街の要素の大切な1つである、お店の存在。みなさんは、お気に入りの店や「この店があるからこそ、この街に惹かれる」という場所はありますか?
お店の持つ魅力は単純に、「美味しいもの」や「お気に入りのもの」に出合えることだけではありません。そのお店に惹かれる人が集まることで、街にコミュニティが生まれ、その街ならではの特徴が生まれているのではないでしょうか。

本企画「店から広がる街の姿」は、ある街にあるお店を通して、お店や店主さんの視点を起点に広がっている街の姿を覗く試みです。ここで商いをしているからこそわかる人びとの様子や街自体の魅力について、店主の方々に尋ねてみましょう。大阪府の物件を探す

日本一長いといわれる商店街・天神橋筋商店街をはじめ、さまざまな飲食店や商店が集う天神橋筋六丁目駅。そこから少し歩けば、静かな住宅地・本庄エリアが広がっています。ここ本庄に台湾のデザート「豆花」の専門店「南所豆花」がオープンしたのは2022年のこと。

オーナーのアモさんは、台湾出身。お店を始めるまで、天神橋筋六丁目に来たことはなかったそうですが、この新旧が共存したような街並みと空気を気に入っているのだそう。

―日本に暮らして、どのぐらいですか?

アモさん:「3年ぐらいがたちます。もともと日本に興味があって10年前に、ワーキングホリデーで大阪に来たんです」

―そうだったんですね。日本のどんなところに興味があったんですか?

アモさん:「日本の文化やデザイン、建物とか。あとは食べ物も好きだし、スケボーも。僕はスケーターだから、日本のスケートパークもいろいろ行ってみたくて」

―なるほど。大阪に来てみてどうでしたか?

アモさん:「僕は台湾の台南出身なんだけど、人情味がある大阪の人の感じとか、台湾とすごく似てるなあと思いました」

―そこから一度帰国して、日本でお店を出そうと?

アモさん:「そうそう。料理が好きだから、台湾で飲食業の経験を積んで。焼肉屋さんや丼屋さんなど、日本食のレストランで働いていました。丼屋さんは8年も働きましたよ」

休日ともなると大賑わい。若い世代はもちろん、地元の人々も通う

―いろいろな料理がある中で、なぜ豆花のお店にしようと思ったのでしょう?

アモさん:「日本でビジネスをやりたいと思って、お店を始める前に2〜3回旅行に来たんですが、当時台湾スイーツの専門店は全然なかったんですね。だからこれはいけそうだなって。でも外国人が日本で会社を設立するために必要な物事を全く知らなかったので(笑)、すごく大変でした。スイーツの中でも豆花にしようと思ったのは、友人が台湾で豆花の店をやっていたから。そこで勉強させてもらって、日本でオープンできました」

豆花にトッピングをよそうアモさん。店内では他にも「嫩仙草(柔センソウゼリー)」や台湾かき氷などがいただける

―今では大阪で豆花の店といえば「南所豆花」というくらい、人気店ですよね。

アモさん:「若い人だけじゃなくて、幅広い世代の人が来てくれています。この辺に住んでいるおばあちゃんは、毎日来てくれるです。豆花は豆乳を使って作るスイーツですごくシンプルだから、台湾でもみんな毎日食べるんですよ。子どもの頃から食べる伝統的なデザートですね。塾の帰りや仕事の帰りに屋台で食べたり、友人たちで集まる時も食べたり。好きなものをトッピングできるから、いろいろ楽しめます」

トッピングを4種選べる「南所豆花」(760円)。今回はさらにもう1種追加でトッピング(1種80円)

生活感溢れる町・本庄で、暮らす人に“台湾の味”を伝える

―この辺にはオープンまで、ほとんど来たことがなかったそうですね。

アモさん:「そうそう。最初は中崎町で探していたんだけど、気に入った物件があまりなかったし費用が高かったので、別の場所にしようと範囲を広げて探しました。コンクリート調の建物が好きだから、今の物件が気に入って。公園が近くにあるのもいい。公園に来た親子連れが来てくれるかもしれないし。でも、どういう場所なのか全然知らなかったので、最初は心配でした(笑)」

―心斎橋や難波など、若者の多い中心地でなく、なぜこの周辺に?

アモさん:「心斎橋や難波は、観光客の街っていうイメージだったので。天六(天神橋筋六丁目)や中崎町は、生活感があって、旅行客もいるけれど地元の人が多い。台湾の味を町の人たちに広めたいという気持ちがあったから、こっちのエリアの方がいいなと思いました。2022年の3月に、中崎町に2店舗目をオープンしたんですが、こっちは台湾料理のお店です」

―お店を始めてみて、この場所はどうですか?

アモさん:「この辺は周りにお店が全然なくて、静かな住宅街ということがわかりました。店が忙しかった日は、隣の公園でひと休み。春になると桜がきれいで、店からも見えていい感じです」

仕事の合間のひと休みは近くの公園やカフェで

アモさん:「コンクリートの建物が好きだから、この辺を自転車でぐるぐる走って、かっこいい建物を見つけては写真を撮ったりしています。あと、この道もすごい好き!」

アモさん:「この道のめっちゃ長く続いている感じ、すごく好きなんですよ。奥には梅田が見えます。この道を向こうへ渡った先の路地も面白いです」

大通りを渡ると細い路地が。古い商店や家が立ち並ぶ

「日本の家のこういう造り、面白いですよね」とアモさん

―この道は昔の雰囲気が残っている感じで、かわいいですね!

アモさん:「新しい雰囲気と古い雰囲気がミックスした感じをすごく気に入っていて。生活感もめっちゃあるでしょ?そこもいい」

アモさん:「この雰囲気を昭和と言ったらいいのかわからないけれど、看板や建物など古い雰囲気が交ざり合うのがいいですよね。台湾にも古い建物はあるけれど、こういうミックスされた景色はあんまりない。建物も、コンクリートのものが多くてスタイルが全然違うんです」

―お店があまり周りにないエリアでも、歩いてみるとやっぱり面白いですね。

アモさん:「繁華街ではないけれど、台湾の味を地元の人に広めたいという夢があったから、この場所は合っていたなと思います。まだまだ台湾料理は中国料理と同じと思っている人も多いと思うけど、全然違うもの。中国料理は辛そうなイメージがあるけれど、台湾料理は香辛料をいろいろ使っていても優しい味。そんな本当の台湾料理をもっと日本人に知ってもらえたらなと思っています」

◆今回取材したお店

「南所豆花」

住所:大阪府大阪市北区本庄東2-7-13 1F

電話:06-7709-4887

営業時間:12:00〜20:30(L.O 20:00)

定休日:月曜休

インスタグラム:@ nannsyo_osaka

「南所豆花」のある本庄エリアは、天神橋筋六丁目駅が最寄り。Osaka Metro谷町線と堺筋線、そして阪急千里線の3つの路線が使えるので交通利便性も高い駅です。阪急に乗れば京都への移動もしやすいので、休日は遠方へ出掛けたい人にもおすすめです。

日本一長い天神橋筋商店街はもちろん、活気のある個人商店が多いので、日々の買い物も楽しくできそうな街です。下町の雰囲気が残る本庄エリア・天神橋筋六丁目駅付近で、ぜひ物件を探してみてはいかがでしょう。

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◆本記事の担当者

取材・文:小島知世 撮影:沖本明

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