家を建てるときには、着工前に「地鎮祭(じちんさい)」と呼ばれる儀式を行うことがあります。初めて家づくりを行う場合、どのように対応すればいいのか分からない部分もあるでしょう。

地鎮祭の段取りなどは、ハウスメーカー(住宅メーカー)の方で準備してもらえることが多いですが、どういった流れで行われるのかを把握しておきましょう。

この記事では、地鎮祭を行うときのポイントや費用の目安などを解説します。

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地鎮祭とは、住宅の建築を着工する前に行う儀式のことであり、昔から行われてきた慣習です。

 

住宅を建てる前に、その土地を守っている氏神から土地を利用する許可を得て、工事が安全に執り行われることを願うのが目的です。

 

具体的には、家を建てる土地の四隅に青竹を立てて、それらをしめ縄で囲んで祭壇を設置します。お供え物を捧げ、地元の神主を招き、施主や工事関係者が参列して地鎮祭は行われます。

 

日取りの設定は、「十二直(じゅうにちょく)」と呼ばれる暦注(れきちゅう:暦に記載される日ごとの吉凶や運勢を示す注釈のこと)を基にした建築吉日の中から選ばれるのが一般的です。

 

スケジュールの調整などはハウスメーカーが行ってくれるので、担当者と相談してどのような段取りで進めていくのかを確認しておきましょう。

 

地鎮祭は全国的に浸透している慣習ではありますが、必ず行わなければならないものではありません。近年では地鎮祭を行わない人も増えており、場合によっては、簡易的なスタイルで済ませたりすることもあるでしょう。

 

地鎮祭を行うかどうかは施主の判断や地域性などによるため、実施するかどうかも含めて検討してみましょう。ただ、地鎮祭を行いたい場合は準備が必要になるため、早めにハウスメーカーの担当者にその旨を伝えておくことが大切です。

 

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地鎮祭を行う場合、施主がすべてを用意する必要はありません。儀式で必要なものは、神主やハウスメーカーの方で用意してもらえることが多いので、何を準備すればよいかをあらかじめ確認しておきましょう。

 

施主側の準備として必要なものは、基本的に「お供え物」と「初穂料(玉串料)」がメインとなります。お供え物は一般的に、米や清酒、塩、海産物、野菜、果物などが挙げられます。

 

清酒は奉献酒(ほうけんしゅ)と呼ばれるもので、一升瓶2本を包装紙で包み、のし紙の上部に「奉献」または「奉献酒」と表書きをします。

 

海産物や野菜、果物などはそれぞれ3種類ずつを用意し、ほかには神社特有のお供え物が必要になることがあるので確認しておきましょう。

 

これらのお供え物も神主やハウスメーカーが用意してくれることがあるので、施主が用意するのは初穂料のみというケースもあります。

 

また、地鎮祭が終われば住宅の着工が始まることになるので、近隣住民へ工事のご挨拶を一緒に行っておくとスムーズです。

 

工事中は騒音や車両の往来などで不便をかけてしまうこともあるので、近隣住民へは誠意をもって対応するようにしましょう。

 

地鎮祭で用意する初穂料は、3万~5万円程度が相場となります。地域によって慣習は異なりますが、3や5といったキリのよい奇数にするケースが多いでしょう。

 

また、祭壇などの設置費用として5万円程度を見込んでおく必要があります。お供え物は用意するものによって金額は異なりますが、概ね1万~2万円程度です。地域差があるようですが、合計すると9万~12万円程度の費用がかかります。

 

設営費やお供え物の代金は、建築費用の諸経費に含まれていることがあるので、重複して支払ってしまわないように、事前にどの費用が含まれているのかをハウスメーカーの担当者に確認しておきましょう。

 

ほかに、近隣住民へ挨拶回りを行うときは、手土産代として1軒あたり500円~1,000円程度がかかります。そして、近年では省略されることも多いですが、地鎮祭の後に「直会(なおらい)」と呼ばれる食事会をするときは、その分の食事代金も必要になります。

 

どのようなスタイルで地鎮祭を執り行うかによって、トータルでかかる費用は違ってくるので、ハウスメーカーの担当者と事前の擦り合わせをきちんと行っておくことが大事です。

 

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地鎮祭そのものは、30分~1時間程度で終わりますが、準備や後片付けのことを考えると2時間~3時間ほどはかかると見込んでおいた方がよいでしょう。

 

神式で執り行う場合、一般的な地鎮祭の流れは次のようになります。

 

神式での地鎮祭の流れ

式次第

内容

修祓の儀(しゅばつのぎ)

参列者や祭壇を祓い清める儀式

降神の儀(こうしんのぎ)

祭壇に神様を迎え入れる儀式

献饌(けんせん)

祭壇に捧げたお供え物を神様に食べてもらう儀式

祝詞奏上(のりとそうじょう)

建物を建てることを神様に報告し、工事の安全を祈願する祝詞(のりと)をあげる

四方祓(しほうはらい)

土地の四隅を祓い清め、米や塩などをまく。切麻(きりぬさ)や散米(さんまい)と呼ぶこともある

地鎮の儀(じちんのぎ)

鍬入れを行い、鎮め物を埋める

玉串奉奠(たまぐしほうてん)

神様に玉串を捧げる

撤饌(てっせん)

お神酒などのお供え物を下げる儀式

昇神の儀(しょうじんのぎ)

祭壇に降りていた神様をお送りする儀式

閉式の辞(へいしきのじ)

地鎮祭の閉会を告げる挨拶

上記のように、一連の流れに沿って地鎮祭は行われますが、施主が直接関わるのは主に「地鎮の儀」と「玉串奉奠」の2つです。

 

地鎮の儀では神主から鍬を受け取り、鍬入れと呼ばれる盛り砂を掘り起こす動作を行います。地域によっては、「四方祓」に施主も同行するケースもあります。

 

また、玉串奉奠では玉串を祭壇に捧げ、二礼二拍手一礼を行います。場合によっては式の最後に挨拶をお願いされることがありますが、その際は地鎮祭に参加してくれた方へのお礼と工事の安全を祈願する言葉を述べるとよいでしょう。

 

地鎮祭の参加者に決められたルールはありませんが、基本的には施主のほかに、ハウスメーカーの担当者や工事関係者などを招く形となります。住宅が完成した後に一緒に住む家族や親族などにも、任意で参加してもらうとよいでしょう。

 

服装については、スーツであれば基本的に問題ありません。清潔感があり、フォーマルな服装にするのがマナーだといえます。

 

初めて家づくりを行うときは、地鎮祭を含めた家づくりの流れが分からないという人も多いでしょう。LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」なら、家づくりの基本的な部分から、専任のハウジングアドバイザーが丁寧にアドバイスをしてくれます。

 

家を建てることを考え始めたら、まずは気軽に「住まいの窓口」へ相談してみましょう。

 

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地鎮祭は必ず行わなければならない?

 

地鎮祭は全国的に浸透している慣習ではありますが、実施するかどうかは施主の考えや地域性などによります。どのように対応した方がよいか迷ったときは、ハウスメーカーの担当者に相談してみましょう。

地鎮祭の準備はすべて自分で行うもの?

 

地鎮祭に関する基本的な準備は、神主やハウスメーカーの方で整えてもらえることが多いです。お供え物や初穂料、誰を地鎮祭に招くかなどを考えておくとよいでしょう。

 

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