2,000万円台は住めるエリアが限られてくる

 

国土交通省が公表している2023年度「住宅市場動向調査報告書」によれば、注文住宅の建築費用（土地購入費用を含む場合）は5,811万円です。

 

また、住宅金融支援機構が公表している2023年度「フラット35利用者調査」では、土地購入費用を含めない注文住宅の建築費用は3,861万円となっています。

 

土地と建物の両方を2,000万円台で収めるのは難しく、多くの場合、所有している土地に家を建てるか、土地の価格が安い地域を選ぶ必要があります。

 

特に都市部では土地価格が高騰しているため、建物にかけられる予算を制限しなければなりません。そのため、2,000万円台での注文住宅は、主に建物価格として考えるのが現実的です。

 

郊外や地方の土地が比較的手頃なエリアであれば、土地と建物の両方を含めて2,000万円台での実現も可能ですが、利便性や周辺環境とのバランスを見極める必要があります。

 

注文住宅の予算を決めるときは建築費・土地代・諸費用のトータルコストで判断することが重要です。

建物価格2,000万円台の間取りの事例を3つ紹介

 

実際に2,000万円台で、どのような住宅を建てられるのかを把握するには、実例を踏まえて検討する方がスムーズだといえます。

 

LIFULL HOME’Sに掲載されている事例のなかから3つ紹介します。

3LDK・2階建て・建物価格2,000万～2,500万円の事例

 

夫婦と子ども1人の世帯が、3LDKの間取りで2階建ての住宅を建てた事例です。

 

建物価格は2,000万～2,500万円であり、土地面積は165平米、延床面積は112平米。

 

家づくりにおいてこだわった部分は、回遊式の生活動線としたことです。

 

「LDK→洗面所→ファミリークローゼット→脱衣所→LDKという動線」と「アイランドキッチンまわりの動線」を配置することで、家事が行いやすい間取りとして設計しています。

3LDK・2階建て・建物価格2,500万～3,000万円の事例

 

夫婦と子ども3人の世帯が、3LDKの間取りで2階建て住宅を建てた事例です。

 

建物価格は2,500万～3,000万円であり、土地面積は150平米、延床面積は122平米。

 

間取りや住宅設備などにおいては「暮らしやすさ」を重視し、土地にお金をかけない分だけ設備面にお金をかけました。

 

食洗器を設置したり、お風呂・トイレ・キッチン回りの設備をグレードアップしたりして、暮らしやすい家を実現しています。

3LDK・平屋・建物価格2,500万～3,000万円の事例

 

夫婦と子ども1人の世帯が、3LDKの間取りで平屋を建てた事例です。

 

建物価格は2,500万～3,000万円であり、土地面積は397平米（約129坪）、延床面積は105平米（約34坪）。

 

長く住み続けることを前提として、断熱性や気密性、換気システムなどの性能にこだわりました。

 

また、購入予算をできるだけ抑えるために、物件の引き渡し後に自分たちで取り付けるものを多くするなど工夫しました。

 

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〈購入予算2,000万円〉資金計画のシミュレーション

 

住宅ローンを組んで購入予算を2,000万円としたときに、毎月の返済額がいくらになるのか気になる人もいるでしょう。

 

返済額の目安を把握しておけば、予算の上限額や資金計画を決めるときに、判断しやすくなります。

 

ここでは、LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を用いて、購入予算2,000万円のケースで住宅ローンを組んだときに、どれくらいの返済額になるのかを以下の条件で試算します。

上記の条件で試算を行うと、毎月の返済額は「6万1,237円」となります。住宅ローンの返済総額は、「2,571万9,493円」です。

 

住宅ローンの返済額は、世帯年収の25％以内にとどめる方が、月々の返済に無理がないといわれています。

 

上記の例では、世帯収入の25％以内に返済額が収まるので、無理のない借入額だといえるでしょう。

購入予算をできるだけ抑えるためのコツ

 

住宅の建築にかかる費用を少しでも抑えられれば、その分だけ返済の負担も軽くなります。住宅の購入予算をできるだけ抑えるためのコツとして、次の4つが挙げられます。

平屋より2階建てを選ぶ

 

平屋住宅は、一見するとシンプルで魅力的な選択肢ですが、建築費用という観点から見ると、2階建て住宅に比べて割高になることが多いです。

 

これは、平屋が同じ床面積を確保するためにより広い土地を必要とし、その結果、基礎や屋根の面積が増えるためです。

 

基礎工事や屋根材は、建築費用のなかでも大きな割合を占めるため、これらの面積が広がることでコストが増加します。

 

一方、2階建て住宅は縦に空間を活用するため、同じ面積の居住スペースを確保する場合でも、基礎や屋根の面積を抑えることが可能です。

住宅の外観をシンプルなものにする

 

複雑な間取りやデザインの住宅は、工事に時間がかかってしまうため、建築費用が高くなってしまう傾向が見られます。

 

建築費用を抑えたい場合は、住宅の外観をできるだけシンプルにして、簡素化することを考えてみましょう。

外構や付帯工事を抑える

 

2,000万円という建築費用の場合は、あちこちにお金をかけるわけにはいかないため、重点的にお金をかける部分とそうではない部分を分けることが大切です。

 

特に外構や付帯工事は、後から加えても問題がないものもあるため、どの部分を優先させるのかを見直してみましょう。

床面積を減らす

 

間取りを見直して、不要なスペース（床面積）を減らすことによって建築費用を抑えることも大事です。家族構成やライフスタイルなどを踏まえたうえで、どれくらいの居住スペースが必要であるかを考えてみましょう。

 

ただし、住宅性能に関わる部分は住み心地に直接影響が出るため、予算を減らさない方がよいといえます。

 

住宅性能が低いと、かえって空調効率などが悪くなり、ランニングコストが余計にかかってしまう恐れがあるからです。

 

しかし、初めて家づくりに取り組むときなどには、どの箇所の予算を削ってよいか判断しづらい部分もあるでしょう。

 

LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」なら、ハウジングアドバイザーが第三者の視点から、家づくりに関するアドバイスを行ってくれます。

 

資金計画の立て方などについても教えてもらえるので、家づくりを進めるうえで参考になるでしょう。

 

ハウスメーカー選びや建築費用のことなどで悩んだら、まずは気軽に相談してみてください。

 

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