70坪の土地なら平均より広い家を建てられる
「フラット35」の調査によると、注文住宅の平均的な広さは約38坪です。70坪の土地があれば、平均より十分に広い家を建てられます。もし70坪の家を建てた場合、大人8~9人が快適に暮らせる広さになります。
詳しくは、「70坪の土地に建てられる家は平均と比べて広い? 狭い?」をご覧ください。
家の広さは建ぺい率や容積率で決まる
土地には建てられる家の上限が定められています。その広さを決めるのが「建ぺい率」と「容積率」です。建ぺい率は土地面積に対する建築面積の割合、容積率は延床面積の割合を指します。この他に高さ制限などもあります。
詳しくは、「建てられる家の広さを左右する3つのポイント」をご覧ください。
70坪の家の建築費は坪単価で変動する
延床面積70坪の家を建てる場合、坪単価によって建築費の総額は大きく変わります。坪単価40万円のローコスト住宅なら約3,730万円、坪単価80万円の大手ハウスメーカーなどでは約7,470万円が目安です。
詳しくは、「70坪の土地に家を建てるときの建築費用目安」をご覧ください。

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土地の広さは坪数で表示されるケースが多いですが、普段はあまり使うことのない単位なので、具体的なイメージがつかめないという方も少なくないでしょう。

 

今回は70坪の土地にどのくらいの広さの家を建てられるのか、さまざまな角度から解説します。また、具体的な間取りのイメージや建築費用の相場も併せて見ていきましょう。

70坪の土地に建てられる家は平均と比べて広い? 狭い?

 

まずは70坪の土地に建てられる家の広さについて、平均と比較しながらイメージを膨らませてみましょう。

 

住宅金融支援機構が公表している「2020年度フラット35利用者調査」によれば、注文住宅の平均的な住宅面積(延床面積)は「124.4平米」とされています。1坪は約3.3平米なので、この広さを坪数に換算すると「約37.7坪」です。

 

延床面積とは各階の床面積の合計を示す広さなので、2階建てなら1階部分と2階部分を合計した面積と考えることができます。

 

そのため、延床面積37.7坪なら、「1階部分のみで37.7坪」というパターンだけでなく、「1階20坪+2階17.7坪」といったケースも該当するということです。

 

このように考えると、70坪の土地があれば、十分に平均より広い家を建てられると判断することができます。

 

70坪は実際に生活するうえでどのくらいの基準となるのでしょうか。

 

国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」では、居住人数に応じた「ゆったりと過ごせる広さ」(誘導居住面積水準)の目安が示されています。

 

それによると、一戸建てで快適に暮らすために必要な広さは以下のとおりです。

世帯人数

必要な面積(m2

必要な面積(坪数)

3人

100

30

4人

125

38

5人

150

45

6人

175

53

7人

200

61

8人

225

68

9人

250

76

後ほど詳しく解説しますが、70坪の土地に対して必ずしも70坪の家を建てられるというわけではありません。

 

しかし、仮に70坪の家を建てた場合には、大人8~9人がストレスなく暮らせるほどの広さが確保できます。

 

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建てられる家の広さを左右する3つのポイント

 

土地にはそれぞれ「建てられる上限の広さ」が決まっており、規定以上の面積の建物を建てることはできません。ここでは、建てられる家の広さを決めるルールを3つに分けて見ていきましょう。

建ぺい率

建ぺい率

建ぺい率とは、「土地面積に対する建築面積の割合」を示す数字です。建築面積とは、「建物を真上から見たときの面積」であり、一般的なつくりの平屋なら1階部分がそのまま建築面積になります。

 

また、2階建てでも基本的には1階部分が建築面積となりますが、ガレージ部分をくりぬいた特殊な構造などで2階の方が広ければ、そちらを建築面積としてカウントします。

 

建ぺい率は土地ごとに異なる上限が決められており、通常は「30~80%」の間で設定されています。

 

つまり、同じ70坪の土地でも建ぺい率の上限によって、建てられる家の建築面積には以下のように大きな差が生まれるということです。

  • 建ぺい率80%
  • 70坪×80%=56坪
  •  
  • 建ぺい率30%
  • 70坪×30%=21坪
容積率

容積率

容積率とは、「土地面積に対する延床面積の割合」のことです。

 

延床面積は各階の面積を合計した面積なので、建ぺい率は「平面」に関する決まりを指すのに対して、容積率は「立体」に関するルールと考えることができます。

 

住宅用地の場合、容積率は「50~200%」の間で定められるのが一般的です。ここでは、具体例を通して建てられる家の面積を計算してみましょう。

  • 建ぺい率60%、容積率100%の場合
  • 建築面積:70坪×60%=42坪まで

    延床面積:70坪×100%=70坪まで

このケースでは、1階と2階の面積をそろえる総2階建てを建てようとすると、建築面積の上限いっぱいである42坪の家は建てることができません。なぜなら、合計で84坪となり、容積率の上限を超えてしまうためです。

 

そのため、総2階建てにするなら各階35坪までが上限となります。また、できるだけ平面の面積を広く確保したいのであれば、「1階部分を42坪、2階部分を28坪」といったプランも1つの選択肢です。

 

このように、建ぺい率と容積率のどちらも意識しながら、面積のバランスを考慮することが大切です。

 

その他の建築制限には、以下のようなものがあります。

その他の建築制限

  • 高さ制限
  • 斜線制限
  • 日影規制

これらはいずれも建物の高さや形状を決める制限のことであり、主に周辺の日照や通風、採光、景観などを確保するために定められている決まりです。

 

土地によって規制の種類や内容は異なり、場合によっては「3階建てが建てられない」あるいは「3階の屋根を斜めに削らなければならない」といったケースもあります。

 

そのため、住宅のプランを固める前には、建築会社や設計士などの専門家に各種規制の有無や内容を確かめてもらうようにしましょう。

 

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70坪の土地に建てられる家のイメージ

 

一般的に建ぺい率と容積率のバランスは1:2が良いといわれています。そこで、今回は以下のケースを想定して、実際に建てられる家のイメージを紹介します。

ケース

  • 建ぺい率:50%=35坪(約70畳)
  • 容積率:100%=70坪(約140畳)
  • 間取りプラン:1階70畳、2階70畳の計140畳を想定

 

1フロアで70畳もの広い空間を確保できるので、住まいの中心にあたるLDKには40畳近くの広さをあてても問題はありません。

 

リビングスペース内にバーカウンターを設けたり、ゆとりのあるキッズスペースを併設したりと、自由な設計を実現できる広さです。

 

1階と2階で合わせて140畳あれば、40畳のLDKを設けたとしても、居室を7つは確保できます。家族それぞれの個室とともに、シアタールームや書斎などの趣味の部屋、客室などを設けることも可能です。

 

収納スペースについては、キッチンまわりにパントリーを設けたり、居室によってはウォークインクローゼットを併設したりと、広く自由に確保することができます。

 

また、玄関横に大きめの納戸を設けて、アウトドア用品などをしまっておけるスペースを確保するのも1つのアイデアです。

 

このプランでは、35坪分の屋外スペースが余るので、普通自動車2~3台分の駐車場を設けることもできます。また、駐車場を1台分にする代わりに、家庭菜園やバーベキューを楽しめる庭をつくることも可能です。

 

建築面積を35坪まで確保できるので、平屋でも平均的な広さの住宅を建てることが可能です。

 

平屋には家族間でのコミュニケーションが増えやすい、ワンフロアのため老後も生活しやすいといったさまざまなメリットがあるので、有力な選択肢の1つといえます。

 

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70坪の土地に家を建てるときの建築費用目安

 

建築費用の計算はさまざまな条件によって異なりますが、今回は「容積率100%」の土地で、延床面積70平米の家を建てるケースを想定して計算してみましょう。

 

建築費の目安はハウスメーカーなどが提示している坪単価を基に計算することができます。ただし、坪単価は本体工事費のみの価格なので、外構工事費や諸費用などを足して総合的に考える必要があります。

 

なお、本体工事費は建築費全体の75%程度、外構工事費と諸費用は25%程度が目安です。これを基に、70坪の建築費を計算すると、おおまかに以下のような金額になります。

 

坪単価40万円

坪単価60万円

坪単価80万円

本体工事費

2,800万円

4,200万円

5,600万円

外構工事費・諸費用

930万円

1,400万円

1,870万円

建築費総額

3,730万円

5,600万円

7,470万円

坪単価40万円は、一般的にローコスト住宅と呼ばれる価格帯であり、住宅の品質などには問題がないものの、デザインや間取りタイプなどの細かな要望には対応してもらえないケースがほとんどです。

 

坪単価60万円になると、通常の住宅でかなえられるこだわりはおおむね実現できる価格帯といえます。

 

一方、坪単価80万円になると、アフターサービスが充実した大手ハウスメーカー、特殊なプランや建材にも対応してくれる設計事務所などに依頼できる価格帯です。

 

ただ、坪単価の定義は会社によって異なり、その他の費用についてもバラつきがあるので、上記はあくまで参考としてご覧ください。

 

土地の価格は地域差が大きいので、エリアごとに検討する必要があります。

 

今回は国土交通省の「令和2年度都道府県地価調査」を基に、三大都市圏における住宅地の平均地価から土地の購入費用を計算してみましょう。

圏域別の住宅地の平均地価

東京圏(※1)・・・21万1,800円/m2(約70万1,000円/坪)

大阪圏(※2)・・・14万1,200円/ m2(約46万7,000円/坪)

名古屋圏(※3)・・・10万4,800円/ m2(約34万7,000円/坪)

(※1)首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯を含む市区町村の区域

(※2)近畿圏整備法による既成都市区域及び近郊整備区域を含む市町村の区域

(※3)中部圏開発整備法による都市整備区域を含む市町村の区域

 

ここから、それぞれ70坪の土地を購入しようとすると、東京圏では「4,907万円」、大阪圏では「3,269万円」、名古屋圏では「2,429万円」かかる計算となります。

 

このように、エリアによって土地の価格は変動し、70坪もの広さがあれば差額もそれだけ大きくなります。そのため、希望するエリアの価格を個別にチェックすることが大切です。

家を建てる

 

  • 70坪の土地には平均の2倍近い広さの家を建てることも可能
  • 70坪の住宅面積があれば、大人8~9人でも快適に居住できる
  • 建てられる家の広さは建ぺい率や容積率、その他法令制限によっても異なる
  • 70坪の土地なら平屋でも十分な居住面積を確保できる
  • 土地が広い分、エリアによる土地購入費の差も大きいので、地価をきちんと確認しておく

 

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Q.1 70坪の土地は、家を建てるには十分な広さなのでしょうか?

A.1 はい、十分に広いといえます。全国の注文住宅の平均的な広さは約38坪なので、70坪の土地があれば平均よりもかなりゆとりのある家を建てられます。国土交通省の目安によると、70坪の住宅は大人8〜9人が快適に暮らせる広さとされています。

Q.2 70坪の土地を買ったら、70坪めいっぱいの大きさの家を建てられますか?

A.2 いいえ、土地いっぱいに家を建てることはできません。土地ごとに「建ぺい率」や「容積率」といったルールが定められており、建てられる建物の大きさには上限があるためです。このほか、建物の高さが制限される場合もあります。

Q.3 70坪の土地だと、具体的にどんな間取りの家が建てられますか?

A.3 たとえば、40畳ほどの広々としたLDKのほかに、家族それぞれの個室や書斎、客室などを設けた「7LDK」のような、部屋数の多い間取りも可能です。キッチンのパントリーやウォークインクローゼットなど、充実した収納スペースもつくれます。

Q.4 庭や駐車場をつくるスペースは確保できますか?

A.4 はい、確保できます。たとえば建ぺい率50%の土地なら、残りの半分(35坪)を屋外スペースとして使えます。この広さがあれば、車2〜3台分の駐車場や、家庭菜園などを楽しむ庭をつくることも可能です。

Q.5 70坪の土地に、平屋を建てることはできますか?

A.5 はい、平屋でも十分な広さの家を建てられます。建築面積の上限が35坪の土地なら、平均的な広さの平屋を建てることが可能です。平屋には、家族とコミュニケーションが取りやすい、老後も生活しやすいといったメリットがあり、有力な選択肢の一つといえるでしょう。

Q.6 70坪の土地に家を建てる場合、費用は全部でどのくらいかかりますか?

A.6 費用は「建築費」と「土地代」に分かれます。延床面積70坪の家を建てる場合、建築費の総額は依頼する会社によって異なり、約3,730万~7,470万円が目安です。土地代はエリアによる価格差が非常に大きく、たとえば東京圏と名古屋圏では70坪の土地の平均価格に2,000万円以上の差があります。

Q.7 建築費の内訳について教えてください。坪単価だけで計算すればいいですか?

A.7 建築費の総額には、建物の「本体工事費」のほかに、庭や駐車場などの「外構工事費」や、税金・手数料といった「諸費用」も含まれます。費用の目安は、本体工事費が全体の75%、残りの25%が外構工事費と諸費用です。資金計画を立てる際は、これらの費用も忘れずに考慮しましょう。

更新日: / 公開日:2022.06.23