注文住宅の平均的な建築費用

 

国土交通省が公表している2023年度「住宅市場動向調査報告書」によれば、注文住宅の建築費用（土地購入資金を除く）は、全国平均で4,319万円となっています。

 

一方、代表的な住宅ローンである「フラット35」の利用者に対象を絞り、2023年度「フラット35利用者調査」を見てみると、注文住宅の建築費用の全国平均は3,861万1,000円です。

 

建築費用については、住宅の仕様や建築するエリアによっても大きく異なるのが特徴です。

 

たとえば、上記の「住宅市場動向調査報告書」では、三大都市圏における平均建築費用は4,943万円となっており、全国平均（4,319万円）と比べて600万円以上も高い結果となっています。

 

このように、建築費用は個別の条件に大きく左右されるため、工夫次第では3,000万円台、あるいはそれよりも低い予算に抑えることも可能です。

 

費用と品質のバランスを追求するのであれば、地域の特性に詳しく、施工実績が豊富なハウスメーカーを選ぶことが大切だといえるでしょう。

 

（出典：国土交通省『令和5年度　住宅市場動向調査報告書』）

（出典：独立行政法人住宅金融支援機構『2023年度　フラット35利用者調査』）

ハウスメーカー別の価格帯を紹介

 

ハウスメーカーでは実際にどのような価格帯で住宅の施工を行っているのでしょうか。

 

ここでは、価格帯を見るときの注意点とともに、LIFULL HOME’S「ハウスメーカーの人気会社ランキング」から上位にランクインしている3社の価格帯を紹介します。

価格帯を調べるときの注意点

 

一般的にハウスメーカーの参考価格には「坪単価」が用いられていますが、坪単価の計算方法は会社ごとに異なる点に注意が必要です。

 

たとえば、計算時に施工床面積（施工するすべての床面積）と延床面積（バルコニーなどを除いた床面積）のどちらを用いるかによって結果に違いが生まれます。

 

また、坪単価や参考価格はあくまでも「本体工事費」（建築費全体の75％程度）のみを示すものであり、付帯工事費や諸経費は含まれません。そのため、あくまで一つの判断材料として認識しておくことが大切です。

一条工務店：坪単価50.0万～60.0万円／参考本体価格1,750万円～

 

高品質・高性能な木造住宅を提供し、高い人気を誇るハウスメーカーです。高気密・高断熱の家づくりを基本に、全館床暖房を取り入れ、家中どこにいても暖かく、快適で暮らしやすい住宅設計が行われています。

 

家づくりに関する3つのギネス世界記録に認定されるなど、確かな実績と評判に裏打ちされた技術力が魅力です。

タマホーム：坪単価46.7万～87.3万円／参考本体価格1,632万～3,052万円

 

独自の調達ルートと徹底された効率施工により、コストダウンと安定した品質を両立させたローコストな家づくりに強みを持つハウスメーカーです。20代の若い世代もターゲットに据えており、比較的低予算からでも相談できるのが魅力です。

 

主力商品の「大安心の家」では長期優良住宅を標準仕様にするなど、住宅性能にこだわりたい方にも定評があります。

セキスイハイム：坪単価70.0万～195.0万円／参考本体価格2,450万円～

 

セキスイハイムは、頑丈な鉄骨と高層ビルにも用いられる建築技術を応用した高品質な家づくりが特徴のハウスメーカーです。

 

鉄骨造は木造と比べて坪単価が高い傾向にあり、同社も例外ではありませんが、「時を経ても続く価値ある住まい」をコンセプトにした長寿命の家づくりが特徴です。

 

60年以上の長期にわたって安心かつ快適に暮らせる住宅の提供に力を入れています。

 

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ハウスメーカーを比較するときのポイント

 

ハウスメーカー選びでは、さまざまな要素を総合的に比較しながら、自分に合った依頼先を見極める必要があります。ここでは、ハウスメーカーを比較するうえで特に重要なポイントを紹介します。

得意分野や施工実績

 

ハウスメーカーには、それぞれ得意とする工法があります。主な工法だけ見ても「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3種類があり、さらに細かな分類が存在します。

 

また、デザインについても「モダン」や「ナチュラルテイスト」「和風建築」「アメリカン」といった幅広いスタイルが存在します。

 

カタログや施工事例をとおしてメーカーごとの方向性を理解すると、依頼先を絞り込みやすくなるでしょう。

坪単価に含まれるもの／含まれないもの

 

価格帯を比較するときには、前述のように坪単価に対するメーカーごとの計算方法を調べておくことも大切です。

 

計算に施工床面積を用いる場合は、施工するすべての範囲が含まれています。

 

一方、延床面積を用いる場合は、「バルコニー」「吹き抜け」「ロフト」「インナーガレージ」「ポーチ」などは含まれていません。

 

坪単価は、「本体価格÷施工床面積or延床面積」で計算するため、同じ物件であれば施工床面積を用いる方が坪単価は低く算出されます。

 

このように、同じ条件下でも計算方法によって結果が異なるので、比較する際には注意が必要です。

保証内容やアフターサービスの充実度

 

安心して長く住み続けるためには、保証やアフターサービスの内容も重要です。価格帯は低くても、アフターサービスが手薄であれば、メンテナンスコストがかえって高くなってしまうこともあります。

 

主な比較ポイントとしては、次のようなものが挙げられます。

ハウスメーカーによっては、条件付きで永年保証や60年保証を扱っているところもあるので内容をよく確認しましょう。

担当者との相性

 

注文住宅では、理想のプランが固まるまでに何度も打ち合わせを重ねることになります。それだけに担当者との相性は、納得のいく家づくりをするうえで欠かせないポイントといえるでしょう。

 

基本的には、コミュニケーション能力が高く、安心して聞きたいことを尋ねられるような担当者の方が打ち合わせはスムーズに進みます。ただ、あくまでも人と人との関わりであるため、判断基準は人それぞれです。

 

見積もりを依頼したときの対応や質問に対する受け答え、プランの提案力など総合的な視点で担当者との相性をじっくりと見極めましょう。

注文住宅の購入予算を抑えるコツ

 

価格帯を意識して家づくりを進めるときは、予算オーバーしてしまったときの対処法も押さえておくと安心です。ここでは、コストダウンを図るときのコツを紹介します。

床面積を小さくまとめる

 

工法や建材などが同じ条件であれば、床面積が小さい方が当然ながらトータルコストは抑えやすくなります。

 

「使用する建材の量を削減でき、施工コストを抑えられる」「土地の広さを抑えられる」など、複合的にコストダウンができるので、まずは必要な床面積の広さを再検討するのが効果的です。

外観のデザインをシンプルなものにする

 

同じ床面積であれば、外観や屋根は凹凸のないシンプルなものの方が費用は安く済みます。

 

凹凸がない外観でも、シンプルでモダンなデザイン性を追求できるので、見た目のこだわりと費用のバランスを考慮することが大切です。

水回りや収納スペースを集約する

 

水回り設備を集約させることで配管コストを節約できるため、無理のないコストダウンが可能となります。

 

水回りが1ヶ所に集まっていれば、家事動線の効率も向上するため、使い勝手のよい間取りを実現しやすくなるのもメリットです。

 

また、収納スペースを1ヶ所にまとめれば、必要な仕切り壁や扉の数が減るため、コストダウンにつながります。

設備のグレードを下げる

 

こだわりが少ない部分に関しては、設備のグレードを下げるのも一つの方法です。

 

特にメーカー標準仕様の設備は、大量調達・製造することで低コストと品質を両立しているケースも多いため、コストパフォーマンスを追求するうえでは有効な選択肢となるでしょう。

複数のハウスメーカーを比較する

 

先ほども紹介したように、ハウスメーカーにはそれぞれ得意分野があるため、似たようなプランでもコストに大きな差が出ることがあります。

 

そのため、依頼先をいきなり1社に絞り込むのではなく、複数のハウスメーカーに相見積もりを依頼しましょう。そうすることで、予算と要望にマッチしたハウスメーカーを見極めやすくなります。

 

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「住まいの窓口」で相性の合うハウスメーカーを選ぼう

 

今回紹介したように、ハウスメーカー選びを行ううえでは、価格帯だけでなく、保証やアフターサービス、実績、技術・デザイン性、相性にも目を向ける必要があります。

 

どのハウスメーカーが合うのか、依頼先選びに迷ってしまったときには、LIFULL HOME’S「住まいの窓口」で第三者のアドバイスをもらうのもおすすめです。

 

「住まいの窓口」では、注文住宅に関する幅広い悩みについて、ハウジングアドバイザーに無料で相談することができます。

 

資金計画から施工会社選びまで、客観的なアドバイスがもらえるとともに、希望があれば、依頼者の要望にあったハウスメーカー・工務店を紹介してもらうことも可能です。お悩みの方は、ぜひ利用を検討してみてください。

 

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