツ材合板仕上げの屋根なり天井とナラ無垢床、塗り壁で仕上げたリビング・ダイニングは、家族が集うくつろぎ空間。正面の窓からは大きな空が見えて気持ちがいい。自然素材が湿度をほどよく調え、冬は床暖房でぽかぽか。休日には読書や音楽も楽しめそうな、生活を豊かにする空間です

ご夫妻の要望で2階に配した子ども室。手前の階段ホールには、お子さんのピアノやおもちゃなどを置くスペースを設けて、LDKと緩やかに分離。家事中も子どもの気配や音に気づきやすく設計されています。成長に寄り添う間取りは、家族の思い出を重ねる余白にもなります。

寝室の一角には、旧居では実現できなかった書斎を設けた。「自分で壁の仕上げをしたのもいい思い出になりました」とTさん。小窓でほどよい抜けをつくり、仕事も趣味もはかどります。手仕事の跡が、唯一無二の表情を添えます。夜は静かな時間を確保でき、心身を整える大切な隠れ家として機能しています。

玄関ホールは水まわりにつながる。脱衣室と分けてプランした造作の洗面台は、帰宅後の手洗いにも便利。来客時も生活感を見せにくく、朝の身支度も渋滞しません。感染対策にも配慮した間取りとなっています。

床暖房を敷設した玄関土間には、容量たっぷりの収納スペースを配置。左手の引き戸の先は、奥さんの広いワークスペース。ベビーカーやアウトドア用品もすっきり。仕事や趣味を切り替えやすく、暮らしの幅を広げる動線です。

カラマツ板張りですっきりとした三角屋根の外観。ご夫妻の要望で落ち着いたダークトーンに仕上げた。経年で味わいを増し、周囲の緑ともなじみます。室内の木使いとも呼応する、凛とした佇まいです。夜の灯りが窓に映え、道ゆく人の目を引く美しいシルエットを描きます。