土地の購入において、角地には通常の土地にはないさまざまなメリットがあります。
しかし、デメリットも正しく理解しておかないと、実際に購入してから後悔してしまうケースもあるのです。
今回は角地を購入する前に知っておきたい注意点と、土地選びのコツを紹介していきます。角地にはどのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
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角地の定義と主な特徴

角地について理解を深めるうえでは、まず角地の定義について知っておくことが大切です。
ここでは、どのような土地が角地と定義されるのか、具体的に見ていきましょう。
角地とは
角地とは、「隣接する2つ以上の辺が道路に接している土地」のことを指します。
2つ以上の面が道路となっているため、通常の土地と比べて開放感が生まれやすく、メリットが多い点から人気が集まりやすいのが特徴です。
一方、隣接ではなく「向かい合った2つの辺が道路に接している土地」は「二方道路」として扱われ、角地と似たようなメリットを持っています。
角地と準角地の違い

角地と似たような土地の種類に「準角地」と呼ばれるものがあります。
これは、「L字形になった1本の道路に接している角地」のことを指し、2本の道路が接する角地とは分けて考えられるケースが多いです。
どちらも通常の土地より便利であるものの、一般的には2つの道路に接した「角地」のほうが、「準角地」よりもさらに利便性が高いとされています。
そのため、まずは購入しようとする土地が、角地と準角地のどちらであるかを確かめておくことが大切です。
角地を購入する4つのメリット

角地には快適な住環境を実現させるさまざまなメリットがあります。ここでは、角地の魅力を4つに分けて紹介していきます。
日当たりの良さと開放感に恵まれる
角地の大きなメリットは、隣家に接していない面が2つ以上あることにあります。それにより、通常の土地よりも日当たりと風通しが良くなるため、明るく快適な住空間を実現しやすくなるのです。
間取りの自由度が高い
角地のもうひとつの魅力は、間取りの柔軟性が高い点にあります。
先述したとおり、日当たりと風通しが良いため、採光性や通気性を高める工夫をする必要性が低くなり、自由なプランニングが可能となるのです。
また、2つ以上の道路に接していることから、玄関や駐車場の位置をある程度自由に選べる点も魅力です。
通常の土地は、敷地が1つの道路にしか面していないため、玄関と駐車場の方角を分けて設置することができません。
そうなると、自然とリビングや水回りといったそのほかの間取りの配置も制限されてしまいます。角地であれば、より自由に間取りを決められるため、住まいの理想を実現させやすくなるのです。
防犯性が高い
2つ以上の面が道路と接した角地の特徴として、人目につきやすく防犯性が高いといった点も挙げられます。通常の土地と比べて死角が少ないため、空き巣などの被害に遭う可能性が低いとされているのです。
売却時に買い手が見つかりやすい
角地にはさまざまなメリットがあることから、人気が高いといった面もあります。ライフステージの変化などにより、将来的に住居を手放すことになっても、買い手が見つかりやすいところは大きな利点となります。
角地の新築一戸建て・土地を探す 無料で住まいの窓口に相談するデメリットもある? 便利なはずの角地で後悔してしまう事例とは

利便性が高く人気の角地にも、いくつかのデメリットがあるため、事前にきちんと押さえておく必要があります。ここでは、角地の購入で後悔してしまう具体的な事例を紹介していきます。
事例1:日当たりが強すぎて断熱対策が必要になった
メリットの裏返しであるものの、面している方角によっては、日当たりの影響で室内が暑くなりすぎてしまうこともあります。
特に西日が差し込む方角の部屋では、しっかりとした断熱・遮熱対策が求められるケースも少なくありません。
窓の位置を考慮したり、遮熱ガラスや遮熱カーテンを取り入れたりするなど、夏場の暑さを避ける工夫が必要となるのです。
事例2:車通りの多い道路に面していて不便に感じられた
角地の一方が車通りの多い道路に面していると、利便性が下がるケースもあります。
その面に駐車場を設けると、車の出し入れが難しくなり、安心して利用することができないと感じられてしまうのです。
また、どちらかが大きな道路になっていると、大型車両による振動、騒音などが気になってしまうこともあります。
事例3:斜線制限により3階建ての家が建てられなかった

自治体によって、道路にはそれぞれ「斜線制限」が設けられていることもあります。斜線制限とは、周辺の日当たりや風通しを確保するために、建物の高さに一定の制限を設ける決まりです。
2方向以上が道路に面している角地の場合、通常よりも斜線制限による影響を受けやすくなるため、建物の高さに注意が必要となることがあります。
たとえば「3階建ての住宅が建てられない」「斜線制限に引っかからないために3階部分の形状が複雑になってしまう」といったケースもあるため、事前に確認しておくことが大切です。
事例4:思っていた以上にコストがかかってしまう
角地は通常の土地と比べて、土地の価格が高くなってしまう面があります。それにより、購入費用がかかるのはもちろん、固定資産税や都市計画税といった税金の負担も大きくなってしまうのです。
また、角地はプライバシーの確保や車の追突事故の防止といった観点から、しっかりとした外構工事が必要となります。
2面以上にわたって工事を行わなければならないため、外構設置に関する費用も高額になりやすい点に注意しておきましょう。
外構工事の設置にかかる費用の目安

角地は、複数の面に外構やフェンスを設置する必要があるため、工事のコストにも目を向けておくことが大切となります。
ここでは、外構工事にかかる費用の目安について見ていきましょう。
外構工事費用の目安は50~100万円程度
使用する建材や面積の広さにもよるものの、外構工事の費用は50~100万円程度が相場とされています。
一般的にはコンクリート製の塀のほうが、アルミ製や樹脂製フェンスよりも費用がかかりますが、丈夫さや見た目のよさがメリットです。
車通りの多さなど、立地によっても外構工事に必要な工程が変わってくるため、土地選びの段階から意識しておくことが大切となります。
土地と建築会社の選び方講座 角地の新築一戸建て・土地を探す 無料で住まいの窓口に相談する方角との関係性も重要!後悔しない角地選びのポイント

一口に角地といっても、方位によって利便性や特徴は大きく異なります。ここでは、土地選びのポイントとなる要素を見ていきましょう。
方角との関係性を把握しておく
角地のメリットでもある日当たりの良さは、どの方角に面しているかによって大きく異なります。
角地には大きく分けて「南東」「南西」「北東」「北西」の4つの方位があり、それぞれに違った特徴があるのです。
このうち、もっとも日当たりに関する条件が良いとされるのは「南東」の角地です。午前中から日中にかけての日当たりが良く、一方で西日は避けられるため、夏場でもそれほど熱がこもることはありません。
「南西」の角地は、昼から夕方にかけての日当たりが良い一方で、東側に建物があることから、午前中は採光性が低くなります。
その反対に、「北東」の角地は午前中の採光性が高いものの、日中以降は南側や西側の建物によって日差しが遮られてしまうのが特徴です。
「北西」の角地は、午前中から日中にかけての採光性が低く、西日が入りやすいため、日当たりに関する条件はほかの角地に劣るとされている面があります。しかし、角地のなかでは価格が比較安くなる点は大きなメリットでもあります。
日当たりの良い南東や南西の角地は人気が高いものの、北東や北西が不便であるとは一概には言えません。
どの角地を選ぶかによって、間取りも大きく変わってくるため、方角にも目を向けておくことが大切です。
道路の交通量を細かく調べておく
角地を購入するうえでは、面している道路の交通量を把握しておくことも大切です。
駐車場の方向を決めたり、騒音トラブルの可能性を探ったりするのに役立つため、可能であれば時間帯ごとに調べておくといいでしょう。
建ぺい率や容積率、各種制限についても調べておく
角地には、建ぺい率や容積率に関する捉え方が通常の土地と異なる部分もあります。
たとえば、自治体によっては、一定の要件を満たした角地は建ぺい率が10%緩和されるなどのメリットもあるのです。
住宅のプランニングに大きな影響を与えるポイントとなるため、購入予定の土地にどのようなルールが反映されるのか、細かくチェックしておきましょう。
後悔しないためにも角地の特徴を正しく把握しよう

- 角地とは隣接する2つ以上の辺が道路に接している土地のことを指す
- 角地には快適な住環境を実現させるさまざまなメリットがある
- 日当たりの良さなどのメリットがデメリットとして働くこともあるため注意しておく
- 外構設置や各種税金などのコストにも目を向けておく
- 方角や道路の交通量、建ぺい率などのルールを意識しながら土地選びを行うことが重要
更新日: / 公開日:2021.03.09










