理想の住まいを建てるための手順
建替えは既存の家の解体と新築の2段階で進み、期間の目安は8ヶ月~1年半ほどです。工事中の仮住まい探しや引越しもあるため、全体の流れを把握して計画的に進めましょう。
詳しくは、「解体から建替えまで! まずは必要な手順と期間を表で確認しよう」をご覧ください。
建替え前に必ず確認すべき4つのこと
建替えをスムーズに進めるには事前の段取りが重要です。敷地が再建築できない土地でないかの確認、予算決め、ライフラインの手続き、新居の間取り決めなどを済ませておきましょう。
詳しくは、「建替えの前にすべき4つの段取り」をご覧ください。
一戸建ての建替えにかかる費用
建替えには「解体工事費」「建築工事費」「諸費用」が必要です。解体費は建物の構造、建築費はグレードや設備で変動します。費用を正確に把握するため、複数の会社から見積もりを取って比較検討しましょう。
詳しくは、「一戸建ての建替えに必要な費用の目安」をご覧ください。

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長年住んできたマイホームに不満を感じたり、劣化が目立ち始めたりしたときには、思い切って建替えをする方法もあります。建替えの工程は大きく分けて「家の解体」と「新築」の2段階となりますが、どのくらいの期間や費用がかかるのかが分からず、迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。今回は建替えの手順や期間の目安、費用の相場について詳しく見ていきましょう。

家の建替え

 

住宅を新築したり購入したりするときと異なり、建替えは解体工事を行う分、少し手順が複雑です。ここではまず、建替えの具体的な流れと期間の目安を解説します。

建替えの工程

期間の目安

1.建築会社を探す

1ヶ月~1年

(会社選びと打ち合わせによって期間が大きく変わる)

2.設計プランの相談

3.工事請負契約を交わす

4.住宅ローンの申し込み

5.解体を依頼する建築会社を決める

3~4ヶ月

6.仮住まい探しと決定

7.地盤調査・地盤改良

8.解体工事

9.新築工事

4~6ヶ月

10.引き渡し、登記手続き

1日

新築したい家のおおまかなプランと予算が決まったら、まずは建築会社を探します。このとき、特にポイントとなるのは、複数の会社に見積もりを依頼することです。

 

同じプランでも会社によって費用の目安は異なることがあります。複数の会社に相談し、特徴を比較しながら相場の感覚もつかみましょう。

建築会社が決まってからは、打ち合わせを重ねて細かなプランを固めていきます。設備や建材といった具体的な項目が決まると、本体工事費・付帯工事費・諸経費を含めた詳細見積もりを出してもらえます。

詳細見積もりの内容とプランをきちんと確認したうえで、問題なければ工事の本契約へと進みます。工事請負契約書は法的な拘束力を持つ重要な書面となるため、不明な点があれば遠慮せずに確認しておきましょう。

工事のプランが決まったら、住宅ローンの申し込みを行います。住宅ローン審査は2段階方式となっており、まずはプランと見積書をそろえた状態で「事前審査」を受けます。

 

その後、建築確認が通った段階で「本審査」へと進むのが通常の流れです。

解体会社を探すときにも、まずは見積もりを取ることからスタートするため、新築の見積もり時と同じように複数の会社を比較検討しましょう。解体を依頼する会社は、個別に探しても問題はありませんが、新築を依頼する建築会社にまとめてお任せするとスムーズです。

建替えを行うときには、一時的に実家や賃貸物件などへ生活の拠点を移す必要があります。短期間で条件に合う移転先を見つけるのは難しいため、早い段階で仮住まい探しをスタートさせておくと慌ただしく動かずに済みます。

 

ただ、新築が引き渡されるまでの期間を逆算する必要があるので、プランの詳細が決まってから動くほうが無難な面もあります。また、解体と新築を含めると工事は長期にわたるため、この段階で近隣へあいさつを済ませておくといいでしょう。

これまでに住んでいた期間によっては、土地の状態が劣化している可能性もあります。安心して新たな住まいを建てるためにも、専門家に地盤調査をしてもらうことが大切です。

 

なお、建替えにおいては解体前に事前調査を行い、解体工事の完了後に改めて正式な調査を行うのが一般的です。このとき、地盤の強度が不十分であると認められた場合には、地盤改良を行う必要がある点を頭に入れておきましょう。

 

特に、2階建てから3階建て、木造からコンクリート造への変更時には、より地盤の強度が求められるため、改良が必要なケースも少なくありません。

解体工事の内容や費用は、もともと建てられていた家の条件によって左右されます。見積もりの段階で具体的な工程やコストを教えてもらえるので、きちんと内容を納得した状態で手順を進めることが大切です。

新築工事の工程は基礎工事、上棟、木工事、内装工事へと進んでいきます。建物が完成したら、契約どおりに実現されているかどうかを立ち合いによってチェックし、問題がなければ引き渡しへと進みます。

 

なお、住宅ローンの融資が下りるのは建物の完成後となる点に注意が必要です。新築時には着工金や中間金など、工事の前段階・中間にもコストが発生するため、つなぎ融資などを利用して費用を準備しておく必要があります。

無事に住宅が竣工したら、施工費用の残代金を支払い、晴れて引き渡しとなります。登記は引き渡しの日にまとめて行うのが一般的であり、建替えの場合は「建物の表題登記」、住宅ローンを利用する場合にはさらに「抵当権設定登記」を済ませる必要があります。

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間取りを決める

 

建替えの手順については、これまでに確認したとおりです。ここでは、手順に入る前に済ませておくべき段取りについて見ていきましょう

再建築不可物件とは、すでに建てられている住宅を取り壊すと、新しく家を建てられなくなってしまう物件のことです。特に建替え前の家に住んでいた期間が長い場合には、法改正などで条件が変わり、新しく家を建てるときにさまざまな制限を受けてしまう可能性があります。

 

そのため、事前に再建築不可となっていないか確認しておきましょう。

建替えを行ううえでは、あらかじめ予算の上限を決めておくとスムーズです。建替えの費用には建築工事費、諸経費、解体コストなどさまざまな項目があります。1つずつ確認しながら、総額の目安を明確にしておきましょう。

建替えにおいては、解体する住まいの手続き、仮住まいに関する手続き、新築での手続きと、合計3回のライフライン手続きが必要となります。これまで住んでいた家については、水道・電気の停止やアンテナ線、電話線などの取り外しの手配を行います。

 

また、仮住まい先では郵便物の転送、電気・ガスの開通といった手続きが必要です。そして、新築の家では改めてライフラインの開通手続き、各種ケーブル、アンテナの設置などを行うこととなります。

 

手続きが遅れてしまうと、スケジュールに大きなズレが生じることもあるため、滞りなく進められるように準備しておきましょう。

建替えの大きなメリットは、これまでの住まいとは異なる間取りを実現できる点にあります。新築する家の打ち合わせにおいても、間取りに関するプラン決めは主要なテーマとなります。

 

スムーズに打ち合わせを進めるためにも、事前に家族と相談しながら、理想の間取りプランを固めておきましょう。まずはこれまで住んでいた家の間取りを基に、気に入っていた点と不満を感じていた点を洗い出してみると、要望が具体的になりやすいです。

 

一戸建ての建替えに必要な費用

 

一戸建ての建替えに必要な費用は、主に「解体工事費」「建築工事費」「諸費用」の3つに分けられます。ここでは、それぞれの内訳や目安について解説します。

解体工事費はもともと建てられていた家の構造や広さによって相場が異なります。木造の場合は坪単価4~5万円、軽量鉄骨造は坪単価6~7万円、鉄筋コンクリート造なら坪単価6~8万円が目安です。

 

住宅の立地などによって費用が異なる場合もあるので、見積もりを行うときには、価格の根拠についても質問しながら比較検討するといいでしょう。

建築工事費は一般的に「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3つに分けられます。本体工事費は建物本体を建てるのに必要な費用であり、新築コスト全体の75%程度にあたります。

 

また、付帯工事費は配管工事などの費用であり、諸経費は建築会社に支払う経費の総称です。本体工事費は坪単価で表示されるのが一般的であり、広さや設備などによっても異なります。

 

たとえば、40坪(約132平米)の家を新築するケースで坪単価が80万円の場合、本体工事費は3,200万円が目安となります。そして、このコストが全体の75%にあたることから、トータルの建築工事費は「3,200÷75%=4,267万円」と計算できるのです。

諸費用とは、建替えにあたって発生する税金や保険料、各種手数料などを総称したコストのことです。新築注文住宅の場合、諸費用は物件価格のおよそ3~6%が目安とされています。

 

ただ、建替えにおいては仮住まいを確保する費用も用意する必要があるため、できるだけゆとりのある資金計画を立てることが大切です。

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リフォーム

 

住まいの劣化が少なく、設備や内装などを入れ替えられればよいといったケースでは、建替えよりリフォームが適している場合もあります。ここでは、建替えとリフォームのメリット・デメリットを見ていきましょう。

建替えとリフォームの違いは以下の表のとおりです。

建替え

リフォーム

メリット

・間取りを自由に変更できる

・耐震化・省エネルギー化などがしやすい

・施工後も長く住み続けられる

デメリット

・工期が長い

・費用の負担が大きい

メリット

・施工箇所を限定すれば費用を抑えられる

・住みながら施工してもらうことも可能

・工期が短い

デメリット

・変更の自由度が低い

・建替えとコスト負担が同等の場合もある

 

建替えのメリットは、住まいをまるごと新しいものに変えられる点にあります。これまで住んでいた家の制約を受けず、自由に間取りやデザインなどを変更でき、耐震化や省エネ化といった最新の住宅性能を取り入れることも可能です。

 

一方、施工箇所が限定されているのであれば、リフォームのほうが大幅に費用を抑えることができます。また、工期が短く、施工内容によっては居住しながら作業を進めてもらうことも可能です。

 

ただ、基礎の入れ替えが必要であったり、地盤を改良しなければならなかったりする場合には、建替えと同程度の費用がかかってしまうこともあります。そのため、あまりにもコストがかかってしまう場合には、リフォームを依頼した建築会社から建替えをすすめられるケースもあります。

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家の建替え

建替えは解体と新築の手続きを同時並行して進める必要がある

  • 全工程を進めるのに1年くらいの期間を見ておく必要がある
  • 建替え前には再建築不可物件ではないか確かめておく
  • 解体費用、新築工事費用、諸費用の3つについてあらかじめ予算の大枠を決めておく
  • リフォームとの違いも考慮したうえで、改めて建替えの必要性を検討することも大切
 

Q.1:家の建替えを考え始めたのですが、何から手をつければいいですか?

A.1:まずは建替えの全体像を把握しましょう。一般的な流れは「建築会社への相談」から始まり、「プラン作成」「解体」「新築」「引越し」と続きます。期間は全体で8ヶ月~1年半ほどです。はじめに複数の建築会社へ希望や予算を相談し、信頼できるパートナーを見つけることからスタートしましょう。

Q.2:建替えとリフォーム、どちらがいいのか判断がつきません。

A.2:現在の家の状態と、理想の暮らし方によって選択肢は変わります。基礎や柱などの構造部分が傷んでいたり、間取りを大きく変えたりしたい場合は「建替え」がおすすめです。一方、構造に問題がなく、キッチンや浴室など部分的な改修で済む場合は「リフォーム」が向いています。

Q.3:建替えには、全部でどのくらいの期間がかかるのでしょうか?

A.3:相談から引越しまで、全体で8ヶ月~1年半ほどが目安です。内訳は、プランの打合せなどに1ヶ月~1年、解体工事に3~4ヶ月、新築工事に4~6ヶ月ほど。希望の入居時期があれば、そこから逆算して余裕のあるスケジュールを組みましょう。

Q.4:建替え工事中の「仮住まい」は、どうやって探せばいいですか?

A.4:建替えを依頼する建築会社に相談すると、提携先の不動産会社を紹介してもらえることが多く、スムーズです。ご自身で探すなら、短期契約が可能なウィークリーマンションなども選択肢になります。荷物が多い場合は、トランクルームの利用も検討しましょう。

Q.5:建替えの費用は、総額でいくらくらい準備すればよいですか?

A.5:建替え費用は、主に「解体工事費」「建築工事費」「諸費用」の3つです。木造住宅の場合、解体費は坪4万~5万円、建築工事費は新築コスト全体の75%程度が目安となります。この他に税金などの諸費用もかかるため、必ず事前に建築会社から詳細な見積もりを取り、総額を把握しておきましょう。

Q.6:今の家の住宅ローンが残っていても、建替えは可能ですか?

A.6:現在のローンが残っていても、建替え費用と一本化できる「住み替えローン」や、一時的に費用を借りる「つなぎ融資」などを利用できます。金融機関によって利用条件が異なるため、早めに相談することをおすすめします。

Q.7:自分の家が「再建築不可物件」ではないか心配です。確認する方法はありますか?

A.7:「再建築不可物件」とは、法律上の理由で、一度取り壊すと新しい家を建てられない土地のことです。ご自身の土地が該当するかは、建築会社や不動産会社に調査を依頼できます。また、役所の建築指導課などでご自身で確認することも可能です。

Q.8:建替えで使える補助金や、税金が安くなる制度について知りたいです。

A.8:省エネや耐震など、性能の高い家を建てると国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。また、不動産取得税や固定資産税の軽減措置を受けられることも。利用できる制度はそれぞれ条件が異なるため、建築会社や自治体の窓口で確認しましょう。

Q.9:建替えを依頼する建築会社は、どうやって選べばいいのでしょうか?

A.9:建築会社は、設計の自由度が高い「設計事務所」、品質が安定した「ハウスメーカー」、地域密着の「工務店」など様々です。まずは複数社の資料請求やモデルハウス見学を通して、特徴や強みを比較検討しましょう。最終的には、提案内容や担当者との相性で判断することが大切です。

更新日: / 公開日:2021.08.26