玄関の広さの目安

標準的な住宅の玄関の広さは、3畳（1.5坪）程度といわれています。幅1.35m、奥行き1.2m程度のスペースに、土間・収納・玄関ホールを設けるサイズ感です。

ただし、家族構成やライフスタイルによっては、狭いと感じることもあります。特にベビーカーやアウトドア用品など収納したい物が多い場合は、玄関スペースを広げ、ウォークインタイプの土間収納を検討する必要があるでしょう。

玄関の適切な広さは家族ごとに異なるため、まずはどのように玄関を使うのか具体的に考えてみましょう。そのうえで、ある程度ゆとりを持った広さを確保することが大切です。

玄関の広さを決めるときのポイント

注文住宅では、玄関の広さを自由に決められます。とはいえ、使い勝手がよい玄関を実現するためには、次の3つのポイントを押さえて広さを考えることが大切です。

現在住んでいる家の玄関の広さを基準に考える

玄関の適切な広さを考える際、参考にしたいのが現在住んでいる家の玄関です。

暮らしのなかで、「手狭だ」と感じているなら広めに設計し、「十分な広さだ」と感じているなら、その広さを基準に考えるとよいでしょう。

家族によって玄関の使い勝手の感じ方は違うため、1人ひとりの意見を聞きながら広さを検討すると、家族全員が快適に使えるスペースをつくれます。

家族構成を基準にする

家族の人数によって、適切な玄関の広さは異なります。たとえば、4～5人家族の場合、3畳程度が目安とされていますが、同じ3畳でも親子や子どもたちが並んで使えるようにする場合は、間口を広めに設計するなどの工夫が必要です。

また、5人以上の大家族や二世帯住宅、来客が多い家庭では、4畳以上の広さを確保すると快適性が向上します。

特に、朝の通勤・通学の時間帯に複数人が同時に出入りする場面を想定し、ゆとりを持たせた設計を心がけることが大切です。

収納スペースの使い方を検討する

玄関に収納する物を具体的に想定しておくことは、適切な広さを決める大事なポイントです。

靴だけでなく、ベビーカーや子どもの遊び道具、アウトドア用品などを収納する場合は、十分な広さを確保しましょう。収納したい物の種類や数をあらかじめ把握することで、必要な広さを見極めることができます。

また、庭に物置を設置する場合や、玄関に収納する物が少ない場合は、収納スペースを必要最低限の広さに抑えることも可能です。

玄関の使い方を具体的にイメージし、広めの収納を設けるべきか、コンパクトに抑えるべきかをよく検討しましょう。

広い玄関のメリットと注意点

広い玄関を設けると、家全体の印象を高めたり、収納スペースを充実できたりと多くのメリットがあります。

ただし、設計次第でデメリットが生じることもあるため、事前に注意点を押さえておくことが大切です。

広い玄関のメリット

広々とした玄関は、開放感を演出し、家全体の印象を上げる効果があります。

また、車椅子やベビーカーでの出入りがしやすくなるので、高齢者や小さな子どもがいる家庭では、暮らしやすさを実感できるでしょう。

さらに、玄関の広さを十分確保できれば、土間収納やシューズクロークなどの大型収納を設置できます。

傘や子どもの外遊び道具などの小物から、ベビーカーやアウトドア用品などのかさばる物までをまとめて収納できるため、玄関まわりを常にスッキリと片付いた状態に保てます。

玄関を広くするときの注意点

玄関を広くする場合、床面積の増加や広い土間収納の設置、高級な内装材の採用などにより、建築費用が増加する可能性があります。また、玄関を広げたことで、リビングや居室などほかのスペースが狭くなる恐れも。

玄関を単体で検討するのではなく、あらかじめ使い方を明確にし、家全体の間取りや収納などとのバランスを考えることが大切です。

玄関の広さ別の事例を解説

玄関の広さを具体的に検討する際は、実際の物件の間取りを参考にしてみるのがおすすめです。ここでは、LIFULL HOME’Sに掲載されている物件から、玄関の広さ別（2畳・3畳・4.5畳）に事例を紹介します。

2畳の玄関の事例

こちらの物件では、玄関にシューズボックスを設置し、玄関ホールには廊下収納と手洗い場を設けています。

廊下収納には、コートやストールなどの外出用アイテムを収納できるので、外出時の身支度や帰宅時の片付けがスムーズです。

また、帰宅後すぐに手洗いやうがいができるため、子どもの衛生習慣が身につきやすく、来客時にも便利です。

3畳の玄関の事例

こちらの物件は、土間収納とクローゼットを備えた実用性の高い玄関まわりが大きな特徴です。

土間収納は、ベビーカーや子どもの遊び道具などをそのまま収納できるため使い勝手がよく、重宝します。玄関ホールのクローゼットは、コートやバッグなど、外出用のアイテムを収納するのに便利です。

2種類の収納スペースを活用することで、外出時や帰宅時の動線がスムーズになり、玄関まわりを片付いた状態に保ちやすいでしょう。

4.5畳の玄関の事例

こちらの物件は、広々とした玄関のスペースに、椅子や飾り棚などを配置できるウェルカムスペースを設けているのが特徴です。くつろぎ感を演出し、住まいの印象を高めています。

また、玄関ホールに手洗い場とトイレを設けており、リビングからのアクセスがよいだけでなく、来客もスムーズに使えるように配慮されています。

初めて注文住宅を建てる際は、玄関の広さをどのように決めればよいか悩む方も多いでしょう。

LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」なら、家づくりの基本からハウジングアドバイザーにアドバイスをもらえます。

第三者の中立的な意見を聞くことで、家づくりをスムーズに進めるきっかけがつかめるでしょう。注文住宅を検討し始めたら、まずは気軽に相談してみましょう。

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記事のおさらい

玄関の標準的な広さはどれくらい？

一般的には3畳（1.5坪）程度が目安とされています。ただし、家族構成やライフスタイルによって適切な広さは異なります。玄関の使い方や、収納する物の種類・量を具体的に考えながら、最適な広さを検討してみましょう。

玄関の広さを考えるときのポイントは？

「現在住んでいる家の玄関の広さを基準にする」「家族構成を基準にする」「収納スペースの使い方を検討する」の3つの観点から検討してみるとよいでしょう。また、庭に物置を設置する場合や、玄関に収納する物が少ない場合は、玄関の収納スペースを必要最低限に抑えることもできます。