注文住宅が完成すると、所有権をハウスメーカーから施主へ移すための「引き渡し」と呼ばれる手続きが行われます。この記事では、引き渡しの大まかな流れやその際に必要なもの、注意点について詳しく解説します。
無料で住まいの窓口に相談する住まいの窓口とははじめての家づくり講座
注文住宅の「引き渡し」とは?

注文住宅の「引き渡し」とは、完成した住宅が、ハウスメーカーから施主に正式に渡されることを指します。工事中の家はまだ施主のものではないため、この引き渡しのタイミングで、施主はその家の正式な所有者となります。
注文住宅の引き渡しのタイミング
一般的に、注文住宅の工事が完了すると内覧会が行われます。内覧会は、完成した家が施主の希望通りに仕上がっているかを最終的に確認するもので、この時、施主はキズや汚れがないか、設備や仕上げに問題がないかをチェックします。
内覧会後、特に問題がなければ、正式な引き渡しが行われます。通常、引き渡しは内覧会終了後から1~3週間程度の間に行われることが多いです。
無料で住まいの窓口に相談する はじめての家づくり講座 注文住宅カタログを探す
注文住宅の引き渡しまでにやっておくべきことは?

引き渡しでは、登記のための手続きや費用の精算、行政上の手続きが発生します。スムーズに進められるよう、余裕をもって準備を進めましょう。
必要書類や費用を用意しておく
引き渡しの前に、支払い費用や行政手続きに必要な書類等を準備しておく必要があります。主に下記のものが必要となるため、あらかじめ用意しておきましょう。
- 売買代金から手付金を引いた残金
- 固定資産税などの清算金
- 管理費などの清算金
- 登記費用(登録免許税+手数料)
- 仲介手数料の残金
- 実印+印鑑証明書
- 住民票
- 身分証明書
- 預金通帳
- 金融機関届出印
残金の額や必要な書類について不明点がある場合は、ハウスメーカーの担当者に確認しておきましょう。
内覧会でしっかり状態を確認する
引き渡しの前に、家にキズや汚れ、図面とは異なる点がないか、内覧会でしっかり確認しましょう。万が一、不具合が見つかった場合は、内覧会の際に指摘し、修正を依頼することができます。見逃しがないよう、メモを取りながら確認するとよいでしょう。
注文住宅を購入してから引き渡しまでの大まかな流れ

注文住宅の購入から引き渡しまでは、土地の購入から引き渡しまでは、約1年かかるとされています。土地の広さや、建築工法によっても期間が異なるため、あらかじめハウスメーカーに確認しておきましょう。ここでは注文住宅の購入から引き渡しまでの流れについて、段階ごとに解説します。
予算や住まいのイメージの計画を立てる
まずは、インターネットや住宅専門誌などを活用して情報収集を行い、自分たちのニーズを明確にします。イメージが固まってきたら、希望するエリアや広さ、予算などの細かい部分についても、希望を決めていきましょう。
住宅メーカーや施工会社の選定
イメージが固まったら、建築を依頼するハウスメーカーや施工会社を探します。一般的には、インターネットで調べてカタログを集めるといった方法や、モデルハウスや住宅展示場へ訪問するなどの方法で依頼先を決めることが多いです。
土地の選定(土地を購入する場合)
土地を購入する場合は、ハウスメーカーや不動産会社の選定と並行して、住宅を建てるための土地を探す必要があります。自分たちで気になるエリアの土地を探すこともできますが、ハウスメーカーや不動産会社に土地探しから依頼することも可能です。地域に根ざした会社の場合、独自の情報を持っていることが多いため、家のプランに最適な土地を提案してもらえる可能性もあるでしょう。
プランや見積もりの確認
依頼する会社が決まったら、次に注文住宅の具体的なプランを固めていきます。間取りや設備、外観など、実際に建てる家のイメージをしっかりと描きながら、視覚的な形に落とし込みましょう。プランが確定したら、見積もりを出してもらい、金額面での調整を行います。また、住宅ローンを利用する場合は、この段階で仮審査を受けておきましょう。
工事請負契約(本契約)の締結
住宅ローンの仮審査が承認されたら、ハウスメーカーと注文住宅の工事請負契約を締結します。契約の際には、契約金と印紙代を支払う必要があるため、費用を準備しておきましょう。契約金の目安は工事代金の5~10%です。また、本契約後には住宅ローンの本審査を受けることになります。本審査に要する期間の目安は1週間程度です。
建築プランの詳細の決定
本契約後、建築工事を請け負う会社と具体的なプランの打ち合わせを行い、間取りや設備、使用する建材、内装・外装デザインなど、家の詳細を決定します。また、着工日や地鎮祭の日程なども調整しましょう。
着工
決定したプランに基づき、実際に建築工事が始まります。工事期間は建築工法によって異なり、木造や鉄骨造の場合は最短で2ヶ月程度、RC造(鉄筋コンクリート造)の場合は4ヶ月以上かかることが一般的です。建築費用が多いほど建築期間も長くなる傾向があります。
竣工(完成)
工事が完了すると、検査の実施です。この検査日が竣工日となり、検査を通過すると検査済証が交付され、竣工が証明されます。
内覧
内覧は、完成した建物の最終検査です。家が注文通りに建てられているか、破損や汚れがないか、細かな部分を施主自ら確認します。不具合があれば、指摘し、必要に応じて修正を依頼できます。
引き渡し
引き渡しによって、完成した住宅がハウスメーカーから施主に正式に渡され、建物の名義が施主になります。また、このタイミングで金融機関から住宅ローンが実行されるため、建築代金などの支払いも行うことが多いです。
入居
引き渡しが完了したら、引越しを行い、入居することができます。スムーズに入居できるよう、引越し会社の手配や荷造りなども計画的に進めておきましょう。
無料で住まいの窓口に相談する はじめての家づくり講座 注文住宅カタログを探す
注文住宅の引き渡しの際に注意するべきことは?

引き渡しをスムーズに進めるため、下記の点に注意しておきましょう。
完成前に引き渡しを行わないようにする
引き渡しは、内覧会を経て実施されます。もしキズや不具合があれば、ハウスメーカーが修理し、その後施主が再確認する必要があるため、まだ完成していない状態で引き渡しを行うと、トラブルが生じる原因となってしまうことも多いです。ハウスメーカーから完成前の引き渡しを提案されても、必ず完成後に引き渡しをしてもらうようにしましょう。
キズや不具合は書類に残す
引き渡し後にキズや汚れが発覚すると、トラブルにつながることがあります。内覧会で、キズや不具合が見つかった場合は、必ず書面に記録しておきましょう。さらに、修繕作業によって他の部分に新たなキズがつくことも考えられるため、周囲の状態もしっかり確認しておくことが大切です。
保証内容を確認する
引き渡し時には、住宅や設備に関する保証期間などが記載された保証書を受け取ります。通常、引き渡し日が保証期間の起算日となるため、日付や保証内容、免責事項についてよく確認しておきましょう。
記事のおさらい
引き渡しのタイミングはいつ?
引き渡しは、建物が竣工し、内覧会による施主検査を終えたタイミングとなります。詳しくは「注文住宅の「引き渡し」とは?」をご覧ください。
引き渡しの際に必要なものには何がある?
引き渡しでは、さまざまな手続きが発生します。残金や印鑑、必要な書類などを準備しておきましょう。詳しくは「注文住宅の引き渡しまでにやっておくべきことは?」をご覧ください。
購入から引き渡しまでにどれくらいかかる?
土地の購入から引き渡しまでは、約1年かかるとされています。土地の広さや、建築工法によっても期間が異なるため、ハウスメーカーに確認しておきましょう。詳しくは「注文住宅を購入してから引き渡しまでの大まかな流れ」をご覧ください。
完成前の引き渡しは避けたほうがいい?
完成前の引き渡しは、トラブルの原因となるので避けましょう。詳しくは「注文住宅の引き渡しの際に注意するべきことは?」をご覧ください。
無料で住まいの窓口に相談する はじめての家づくり講座 注文住宅カタログを探す
公開日:










