⾃宅の⼀部に賃貸住宅の機能を加えた「賃貸併⽤住宅」。
成功すれば家賃収⼊などが期待できる⼀⽅で、ネット上では「後悔」「失敗」などネガティブな意⾒も散⾒される住宅です。

今回は、そんな賃貸併⽤住宅の基礎知識について、ハウジングアドバイザーの関⾕さんに分かりやすく教えてもらいます。

無料で住まいの窓口に相談する住まいの窓口とは賃貸併用住宅講座

話し⼿:関⾕さん(住まいの窓⼝ハウジングアドバイザー)
福島県出⾝。保険業界を経て、2015年にLIFULLに⼊社。⾦融業界に⻑らく勤めていた知識と経験を⽣かし、ライフプランも⾒据えてお客様に安⼼いただける相談をモットーに活躍中。担当の東京、千葉エリアのみならず、豊富な転勤経験から、エリアの相談にも定評がある。

ー賃貸併⽤住宅はどのような⽅が検討されることが多いでしょう?

 

まず多いのが、元々⼟地を持っている⽅ですね
特に駅から近いなど利便性の⾼い場所や、周りに⼈が多く集まりそうな場所に⼟地を持っている⽅がよく検討されます。
なお、賃貸物件になるからといって極端に広い⼟地が必要なわけではなく、40坪〜50坪程度の⼟地を持っている⽅なら検討できます。

 

そのほかに多いのは、⼆世帯住宅を検討されている⽅です
⼆世帯住宅でも賃貸⽤に貸し出せる部屋を併設することや、将来的に貸せるような間取りにすることもできます。

 

⼆世帯住宅も、実家を建て替えるタイミングで検討されたり、元々所有していた⼟地に親⼦で建てたりするケースがほとんどなので、いずれにせよ、⼟地を持っている⽅が検討されることになります。

 

ーすると、⼟地を持っていない⽅が建てるのは難しいのでしょうか?

 

⼟地から探して賃貸併⽤住宅を建てるとなると、⾃⼰資⾦を相当持っていない限り、住宅ローンの審査が厳しくなります

賃貸併⽤住宅⾃体、建物価格も⼤きさによっては最低8,000万円くらいからになるので、⼀般の住宅を建てるよりかなり⾼くなってしまうからです。

 

また、賃貸併⽤住宅は収益性があるとはいえ、稼げるというものでもありません。感覚的には、住宅ローンの返済の⾜しになるくらいをイメージいただくとよいと思います。 「⼟地を持っていないけれど、稼ぎたいから賃貸併⽤住宅にしたい」という⽅には、実はおすすめできないんです。

 

住まいの窓口に相談する 賃貸併用住宅講座

ー⼟地を持っていることがポイントとのことでしたが、賃貸併⽤住宅にするメリット・デメリットを教えてください。

 

メリットとしては、⾃宅部分が延べ床⾯積の50%以上であれば、住宅ローンが利⽤できることです。
※アパートを建てるときのローン(アパートローン)は⾦利4〜4.5%で設定している⾦融機関が多いのに対し、住宅ローンは変動⾦利だと0.5〜0.6%程度の⾦融機関が多いので、借⼊⾦額を抑えることができますし、ローン返済の負担を軽減できます。

 

また、税⾦の⾯で優遇されたり、将来的に相続を考えている場合は譲渡しやすくなったりもします

※⾃宅部分が延べ床⾯積の50%未満でも区分所有という形で、住宅ローンとアパートローンを両⽅使ってローンを組む⽅法もあります。ただし、借⼊額が⾼額になりがちで、年収や資産状況によっては借⼊できないこともあります。

 

⼀⽅、デメリットは収益性のない⼟地でチャレンジしてしまうと借り⼿が⾒つからず、空室になってしまう可能性があることです
収益性がないというのは、エリアにもよりますが、先ほどお伝えした「駅から遠い」「⼈が集まりにくい」といった要素を指します。

 

なお、⼟地にはそれぞれ建ぺい率(敷地⾯積に対する建築⾯積の割合)と容積率(敷地⾯積に対する建物の延べ床⾯積の割合)が決まっており、⽤途地域という建築できる建物の種類、⽤途の制限を定めたルールもあります。
そのため、たとえ利便性がよくても、賃貸併⽤住宅は建てられない⼟地もあるんです。

ー賃貸併⽤住宅を建てるときのポイントがあれば、教えてください。

 

まず、ハウスメーカー選びが⼤事だと思います

どのメーカーでも賃貸併⽤住宅を建てることはできますが、建てた後は⼊居者や物件を管理していく必要があります。
たとえ安く建てられても、⼊居者が集まらず空室が続いてしまったりするとローンの返済にも関わってきます。

 

賃貸物件の集客や管理のノウハウのあるメーカー、具体的には、

  • ⾃社でアパートなどを所有しているメーカー
  • サブリースで管理を依頼できるメーカー

を選ぶ⽅が安⼼です。

 

ハウスメーカー選びの視点では、住宅性能が⾼いメーカーであることも重要です。賃貸併⽤住宅だと、⼊居者の騒⾳⾯が気になるなどの問題も出てきかねません。

 

⼀⽅で、賃貸併⽤住宅⾃体価格が⾼くなるので、性能やメーカーのブランド⼒を求めすぎると価格が⾼くなりすぎてしまうこともあります。
予算をどれくらいまでにするかはよく考えた⽅がいいでしょう。

 

ー⼤事な視点ですね。そのほかにはありますか?

 

ハウスメーカーの担当者も⼤切です。
これまでもお伝えしたように、賃貸併⽤住宅は建てて経営していくのにふさわしい⼟地かをしっかり⾒極める必要があります。

  • 集客⾯に問題がない⼟地か
  • ⽤途地域や建ぺい率・容積率の観点で建てられる⼟地か
  • 予算が妥当か

などを総合的に判断する⼒が求められます。

 

例えば、駅前の⼟地で集客⾯ではよくても、⽤途地域が防⽕地域だと⽊造で建てられないので予算が上がってしまうなどもあります。実績のない⼈が担当するのは難しく、後悔する結果となりかねません

 

住まいの窓⼝でも、賃貸併⽤住宅を検討されるお客様に会社をご案内する場合には、実績豊富な担当者をご紹介するようにしています。

 

住まいの窓口に相談する 賃貸併用住宅講座

ーでは最後に、これから賃貸併⽤住宅を建てることを検討されている⽅に向けて、アドバイスをお願いします。

 

賃貸併⽤住宅は、通常の住宅、⼆世帯住宅とは違って、⽴地に左右される⾯があります。「どうしても建てたいから建てる!」と進めてしまうと、空室やローンの返済に悩まされるなど、後悔することにもなりかねません。
⾃分に合っているかどうか検討したうえで、場合によっては賃貸併⽤住宅でなく⼀般住宅に切り替えるなどの判断も必要となります。

 

ただ、「賃貸併⽤住宅」という選択肢があることはぜひみなさんに知っておいてほしいと思っています。住宅購⼊ではあらゆる可能性を検討いただき、最善の選択肢を選ぶのがベストだからです。

 

そして、繰り返しになりますが、適切な提案と判断ができるハウスメーカーに対応してもらうことが必須です。

 

住まいの窓⼝では、賃貸併⽤住宅が得意な会社、実績豊富な担当者をご紹介することができますので、賃貸併⽤住宅を検討されている⽅は、ぜひ⼀度相談してみてくださいね

 

※本記事は2024年1月に住まいの窓口noteに掲載された内容です。

 

住まいの窓口に相談する 賃貸併用住宅講座

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