注文住宅は自由に設計できるため、希望や理想をたくさん詰め込みたくなるのではないでしょうか。しかし、思うように内容をまとめられなかったり、設計どおりに家を建てようとすると予算オーバーになってしまったりすることもあります。また、実際に住んでみると間取りや設備に使いにくさを感じるなど、失敗したと思うこともあるものです。注文住宅で失敗しやすい例や対応策をチェックして、後悔のない家づくりを進めていきましょう。
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注文住宅

 

注文住宅は間取りや設備などの仕様を決めてから建てるため、建売住宅と比べて自分の好みを反映させられるというメリットがあります。しかし、設計の段階では完成後の様子を把握できないため、完成後に失敗したと感じてしまうこともあるでしょう。

 

注文住宅において失敗しやすいポイントは複数ありますが、LIFULL HOME’Sが実施した「住まいの購入失敗談」のアンケート結果では、以下のような結果となっています。

■注文住宅を建てた人の後悔していることランキング

順位

後悔していること

割合

1位

事前に住まいのイメージをもっと入念に確認すればよかった

23.8%

2位

事前に採光について確認しておけばよかった

12.7%

3位

もっとよく入居前の引き渡し内覧時に、建具や建物の状態を確認すればよかった

10.1%

4位

物件ができあがってから契約すればよかった

7.6%

5位

事前に土地の条件について確認しておけばよかった

6.6%

6位

事前に隣人やご近所の人について確認すればよかった

6.1%

7位

事前に雨の日の土地の状態を確認すればよかった

5.3%

8位

事前に町内会について確認すればよかった

3.8%

9位

事前にゴミの捨て方や捨てる場所を確認・協議しておけばよかった

2.8%

10位

事前に大きな荷物を搬入できるかどうかを調べればよかった

1.0%

 

その他

1.8%

 

特に後悔していることはない

48.6%

上記の調査結果から分かる点として、「事前に○○を確認しておけばよかった」と後悔している人が62.1%いるということです。特に1位の「事前に住まいのイメージをもっと入念に確認すればよかった」という回答は、全体の約4分の1を占めています。

 

注文住宅の場合、住宅の完成前にどれくらい生活のイメージを持てているかが重要だといえるでしょう。

 

失敗したと感じる点は大きく「生活動線に関する失敗」と「建築会社とのトラブル」に分けられます。それぞれの点について見ていきましょう。

生活動線とは、家事を行う際に頻繁に行き来するラインのことを指します。リビングからトイレ、洗濯機からベランダへと向かう経路など、日常的によく使う部分のことです。

 

生活動線に問題があれば、暮らし始めてから不便に感じることが多いので、設計段階でよく考えておく必要があります。

 

生活動線に影響を与える要因になりやすいのが「間取り」です。LIFULL HOME’Sの「しくじった! あるある失敗間取り ワースト5」では、さまざまな間取りの失敗例を紹介しているので、間取り選びの参考にしてみてください。

建築会社とコミュニケーションがしっかりとれていないと、家の工事を始めてからトラブルになることがあります。たとえば、予算がオーバーしてしまったり、完成時期が遅れてしまったりといったことが見られます。

 

LIFULL HOME’Sが住まいを購入した人を対象としたアンケート調査では、建築会社とのトラブルについて、次のような声が挙がっています。

トラブル

  • 設計ミスのトラブル

「壁紙が違っていたり、つくり忘れがあったりした」(注文住宅/25歳女性)

 

  • 対応に不満が残る

「こちらの要望を否定し、検討もせず、要望どおりにしてくれない」(注文住宅/35歳女性)

 

  • 料金が後から変わる

「契約前と契約後の約束の割引率でもめた」(注文住宅/36歳男性)

何か気になることがあったとき、建築会社に適切な対応をとってほしいと伝える必要はありますが、そもそも建築会社選びの段階で、条件に合う会社か、信頼できる会社かを判断することが重要です。問合せをしたときの担当者の対応などから、見極めていきましょう。

注文住宅では打ち合わせの段階で、綿密に計画を立てておく必要があります。次のポイントを参考にして、気になる部分は事前に確認しておきましょう。

■注文住宅で確認しておきたいポイント

確認しておきたい項目

ポイント

水回り

キッチン・浴室・トイレ・洗面所などの水回りについては、掃除のしやすさや水を流したときの音漏れなどに注意する

リビング

冷暖房効率や日当たりなどをチェックする

子ども部屋

コンセントの位置や収納スペースに問題がないかを確認する

間取り

家具を置いたときに窮屈に感じないか、通路は通りやすいか、部屋数は家族の人数に見合っているかなど

玄関

照明スイッチの位置や収納の広さなど

収納

収納の広さ、使い勝手のよい場所に収納スペースが設けられているかなど

各種設備

コンセント・照明・エアコンの位置に問題がないかなど

屋外の様子

外壁のデザイン(汚れが目立ちやすくないか)、車の出し入れが不便ではないかなど

生活動線

日常的によく使う部分に問題はないか

予算

予算は当初決めた金額の範囲内で収まるか、どの程度のオーバーなら許容できるかなど

失敗しやすいポイントをあらかじめ把握しておけば、建築会社とのやりとりもスムーズになるはずです。次に、各ポイントについてさらに詳しく解説します。

家の収納

 

間取りや収納、生活動線に関する失敗例として、次のような点が挙げられます。

失敗例

  • 玄関の収納が足りない、照明スイッチが遠くて不便
  • 使う場所の近くに収納をつくるべきだった
  • リビングに収納があればよかった、吹き抜けのリビングが寒い
  • 生活動線を考慮しなかったため実際に暮らしたら不便

間取りについては家具や家電製品の配置も考えておかなければ、部屋が窮屈に感じやすくなります。また、家族の人数に合わせて部屋数を考えたり、部屋同士をつなぐ通路に問題がないかをチェックしたりすることも大事です。

 

収納については細かな収納をいくつもつくるより、よく使う場所に大きな収納スペースを設けるほうが効率的な場合があります。実際に生活するイメージを持って、どこに収納が必要かを考えてみましょう。

 

また、間取りや収納の位置などが適切でなければ、生活動線が悪くなってしまいがちです。たとえば、洗濯物を片付けるときに収納場所が遠かったり、いくつもの部屋に分かれていたりすると不便に感じてしまうでしょう。

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キッチン

 

キッチン・浴室・トイレ・洗面所などの水回りについては、設備の性能などに意識が向きがちですが、使い心地や手入れの手間なども考慮することが大事です。以下の失敗例を参考に検討してみましょう。

失敗例

  • 玄関と浴室の位置が適切でなく、プライバシーに問題が生じた
  • 浴室のテレビが不要だった
  • 壁をタイルにしたら掃除が大変
  • キッチンのスペースが十分ではない、高さが身長と合っていない

水回りは家の中でも特に日常的に使う部分であるため、掃除のしやすさや使いやすさなどを考えることが大切です。

騒音

 

騒音やプライバシーなどの面は、実際に暮らしてみないと気づきにくい部分ですが、事前にしっかりイメージすることで失敗を防ぎやすくなります。

失敗例

  • 道路に面したリビングにしたが、外構にさえぎるものがなくて落ち着かない
  • 隣の家に対する窓や玄関の位置が気になる
  • オープンキッチンだと隠せないので、常にきれいにしておくのが大変
  • リビングの近くにトイレを設置すると、来客時に音が気になる

来客時や周辺環境から受ける影響などを考えたうえでプランニングすることが大切です。部屋と部屋同士、周りの建物との関係などは、建築士などの専門家の意見も参考にしてみましょう。

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注文住宅の予算

 

後から金額が膨らみ、結局希望どおりに建てられなかったということがないように、あらかじめ綿密な資金計画を立てておくことが重要です。建物部分だけでなく、土地の状況やメンテナンス費用なども考えて、対策を練っていきましょう。

失敗例

  • 建築費以外の部分に意識が向かず、予算オーバーしてしまった
  • 外構工事や上下水道の引き込み費用、住宅ローンの諸費用、地盤改良工事の費用など、当初見込んでいなかった費用がたくさんかかった
  • メンテナンスの費用も考慮する必要があった

住まいの窓口イメージ

 

注文住宅で失敗をしないためには、事前につまずきやすいポイントを知り、どのように対応すればいいかを考えておくことが大切です。家づくりの基本的な部分を押さえておくことで、こだわりを反映しつつ、暮らしやすい家を建てることができるでしょう。

 

LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」なら、専任のハウジングアドバイザーから家づくりに関するさまざまなアドバイスを受けられます。また、エリアや条件に合わせてどの会社を選ぶとよいかについても提案がもらえます。中立的な立場の意見をもらうことで、メリットとデメリットの両方が分かり、より現実的にイメージしやすくなるでしょう。

 

家づくりを基礎から学べるオンライン講座も開催しています。必要な知識をしっかり身につけることで、自分に合った暮らしやすい住まいを手に入れる近道となるでしょう。

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  • 間取りや収納、生活動線、水回りは、具体的な生活をイメージしないと、使いにくかったり予算オーバーになったりする
  • 騒音トラブルやプライバシー面での失敗は、設計時にはイメージしづらい部分がある
  • 信頼できる建築会社を選ばないと、後でトラブルになることもある
  • 建築費以外にも費用がかかることを押さえておかなければ、想像以上に予算が膨らんでしまうことがある
  • 注文住宅で失敗をしないために、「住まいの窓口」を活用して第三者からのアドバイスを受けてみよう
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更新日: / 公開日:2022.01.06