横浜の街を歩いていると、結構な頻度で感じることがあります。それは、意外に知らなかったけれど、こんな素敵な街があったなんて!ということ。横浜市港北区にある大倉山もその1つです。
今回は、大倉山のシンボリックな商店街である「大倉山エルム通り商店街」を実際に散策し、その魅力をたっぷりとお届けします。大倉山駅の物件を探す
ギリシャ神殿風の横浜市大倉山記念館が街のシンボル
「大倉山エルム通り商店街」の魅力はなんといっても、街のみんなで地域の子どもたちを育てる取り組みをはじめ、地域ぐるみの温かな人間交流が育まれていることにあります。が、本題は後に取っておくとして、まずは大倉山の街の沿革からご紹介していきましょう。
横浜市の北東部に位置する大倉山ですが、その中心部に東急東横線・大倉山駅があります。急行が止まらない駅なので、知らない人は案外、見過ごしがちですが、ほどよい緑が残り、子育て支援も充実し、さらに都心へのアクセスも良いのに落ち着いた街と、その住みやすさから人気のエリアなのです。
地域の文化的なイベントを開催
そんな大倉山の街のシンボルとなっているのが、大倉山駅から北西に少し登ったところにある横浜市大倉山記念館。ここは実業家で、後に東洋大学の学長も務めた大倉邦彦氏が1932年、大倉精神文化研究所として創建したものです。現在では寄贈を受けた横浜市が大改修を行って建物の保存を図り、横浜市大倉山記念館に生まれ変わりました。ギリシャ神殿風の様式を採り入れたピロティーが特徴で、現在ではコンサートや絵画展など、文化的な地域の催しが盛んに行われています。

横浜市大倉山記念館のあるこの丘は、かつては観音山と呼ばれていましたが、研究所の創建にともなって通称、大倉山と呼ばれるようになりました。すでに1926年に開通していた東京横浜電鉄(現・東急電鉄)では太尾駅だった駅名も現在の大倉山駅に改称。当時から街のシンボリックな存在だったことが分かりますね。横浜市大倉山記念館のある大倉山公園は約6.9万m2の敷地のうち1.1万m2を梅林が占め、約46種220本の梅が植えられています。毎年2月中旬から3月上旬が見ごろのピークで、2月下旬には「大倉山観梅会」という恒例のイベントも開催されます。多くの人でにぎわう梅の有名スポットです。

大倉山エルム通り商店街は壮大なプロジェクトから誕生
大倉山記念館のある“大倉山”の麓にあるのが「大倉山エルム通り商店街(https://www.ookurayama.net)」です。1978年の港北区役所移転を機に1988年に大幅に整備され、記念館のギリシャ神殿風の建築をモチーフに、商店街の各店の建物を白い壁と装飾柱のデザインで統一。無電柱化され、歩道には花のプランターを設置した明るい街並みへと生まれ変わりました。

さらっと紹介しましたが、実はこの街並み整備事業、かなり大変なプロジェクトだったのです。かつてのエルム通りは歩道もなく、けっして広いとはいえない道路をクルマが対面通行で行き交っていました。大きなバスが通るたびに歩行者が電柱の陰に隠れなくてはならないような状態。このままでいいはずがありません。商店街を利用する地域の人が安心して買い物をできる街にしたい。そんな思いから、商店街各店のオーナーたちが毎晩のように話し合いをして、街の整備事業を推進していきます。

街の危機を救うために商店街全店を建て替え!
最も大変だったのは歩道を確保するために、通り沿いに林立していた各店の位置をすべて通りから2m15cm後退させたこと。これを一気に行うためには、商店街の店をすべて建て替える必要があり、店主の協力、理解なしには実現できません。当時は大倉山だけでなく、日本の商店街はどこも大規模スーパーの進出で苦戦を強いられていた時期でした。そう、ここエルム通り商店街にとっても、現状打破は商店街の死活問題だったのです。
自分たちの街の危機は自分たちが守る。そして、街の人が喜んでくれることに力を尽くせばこの商店街通りの未来は明るい。そんな思いから、商店街の各店主たちが一致団結。通り沿い全店が1年間休業し、商店街の建物をすべて取り壊して建て替えました。今から30年以上も前の話です。
エルム通り商店街の名前も当時できたものですが、由来はギリシャ・アテネの市街地にあるエルム通りから。実際にアテネに視察へ赴き、それがご縁で現在もアテネ市エルム通りとの姉妹提携の関係が続いています。

地域ぐるみの子育てで住みやすさを実現
「今ではとうてい考えられないことですよね。当時はバブルの頃でもありましたし」とかつての街並み整備事業を振り返るのは、エルム通り商店会の会長を務める山田不動産・山田浩之さん。
「各店の1階と2階のファサードの高さがそろっている商店街ってあまりないでしょう? 一気に造らないと実現できませんからね。店を建て替えるわけですから、各店主にも費用負担が発生しますし、当初は難色を示した人もいましたが、結局は街を良くしたいという思いでまとまりましたよね」
山田さんは当時、整備事業の中核を担っていた次の世代に当たります。偉大な先輩たちの思いを受けて目下、住みやすい街づくりに尽力中。
「大倉山って歓楽街のない静かな街だし、最近では子どもも増えて小学校も落ち着いているって聞きますしね。区役所、病院、警察、消防と全部そろっていて便利がいい。それとね、ここで店をやっている人って、あまり商売っ気がないんですよ。あまりガツガツしていないというか。穏やかというか。でも、お年寄りが独り暮らしを始めるって聞いたら、じゃあ、新しい布団が必要だろうから、布団屋さんを紹介するよ、とか面倒見がいいところがありますね」
そう、この街には粋な人が多いのです。
「あとは住んでいる人たちががんばってくれていますね。エルム通り商店街の真ん中にある商店街振興会館の1階に“おへそ”という地域住民が交流できる施設があります。これも、街の情報を入手できる場所が欲しいという地域の子育て世代の方たちのリクエスト。1階をエルム通り商店会と共有する形で、子育て世代のお母さんたちが運営してくれています。なので、七夕、ハロウィン、クリスマスなど街のイベントをやると地元の方が積極的に手伝ってくれて、かなり盛り上がるんですよ。街全体で子どもたちを育てるというか、地域のつながりはそこそこできているかな、という実感はありますね」(山田さん)
どおりで、住みやすい街として人気なわけです。
エルム通り商店街には気取らず上質なお店がいっぱい
エルム商店街のなりたちを伺ってから街を歩いてみると、確かに商店街がギリシャ神殿風の白い建物で統一されています。清潔感があってきれいな街並みですが、そこにはゆったりとした心地よい時間が流れていました。
まずは大倉山駅のすぐ横にあるのがフラワーショップ「Delphi’s Ownd」。大倉山で50年の歴史を刻む本格派のフラワーショップです。自宅に花があると目が悦びますし、贈り物にもいいですね。

さらに進むとこの地で1964年創業の老舗寝具店「豊屋寝装店」がありました。「急行は止まらないけれど、静かで便利で住みやすいですね。ここからだと新横浜駅も意外と近いので、歩いてでも新幹線に乗れますよ」とは生まれも育ちも大倉山の2代目店主・齊藤守彦さん。
「うちは昔ながらの布団屋なので、昔なじみの地元のお客さまが多いです。布団にはエコだったりSDGsだったり天然素材の良さがあるので大切にしていきたいですね。一方で寝具は好み、体格、ライフススタイルによって十人十色なので、ご自身にあった寝具を選んでいただければ。寝具でお困りごとがあれば気軽にご相談ください」(齊藤さん)

素材にこだわるお店が続々オープン
最近では他のエリアから大倉山に移住してくる人も多いそうですが、新しいお店も着々と増え街に根づいています。線路沿いにあるパン屋さん「トースティーショップ」もそのひとつ。国産小麦と米麹から育てた天然酵母を使っていて、生地のおいしさが口いっぱいに広がる人気のパン屋さんです。こういった日々の食卓にこだわりをプラスする食材が支持されるのも地域性を反映しているといえますね。

2021年秋にエルム通り沿いにオープンした「農家ダイニング そざいや」も大倉山で注目の人気店。隣町・新羽で小山農園を営む小山晃一さんが、自分の畑で採れたばかりの新鮮野菜を使ったメニューを豊富にラインアップしています。中でも野菜が苦手な子どもでもごくごく飲める小松菜スムージーは大好評。そのほか、横浜の若手農家ネットワークを活かして地元で採れたトマト、椎茸を使ったり、藤沢市の養豚農家、湘南みやじ豚の豚肉など、小山さんが自ら足を運んでつながりを持った県内の食材と新鮮野菜を組み合わせたメニューもあります。また、お店では採れたての野菜を買うこともできます。
「新鮮な野菜は新鮮なお肉と一緒に召し上がっていただきたいですからね。うちだけではなく、地元・横浜の農家のことを地域のみなさんに知っていただきたいと考えています。最終的には少し値段が高くても地元のものを選んでいただけるようになるのが理想ですね」(小山さん)


山田会長や小山さんをはじめ、街をつくっている人たちの粋な思いを伺って、大倉山エルム通り商店街に流れる豊かな時間の理由を実感することができました。
子育て支援拠点「どろっぷ」を中心とした地域ぐるみの子育て
子育て環境が充実しているのも大倉山の魅力ですが、その中心になっているのが、エルム通り商店街沿いにある港北区地域子育て支援拠点どろっぷ。「子どもがまんなか みんなで子育て」をコンセプトに、主に0歳から未就学児・妊婦とその家族、地域で子育てを応援している人のための施設です。
今回は、施設長の田之畑有美さんと、同施設を運営している認定NPO法人びーのびーの地域remix事業代表の石原里美さんにお話を伺いました。

「最近では、共働き家庭も多いですが、近くに両親や頼れる知り合いがいないという方も多く、子育てで悩んだときに親だけで抱え込んでしまうという場合も多く見られます。そんな時に、ボランティアさんがそばにいて話を聴いてくれることや、先輩家庭から経験談を聴いて少しでも先の見通しが持てることで、子育ての不安軽減につながっていると感じています。ここでは、学生からシニア層のボランティアなど、多様な方が子育ての場に加わっています。それぞれ関わり合いながら、地域ぐるみでの子育てを体感してくれたらいいな、と思っています」
街ぐるみで地域の子育てを実践
どろっぷの利用者は1日に60~70組ほどで、日によっては100組を超えるほど混雑することもあります。
「利用家庭からは、”自分の子は大きくなって外の庭で遊べるようになってきたから、赤ちゃんのいる家庭を優先的に中に入れてあげてね”といった声もあるように、利用者の皆さんが譲り合って利用する“いい循環”ができているのが本当に嬉しいですね。また、土曜日、日曜日(隔月)も開館しているので、保育園や幼稚園に入った家庭が懐かしく思って久々に来館される方もいらっしゃいます」
街の施設ではありますが、まるで学校や家のようですね。
「本来は地域の未就学児家庭のための施設ですが、近隣の小学校・中学校とも、乳幼児家庭とのふれあい体験授業を実施しています。乳幼児期にどろっぷで過ごした学生も多いのですが、授業を終えた後にボランティアとして来館し、子どもたちと遊んでくれています。学生にとっては、乳幼児とふれあうことによって学校以外の場で人の役に立つ有用感を感じたり、親御さんにとっても、地域でこんな風に育っていくんだという、成長する過程をイメージできるという相乗効果につながっていると思います」

学生やシニア層のボランティアも積極的に受け入れ、もはや“大きな家族”のような存在のどろっぷですが、田之畑さんや石原さんが強調するのは、すべては地域の支えがあってのこと。
「利用家庭からの声を反映して、各種プログラムなども設けていますが、幼少期から少しでも多くのことを体験できる場を創っていけたらと思っています。自治会町内会の会長さんやエルム通り商店会等の協力があって、この場を運営できていると思っていますし、皆さんが応援してくださっていることに感謝しています」
街ぐるみで「子どもがまんなか みんなで子育て」を実践しているというわけです。
大倉山駅はどこへ出るにもアクセス良好
実際に街を巡ってみて大倉山が住みやすい街として人気の理由がよく分かりましたが、その理由の中には都心へのアクセスの良さも含まれています。
横浜駅へは隣の菊名駅で急行に乗り換えると最短8分、渋谷駅へは各駅停車でも32分で行くことが可能。武蔵小杉駅で東急電鉄からJR湘南新宿ライン特別快速に乗り換えれば新宿へも乗り換え1回で約46分ほどです。
新幹線・新横浜駅利用の場合は従来の菊名駅経由に加え、3月の相鉄新横浜線・東急新横浜線開業で、新横浜駅まで鉄道会社を跨がず東急電鉄のみで行くことができるようになりました。また、健脚であれば、新横浜駅まで歩けない距離ではありません。
住みやすさに直結する要素が全部盛り!
地元の商店で日常の暮らしに必要なひと通りのものがそろい、少し大きめの買い物がしたければ、大型商業施設のトレッサ横浜も実は大倉山駅が最寄り。駐車場が全日無料なので安心して買い物が楽しめます。そのほか区役所をはじめ、港北区の各種行政機関が集中しているのも子育て世代にとっては大倉山に住む大きなメリットといえますね。
それでいて、街のシンボルである大倉山記念館のある大倉山公園には豊かな自然が残り散策にも最適。丘の上から街並みが見下ろせる眺望もなかなかです。その先にある鶴見川沿いには桜並木が連なり、ベビーカーでも気軽に散歩ができます。
都心へのアクセスが良好な都市部の街でありながらも、ほどよい自然があり、買い物にも困らず、子育て支援環境も整っている大倉山。今回、その中心にあるエルム通り商店街に息づく粋で温かな人間模様にナマで触れることができ、大倉山の街にすっかり魅了されてしまいました。
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