建築費にかけられる予算の目安
建築費に6,000万円をかけられる場合、建物本体の工事費の目安は約4,500万円です。これは平均的な広さの家ではハイグレードな仕様となり、間取りや建材など、こだわりを詰め込んだデザイン性の高い住まいを実現できるでしょう。
詳しくは、「建築費6,000万円で建てられる注文住宅のイメージ」をご覧ください。
土地代込みの予算計画の立て方
土地代込みで予算6,000万円の場合、土地の購入費用を差し引いた金額が建築費となります。土地代の高い首都圏などでは、建物のグレードを調整したり敷地を狭めたりと、建築費とのバランスをとる工夫が必要になることもあります。
詳しくは、「土地代込みの予算6,000万円で建てられる注文住宅の特徴」をご覧ください。
無理のない住宅ローン返済計画
6,000万円の住宅ローンを組む際は、金利や頭金などの条件を変えて返済額をシミュレーションすることが大切です。無理のない返済の目安は、年収に対する年間返済額の割合(返済負担率)を25%以内におさえることです。
詳しくは、「住宅ローン6,000万円の返済シミュレーション」をご覧ください。

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家づくりの計画を立てるときは、予算を決めてからプランを固めていくとスムーズです。住宅ローンに関しても、あらかじめきちんと返済のシミュレーションを行っておきましょう。

この記事では、予算6,000万円で建てる家のこだわりポイントや建築費の目安、住宅ローンの返済シミュレーションを解説します。

6,000万円ってどのくらいの水準? 注文住宅の平均費用と比べてみよう

自分の理想の住まいを手に入れるためにも、まずは家づくりにどのくらいの資金が必要なのか、平均費用を知っておきましょう。

 

国土交通省の2021年度「住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅を建てた人の平均所要資金は以下のとおりです。

【土地を購入せずに注文住宅を建てたときの所要資金】

 

借入金

自己資金

合計所要資金

全国

2,487万円

972万円

3,459万円

三大都市圏

2,511万円

1,332万円

3,843万円

【土地を購入して注文住宅を建てたときの所要資金】

 

借入金

自己資金

合計所要資金

全国

3,909万円

1,203万円

5,112万円

三大都市圏

4,748万円

1,567万円

6,315万円

エリアや工事内容で違いは出てきますが、土地がある状態であれば3,460万~3,840万円程度土地代を含めた場合は5,110万円~6,320万円程度かかっていることが分かります。

 

また、土地代を含めて予算6,000万円の場合は、エリアによってはコストダウンを検討する必要が出てくるかもしれません。こちらについては後述します。

建築費6,000万円で建てられる注文住宅のイメージ

建築費に6,000万円かけられるとき、どのくらいのグレードの注文住宅を建てられるのでしょうか。建築費の内訳や坪単価などから見ていきましょう。

建物に関する費用は、主に本体工事費と別途工事費で構成されます。

 

本体工事費は建物本体を建てるための費用のことで、建築費全体の70~80%を占めます。坪単価と表示されるものは、この本体工事費を基に計算されています。

 

別途工事費とは、水道やガスを使えるように配管工事をしたり、照明を使えるように電気の配線を組んだりする費用です。この費用が建築費全体の15~20%を占めます。

マイホーム購入時には、上記以外に諸費用がかかります。諸費用は物件を所有するときの登記に必要なお金や、住宅ローン関連の保険料などの費用のことです。

 

注文住宅における諸費用の目安は、土地購入なしの場合は建築費の3〜6%土地購入ありの場合は土地取得費用+建築費の10〜12%程度です。

 

支払いは現金で求められることが多く、ほかの費用とは支払うタイミングが違うこともあるため、不動産会社や施工会社に確認をしておきましょう。

本体工事費の目安は建築費全体の70~80%ですから、建築費6,000万円の本体工事費は「6,000万円×0.75=4,500万円」程度となります。では、坪単価はどのくらいになるのでしょうか。坪単価は住宅の床面積で割ることで計算できます。

 

総務省統計局の2018年「住宅・土地統計調査」によると、一戸建ての床面積の全国平均は約127平米です。坪数に直すと約38坪になります。そのため、平均的な広さの住宅を建てるときの坪単価は「4,500万円÷38坪=118.4万円」となります。

 

この数値は高級住宅の部類に入るため、間取りにオリジナリティを出したり建材のグレードを上げたりすることができるでしょう。建築費の予算が6,000万円あれば、こだわりを反映させたデザイン性の高い住まいを建てることが可能です。

 

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土地代込みの予算6,000万円で建てられる注文住宅の特徴

続いて、土地代を含んだ6,000万円の予算のときに、どのくらい資金が必要になるかを説明します。

2021年度「フラット35利用者調査」では、土地を取得して注文住宅を建てた人の土地取得費用の平均をエリアごとにまとめています。詳細は以下のとおりです。

エリア

土地取得費

全国

1,444.9万円

首都圏

2,220.9万円

近畿圏

1,693.1万円

東海圏

1,274.3万円

その他地域

912.3万円

上記の調査から、やはり首都圏の土地取得にかかる費用は、ほかのエリアに比べて高いことが分かります。

予算6,000万円のうち、全国平均の金額1,444.9万円で土地を取得した場合、残りの約4,555万円を建築費として利用できます。

 

この数値は、冒頭で紹介した土地購入を含めない所要資金の全国平均・三大都市圏平均より高いため、資金に余裕がある状態といえます。

 

一方、首都圏の土地取得費の平均額2,220.9万円を基にした場合、建築費に利用できるのは約3,779万円です。取得する場所によっては、少し建物グレードを下げる必要が出てくるでしょう。

 

もしくは、建てる敷地を狭めて建築費を下げたうえで、建物のグレードを維持するというのもひとつの方法です。

 

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こだわりアイデアの事例

せっかく注文住宅を建てようと考えているのであれば、こだわりを反映させたいと考える人もいるでしょう。ここでは、具体的なアイデアや実現可能なラインを解説します。

予算6,000万円の場合は前提として、標準仕様からプラスαでこだわりを求める方針でいれば失敗は少ないでしょう。

 

そのうえで、間取りのなかでこだわりたいポイントとして挙げられるのがリビングやキッチンです。毎日使い、家族が集まる場所だからこそ、性能やデザインを重視しましょう。

 

リビングでまず検討したいのが、リビングに階段を設置するという方法です。家族との接点が増え、コミュニケーションを取りやすくなります。らせん階段やスケルトン素材などを採用すると、一味違うおしゃれな空間を演出できます。

 

キッチンは見た目と機能性を考えるのがポイントです。リビングを眺めながら料理をしたい場合は「対面式のキッチン」、作業に集中したいのであれば「独立キッチン」を選ぶなど、さまざまな選択肢があります。

 

毎日使うといえば、浴室もこだわりたい場所のひとつです。脱衣所から独立した洗面所を設けたり、ユニットバスのグレードを上げたりするといいでしょう。素材のデザイン性や撥水(はっすい)性、断熱性などに注目しながら選択してみてください。

収納はたくさんあると便利ですが、家事動線を意識した場合、家族みんなのクローゼットとして1ヶ所にまとめる方法もあります。洗濯の後に収めるのが楽になるうえ、広さがある分、収納スペースの設計にもこだわることができます。

 

アウトドア用品やコートなどを収納するために玄関に収納部屋をつくったり、キッチンの横にパントリーを設けたりするのもいいでしょう。その際、照明にこだわると、おしゃれさも演出できます。

 

種類がさまざまある照明は、空間や部屋ごとに決めていくのがベストです。天井に埋め込むダウンライトや吊り下げ型のペンダントライト、レールに電球を取り付け移動ができるダクトレールなど、空間にマッチするタイプを選んでいきましょう。

 

また、照明のスイッチの位置は、家族の動線を考えて決めるのがポイントです。専門家の意見も取り入れながら検討してみてください。

予算6,000万円でどんな注文住宅が建てられる? 住宅ローンの返済プランも解説

住宅ローンを利用するときは、しっかりとした資金計画を立てないと、将来的に返済が困難になってしまうことがあります。

 

6,000万円の住宅ローンを借りたときの返済シミュレーションと、無理なく返済できる年収の目安を見ていきましょう。

住宅ローンの返済計画を考えるときは、金利や返済期間など、いくつかのパターンでシミュレーションすることが大事です。

 

今回はLIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を使い、以下の条件で計算を行います。

シミュレーションの条件

  • 住宅ローン借入額:6,000万円
  • 金利:全期間固定・元利均等1.5%
  • 返済期間:35年
  • 頭金の割合:なし、1割、2割の3パターン

上記のケースで計算すると、以下のような結果になりました。

 

毎月返済額

総支払額

頭金なし

18.4万円

7,716万円

頭金1割(600万円)

16.6万円

6,945万円

頭金2割(1,200万円)

14.7万円

6,173万円

頭金を用意することで、毎月の返済額が軽減されます。そして、頭金として用意した部分には利息がかからないため、頭金の割合が多ければ多いほど総支払額を下げることが可能です。

毎月返済していくうえで大切なのが、返済額と年収のバランスです。返済額と年収が見合っていないと生活が苦しくなってしまう可能性があります。

 

無理なく返済するためには、住宅ローンの返済負担率に注目するのがポイントです。返済負担率とは「年収に対する年間返済額の割合」のことであり、一般的には「25%以内」が無理のない基準とされています。

 

上記のシミュレーションでは、頭金なしの場合の毎月返済額は18万4,000円なので、年間だと「18万4,000円×12ヶ月=220万8,000円」となります。この金額を年収の25%以内に収める場合、年収は少なくとも883万円以上は必要です。

 

必要な年収は金利や頭金の有無などによって変わるため、無理のないバランスになっているか、自分の実情に応じてシミュレーションを行い、確認しておきましょう。

 

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Q.1:注文住宅の費用として、みんな大体いくらかけているのですか?

A.1:2021年度の国土交通省の調査では、注文住宅にかかる費用の全国平均は、土地なしの場合で3,459万円、土地ありの場合で5,112万円です。予算6,000万円は、土地と一緒に購入する場合の平均か、少し余裕のある金額といえます。

Q.2:予算6,000万円だと、どのくらいのグレードの家が建てられますか?

A.2:建築費に6,000万円をかけられる場合、建物本体の工事費の目安は約4,500万円です。平均的な広さの家(約38坪)だと、坪単価は約118万円という計算になります。建築費が高騰していますが、比較的高級住宅の部類となるため、間取りの自由度を高くしたり、グレードの高い建材を選んだりと、デザインにこだわった家づくりが可能です。

Q.3:土地の購入も考えていますが、予算6,000万円で足りますか?

A.3:エリアによっては可能です。全国の土地取得費用の平均額は約1,445万円なので、予算6,000万円から土地代を引いても、約4,555万円を建築費に充てられることになります。これは土地なしで家を建てる人の平均費用(3,459万円)より高いため、建物にもこだわることができるでしょう。

Q.4:首都圏で土地を買って家を建てたい場合、予算6,000万円だと厳しいですか?

A.4:首都圏は土地の価格が高く、土地取得の平均費用は約2,221万円です。予算6,000万円からこの土地代を引くと、建築費は約3,779万円になります。これは三大都市圏の平均とほぼ同じ金額ですが、希望によっては建物のグレードを調整する必要があるかもしれません。

Q.5:6,000万円の予算で、どのような「こだわり」が実現できますか?

A.5:標準仕様に加えて、さまざまなこだわりが実現できます。例えば、おしゃれならせん階段のあるリビング、デザインと機能を両立した対面式キッチンなどが選択肢になります。ほかにも、家族全員の服をしまえるファミリークローゼットや、玄関の土間収納、雰囲気のある間接照明など、理想の暮らしを形にできます。

Q.6:住宅ローンを6,000万円借りた場合、毎月の返済額はどのくらいになりますか?

A.6:金利1.5%、35年ローン、頭金なしで6,000万円を借り入れた場合、毎月の返済額の目安は約18.4万円です。頭金を用意すると、月々の返済額をさらに抑えることができます。

Q.7:6,000万円の住宅ローンを無理なく返済するには、どのくらいの年収が必要ですか?

A.7:無理のない返済の目安は、年収に占める年間返済額の割合である「返済負担率」が25%以内とされています。月々の返済額が18.4万円(年間約221万円)だと、年収883万円以上が一つの目安です。ご自身の状況でシミュレーションしてみましょう。

Q.8:頭金は用意した方がいいですか? 用意すると、どのような影響がありますか?

A.8:頭金を用意すると、月々の返済額と利息を含めた総支払額の両方を抑えられます。例えば6,000万円のローン(金利1.5%、35年返済)で、頭金が2割(1,200万円)あると、頭金なしの場合に比べて総支払額を1,500万円以上も減らすことができます。

Q.9:家の建築費のほかに、追加でかかる費用はありますか?

A.9:建築費のほかに「諸費用」が必要です。諸費用には、登記費用や住宅ローンの保険料などが含まれます。土地も買う場合は「土地代+建築費の10~12%程度」が目安です。現金で支払うことが多いので、事前に不動産会社や施工会社に確認しましょう。

Q.10:「本体工事費」とは、建築費の全体を表すものですか?

A.10:いいえ、建築費は主に「本体工事費」と「別途工事費」に分かれます。坪単価の計算に使われるのは、建物そのものを建てるための「本体工事費」で、建築費全体の70~80%を占めます。そのほかに、水道・ガス・電気の工事などにかかる「別途工事費」が建築費の15~20%必要です。

 

更新日: / 公開日:2023.04.25