20坪の平屋は小学校の教室とほぼ同じ広さ
20坪は約66平米で、一般的な小学校の教室ほどの広さです。国の基準では、小さな子どもがいる5人家族が最低限暮らせる広さに該当します。間取りは1LDK〜2LDKが妥当ですが、工夫次第で3LDKにすることも可能です。
詳しくは、「20坪の平屋はどのくらいの広さ?」をご覧ください。
20坪平屋の建築費は1,000万円台からが目安
20坪平屋の建築費用は、ローコスト住宅なら1,000万円台、ハイグレードなものなら2,000万円程度が目安です。ただし、建物のグレードや設備、建築プランによって費用は大きく異なるため、複数社から見積もりを取ることが大切です。
詳しくは、「20坪の平屋を建てる際の費用目安」をご覧ください。
限られた空間を有効活用する間取りの工夫
廊下を減らしたり、ロフトや床下収納を設けたりと、限られた面積を有効に使う工夫が重要です。また、吹き抜けで開放感を出す、部屋の配置でプライバシーを確保するなど、平屋の長所を活かし短所を補う設計を考えましょう。
詳しくは、「20坪の平屋で間取りを考える際のポイント」をご覧ください。

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平屋とは「1階建て」とも呼ばれ、ワンフロアで構成される一戸建て住宅のことです。フラットで開放的なプランをつくりやすく、さまざまな魅力を持っています。

 

今回は20坪の平屋を建てることを想定し、広さや費用の目安、間取り事例などをまとめて紹介します。

土地

 

まず、20坪の平屋がどのくらいの広さになるのか、数字で確認してみましょう。大まかな目安として「1坪3.3平米」と考えると、20坪は「66平米」と計算できます。

 

一般的な小学校の教室の広さが約63~64平米なため、小学校の教室の広さをイメージすると分かりやすいかもしれません。

 

住宅金融支援機構が行った2021年度「フラット35利用者調査」によれば、注文住宅の住宅面積は全国平均で123.8平米(約38坪)とされています。

 

この数字と比べると、20坪は平均の半分程度の広さといえるでしょう。

 

また、国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」では、世帯人数ごとに必要な広さが以下のように示されています。

 

必要な面積(m2

1

2

3

4

5

最低居住面積水準

25

30

40(35)

50(45)

60(55)

誘導居住面積水準(都市型)

40

55

75(65)

95(85)

115(105)

誘導居住面積水準(一般型)

55

75

100(87.5)

125(112.5)

150(137.5)

※( )は3~5歳児が1名いる場合

最低居住面積水準:文化的な生活を送るうえで最低限必要な広さ

 

誘導居住面積水準:多様なライフスタイルに合わせてゆったり住める広さ

  • 都市型:都心や周辺でのアパートやマンション生活を想定した広さ
  • 一般型:郊外での一戸建て生活を想定した広さ

66平米の場合、小さな子どものいる5人世帯が最低限暮らせる広さに該当します。一方、郊外の一戸建ての水準で考えるなら、単身でのゆとりのある広さに該当します。

 

間取りとしては1LDK~2LDKが妥当な範囲といえますが、配置やつくりを工夫すれば3LDKにすることも可能です。

 

その場合、リビングは狭くなるため、部屋数とリビングの広さのどちらを優先したいのかを明確にしておきましょう。

20坪の平屋を建てる際の費用目安

 

住宅の建築費用は、広さとともに建物のグレードや導入する設備などによっても大きく左右されます。

 

そのため、一概に「費用はこのくらい」と断言することはできませんが、ローコスト住宅であれば1,000万円台、ハイグレードであれば2,000万円程度が目安となります。

 

平屋は費用のかかる基礎工事の面積が広くなるため、建築費は同じ規模の2階建てと比べると1〜2割程度高くなるといわれています。ただ、20坪は全国平均の半分程度の広さとなるため、比較的コストを抑えやすいでしょう。

 

一例として、建築費用の具体的な内訳を挙げると次のようになります。

建築費の例(坪単価40万円の場合)

  • 本体工事費:約800万円
  • 付帯工事費:約210万円
  • 諸経費:約60万円
  • 合計:1,070万円

ただし、坪単価40万円はローコストな価格帯であり、デザインや間取りなどに制限が生まれることもあります。

 

また、設備も施工会社が用意しているスタンダードなものが中心となるため、こだわりたい場合は、もう少し予算を見積もっておく必要があります。

 

建築プランや工法によっても費用は異なるので、正確な費用については、実際に見積もりをとって確認することが大切です。見積もりは必ず複数社でとり、比較できるようにしましょう。

 

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20坪の平屋で間取りを考える際のポイント

 

20坪の平屋は、限られた広さに加えて、ワンフロアに機能を納めなければならないため、効率的な間取り設計が重要なポイントとなります。

 

ここでは、20坪の平屋を建てるうえで、目を向けておきたいポイントについて見ていきましょう。

 

建ぺい率とは、「土地面積に対する建築面積(真上から見たときの広さ)の上限割合」のことです。

 

火災時の延焼防止や景観の保持といった観点から、敷地いっぱいに建物を建てることは原則としてできず、土地ごとに建ぺい率が設けられています。

 

そのため、20坪の平屋を建てるのであれば、それ以上の広さの土地が必要となります。たとえば、建ぺい率50%の土地なら、少なくとも広さは40坪以上必要です。

 

20坪の広さを最大限に有効活用するコツには、次のようなポイントが挙げられます。

■廊下などの移動スペースを減らす

 

限られた広さで生活スペースを確保するには、廊下などの移動スペースを省略した設計が求められます。平屋は階段がない分、2階建てよりも省スペース化しやすいので比較的工夫はしやすいです。

■ロフトや中2階も検討してみる

 

平屋は天井高を確保しやすいので、ロフトや中2階(スキップフロア)を検討してみるのもひとつの方法です。収納場所として使ったり、通常階部分とは違った空間として独立させたりできるので、使い方の幅が大きく広がります。

■床下収納などの収納スペースを増やすアイデアを検討する

 

ロフトや中2階は、広さを確保するには有効な手段ですが、一部の天井高を圧迫してしまうのがデメリットです。室内全体の開放感を重視したい人は、床下収納を採用してみるのもひとつの方法です。

 

また、キッチンに壁面収納を取り入れるなど、スペースを有効利用できるアイデアを持っておくと、プランを決める際に選択肢の幅が広がります。

 

平屋の魅力のひとつは、開放感のある空間づくりにあります。2階建てより構造上の安定度が高いため、壁の数を減らして広いリビングを設けたり、天井高を確保したりできるのです。

 

そのため、平屋では吹き抜けを採用して、開放感を演出する間取りが人気です。明かりが部屋の奥まで確保できるとともに、通気性も向上するため、より快適な住空間をつくりやすいのです。

 

また、バリアフリー性の高さを生かして、高齢になっても長く安心して暮らせる住まいづくりを意識することも大切です。

 

効率的な生活動線を確保したり、トイレを広めにつくったり、バスタブの高さを低くしたりと、老後を見据えた設計も考えておくといいでしょう。

 

平屋は2階建てと比べて部屋同士の関係性が密接であり、家族間のプライバシー確保が難しい面もあります。

 

あえて部屋同士を隣接させるのではなく、子ども部屋はリビングから離して設置するなど、家族の性格や価値観に合わせた配置を考えてみましょう。

 

また、平面に広くなる分、日当たりや風通しといった点は2階建てよりも配慮が必要となります。前述したように吹き抜けを導入したり、窓の配置や数を工夫したりするなど、プランを決める段階で設計士と打ち合わせをしましょう。

 

平屋の設計を考える際には、実際の間取り例を参考にしてみるのもひとつの方法です。ここでは、タイプの異なる20坪前後の平屋をいくつか見ていきましょう。

間取り図1

 

この2LDKの間取りでは、玄関からの移動スペースを極力減らすことで、広い居住スペースの確保を実現しています。

 

特にLDKには約18畳という十分なスペースがあり、天井高を生かした開放的な空間となっています。

間取り図2

 

この1LDKの間取りでは、約25畳もの広いLDKと、水回りをぐるりと囲む回遊動線が特徴的です。動線はLDKと廊下が一体になったくりになっており、多数の大きな窓によって明るく開放的な空間に仕上がっています。

 

この間取り配置であれば、どこからでも最短距離で水回りの設備にアクセスできるため、効率的な生活動線を実現しやすいのが特徴です。

間取り図3

 

平屋の魅力のひとつとして、庭との接点を持たせたつくりを実現しやすい点が挙げられます。

 

この1LDKの間取りでは、LDKの先に広々としたウッドデッキを設け、庭とのゆるやかなつながりを持たせているとともに、日当たりも確保しているのが特徴です。

 

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窓口に相談する

 

一口に20坪の平屋といっても、細かな設計には幅広い選択肢があるため、自分に合ったプランを考えるには十分な時間が必要です。

 

そのうえで、家づくりのプランに迷ったときには、第三者によるサポートを受けてみるのもおすすめです。LIFULL HOME’S「住まいの窓口」では、豊富な経験を持つハウジングアドバイザーが無料で何度でも相談に応じてくれます。

 

「住まいの条件整理」や「家づくりの進め方」「予算の考え方」「建築会社選びのコツ」など、幅広いテーマについてアドバイスがもらえるので、家づくりの心強い味方となるでしょう。

 

平屋が得意な建築会社を紹介してもらうといった使い方も可能なので、ぜひご利用ください。

  • 20坪は約66平米であり、間取りは1LDKや2LDKが妥当
  • 一戸建ての全国水準と比べると半分程度の広さのため、限られた空間を効率よく使うことが大切
  • 平屋ならではの魅力と弱点を理解して、設計に生かすことも重要
  • 間取り実例を参考にしながら、理想のプランをじっくり固めていこう

 

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Q.1 「20坪の平屋」とは、具体的にどれくらいの広さですか? また、何人家族に適していますか?

A.1 20坪(約66平米)は、小学校の教室とほぼ同じ広さです。国の基準では「小さな子どもがいる5人世帯が最低限暮らせる広さ」に相当します。 間取りは1LDK〜2LDKが中心ですが、リビングをコンパクトにすれば3LDKも可能です。

Q.2 20坪の平屋を建てる費用は、総額でどれくらいかかりますか?

A.2 建物のグレードなどによりますが、ローコスト住宅で1,000万円台、こだわりの住宅で2,000万円程度が目安です。これは建物本体の費用であり、別途付帯工事費や諸経費が必要です。正確な費用を知るために、複数の建築会社から見積もりを取りましょう。

Q.3 同じ広さなら、平屋は2階建てより建築費が安いですか?

A.3 いいえ、高くなる傾向があります。平屋は2階建てに比べ、費用のかかる基礎や屋根の面積が広くなるため、建築費が1〜2割ほど高くなるのが一般的です。ただし、階段が不要、メンテナンスがしやすいといった長期的なメリットもあります。

Q.4 20坪の家を建てるには、20坪の土地があれば十分ですか?

A.4 いいえ、より広い土地が必要です。土地には「建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)」が定められています。たとえば、建ぺい率50%の土地に20坪の平屋を建てる場合、最低でも40坪の土地の広さが必要です。

Q.5 限られた広さの平屋を、開放的で快適な空間にする工夫はありますか?

A.5 はい、空間を有効活用する工夫があります。

  • 開放感:廊下を減らして居住空間を広くしたり、天井を高くして吹き抜けを設けたりする。
  • 収納:天井高を生かしたロフトや床下収納、壁面収納などを取り入れて収納量を確保する。

Q.6 平屋のメリットと、建てる際の注意点を教えてください。

A.6 平屋の主なメリットと注意点は以下のとおりです。

  • メリット:生活動線がシンプルで、段差がなくバリアフリー性が高い点です。 壁を減らして、開放的なリビングもつくりやすいです。
  • 注意点:家族のプライバシーや、家中心部の日当たり・風通しの確保が課題になります。設計段階で部屋の配置や窓の数を工夫することが重要です。

Q.7 平屋の家づくりに興味がありますが、何から始めればよいですか?

A.7 まずは間取りの実例を多く見て、理想の暮らしをイメージするのがおすすめです。 具体的な進め方や建築会社選びに迷ったら、LIFULL HOME’S「住まいの窓口」に無料相談し、客観的なアドバイスをもらうのもよいでしょう。

更新日: / 公開日:2023.03.16