ケヤキやヒノキといった天然の木材を使用した木の家には、ほかの工法で建てられた家にはない魅力があります。見た目の美しさや木の温もりとともに、機能や性質の面でも優れた特徴を備えているのです。
しかし、家づくりを成功させるためには、デメリットもきちんと理解することが大切です。今回は木の家のメリットとデメリット、失敗しない家づくりのポイントを見ていきましょう。
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木の家の特徴と魅力

まずは、木の家のメリットと主な特徴について見ていきましょう。
木の家のメリット5つ
- 夏は涼しく冬は暖かい
- 調湿効果が高い
- 吸音性に優れている
- 衝撃吸収性が高い
- リラックス効果がある
木材は鉄やコンクリートと比べて熱伝導率が低く、湿気の吸収性・放出性に優れた性質を備えています。そのため、木の家では一定の室温と湿度が保たれ、夏は涼しく冬は暖かい快適な環境が整えられるのです。
また、木材は吸音性にも優れており、生活音の反響を防いでくれる効果もあります。さらに、天然の木材は衝撃を吸収する性質も備えているため、足が疲れにくく、小さなお子さんがいる家庭でも安心して取り入れることができます。
無垢材は木そのものの香りやなめらかな肌触りを楽しむこともでき、独特のリラックス効果があるのも魅力です。
木材の種類と特徴
一口に木の家といっても、使用される木材によって具体的な性質は異なります。木の家で使用されることが多い木材は、主に以下の5つです。
- ヒノキ……耐久性の高さと木目の美しさが魅力。消臭・抗菌効果も。数が少なく価格が高いため、柱などの目立つ部位に使用されるのが一般的。
- スギ……乾燥が速く、加工がしやすいため幅広い用途に使われる。梁や桁といった構造部に用いられるケースが多い。
- ケヤキ……丈夫で木目が美しく、重厚な質感。大黒柱として用いられることが多い。
- ブナ……堅さとしなやかさがあり、曲がった加工がしやすい。きめ細かな木目も魅力。家具などにも使われる。
- ウォルナット……ツヤがあり、衝撃に強い。加工がしやすいため、フローリング材や家具などにも使われる。
木の家のデメリット3つ

豊富なメリットを持つ木の家ですが、いくつか注意しておかなければならない点もあります。次にデメリットを見ていきましょう。
1.カビやシロアリなどの被害に注意
天然の木材は、合成された素材よりもカビやシロアリなどの被害を受けやすい一面があります。
温度と湿度が一定に保たれることで、シロアリが繁殖しやすくなり、ネズミや昆虫などに食い荒らされるリスクが高まってしまうのです。
木の家を建てる際には、定期的なシロアリ点検や薬剤散布など、こまめなメンテナンスを行うことが大切です。
2.施工会社の力量によって品質が左右されやすい
木の家は本来、鉄筋住宅にも引けをとらないほど耐震性や耐久性に優れています。
木材は引っ張りや圧縮といった外部からの力をしなやかに受け止めるため、地震や台風などの災害が多い日本の住宅に適した素材なのです。
しかし、施工には確かな技量とノウハウが必要となるため、会社の力量に品質が左右されやすい面もあります。木の家を建てる際には、ほかの工法を選ぶとき以上に施工会社選びを慎重に行う必要があるのです。
3.湿気で木材が変形してしまうこともある
高い調湿性能を持つ木材は、湿気を吸収・放出するたびに膨らんだり縮んだりしながら変形していきます。
この性質を把握したうえで設計を行わなければ、ヒビが入ったり極端に沿ってしまったりするリスクがあるのです。
そのため、素材ごとの特徴をきちんと理解し、建材として使用するノウハウを持った職人の存在がより重要となります。
注文住宅について住まいの窓口に相談する 木の家の事例を探す木の家づくりに失敗してしまうケース

次に、木の家を購入後に後悔してしまうケースや対処法について紹介します。
ケース1:見た目を優先するあまり気密性が低くなってしまった
木材は本来、断熱性が高い性質を持っています。しかし、適した素材を適した部位に使用しないことで、住宅の気密性が低くなってしまうことがあります。
気密性が低下すると、断熱性が高くても室内が寒く感じられたり、冷暖房の効率が著しく低下するなどのデメリットが生じます。
間取りの設計や断熱材の導入方法など、細かなポイントについても施工会社と綿密に打ち合わせをすることが重要です。
ケース2:希望どおりの設計ができないと言われてしまった
施工会社や工務店は、それぞれ得意とする分野が異なります。
特に木の家は施工会社の腕によって差が生じやすく、希望どおりの施工ができないと判断されたり、素材の選択肢が限られてしまったりするケースも少なくありません。
もちろん、一定以上の性能を保つために、専門家の判断によって希望の間取りを実現できないことはあります。
しかし、後悔しない住宅づくりを行うためにも、依頼の候補を複数の会社に広げることが大切です。
ケース3:コストを大幅にオーバーしてしまった
木の家に使われる素材のなかには、入手が困難なものやシーズンによって流通量にバラつきが生まれるものがあります。
そうした素材を中心に選択すると、予想していた以上に予算がかかり、コストを大幅にオーバーしてしまうことがあるのです。
また、細かなこだわりを実現することに目を向けるあまり、必要な設備を削らなければならないといったケースもあります。
施工会社を選ぶときには、理想をそのまま受け入れてもらえるだけでなく、客観的な視点からアドバイスをもらえるかどうかを大事にするといいでしょう。
理想に近い施工例を見つけよう

木の家づくりを依頼する際には、具体的な事例があるとスムーズに打ち合わせを進めることができます。事前にさまざまな施工例を調べて、理想に近いモデルケースを見つけておくのもひとつの方法です。
LIFULL HOME’Sの住宅カタログでは、木の家の注文カタログを無料で探すことができます。完成後のイメージを深めるためにも、利用を検討してみてはいかがでしょう。
家づくりの専門家に相談する
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住まいの窓口に相談する 木の家の事例を探す木材の性質を理解することが木の家づくりを成功させる第一歩

- 天然の木材を使用した木の家には、快適な住まいを実現させる多くのメリットがある
- 木材の種類によって、性質や適した使用箇所が異なる
- 天然の木材を使用するため、シロアリ被害やカビ・変形などのリスクを考慮する必要がある
- 施工会社の力量に品質が左右されやすいため、信頼できる会社選びが重要
- 必要に応じて専門家の客観的なアドバイスを受けるのもひとつの方法
更新日: / 公開日:2021.03.22










