住宅の構造には、大きく分けて「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3種類があります。中でも、木の家の人気は根強く、国土交通省のデータ(※)によれば、新たに建てられる一戸建て住宅の半数以上で木造が選ばれているのです。

今回は木の家の魅力や外観の具体例、材質による違いについて解説していきます。また、木の家を建てる費用の目安についても見ていきましょう。

(※)国土交通省:建築着工統計調査報告(令和元年計分)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/kencha19.pdf

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木造住宅

 

木の家とは構造や内装に、木材や自然素材を使ってつくられる家を指します。ここでは、木の家に備わる魅力について見ていきましょう。

 

建物の外観は、住環境に直接影響を与えるものではないものの、家の顔としての重要な性質を持ちます。木の家の魅力は、何といっても外観を自由に選べる点にあるのです。

 

それは、建材としての木材に「加工しやすい」といった特徴があるためです。家の形状や屋根、外壁などの組み合わせによって和風にも洋風にもなり、シンプルなものから凝ったものまで幅広いデザインを実現させることが可能な点は大きなメリットだといえます。

 

木の家は耐久性が高い構造とされています。また、木材は素材に空気をよく含むため、自然の湿度調整機能も備えている点も特徴です。

 

ジメジメした季節には湿気を吸収し、反対に乾燥した季節には水分を放出する性質を持っているのです。そのため、季節の変化に対応しながら、過ごしやすい環境を整えてくれます。

 

さらに、天然の素材が使用されるため、有害な化学物質が発生しないなどの特徴もあります。

木造住宅

 

木の家の魅力は温かみを感じさせる見た目の良さにあります。ここでは、LIFULL HOME’Sの住宅カタログから、木の質感が生かされた外観の具体例をいくつかピックアップして紹介していきます。

 

一条工務店「セゾンFタイプ」

ドアや枠、細かな建具にいたるまでムク材が使用されており、シンプルながらも上品な外観が保たれるのが大きな特徴です。ムク材とは、丸太からそのまま切り出した木材のことを指します。自然の木目を生かすことができ、調湿性などに優れていることが特徴のひとつです。

 

床に使用されている天然の木は肌ざわりも良く、心落ち着くひとときをもたらしてくれます。2階まで伸びる大きな出窓を設けたり、玄関ホールを大胆に吹き抜けにしたりと、さまざまなデザインを実現できるのも魅力です。

 

住友林業の家「グランドライフ(平屋)」

十分な敷地がある場合には、開放感のある平屋も魅力的な選択肢のひとつです。多くの窓を設け、庭とつながる部分を増やすことで、四季を感じられるぜいたくな空間が演出されます。

 

平屋には「バリアフリー化に対応しやすい」「家族でのコミュニケーションを図りやすい」といったメリットもあり、ライフステージの変化にも対応できる柔軟性が大きな魅力です。

 

一条工務店「円熟の家 百年」

木の家は伝統的な美しさと現代的な機能を共存させた和モダンの住宅を実現することもできます。ふすまや畳、床の間といった和風の建具には、心を和ませる格別の魅力があります。

 

一方で、水回りには最新の機能を取り入れたり、好みに合わせてリビングのみを洋風にしたりするなど、幅広い可能性に対応できる点も木の家のメリットです。

 

LIFULL HOME’Sの住宅カタログでは、木の家の特集を組んでおり、ほかにもさまざまな施工例を見ることができます。そして、気になるものがあれば、無料でカタログをもらうことも可能です。

 

より具体的なイメージを持つためにも、一度目を通してみるといいでしょう。

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木造住宅の建築

 

木の家には数多くの魅力があるものの、建てる際には注意しておかなければならないデメリットもあります。ここでは、主な注意点を見ていきましょう。

 

木材は自然素材であるため、年間での生産量は限られています。人気の高い国産ヒノキなど、種類によっては入手が困難な場合もあるため、事前に確認しておく必要があるのです。

 

建材が自然素材であるため、歳月の経過によって、ヒビ割れや反り返りなどが起こることもあります。さらに、色合いが変化するなど、経年劣化が目立ちやすい点はひとつのデメリットです。

 

また、木の家はほかの構造と比べて、施工会社の技術による差が生まれやすいところがあります。技術の進歩により、耐震性や耐久性に優れた木材は増えているものの、施工の依頼先によって品質にバラつきが生まれる点には注意が必要です。

木造住宅

 

一口に木の家といっても、木材の種類によって性質には大きな違いが生まれます。ここでは、素材の種類ごとに細かな特徴を見ていきましょう。

 

上記においても説明しましたが、ムク材とは、丸太からそのまま切り出した木材のことを指します。自然の木目を生かすことができ、調湿性などにも優れた質の良いものが多い半面、価格が高い点はデメリットです。

 

一方、集成材は小さく切られた木材を張り付けて成型したものを指します。価格が安くて施工しやすいといったメリットがあり、製法が規格化されているため、強度の安定感にも優れているのです。

 

それぞれの異なる性質を生かして、構造部分には安価で丈夫な集成材を用い、目に見える部分にムク材を使用するといったケースが多いといえます。

 

人気のあるヒノキは価格こそ高価であるものの、耐久性の高さや木目の美しさ、香りの良さが魅力です。スギは幅広い価格帯で取り扱われている点や、加工のしやすさ、湿気や害虫への強さに特徴があります。

 

そのほかにも、住宅の建材としては木目の美しさと重厚な質感が魅力のケヤキ、曲げや加工に強く、家具などにも使用されるブナなどが挙げられます。

 

内装材とは、天井や床、壁などの仕上げ材として使われるものを指します。耐久性が求められる構造部分と異なり、よりデザインや肌ざわりが重要視されるのが特徴です。

 

内装材として使用される木材には、ウォールナットやサクラ、チーク、パインなどがあります。濃い色合いが特徴のウォールナットは、重厚感のある見た目が好まれ、シックな雰囲気の家屋に使用されることが多いです。

 

サクラはフローリング材として使用されることが多く、明るい色合いとなめらかな質感が魅力です。フローリング材としては、チークもよく使用されており、ワックスがけをしたような光沢と高い耐水性が好まれています。

 

パインは白に近い素朴な色味が特徴的であり、カントリー調やナチュラルスタイルの家で好まれている素材です。すべすべとした肌ざわりが魅力であり、フローリングだけでなく壁や建具などに使用されることも少なくありません。

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木造住宅建築費用

 

木の家は選ぶ素材や施工の内容によって、建築コストが変化しやすい面があります。ただ、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べれば、一般的に工期が短く、価格も抑えられる構造とされています。

 

ここでは、木の家を建てるためにかかる費用の目安や引き渡しまでの流れを解説していきます。

 

建築費用は、施工会社や使用する素材によって大きく異なるものの、坪単価で70~100万円程度がひとつの目安となります。ただ、建材の性質に合わせて効率的な設計を行ってもらえた場合には、坪単価で50万円以下に抑えることも可能です。

 

注文住宅を建てるうえでは、事前の細かな相談がとても大切です。まずは予算を検討しながらおおまかなイメージをつくっていきます。

 

そこから、施工会社を選び、具体的な打ち合わせを進める段階に入ります。依頼先を見極めるうえでは、細かな下調べと情報収集が何よりも重要です。

 

また、焦ってすぐに一社に絞るのではなく、複数の会社から徐々に絞り込んでいくのもポイントです。注文先が決まったら、細かな打ち合わせをしながら間取りのプランと見積書の作成を依頼します。

 

打ち合わせの時点では、気になる点があれば遠慮をせずに質問することが大切です。住宅のつくりに関することだけでなく、費用の内訳などにも目を向けておきましょう。

 

具体的なプランや工期が明確になったら、工事請負契約を結び、市区町村へ建築確認を申請します。建築予定の建物が法令に違反していないかをチェックしてもらい、審査機関の確認が済んだらいよいよ着工です。

 

建物が完成した段階で、改めて市区町村による完了検査があり、検査済証が発行されるとついに引き渡しとなります。引き渡しでは必ず立ち合いを行い、細かな点もチェックしましょう。

 

一連の手順をすべて合計すると、1年~1年半程度の時間は必要となります。場合によってはさらに期間が延びることもあるため、ゆとりを持ってスタートを切ることが大切です。

木造住宅イメージ

 

  • 木の家は和風から洋風まで幅広いデザインを実現できる柔軟性が魅力
  • LIFULL HOME’Sの住宅カタログでは豊富な外観の施工例を調べられる
  • 木材は施工会社によって仕上がりに差が生まれるなどの注意点もある
  • 木材の種類や製法によっても性質は大きく異なる
  • 設計の仕方や選ぶ建材の工夫によって建築コストを抑えることも可能
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更新日: / 公開日:2020.12.23