マイホームを建てるのであれば、デザインや間取りにこだわりたいという人は多いでしょう。予算を8,000万円まで確保できる場合は、家づくりも自由度が高くなります。

この記事では、注文住宅を予算8,000万円で建てるときのポイントや建築費の内訳について解説します。

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予算8,000万円はどのくらいの水準? 注文住宅の平均資金と比べてみよう

 

予算8,000万円でどのような家を建てられるのかをイメージするために、まずは注文住宅にかかる資金の平均額を確認しましょう。

 

注文住宅の住宅建築資金は、国土交通省の2021年度「住宅市場動向調査報告書」によると、土地の購入も含めた場合の全国平均は5,112万円土地の購入を含めない場合の全国平均は3,459万円となります。

 

三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)に限ると、土地の購入も含めた場合の平均は6,315万円土地の購入を含めない場合の平均は3,843万円です。

 

全国および三大都市圏の平均と比べてみても、予算が8,000万円あれば、住まいの性能や材質、設備などのグレードアップが可能となり、自分の希望を十分に反映させることができるでしょう。

建築費8,000万円で建てるときの資金イメージ

 

注文住宅を建てるときに必要な費用は、大きく分けて「本体工事費」「付帯(別途)工事費」「諸費用」の3つに分けることができます。

本体工事費は、総費用全体の70~80%程度

 

本体工事費とは、文字どおり建物本体を建てるための工事費用であり、総費用全体の70~80%程度に当たります。

 

注文住宅において「坪単価」で示される金額は、この本体工事費のみを指していることが多く、そのほかの費用は含まれていない点に注意が必要です。

付帯工事費は、総費用全体の15~20%程度

 

そのほかの費用のうち、付帯工事費とは、建物以外の工事にかかる費用のことです。具体的な内容については次の項目で詳しく紹介しますが、“別途工事費”とも呼ばれ、総費用全体の15~20%程度が目安となります。

諸費用は、土地購入なしの場合は建築費の3~6%

 

最後に、諸費用とは、契約に関わる手数料や印紙代、税金、地鎮祭・上棟式の費用など、建築工事以外にかかる費用の総称です。

 

諸費用の総額は、土地購入なしの場合は建築費の3~6%、土地購入ありの場合は土地取得費+建築費の10~12%が目安となり、プランだけでなく地域によっても違いが出てきます。

 

このように、家づくりの費用はさまざまな項目によって構成されているため、見積もりを依頼する前に仕組みを理解しておくことが大切です。

 

本体工事費を計算するときに参考になるのが“坪単価”です。坪単価とは、1坪当たりにかかる建築費の目安を指し、一般的に設備や建材のグレードが高かったり、間取りの形状が複雑だったりするほど坪単価も高くなります。

 

では、予算8,000万円のときの坪単価は、どのくらいになるのでしょうか。本体工事費以外の費用を全体の25%と想定して具体的な数字を出してみましょう。

 

予算が8,000万円の場合、本体工事費の目安は「8,000万円×本体工事費(建築費全体の75%)=6,000万円」となります。これを、延床面積(坪)で割ると坪単価を算出できます。

 

総務省統計局の2018年「住宅・土地統計調査」によると、一戸建ての延床面積の全国平均は約127平米(約38坪)です。そのため、平均的な広さの住宅にしたときの坪単価の目安は、「6,000万円÷38坪=157.9万円」となります。

 

一方、平均の1.5倍の広さの住宅であれば、坪単価の目安は「6,000万円÷57坪(38坪×1.5)=105万円」となります。

 

国土交通省の2021年度「建築着工統計調査」では、構造や建て方別に住居の工事費予定額に関するデータが公表されています。

 

そのデータを基に、1坪「3.3平米」と想定して換算すると、一戸建てにおける平均的な坪単価は以下のとおりです。

住宅の種類

平均坪単価

一戸建て住宅総計

60.7万円

木造

57.1万円

鉄骨造

94.1万円

鉄筋コンクリート造

99.7万円

小数点第2位で四捨五入

 

一戸建てにおける平均的な坪単価は60万円程度であり、木造一戸建ての場合も60万円に少し満たない程度が水準といえます。

 

一方、鉄骨造や鉄筋コンクリート造は坪単価が一気に高くなり、100万円を超えるケースもめずらしくありません。

 

いずれにおいても予算8,000万円の場合は、平均坪単価よりも高い数値になるため、性能や建材、設備などにこだわった家づくりができるでしょう。

 

ただし、建物だけではなく、外構や駐車場などにも目を向けることが大事です。予算の配分を考え、住まい全体として満足のいく資金計画を立てましょう。

 

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土地を含めた予算8000万円で建てるときのポイント

 

続いて、土地の購入を含めて予算8,000万円としたときの予算配分を見ていきます。理想の住まいを形にするためにも、土地取得にかかる金額にも注目しましょう。

 

2021年度「フラット35利用者調査」のデータによると、土地を購入して注文住宅を建てた人の土地取得費用の平均額は、以下のようになっています。

エリア

土地取得費

全国

1,444.9万円

首都圏

2,220.9万円

近畿圏

1,693.1万円

東海圏

1,274.3万円

その他地域

912.3万円

全国平均額が1,444.9万円のところ、首都圏の平均額は2220.9万円となり、その差は776万円に上ります。やはり土地取得にかかる費用は、地価の高い首都圏が群を抜いて高いことが分かります。

 

首都圏で土地を購入して注文住宅を建てる場合は、土地取得費に充てる割合が多くなることを踏まえて、建築費の予算を立てましょう。

8,000万円の予算を生かした家づくりのポイント

 

これまで見てきたとおり、予算が8,000万円あれば余裕を持った家づくりが可能です。ここでは、グレードの高い住まいを建てるときに注目しておきたいポイントを解説します。

 

8,000万円の予算を生かすなら、通常では選択肢に入りにくい以下のようなポイントを意識するといいでしょう。

ポイント

  • 設計事務所に依頼して独自性を追求する
  • セキュリティにもこだわる
  • 生活感が表に出ないようにデザインを工夫する

一般的にハウスメーカーは、一部のデザインや仕様をセレクトするセミオーダー形式が基本です。より個々の希望に対応した家づくりを行うのであれば、設計事務所に依頼するのもひとつの手です。独自性のあるデザインを実現できます。

 

また、セキュリティ対策としてセンサーライトや防犯カメラの設置は有効ですが、庭の設計や開口部の材質などにこだわると、さらに防犯性を高めることにつながります。一見して分からない部分の防犯対策にもこだわるといいでしょう。

 

また、住宅の概念にこだわらず、ホテルや美術館など住宅以外のデザインを参考にしてみるのもおすすめです。生活感を抑え、高級感を演出できます。

 

住宅情報ポータルサイトのLIFULL HOME’Sでは、「高級住宅・豪邸」をピックアップした住宅カタログを用意しています。住宅メーカーの実績を見ながら、無料で取り寄せられるため、気になる住宅メーカーがあれば問合せをしてみましょう。

 

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8,000万円の住宅ローンの返済シミュレーションをしておこう

 

家づくりをするときには、住宅ローンの返済計画が欠かせません。8,000万円を借りた場合の毎月の返済額と総支払額をシミュレーションしてみましょう。

 

実際に住宅ローンの返済負担がどのくらいあるのかを、頭金なしと頭金を用意した場合でシミュレーションしてみましょう。

 

今回はLIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を使い、以下の条件で計算を行います。

設定条件

  • 住宅ローン借入額:8,000万円
  • 金利:全期間固定・元利均等1.5%
  • 返済期間:35年
  • 頭金の割合:なし、1割、2割の3パターン

上記のケースで計算すると、実際の総支払額は以下のようになりました。

 

毎月返済額

総支払額

頭金なし

24.5万円

1億288万円

頭金1割(800万円)

22.1万円

9,260万円

頭金2割(1,600万円)

19.6万円

8,231万円

頭金の割合を増やすことで、総支払額は少なくなります。同時に毎月の返済額も小さくなるため、将来的な家計への負担も軽くなります。

 

住宅ローン借入額と年収のバランスを考えるときは、返済負担率が重要なポイントになります。

 

返済負担率とは「年収に対する年間返済額の割合」のことであり、一般的には「25%以内」が無理のない基準とされています。

 

上記のシミュレーションによると、頭金なしの場合の毎月返済額は24.5万円なので、年間返済額は294万円になります。そのため、無理なく返済していくためには、少なくとも1,176万円の年収が必要です。

 

住宅ローンは返済期間が長いからこそ、生活費や月々の返済額を踏まえた堅実な資金計画が大切になってきます。

 

予算が8,000万円の場合、本体工事費の目安は6,000万円です。一戸建ての平均的な広さが38坪なので、平均的な広さの家を建てるときの坪単価は6,000万円÷38坪で「157.9万円」程度になります。

 

自由度が高く、理想を形にしやすい、ゆとりのある予算です。型にはまらない設計や見えない部分でのセキュリティ、美術館など住宅以外の建築デザインを意識すると、高級感のあるおしゃれな住まいを建てられるでしょう。

 

返済負担率は25%以内が理想です。8,000万円の住宅ローンを借りた場合、月々の返済額は24.5万円、年間の返済額は294万円となるため、必要な年収の目安は294万円÷25%で「1,176万円」以上となります。

 

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