ハウスメーカー(住宅メーカー)に注文住宅の建築を依頼するときの流れを知ることは、家づくりをスムーズに進めるために重要です。

注文住宅の場合は、工事代金の支払いを複数回に分けて行う必要があるので、資金計画を立てるためにも基本的な流れを理解しておきましょう。

この記事では、ハウスメーカーに依頼をするときの流れや支払いのタイミング、信頼できる会社を選ぶためのコツなどを解説します。

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ハウスメーカーに注文住宅の建築を依頼するときは、基本的に次のような流れで行います。各ステップのポイントについても見ていきましょう。

注文住宅を建てるときの流れ

  1. 家づくりのイメージと予算の上限を決める
  2. 希望する条件を整理する
  3. ハウスメーカーを選び、土地探しを依頼する
  4. 建築プランと見積もりを提示してもらう(住宅ローン事前審査)
  5. 建築プランを固め、建築工事請負契約を締結する(住宅ローン本審査)
  6. 着工
  7. 完了検査・引き渡し

なお、土地探しから始める場合は、実際に入居するまでに1年から1年半程度の期間が目安になります。

 

注文住宅の家づくりを進める際は、まず「どのような家を建てたいか」のイメージを膨らませます。住まいに求める性能やデザイン、家族構成やライフスタイルを踏まえた間取りなど、さまざまな点からイメージを固めていきましょう。

 

それとともに、予算の上限を決めておくことも大切です。住宅ローンを組んで家を建てる場合は、あらかじめ資金計画を立て、返済に無理がないかをシミュレーションしましょう。

 

また、注文住宅は住宅ローンの融資が実行される前に現金で支払う費用がいくつかあるため、手元資金も重要になってきます。どの程度の現金がいつ必要なのかは、後述する「注文住宅における支払いのタイミング」を参照してください。

 

どのような家に住みたいかのイメージが固まったら、次に予算と照らし合わせながら希望する条件を整理していきます。

 

注文住宅はこだわれる部分が多いため、希望条件をすべて盛り込もうとすれば予算オーバーになる恐れがあります。

 

予算オーバーを防ぐには、希望する条件を書き出して優先順位をつけていくのが有効です。家族の意見や将来のライフプランを考えながら、こだわりたい部分と妥協できる部分を整理してみましょう。

 

希望する条件や予算が決まったら、ハウスメーカーに相談します。初めから1社に絞り込むのではなく、複数の会社を比較検討しましょう。そうすることで、各社の得意分野や建築費用の相場などが分かってきます。

 

なお、土地探しから行う場合も、初めからハウスメーカーに相談をする方が、希望する家に合う土地に出合いやすくなります。これは、土地の条件によって建物の形状などが制限される可能性があるためです。

 

気になるハウスメーカーをいくつか見つけたら、建築プランや見積もりの提案を行ってもらいます。希望の家づくりを予算内で実現できるのか、しっかりと吟味しましょう。

 

建築費用の概算が分かったら、金融機関に住宅ローンを申し込み、事前審査(仮審査)を受けます。

 

物件情報(見積書や間取り図)や収入確認書類、希望借入金額、ほかに借り入れがある場合はその返済予定表などを提出し、金融機関はそれを基にして主に返済能力に問題がないかをチェックします。

 

建築プランの詳細をすり合わせ、プランが決定したら建築工事請負契約を締結します。

 

建築工事請負契約書には、工事の日程や内容、代金を支払うタイミングや金額などが記載されているため、一つずつ確認していきます。また、キャンセルを行った場合の違約金や住宅ローン特約の期限なども、しっかりと確認しましょう。

 

建築工事請負契約はハウスメーカーとの正式な契約になるので、契約書の内容を十分に理解することが重要です。後から間取りなどを変更する場合は、変更契約を別に結ぶ必要があり、追加費用が発生する恐れがあるので注意しましょう。

 

建築工事請負契約を締結したら、住宅ローンの本審査を受けます。本審査ではあらためて返済能力を審査するとともに、物件(担保)の価値を評価します。

 

住宅の建築が始まったら、できるだけ現地に足を運んでみましょう。注文住宅は家づくりをリアルタイムで確認できるというメリットがあります。ハウスメーカーの担当者や現場監督と積極的にコミュニケーションを取り、工事の様子をチェックしましょう。

 

そうすることで、工事の不具合や欠陥などに気づきやすくなり、万が一トラブルがあった際に早めに対処してもらうことができます。また、ハウスメーカーから届く工事の経過報告書なども確認するようにしましょう。

 

住宅が完成したら、完了検査が行われます。引き渡し前に図面通りに工事が行われているかを、図面と比較しながら建物を確認し、気になる部分があるときは直してもらうようにしましょう。

 

引き渡し後に問題点を指摘すると、追加の工事費用を請求されることがあるので、引き渡し前に念入りにチェックしておくことが大事です。

 

住宅の引き渡しと同時に、工事代金の残金を精算することになるので、住宅ローンの融資に問題がないかも確認しておきましょう。

 

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注文住宅では、複数回に分けて工事代金を支払います。支払いのタイミングは次のとおりです。

支払いのタイミング

  • 土地の売買契約を結んだとき:手付金の支払い(土地代金の5%~20%程度)
  • 土地が引き渡されるとき:土地代金の残金の支払い(土地代金の80~90%程度)
  • 建築工事請負契約を結ぶとき:手付金の支払い(工事代金の5%~10%程度)
  • 着工するとき:着工金の支払い(工事代金の30%程度)
  • 上棟のとき:中間金の支払い(工事代金の30~40%程度)
  • 住宅が引き渡されるとき:工事代金の残金の支払い(工事代金の30%程度)

上記のようなタイミングで支払いが必要になるため、手元資金に問題がないかをハウスメーカーの担当者にも確認をしながらチェックしておきましょう。

 

家を建てる前提であれば、土地代金も住宅ローンに含めることができますが、住宅ローンの融資は基本的に住宅の引き渡し時に実行されるので注意が必要です。

 

そのため手元資金に不安があるときは、「分割融資」や「つなぎ融資」を検討することも大切です。

 

分割融資であれば、土地の引き渡し時の代金、着工時や上棟時の代金も住宅ローンに含めることができます。ただし、すべての金融機関が対応しているわけではないので、早めに相談しておきましょう。

 

また、住宅購入時には、土地の購入代金や住宅の建築費用だけでなく、諸費用がかかる点にも気をつける必要があります。諸費用は予算の10%前後が目安であり、主な項目として以下のものが挙げられます。

諸費用の主な項目

  • 登記費用、司法書士への報酬の支払い
  • 土地取引の仲介手数料
  • 地盤調査費用
  • 建築確認申請の費用
  • 地鎮祭、上棟式の費用
  • 住宅ローンの事務手数料
  • 団体信用生命保険料
  • 火災保険料、地震保険料
  • 各種契約書の印紙税
  • 不動産取得税
  • 固定資産税、都市計画税
  • 引越し費用 など

諸費用は現金で支払うものが多いため、手付金や頭金以外でいくら手元に現金を残せるかを考えてから、資金計画を立てることが大切です。

 

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住宅ローンを組んで家を建てる場合には、住宅ローンの審査がどのような流れで進められるのかも把握しておく必要があります。

 

住宅ローン審査の一般的な流れは、次のとおりです。

住宅ローン審査の流れ

  1. 住宅ローンの申し込み
  2. 事前審査(仮審査)
  3. 本審査
  4. 住宅ローンの契約手続き
  5. 融資実行

金融機関に住宅ローンの申し込みを行うと、初めに事前審査を受けることになります。世帯収入や勤続年数、自己資金の割合などについて簡易的な審査が行われます。

 

事前審査を受けるときには、すでに家を建てることが前提となっているので、土地の購入代金も住宅ローンに含めることが可能です。事前審査を通過した後に、より詳しい審査となる本審査を受けることになります。

 

物件の詳細な情報や団体信用生命保険への加入の有無など、金融機関によって審査項目は異なりますが、1~2週間程度で本審査の結果が通知されます。

 

もし本審査を通過できなかった場合にハウスメーカーとの建築工事請負契約を解除できるように、契約書にローン特約を設けておくことも重要です。

 

事前審査、本審査に必要な書類は複数あり、金融機関によって異なります。担当者に確認をして、早めに準備をしておきましょう。

事前審査に必要な書類

  • 事前審査申込書
  • 本人確認書類
  • 収入確認書類(源泉徴収票、確定申告書、納税証明書など)
  • 物件情報(間取り図や見積書など)
  • 返済予定表(ほかにローンを利用している場合)

本審査に必要な書類

  • 建築工事請負契約書の写し
  • 公図
  • 間取り図
  • 建築確認済証
  • 登記事項証明書
  • 資金計画表
  • 銀行口座が分かるもの(通帳) など

 

注文住宅を建てるには、土地探しにかかる時間を含めれば1年~1年半ほど必要です。長期間にわたって家づくりを進めることになるので、信頼できるハウスメーカーを見つけることが、家づくりを成功させるコツとなります。

 

自分に合ったハウスメーカーを見極めるポイントとして、次の点が挙げられます。

ハウスメーカーを見極めるポイント

  • 得意分野や施工実績
  • 坪単価に含まれるもの、含まれないもの
  • 保証内容やアフターサービスの充実度
  • 担当者との相性 など

依頼を検討する会社を初めから一つに絞り込まずに、複数の会社を比較して決めていくことが大切です。ただ、初めて家づくりを行うときは「どこに相談をすればいいか分からない」といったこともあるでしょう。

 

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土地の購入代金も、住宅ローンに含められる?

居住用の家を建てることが前提であれば、土地の購入代金も住宅ローンに含められます。金融機関の審査をスムーズに進めるため、土地探しの段階からハウスメーカーに相談してみましょう。

信頼できるハウスメーカーを見つけるコツは?

複数の会社を比較することで、各社の得意分野や施工実績、相場観、保証内容などを見極めることが可能です。また、注文住宅は物件の引き渡しまでにそれなりに時間がかかるので、担当者との相性も重要な要素になります。

 

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