住宅の構造は、技術の進歩によって大きく変化しており、現在では一戸建てにも木造だけでなく、鉄骨造や鉄筋コンクリート造といったさまざまな構造が取り入れられています。
しかし、木造の人気は依然として高く、国土交通省のデータ(※)によれば、毎年新設される住宅の半数以上は木造で建てられているのです。
今回はそんな木の家の魅力について、室温の面に焦点を当てて詳しく見ていきましょう。そのうえで、室温管理を効率的に行う方法も紹介します。
(※)国土交通省:建築着工統計調査報告(令和元年計分)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/kencha19.pdf
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木の家の特徴…夏は涼しく、冬は暖かい

木の家は寒いといった印象を抱く人も多いですが、実際には優れた温度調節の特徴を備えています。ここでは、木材そのものが持つ特徴とともに、木の家の性質について見ていきましょう。
木の家は高い断熱性と肌触りの良さが魅力
木材はコンクリートや金属と比較して熱伝導率が低く、断熱性が高いといった特徴があります。木は多くの空気を含んだ素材であるため外気の影響を受けにくく、夏は涼しく、冬は暖かい快適な室温が保たれるのです。
また、肌に触れたときの木材特有の温かみは、ほかの素材にはない魅力だといえます。木材は冷暖房の技術が発達していなかった頃から住宅の主要な部材だったこともあり、そのままでも室温管理には優れているのです。
木の家で寒いと感じられる原因
本来暖かいはずの木の家で、寒く感じられることがあるのは、窓から侵入する冷気やサッシの隙間から入ってくる隙間風が原因である場合が多いといえます。
大きな窓があったり、サッシに隙間ができていたりすると、冷気を遮断できずに室温が低下してしまうのです。そのため、木の家ではまず、窓や隙間からの冷気を防ぐことが基本的な防寒対策となります。
木の家の住宅カタログを探す 住宅ローンについて調べる 無料で住まいの窓口に相談するほかにもある! 木の家の魅力とメリット

木の家には断熱性以外にもさまざまな魅力があります。ここでは、木造住宅の主なメリットを詳しく見ていきましょう。
優れた湿度調節機能
木材には、空気中の湿度を一定に保つ機能が備わっています。湿度が高いときには空気中の水分を吸収し、反対に乾燥しているときには水分を放出してくれるのです。
湿度が安定することで、快適な生活環境が保たれるだけでなく、カビや結露などの予防にもなります。
建築コストの安さ
木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて素材が軽いため、基礎工事にあまり手間や工費がかかりません。
また、耐火処理や防サビ加工が必要な鉄骨と比べ、木材は素材そのままでも十分機能を発揮するため、下処理の手間も軽減されます。そのため、全体を通して建築コストを安く抑えることができるのです。
落ち着きを与える香りと雰囲気
木の家の魅力のひとつには、自然の素材がもたらす香りや心地いい雰囲気も挙げられます。また、加工がしやすくデザインの自由度も高いため、住宅にこだわりを反映しやすい点も大きなメリットです。
寒さが気になるときに取組むべき3つの対策方法

木の家は基本的には冬でも暖かいため、寒いと感じられるときには、ちょっとした対策次第で解消できる可能性があります。
ここでは、冬の寒さを軽減させる対策方法を3つに分けて見ていきましょう。
対策1:窓から侵入する冷気を防ぐ
冬場の寒さ対策でもっとも重要なポイントは窓だといえます。窓は、外から冷気が侵入しやすく、室内の暖かい空気が逃げてしまう箇所でもあるため、特に優先度が高いのです。
窓の手軽な防寒対策としては、断熱性の高いカーテンの利用が挙げられます。ポイントは長めのサイズのものを選び、上部やサイド部分を覆うようにリターンをつけて隙間をつくらないようにすることです。
耐熱性の高い素材を選べば、それだけでも防寒対策が十分であるケースも少なくありません。リビングや居室などの防寒対策としては、とても有効な方法だといえるのです。
また、お風呂場の窓といったカーテンを利用できないスペースでは、断熱シートを利用してみるのもひとつの方法です。ホームセンターなどでさまざまな種類やサイズのものが市販されているため、自分でできる簡単な寒さ対策となります。
対策2:床の冷たさを解消する
冷気は部屋の下のほうへ集まる性質があるため、足元の寒さ対策も重要となります。一戸建てにおいては、あらかじめ1階部分に床暖房を取り入れているところも多いものの、建築後に取り入れるのは容易ではありません。
そこで、自分で手軽にできる防寒対策を考えておくことも大切となります。もっとも手軽なのはラグやジョイントマットなどを利用して、床からの冷気を遮断する方法です。
また、市販の断熱シートをマットの下に敷くと、さらに防寒性能が高まります。安価で手軽に導入できるだけでなく、クッション性があるため小さな子どもやペットのケガ予防にもつながる点が大きなメリットです。
対策3:暖房器具を効果的に使う
寒さ対策としては、冷えやすい場所に暖房器具を設置するのも有効です。特に、窓の下に設置できる窓下専用のヒーターは、工事不要で設置でき、場所もとらないため利便性が高いといえます。
また、窓の結露を予防できる点や、それほど高温にならないため、やけどのリスクが低いところも大きなメリットです。
木の家の住宅カタログを探す 住宅ローンについて調べる 無料で住まいの窓口に相談する夏の暑さが気になるときに自分でできる3つの対策方法

木の家は冬の寒さだけでなく、夏の暑さにも対応できる特徴を備えています。そのため、暑さが気になるときにも、ちょっとした工夫で軽減される可能性が高いのです。
ここでは、主な暑さ対策の方法を見ていきましょう。
対策1:通気性を高める
暑さ対策の基本は、室内に熱がこもらないようにすることです。冷房を使用するときには、先に複数の窓を開け放し、風の通り道をつくって熱気を外に追い出しましょう。
また、必要に応じてサーキュレーターを使い、空気の循環を助けるのも効果的です。
サーキュレーターとは直線的に遠くまで届く風を起こし、室内の空気を循環させる家電製品で、エアーサーキュレーターとも呼ばれています。扇風機よりも風を遠くへ運べるため、換気の際にも役立つのです。
扇風機が、人が涼をとるための風を起こすのに対し、サーキュレーターは空気を循環させるための直線的な風を起こします。
対策2:直射日光を遮断する
夏の暑さをもたらす原因のひとつに、日中の直射日光があります。特に一戸建てであれば、日当たりの良い南側の部屋や2階の部屋が暑くなりやすいため、何らかの対策をしておくことが大切です。
手軽にできる対策方法としては、遮光カーテンや遮熱フィルム、ブラインドの使用があげられます。
遮光性とともに断熱性に優れたカーテンは、夏の暑さ対策だけでなく、冬場の寒さ対策にも活躍する優れたアイテムとなるため、ある程度のコストがかかっても機能的な素材を選ぶようにしましょう。
対策3:打ち水で建物周りの気温を下げる
打ち水には暑さ対策として一定の効果があるだけでなく、ほこりの発生を抑制できるといったメリットもあります。
ただ、昼間の暑い時間帯に行うと、水が一気に蒸発することで湿度が高まり、かえって不快に感じられてしまう場合があります。
そのため、打ち水をする際は、朝や夕方の比較的に涼しい時間帯を選びましょう。ゆっくりと水分が蒸発するため、涼しさが持続しやすいのです。
木の家は本来、断熱性や吸湿性に優れ、夏も冬も快適に過ごせる

- 木材は空気を多く含む素材であり、金属やコンクリートよりも断熱性が高い
- 吸湿性も高いため、木の家は夏も冬も快適に過ごせるのが魅力
- 木の家の魅力には、建築コストの安さや自然素材がもたらす香り、心地いい雰囲気がある
- 寒さや暑さが気になる場合は、ちょっとした対策で軽減できる可能性が高い
- 寒さ対策には窓の防寒が重要であり、断熱カーテンや断熱シートの利用が効果的
- 夏の暑さ対策はこまめな換気と直射日光の遮断が基本
更新日: / 公開日:2020.12.23










