東京都足立区・北千住エリアにあり、築100年ほどの歴史的な木造家屋を活用した文化拠点「仲町(なかちょう)の家」。駅前のにぎやかな商店街とはうってかわって、ゆったりとした空間にたたずむと、解放された気分になり、不思議と人との距離が近く感じられます。週末を中心にイベントが開催され、地域の交流の場にもなっているようです。そこでの新しい出会いによってスタートしたプロジェクトも生まれていて、北千住コミュニティの重要な拠点にもなっています。今回はそんな「仲町の家」の魅力をお伝えします。北千住駅の物件を探す

庭の豊かな緑を部屋に取り込む「仲町の家」。昔ながらの造りの窓が使われている

北千住駅から徒歩10分ほどの場所にある「仲町の家」は、もともとは江戸時代末期に建てられたとされ、関東大震災後に同じ部材を使って建て替えられました。この建物の家主である石出家の先祖が新田開発した土地に立つ旧家で、離れとして使われてきました。

「家を大切に残してほしい」という石出家の故人(4人姉妹)の遺志を受け継いで、現在の家主がNPO法人に貸し出し、文化と交流の場としての再出発を迎えた仲町の家。現在は、東京藝術大学・足立区・NPO法人の3者が主催するアートプロジェクト「アートアクセスあだち音まち千住の縁(えん)」が、地域の歴史ある建物を拠点として運営しています。このプロジェクトは、アートを通じた新たなコミュニケーション(縁)を生み出すことをめざし、2011年から本格的にスタート。仲町の家は、2018年にプロジェクトの一環として開かれました。

仲町の家 公式サイト

仲町の家

日本、〒120-0036 東京都足立区千住仲町29−1

仲町の家

〒120-0036 日本、〒120-0036 東京都足立区千住仲町29−1

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所在地:足立区千住仲町29-1

オープン:土日月祝 10:00〜17:00

※年末年始・夏季休業あり

北千住駅から「仲町の家」までのアクセス

今回は、実際に「仲町の家」に行ってきました。最寄りの北千住駅から出発です。

北千住駅の西口を出て、ルミネを背にして左の商店街へ向かう

飲み屋街が連なっていて、小さい個人店も多いのが北千住エリアの特徴です。

東京藝術大学の千住キャンパスを通過し、正面のミリオン通り商店街に入ると、飲食店が点在しています。商店街の路地を一歩裏に入ると、昔ながらの住宅が軒を連ねます。さらに奥に入っていくと、ミリオン通り沿いに仲町の家が見えてきます。

北千住駅の西口から飲み屋街を抜けて行くのが近道です

東京藝術大学の千住キャンパスが目印。かつて小学校だった場所につくられました

ミリオン通りを入るとすぐ左手に花屋があります

ちなみに、ミリオン通りと並行に走るのが「かもん宿商店街」です。旧日光街道の一部で、真っ直ぐ隅田川方面に行くと千住大橋が見えます。かつて松尾芭蕉がみちのくに向かうため、ここを出立したという記録があり、ゆかりのモニュメントが点在しています。

仲町の家は「近隣の住民などさまざまな人が日常的に集まれる場所」として、毎週土日月祝に定期オープンしています。

通りから敷地の奥に入っていくと、緑が豊かな庭に圧倒されます。こんなに広い一角があるとは通りからは見えないからです。そして古民家の大きな正面玄関からスタッフの山本さんに出迎えていただきました。

仲町の家は、通りの奥に建物があり、入り口の看板が目印になります

仲町の家 茶室からの庭の眺めが美しいです

庭の風景が素晴らしく、人を引き付ける優しい魅力があるのでしょう。奥の茶室も窓が全開になっていて、穏やかな時間が流れていました。休息に訪れたり、誰かと話をしたり、ふと行きたくなる場所ですね。

靴を脱いで上がっていくと、畳の大広間には2人の女性の先客がちゃぶ台越しに談笑していました。聞いたところによると、普段はライブハウス等を拠点に音楽の企画を開催している大学生で、先日この仲町の家でも音楽の企画を開催したそう。ライブハウスに足を運ばない、より多世代の方々に自分の企画したライブを届けたいという想いで実現したとのこと。こうしてイベントで関わってくれた人が気軽に立ち寄ってくれるのが嬉しいとスタッフの山本さん。

小さな部屋もあり、ミーティングにも利用されます

よくイベントも行われるという仲町の家。どのようなイベントが開かれているのでしょうか?いくつかご紹介します。

赤ちゃん向けのコンサートで演奏するヴァイオリニストの北澤華蓮さん

赤ちゃんや未就学児とその保護者向けの音楽プログラム。アーティストとのふれあいもあり、文化的な育児支援の場として好評です。近隣の再開発などで若いファミリーが増えて、子どもに気軽に文化的な体験をさせたいという子育て層の要望に応えて始まったのだそう。また、ここで知り合った保護者同士が交流を深める機会にもなっています。

仲町の家では音楽を通した交流も盛んです。例えば地域のシニア世代が中心となって結成されたバンドが、昭和歌謡の演奏を披露するなど、世代を超えた交流の場にもなっています。

地域内外の人々が、仲町の家という場を通して、何かをやってみたくなったら、新たな活動を作っていくことができるユニークな取り組みです。審査を通して開催が決定されます。東京藝術大学の学生や関係者によるものはもちろん、多くの展示会などの企画が開催されてきました。建物そのものに注目した企画も行われています。

北千住エリアの特徴

北千住は、約400年の歴史を持つ宿場町「千住宿」として知られる、歴史と文化が息づく街です。千住大橋の完成後、1625年(寛永2年)に日光街道・奥州街道の第一の宿場町として「千住宿」が設置されました。

松尾芭蕉が『奥の細道』の旅を始めた出発地としても知られており、文学や歴史にゆかりのある場所として有名です。隅田川沿いには、現在も芭蕉像や句碑が点在し、休日には歴史をたどるまち歩きも人気です。案内マップも足立区が発行しています。

さらに、隅田川沿いにはかつての市場の名残があり、商いのにぎわいが感じられるエリアも残っています。

旧日光街道では、銀行の前に松尾芭蕉の木像が置かれています

江戸時代から街道と隅田川が交差する交通の要衝ということで、かつては市場だった

駅周辺の再開発によりタワーマンションや大型商業施設が立ち並ぶ北千住。便利な都市型の暮らしが可能になってきて、古くからの住人と新しく暮らす若い住人が混ざりあっています。昔からの商店街も活気があり、小さな個人店も並んでいます。子育て世代から高齢者まで幅広い層にとって住みやすく、歴史・文化・現代的な快適性が調和するまちとして高い人気を誇っています。飲食店も多く、魅力的な個人店も多くあるのも特徴でしょう。

商店街の揚げ物屋さんは、弁当も人気です

昔ながらの豆腐屋さんは、品ぞろええが豊富です

高い利便性の理由として、交通アクセスがあげられます。JR常磐線、東京メトロ日比谷線・千代田線、東武スカイツリーライン、つくばエクスプレス、京成本線があり、現代も江戸時代から続く交通の要衝です。

北千住エリアのおすすめスポットを「仲町の家」スタッフに聞いてみた

最近の北千住では、若者による「まちづくり」や文化活動の拠点が次々と誕生しています。仲町の家のスタッフ、山本良子さんに紹介いただきました。

複数の棚主がそれぞれの選書を並べ、生活の合間に開かれるシェア本屋。

旧日光街道に面した場所にあるシェア本屋の「共同書店 編境」の外観

住宅街にたたずむ隠れ家カフェ。築約90年の小さな家をセルフリノベーションした日用品と日本茶のお店。

路地裏の住宅街の一角にある古民家カフェ「KiKi北千住」

元銭湯・ボウリング場をリノベーションした、劇場・カフェ・ギャラリーなどを擁するアートセンター。

さまざまな人が集い活動するユニークな「私設公民館」。

また、週末にはさまざまな地域活動のイベントが行われていて、シェアハウスを拠点に、平日は社会人として働き、週末には地域活動を行う若者も多いです。仲町の家も、そんなネットワークの中心のひとつとして、地域における多世代・多様な人々の交流拠点として進化を続けています。

裏通りに入ると昔ながらの細い路地がいくつもあります

北千住は、宿場町だったという歴史があり、外からの人の流入に対して寛容な町です。タワーマンションやシェアハウスが増え、若い世代からの人気が高まっていて、一方で昔からの住人も多く住み、その交流によって化学反応が起きつつあるようです。交流を支えている「場」が増えているのも北千住の特徴でしょう。その一つ、仲町の家は、歴史的にも約400年前に千住の新田開発に携わった石出掃部介吉胤(いしで かもんのすけ よしたね)の子孫の家と知り驚きました。交流によって北千住愛が育まれ、地元を楽しもうと盛り上がっています。聞くと、北千住の車のナンバーには「1010」が多いそうで、千住だから千十となるのです。北千住愛を感じますね。ぜひ、仲町の家や北千住エリアを訪れてみてくださいね。

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