平屋は狭い土地でも建てられる…必要な広さは？

狭い土地でも平屋を建てることは可能ですが、家族の人数やライフスタイルによって、求められる広さは異なります。

国土交通省が公表している「住生活基本計画における居住面積水準」によれば、世帯人数別の必要な居住面積は以下のとおりです。

最低居住面積水準とは「文化的な生活を送るうえで最低限必要な広さ」を指し、誘導居住面積水準は「多様なライフスタイルに合わせてゆったり住める広さ」を指します。

都市型は都心やその周辺エリア、一般型は郊外や都市部以外での住居を想定しています。

つまり、単身世帯の場合、17坪程度の広さの平屋を建てられる土地を選ぶことが、ひとつの目安となります。2人世帯では23坪、3人世帯で30坪、4人世帯で38坪程度が、居住面積の目安です。

建ぺい率を考慮して、適切な居住面積を確保しよう

建ぺい率

上記の居住面積を確保できる土地の広さを考えるには、建ぺい率が関係してきます。建ぺい率とは、敷地面積に対する建物の面積割合を指すものです。

たとえば、20坪の土地で建ぺい率が50％であれば、10坪の広さの建物が建てられるということです。土地の広さと建ぺい率を考慮して、適切な居住面積を確保できるように計画しましょう。

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平屋を狭い土地に建てるときのコツ

狭い土地に快適に住める平屋を建てるには、できるだけ無駄なスペースをなくし、視覚的に広く見せる工夫が必要です。

天井を高くする

狭い土地で平屋を建てる際は、天井を高くとりましょう。あえて梁を見せて勾配天井にすれば、平屋ならではの開放的な空間をつくれます。

また、リビング・ダイニングの天井は高く、キッチンや居室などの一部の天井をあえて低く設定することで、空間にメリハリが出て、リビング・ダイニングが一層広々と感じられます。

廊下をなくす

移動のためだけに使用する廊下をできるだけ省くことで、その分のスペースを居住スペースや収納に充てられます。また、動線がシンプルになるので、家事効率も上がるでしょう。

大きな窓や高窓・天窓を設ける

平屋の家は建物の高さが低い分、周辺環境の影響を受けやすくなります。隣家との距離が近い場合や、周囲に高い建物が建っている場合は、日当たりが悪くなります。

そのため、大きな窓や天窓を設けて、自然光をとりこむ工夫をしましょう。建物をコの字型やロの字型にして、中庭を設ける方法もあります。

スキップフロアを設ける

スキップフロアとは、床を半階ずつずらして中2階のような居室を設けるつくりのことです。スキップフロアを設けると、空間が立体的になり、奥行き感をつくれます。

また、階段下を収納として使うこともできるので、居住面積を減らさずに収納スペースを増やしたいときにも有効です。

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狭い土地に平屋を建てるときの注意点

狭い土地に平屋を建てる場合、必要な部屋数や十分な広さを確保するのが難しくなります。

部屋を広く見せるための工夫や、採光・通風の確保、収納スペース・洗濯物を干すスペースの確保、ロフトの設置など、限られたスペースを無駄なく使う間取りを決めなければなりません。

車を持っている場合、狭い敷地内に駐車場をつくるのが難しいこともあります。その場合は、居住面積を確保するために、平屋以外の選択をする必要も出てくるでしょう。

平屋はワンフロアのため、建築費が安いと思われがちですが、同じ延べ床面積の2階建て住宅と比べた場合は、費用が高くなる可能性があります。平屋の方が、費用の掛かりやすい基礎と屋根の面積が広くなるためです。

ただし、内装や外装、住宅設備、間取りなどによって建築費用は異なるため、一概に平屋の方が高いとは限りません。平屋か2階建てにするかで迷っている場合は、住宅メーカーに相談してみましょう。

狭い土地に建てた平屋の事例を紹介

狭い土地で平屋を建てる場合、実際の事例からイメージをふくらませてみるのがおすすめです。ここでは2つの事例を紹介します。

一人暮らしや夫婦二人世帯向けの2DKの物件

単身や夫婦二人で暮らせる約49平米・2DKの間取りです。単身世帯であれば、1部屋を寝室に、もう一部屋を趣味のスペースや仕事場、ゆったりとしたリビングにするのもいいでしょう。

LDKを中心にした家族がつながる間取り

夫婦二人、もしくは子どもが1人いる世帯向けの、約73平米・2LDKの間取りです。

LDKを中心に、部屋が左右に分かれているのが特徴です。必ず玄関からLDKを通って部屋に入る間取りなので、家族が顔を合わせる機会が自然に増えます。

また、ウッドデッキを設けることで、くつろいだり、洗濯物を干したりと屋外空間を活用でき、室内から眺めたときに外へ向かって広がりを感じられるでしょう。

平屋の実績が多い住宅メーカーを選ぼう

平屋を建てるのであれば、豊富な実績を持つ住宅メーカーに依頼しましょう。平屋を多く手がけてきた会社であれば、家づくりの的確なアドバイスを受けられるはずです。

LIFULL HOME’Sでは、平屋の実績が多い住宅メーカーを簡単に探すことができます。気になる住宅メーカーを見つけたら、施工事例や住宅カタログなどをチェックして、家づくりのイメージを膨らませてみましょう。

詳しく調べたい人は、以下のリンクを参考にしてみてください。

記事のおさらい

狭い土地でも平屋を建てられる？

建てることは可能ですが、世帯人数やライフスタイルなどによって適した広さは異なります。たとえば、単身世帯の場合は7.6～17坪程度、2人世帯であれば9～23坪程度の居住面積を確保できる土地を探しましょう。建てられる家の広さには、建ぺい率などの規制が関わってくるため、十分に確認してください。

限られた土地に平屋を建てるときの注意点は？

狭い土地に平屋を建てる場合、スペースが限られているので、希望通りの間取りで建てられないことがあります。視覚的な広さの演出、採光・通風の確保、収納スペース・洗濯物を干すスペースの確保、ロフトの設置など、限られたスペースを無駄なく使う間取りを考えましょう。また、狭い敷地内に駐車場を設置するのは難しい場合があります。平屋の実績が豊富な住宅メーカーとよく話し合って、限られた土地を生かせるプランを検討しましょう。