ローコスト住宅とは？

ローコスト住宅とは、名前のとおり価格を抑えた注文住宅のことです。一般的な注文住宅と比べるとコストが抑えられるため、「ローコスト」住宅と呼ばれています。

 

住宅の価格は「坪単価」という単位で比較されることが多いのですが、これは家を建てるときの1坪（約3.3平米）あたりの建築費のことです。ローコストといわれる住宅の坪単価の目安は、30万〜50万円程度といわれています。

 

一般的な地元の工務店で建てる場合は坪単価45万〜60万円から、大手ハウスメーカーなどであれば坪単価60万円以上くらいになるので、ローコスト住宅の金額が抑えられていることが分かると思います。

 

ローコスト住宅の価格が安いのは、一言でいえば“効率化”によるものが大きいでしょう。

 

たとえば、以下のような工夫によって、効率化を図っています。

つまり、ローコスト住宅の価格が安いのは、あくまでもこうしたメーカー側の努力によるもので、安いからといって、住むのに問題があるということではありません。

 

なお、価格を抑えた住宅を供給する会社に「パワービルダー」という業態もありますが、これは注文住宅ではなく、「建売分譲住宅」を販売する会社のことを指します。

ローコスト住宅のメリット・デメリットは？

ローコスト住宅には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

住宅の購入価格が安くすむ分、所得がそれほど高くなくても、資金をためるのに長い時間をかけなくても、すぐにマイホームを手に入れられるのは大きなメリットです。早めに購入できれば、結果的に長くマイホームに住むことができます。

 

その半面、デメリットとしては選択肢の少なさがあります。ローコスト住宅は注文住宅の中でも「フルオーダー」ではなく「セミオーダー」だと思っておくのがいいでしょう。

 

また、打ち合わせなどもコンパクトに、効率的に行う場合があるので、じっくりと入念に打ち合わせをしたいという人にはマッチしない場合もあります。

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どこに頼む？ ローコスト住宅の主な依頼先

全国展開しているハウスメーカーでも、ローコスト住宅を取り扱う会社はあります。

 

LIFULL HOME’Sのデータ（2021年7月時点）によると、たとえばタマホームは坪単価30万〜80万円程度、クレバリーホームは坪単価45万〜65万円程度が目安となっています。

 

しかし、他にも地域に根づいた地元工務店などがローコスト住宅を取り扱っているケースもあります。

 

特に、広告宣伝をほとんど行っていない家族経営の工務店などは、広告宣伝費や会社を維持する経費などがあまりかからないため、よりリーズナブルに建築できるところもあります。

 

また、建売分譲住宅を中心に手掛ける住宅会社や不動産会社で、一部ローコスト住宅を取り扱っているケースもあります。

 

それぞれの会社には以下のようなメリット・デメリットがあるので、依頼先を探すときにはぜひ参考にしてください。

依頼先	メリット	デメリット
ハウスメーカー	・知名度があり、探しやすい ・モデルハウスがあることが多く、実物を見られる ・保証などがしっかりしている場合が多い	・フランチャイズ形式のハウスメーカーの場合、施工能力などにばらつきがあるケースもある
地元工務店	・細かい要望にも対応してくれることが多い ・広告宣伝費をあまりかけていない分、リーズナブル	・会社規模が小さいため、保証に不安があるケースもある
建売分譲住宅中心の住宅会社や不動産会社	・土地探しに強いため、土地探しからトータルで考える人にはメリットになりえる	・間取りや仕様など選択肢が限定されていることも珍しくない

ハウスメーカーは全国どこでも探しやすく、モデルハウスで実物を確認できることなどがメリットです。

 

一方、地元の工務店は価格が抑えられるだけでなく、細かい要望にも比較的対応してくれることが多いので、地元で条件に合った依頼先がある場合は、検討してみるといいでしょう。

ハウスメーカーを選ぶ際のポイントとは？

ここまで紹介した依頼先の中でも、特に数が多いのは、全国展開のハウスメーカーです。そこで、ハウスメーカーを中心に、依頼先を選ぶポイントを紹介します。

希望の整理をしたうえで各社の仕様をチェック

ハウスメーカーの場合、各社で仕様やデザイン性などが異なるので、資料などをよく見比べて、希望に合ったところを選ぶことが大切です。そのために、まずは自分たちがマイホームにどのような条件を求めているかを整理しておきましょう。

 

たとえば、耐震性や断熱性といった性能や設備、あるいは外装や内装など、優先順位が高い要素を決めたうえで、各社の仕様をチェックすることをおすすめします。

坪単価ではなくトータルの金額で判断

費用に関しては、坪単価はあくまで目安なので、それ以外の項目も比較したうえで検討するようにしましょう。

 

というのも、坪単価の算出方法には細かな決まりはなく、どこまでの費用を坪単価として計算に入れているかは各社でバラバラです。そのため、オプションや付帯工事、諸費用なども考慮してトータルの金額で判断するのが基本です。

担当者の対応もチェック

また、担当者の対応も重要です。こちらの話を聞かずに一方的に売り込みばかりする、聞いた質問に対してきちんとした回答がないといった場合は、売り手都合で話を進めてしまう会社の可能性があるので注意しましょう。

 

あるいは、メリットばかりでデメリットを説明してくれないといったケースも要注意です。

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