家の建て替えには3種類の費用がかかる
家の建て替えには、家の解体費用、新しい家を建てるための新築工事費用、税金や保険料といった諸費用の3つが必要です。工事費以外にも100万円以上の諸費用がかかることも珍しくありません。
詳しくは、「家を建替えるときにかかる費用項目」をご覧ください。
費用を抑えるならシンプルな設計に
建て替え費用を抑えるには、複数の会社を比較検討する、補助金制度を利用するなどの方法があります。また、家の形を四角形にしたり、部屋の仕切りを減らしたりと、設計をシンプルにすることも有効です。
詳しくは、「建替え費用を安く抑えるコツ」をご覧ください。
建て替えできない土地もあるため注意
現在の建築基準法では、敷地が「幅4m以上の道路に2m以上接している」必要があり、これを満たさない「再建築不可物件」は建て替えができません。計画を進める前に、役所の窓口などで確認しましょう。
詳しくは、「家を建替える際の注意点」をご覧ください。

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老朽化やライフスタイルの変化などの理由で、建替えを検討する人もいるかと思います。建替えは一度住宅を解体してから新しく家を建てるため、費用もそれなりにかかるもの。

 

今回は、建替えのメリットや費用の内訳、費用のシミュレーション例を紹介します。

 

建替えとは、基礎部分から取り壊して新しく家を建てる方法を指します。リフォームやリノベーションと違い、既存住宅の影響を受けない点が特徴です。

 

建替えには、さまざまなメリットがあります。

メリット

  • 老朽化や耐震性の改善ができる
  • 地盤補強ができる
  • ライフスタイルの変化に合わせた間取り・デザインにできる
  • 慣れ親しんだ土地に住み続けられる

住宅は経年劣化しますが、建替えをすることで最新かつ高品質の住宅を建てられるため、安心・安全の住まいを手に入れられます。

 

また、建物を解体した後で地盤調査や改良工事が可能なため、災害などで地盤が緩んでいた場合は地盤補強ができます。

 

建替えをすれば間取りや設備を自由に設計することができるので、家族構成やライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるでしょう。

 

すでにある土地なので土地代がかからず、慣れ親しんだ場所で生活を送ることができます。

 

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建替えは、家の老朽化が進んだり、ライフスタイルや家族構成の変化があったりしたタイミングで検討するケースが多いです。

 

もともとは新築だった家も、時間とともに劣化が進み、家族の状況も変化します。

 

新築当初は家族3人で暮らしていても、子ども世帯もしくは親世帯との同居が決まったり、間取りや設備に不都合が生じるようになることもあるでしょう。

 

近年は自然災害が多く発生しており、住宅の劣化や耐久性能に不安を感じたタイミングで建替えを検討することも珍しくありません。

 

建替えをしなくても住み続けることは可能ですが、雨漏りや歪みなど、住宅の劣化が目に見えるようになってくれば、安全性を考慮して建替えをするタイミングと言えるでしょう。

 

一戸建てを建替える際は、「解体費用」「新築工事費用」「諸費用」などがかかります。それぞれの詳細と相場について見ていきましょう。

 

解体費用は、住宅の構造によって異なります。地域によっては、自治体が補助金制度などを設けていることもあります。

解体工事費の目安

木造…4万~5万円/坪

軽量鉄骨造…6万~7万円/坪

鉄筋コンクリート造…6万~8万円/坪

上記はあくまで目安となり、立地や建物の状態などによっても変わってきます。複数の解体会社に見積もりを依頼し、検討するようにしましょう。

 

新築工事費用とは、本体を建てるために必要な費用のことです。間取り・広さ・設備・構造など、こだわりたい項目によって費用が異なります。

 

住宅金融支援機構の「2023年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅の所要資金の全国平均は3,863万円でした。

 

ハウスメーカーやエリアにもよりますが、新しく家を建てるとなると、3,000万円程度はかかることが予想されます。

 

諸費用とは、火災保険料・地震保険料・住宅ローン手数料、契約時に必要となる印紙税・登録免許税・不動産所得税などの各種税金があります。

 

その他にも、住宅性能評価や長期優良住宅の申請費用、仮住まいや引越しの費用などもあるでしょう。

 

家を建てる費用全体のうち、3~6%が諸費用の相場といわれており、諸費用だけで100万円以上かかることも珍しくありません。

 

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それでは、建替え費用のシミュレーション例を、具体的なケースを例に3つ紹介します。

 

30坪の土地というと、一般的な建ぺい率60%で試算すると建築面積が約18坪の家が建てられる計算になりますので、18坪の家があると仮定します。

 

また、住宅金融支援機構の「2023年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅の全国平均所要資金は3,863万円で、平均住宅面積は119.5平米(約36坪)でした。

 

そこから坪単価を計算すると、3,863万円÷36坪=約107万円となるので、仮に、同規模の18坪の家を建てる場合、建築費の相場は107万円×18坪=約1,926万円と考えることができます。

 

上記の条件で、木造住宅を解体して、新しく同規模の家を建替えた場合にかかる費用のシミュレーションは、以下となります。

解体費用…18坪×5=90万円(1坪5万円の場合)

・新築費用…18坪×107=1,926万円(坪単価107万円で計算)

・諸費用…1,926万円×0.06=約115万円(新築費用の6%で計算)

トータルコスト=約2,131万円

上記はあくまで目安となり、グレードや駐車場・庭などの外構工事費等によっては、さらに高くなります。

 

また、建ぺい率が60%以上の土地であれば、その分建てられる住宅が広くなるため、新築費用もさらに上がるでしょう。

 

次に、40坪以上の広い家を建替える場合についてもシミュレーションしていきます。

 

住宅面積が40坪というと、全国平均よりも広く、間取りにも選択肢が出てきます。敷地面積も50坪以上になるケースがほとんどでしょう。

 

新築時の坪単価は先ほどと同じ全国平均の107万円とし、解体する住宅は木造40坪の家とします。

・解体費用…40坪×5=200万円(1坪5万円の場合)

・新築費用…40坪×107=4,280万円(坪単価107万円で計算)

・諸費用…4,280万円×0.06=約256万円(新築費用の6%で計算)

トータルコスト=約4,736万円

40坪以上の広さの家を建替える場合は、坪単価の安いハウスメーカーや工務店を選んだとしても、最低でも3,000万円程度はかかるでしょう。

 

理想の間取りにこだわると、予算を上回ってしまう可能性があります。

 

次に、建替えの理由として多い、二世帯住宅へ建替えるケースをシミュレーションしていきます。

 

二世帯住宅の場合、一般住宅よりも坪単価が割高になる傾向があります。また、完全同居型・部分共有型・完全分離型の3つの種類のうち、完全分離型は最も建築費が高くなります。

 

今回は、30坪の木造住宅から同じく30坪の完全分離型の二世帯住宅へ建替えることを想定し、シミュレーションします。

・解体費用…30坪×5=150万円(1坪5万円の場合)

・新築費用…30坪×130=3,900万円(完全分離型の坪単価相場130万円で計算)

・諸費用…3,900万円×0.06=約234万円(新築費用の6%で計算)

トータルコスト=約4,284万円

二世帯住宅への建替えは、2軒分の機能を備えることを考えると、相場より高くなりがちです。

 

予算を抑えるためには、共有部分を多くしたり、間取りをシンプルにするなどの工夫が必要になります。

 

家の建替え費用を抑える方法もあります。

 

解体と新築を依頼する会社は、一度同じ条件で見積もりを依頼し、費用を比較してから選ぶようにしましょう。特に新築を依頼するメーカーは、大手ハウスメーカーから工務店まで、選択肢が多いです。

 

大手ハウスメーカーの中には、ローコスト住宅を得意とするメーカーもあるため、希望する条件を叶えられるのであれば、検討するのもいいでしょう。

 

費用以外にも、施工会社ごとの特徴を理解し、入居後のアフターサービスや保証内容をチェックすることも大切です。

 

家を建てた後は維持費がかかるため、住宅の性能と予算のバランスを考えて決めるようにしましょう。

 

建築費を抑える方法として、間取りをシンプルにするという方法があります。

 

設計が複雑であるほどその分価格も上がり、標準仕様からの変更や、オプションの追加なども費用が上がる要因になります。

 

仕切りを少なくしたり、建物の形状をシンプルにしたりするのも建築費を抑えるポイントです。

 

グレード変更は優先順位の高い部分のみにし、お金をかける部分とコストダウンできる部分のメリハリをつけるようにするといいでしょう。

 

自治体によっては、解体費用の一部を助成する制度を設けているケースがあります。また、新築の種類によっては、一定の条件を満たすことで補助金制度や助成金を利用できるケースもあります。

 

住宅の補助金や助成金については、あらかじめ申込期限が決まっていることがほとんどなので、年度が変わるたびに確認する必要があります。

 

施工会社の担当者などにも確認しながら申請手続きをしましょう。

 

建替えの見積もり費用がどうしても予算オーバーする場合は、建替えではなくリフォームを検討するという方法があります。

 

リフォーム費用は、建替え費用の7割程度に抑えられるため、コスト面でのメリットは大きいです。

 

工事の内容にもよりますが、間取り変更や水回りの変更などの場合は、工事日数も少なくて済みます。建物の構造によって工事の制約はありますが、検討してみるのもおすすめです。

 

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家を建替える際に注意したいのが、取り壊す予定の家が再建築不可物件だった場合です。再建築不可物件とは、建物を取り壊しても新たに建替えが認められない物件を指します。

 

建築基準法では、「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」というルールがあり、この接道義務を果たしていない物件の多くが再建築不可物件です。

 

接道義務を果たすためにセットバックを行ったり、隣接している土地の一部を買い取ったりする方法がありますが、近隣の所有者と交渉が必要になります。

 

また、私道沿いの土地の場合は、私道の所有者全員の同意が必要になります。

 

建替えをする際は、そもそも建替えが可能な土地かどうか、土地や建物の名義人全員から許可を得ているか、確認する必要があります。

 

まずは、役所の建築担当の窓口で再建築が可能かどうか、確認するようにしましょう。

 

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Q1:家の建て替えには、どのようなメリットがありますか?

A1:家の建て替えには、主に次のようなメリットがあります。

  • 安全性・快適性の向上
    建物の老朽化や耐震性への不安を解消できます。最新の設備を導入したり、必要に応じて地盤を補強したりすることで、より安心して快適に暮らせるようになります。
  • 自由な設計
    家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、間取りやデザインをゼロから自由に考えられます。
  • 住み慣れた場所での生活
    引越しをする必要がないため、周辺環境を変えることなく、住み慣れた土地で新しい生活を始められます。

Q2:家を建て替えるタイミングの目安を教えてください。

A2:一般的に、次のようなタイミングで建て替えを検討する方が多いです。

  • 家の老朽化が気になるとき
    雨漏りや建物のひび割れ、傾きなど、目に見える劣化が気になり始めたとき。
  • ライフスタイルが変化したとき
    子どもの成長や独立、二世帯同居など、家族の形が変わって現在の間取りでは暮らしにくくなったとき。
  • 防災や防犯への備えが必要なとき
    地震や台風といった自然災害に備えて、家の耐久性を高めたいと考えたとき。

Q3:家の建て替えには、どのような費用がかかりますか?

A3:家の建て替えにかかる費用は、大きく分けて次の3種類です。

  • 解体費用
    既存の家を取り壊すための費用です。建物の構造によって異なり、木造の場合は1坪あたり4万~5万円が目安です。
  • 新築工事費用
    新しい家を建てるための費用です。間取りや広さ、設備のグレードなどによって大きく変動しますが、全国平均では約3,863万円というデータがあります。
  • 諸費用
    登記費用や税金、住宅ローンの手数料、引越し費用、仮住まいの家賃など、工事費以外にかかる費用です。一般的に、新築工事費用の3~6%程度が目安とされています。

Q4:建て替えの費用を安く抑える方法はありますか?

A4:費用を抑えるためには、次のような方法が考えられます。

  • 複数の会社から見積もりを取る
    解体と新築を依頼する会社を1社に絞らず、複数の会社から見積もりを取り、内容と費用を比較検討しましょう。
  • シンプルな設計にする
    建物の形を正方形や長方形にしたり、部屋数を減らして広い空間にしたりするなど、シンプルな設計にするとコストを抑えやすくなります。
  • 補助金・助成金制度を活用する
    国や自治体が実施している、住宅に関する補助金や助成金が利用できないか調べてみましょう。

もし、どうしても予算が合わない場合は、建て替えではなくリフォームを検討するのも選択肢の一つです。

Q5:家の建て替えで注意すべき点は何ですか?

A5:建て替えを検討する際は、まずその土地に再び家を建てられるかを確認することが最も重要です。建築基準法では、「幅員4m以上の道路に2m以上接している土地」でなければ、原則として家を建てられないという「接道義務」が定められています。この条件を満たしていない土地は「再建築不可物件」と呼ばれ、一度家を取り壊すと新しい家を建てることができません。計画を進める前に、必ず自治体の建築指導課などの窓口で、ご自身の土地が建て替え可能かどうかを確認しましょう。

更新日: / 公開日:2024.12.27