大切な家族の一員でもあるペット。犬を飼っている人にとっては、人間だけでなく愛犬にとっても快適な住まいを実現できるかどうかが大切な要素となるでしょう。
今回は犬と暮らす注文住宅を実現させるうえで、どんなことに目を向けておくべきか、間取りや安全性などの面から具体的なポイントをご紹介します。
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犬にとって快適な環境

 

犬にとって快適な環境を整えるためには、習性をきちんと理解しておくことが第一歩となります。室内で犬と生活を送るうえでは、以下の5つの特性を押さえておくことが大切です。

特性

  • こまめな散歩が必要
  • 狭いところに安心する
  • 孤立した環境が苦手
  • 暑さが苦手
  • 好奇心が強い

犬は狭いところが好きですが、寂しがり屋な性質があり孤立した環境は苦手としています。家族の一員として、なるべく家族と一緒に過ごせる環境を好むのです。

 

さらに、寒さに強い一方で、夏の暑さを苦手としています。体温調整のためにお腹を冷やせるようなタイルなどがあると安心です。

 

注文住宅を建てる際には、こうした性質に合わせて間取りや設備を考えてあげるといいでしょう。

犬と暮らす注文住宅の間取り

 

まずは、間取りの面から、犬と快適に暮らすために押さえたいポイントを見ていきましょう。

散歩のしやすさを考えた間取りづくりでは、たとえば、玄関まわりに散歩に必要なものを収納できる「玄関土間収納」などのスペースがあると便利です。

 

また、汚れた足を洗えるマルチシンク、フンを片付けるためのゴミ箱なども玄関そばに設置できると、飼い主もストレスを感じにくいでしょう。

 

スペースにゆとりがある場合には、ウッドデッキや中庭などを設けるのも有効です。

寂しがり屋な犬の習性を考慮すると、リビングの一角に「ドッグスペース」を設けるのが望ましいといえます。専用の空間を用意してあげられるとともに、リビングなら常に家族と過ごせるため、ストレスが軽減されるのです。

 

トイレもドッグスペース内にあればルールを覚えやすくなるため、掃除などの負担も軽くなります。あまりリビングスペースにゆとりがない場合は、階段や収納下のスペースをドッグスペースに充てるといいでしょう。

活動的な犬種の場合は、室内も自由に走り回れるような動線をつくってあげたいところです。リビングと廊下をぐるりと一周できるような回遊動線を設ければ、犬にとって快適な散歩ルートになります。

 

また、リビングに隣接してウッドデッキなどを設けられる場合には、通り道になるように窓の位置を工夫するといいでしょう。広い範囲を自由に歩き回れるため、運動不足の予防にもつながります。

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緩やかな段差の階段

 

家づくりにおいて、間取りとともに意識しておきたいのが安全性です。ここでは、ケガや事故を防ぐために工夫しておきたいポイントについて見ていきましょう。

つるつるとした床材は掃除がしやすく、人間にとっては快適な環境となります。しかし、滑る床は犬にとって歩きにくく、踏ん張りがきかないため、走ったり飛び回ったりした際にケガをしてしまうこともあります。

 

頻繁に歩き回る場所にはクッション性のある素材やコルク材、滑りにくい無垢材フローリングなどを使用すると安心です。

犬にとって、階段は適度な運動ができる遊び場です。しかし、年齢を重ねたときには落差が足腰に負荷をかけてしまうおそれがあるので、なるべく段差は低めに、傾斜は緩やかにしておいたほうがいいでしょう。

好奇心旺盛な犬にとって、キッチンは火元や刃物がある危険なエリアとなります。侵入を防ぐために、ペットフェンスを設置できるようなつくりにしておくと安心です。

 

また、犬を室内飼育する場合には、カウンターキッチンなどのオープンキッチンよりも、スペースが明確に区切られている独立型キッチンのほうが安心感はあるため、選択肢として考慮しておきましょう。

犬が通りそうなルートでは、コンセントの位置をできるだけ高くしておくと安心です。また、小さな犬は浴槽で溺れてしまう危険性があるので、浴室ドアの開閉方向を工夫する必要もあります。

 

庭を設ける場合は、植える植物や使用する薬品にも注意しておきましょう。犬にとって有害になる場合があるため、使用上の注意点を細かくチェックすることが大切です。

犬と暮らす家

 

犬と暮らすうえでは、どうしても鳴き声やニオイの問題に気をつける必要もあります。近隣への影響を考えると、音が漏れにくい樹脂サッシなどを利用して、防音対策を行うことが大切です。

 

また、ドッグスペースやトイレには、ニオイがこもるのを防ぐために換気システムを設けるのも有効です。さらに、食べこぼしを想定して、食事スペースの床をタイル張りにしてみても良いでしょう。

 

フローリングや絨毯ではどうしても床にニオイや汚れが染みついてしまうため、掃除のしやすさを考慮することも大切です。

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犬とコルクマット

 

最後に、注文住宅に取り入れると便利なアイテムを4つピックアップしてご紹介します。

ドアクローザーは、ドアの激しい開閉を防ぎ、犬がケガをしてしまうのを予防できるアイテムです。衝撃音を予防してくれる役割もあるため、通り道になりそうなドアに導入すると便利です。

注文住宅では、壁材も自由に選べる点が強みです。脱臭と湿度調整機能を備えた化粧壁材を利用すれば、トイレのニオイを抑えて快適な状態を保つことができます。

 

また、キズや汚れが発生したときに備えて、壁紙は貼り替えのしやすい上下貼り分けクロスにすると良いでしょう。万が一犬がキズをつけてしまっても、ほとんどの場合は下半分のみの交換で済むため、コスト負担が軽くなります。

市販されているコルクマットは、衝撃吸収性が高く、取り替えもしやすいため便利です。万が一汚れてしまっても、一部のみを買い替えるだけで済むため、メンテナンスの心配もありません。

 

また、汚れてもすぐに水洗いができるタイルカーペットなども便利です。防ダニ加工されている製品もあるなど、性能や大きさには豊富なバリエーションがあります。

トイレスペースに換気扇を設置する場合には、センサーで自動的に起動するタイプのものを利用すれば、こまめに管理をせずに済むため負担も軽くなります。小さなサイズのものも市販されているので、あまりスペースを確保できないときでも設置しやすいのがメリットです。

犬と暮らす

 

愛犬と暮らす注文住宅づくりにおいては、犬の習性をきちんと理解したうえで設計していかなければなりません。そのため、ペットと暮らせる住宅の仕組みに詳しく、施工事例も豊富な施工会社を選ぶことが大切です。

 

LIFULL HOME’Sの住宅カタログでは、「ペットと暮らす家」の特集を組み、施工事例とともに住宅メーカーをご紹介しています。施工会社選びに迷ったときには、住宅カタログを参考にしながら、依頼先を探してみるといいでしょう。

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更新日: / 公開日:2021.06.02