- 90坪の土地が持つ広さと可能性
- 90坪の土地は一般的な注文住宅の2倍以上と広く、約300平米の敷地は11人が快適に暮らせる広さです。法規制の範囲内で、大家族向けの家や広い庭、複数台駐車できるガレージなど、多様な活用ができます。
詳しくは、「90坪の土地の広さとは? 平均値と比較」をご覧ください。 - 家の広さを決める建築の制約
- 建てられる家の広さは、建ぺい率(敷地に対する建築面積の割合)や容積率(延床面積の割合)で決まります。ほかにも高さ制限などがあるため、土地の購入前に確認が必要です。
詳しくは、「家の広さを決める建ぺい率・容積率・建築制限とは?」をご覧ください。 - 90坪の土地の具体的な活用例
- 建ぺい率50パーセント、容積率100パーセントなら延床面積90坪の家が建てられます。11LDKや複数のトイレ、広い庭や4台以上駐車できるガレージも実現可能。条件次第で敷地内に2軒の家を建てたり、不動産投資に活用したりすることもできます。
詳しくは、「90坪の土地を活用して建てられる家のイメージ」をご覧ください。
「90坪の土地」に家を建てるとき、どのくらいの広さの家を建てられて、どんな暮らしを実現できるでしょうか。家は建ぺい率や容積率などによって建てられる広さが変わるため、具体的にイメージしづらいという方も多いでしょう。
そこで今回は、90坪の土地に家を建てることを考えている方に向けて、建てられる家の広さや実現できる間取りのプラン例などをご紹介していきます。
90坪の土地の広さとは? 平均値と比較
90坪の土地にどのくらいの広さの家を建てられるかを知る前に、90坪自体の広さや、一般的な注文住宅と比べてどの程度広いのか、また何人程度が快適に過ごせる広さなのかを理解しておきましょう。
90坪はどのくらいの広さ?
90坪をm2の単位にすると297.521m2となり、約300m2になります。
300m2を単純に表すと、一辺が30m×10m、あるいは25m×12mなどの長方形です。土地の形状はさまざまですが、住居の敷地としてはかなり広いといえるでしょう。
平均的な注文住宅の広さは約38坪
住宅金融支援機構が発表した「2018年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅の住宅面積(延床面積)の全国平均は126.8m2です。坪に換算すると約38坪となります。
住宅面積とは、住居として使える床の総面積です。すべてのフロア(階)の床面積を合計した面積となるため、1階が20坪で2階が20坪なら、その家の住宅面積は40坪になります。
家の広さは建ぺい率や容積率などによって変わるため一概にはいえませんが、90坪の土地があれば、平均的な注文住宅の2倍以上の広さの家を建てることが可能です。
参考:「2018年度フラット利用者調査」
住宅面積90坪は大人11人が快適に暮らせる広さ
国土交通省では、 「これくらいの広さがあると快適に暮らせる」という住宅面積の目安(誘導居住面積水準)を発表しています。
都市部以外の一戸建ての誘導居住面積水準は、「25m2×世帯人数+25m2」で求められます。この計算式によると、90坪は11人が快適に過ごせる広さです。
11人が快適に過ごせる広さということは、二世帯または三世帯で暮らすことも可能です。夫婦と子ども1〜2人という一般的な世帯であれば、共有スペースおよび個室の広さも十分に確保することができます。
一戸建てで快適に暮らすために必要な広さの目安
世帯人数が3人の場合は100m2→約30坪
世帯人数が4人の場合は125m2→約38坪
世帯人数が5人の場合は150m2→約45坪
世帯人数が6人の場合は175m2→約53坪
世帯人数が7人の場合は200m2→約61坪
世帯人数が8人の場合は225 m2→約68坪
世帯人数が9人の場合は250m2→約76坪
世帯人数が10人の場合は275m2→約83坪
世帯人数が11人の場合は300m2→約91坪
参考:「住生活基本計画(全国計画)」
注文住宅について住まいの窓口に相談する はじめての家づくり講座家の広さを決める建ぺい率・容積率・建築制限とは?
自分が所有する土地だからといって、その土地に建てる家の広さや形状を自由に決められるわけではありません。
土地は建築基準法により「建ぺい率」と「容積率」というものが定められ、そのほかにも細かな建築制限が設けられています。
これらによって建てられる家の広さは変わるため、家を建てるときには必ずチェックしたい項目です。以下で詳しく見ていきましょう。
建ぺい率=土地を上から見たときに家が占める割合
建ぺい率とは、敷地面積(土地)に対する建築面積(家)の割合のこと。
たとえば90坪の土地の建ぺい率が50%の場合、家を建てられる面積は45坪ということになります。建ぺい率の上限はエリアによって異なりますが、40〜80%に定められていることが大半です。
2階建て以上の家を検討している方に特に注意してほしいのが、建築面積の出し方です。
建築面積は土地に面している部分ではなく、“土地を上から見たときの建築面積”となります。たとえば上から見て2階すべてと、2階からはみ出して見える1階部分も建築面積です。
容積率=土地に対する延床面積の割合
容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合のことです。延床面積とは、各階の面積を足した面積のこと。
90坪の土地の容積率が100%の場合、1階・2階・3階を合わせて最大90坪の広さの家を建てられるということです。
容積率もエリアによって異なり、住宅用地では50%〜200%に定められているところが多いです。
つまり、90坪の土地に家を建てる場合、建ぺい率によって「建築面積90坪」の家を建てられない場合でも、容積率によって「延床面積90坪」の家を建てることはできるということです。
その他の建築制限
建ぺい率や容積率のほか、用途地域によっては以下の建築制限が設けられている場合があります。
これらの制限がかかった場合、3階建て以上の家が建てにくくなったり形状にしばりが出てきたりするため、1階・2階の容積率を十分に考慮して設計するとよいでしょう。
・高さ制限
一般的に一戸建てを建てる用途地域は、第1種・第2種低層住居専用地域といわれる土地に該当することが多いです。
この用途地域の場合、建物の高さは10mあるいは12mのうち、都市計画で定められた高さを超えてはならないという高さ制限が設けられています。
・斜線制限
斜線制限とは、隣接する敷地や道路の日照・通風・採光などを確保することを目的として、建物の各部分の高さや形状を制限するものです。
斜線制限には、「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」などがあります。
・日影規制
日影規制は、近隣の日照権を確保することを目的に、隣接する敷地に一定時間以上の日影をつくらないように高さや形状を制限するもの。
第1種・第2種低層住居専用地域では、軒高7mを超える建物、あるいは地上3階建て以上の建物に適用されます。
90坪の土地を活用して建てられる家のイメージ

では実際、90坪の土地にはどんな家を建てられるでしょうか。
一般的に建ぺい率と容積率のバランスは1:2が良いといわれています。そのためここでは、建ぺい率50%、容積率100%の場合で考えていきます。
90坪の土地に2階建て住居を建てるとき、建ぺい率50%によって敷地面積は45坪に、容積率100%によって1階・2階を合わせた延床面積は90坪となります。
1坪は約2畳なので、ワンフロア90畳の住まいをつくることができます。

90坪の土地に建てる家。建ぺい率50%、容積率100%の場合
以下で、1階90畳、2階90畳の家で可能となる間取りなどをご紹介します。
11LDKも可能
前述のとおり、90坪は大人11人が快適に暮らせる広さですから、たとえば各人に1部屋ずつ設けて11LDKにすることもできます。
仮に1部屋を10畳にしても110畳ですから、残りの70畳で広めのLDKや水回りを配置することも可能です。吹き抜け、大容量の収納、セカンドリビングなど、自由なプランニングを楽しめます。
トイレ3つ以上・バスルーム2つも可能
トイレを2つ設置する家庭は増えてきましたが、90坪あれば3つ設置することも可能です。
家族共用、客用、主寝室専用といった具合に用途別に分けられます。同様に、バスルームも家族用と客用に分けることができるでしょう。
サッカーやキャッチボールを楽しめる庭
屋外の敷地45坪を使って広々とした庭をつくることができます。
家庭菜園やイングリッシュガーデンをはじめ、子どもとサッカーやキャッチボールをのびのびと楽しめるくらいの広さにすることもできるでしょう。
4台以上収納可能なガレージハウス
駐車場も余裕をもってつくることができます。90坪の土地があれば、建物内に駐車場を組み込んだガレージハウスにするのも一手です。
広さの目安は20坪程度で車4台ほど。ガレージハウスにすれば、庭と駐車場の両方を確保することができます。
世帯ごと独立した一戸建てを建てることも可能
90坪の土地があれば平均的な注文住宅の2倍以上の広さの家を建てられるということは、敷地内に2軒の家を建てることも可能な広さといえます。
ただし、建築基準法では1つの敷地に同じ用途の建物を2つ以上建てられないという規定があるため、敷地に2軒の家を建てる場合は、90坪の敷地を2つに区分けする、あるいは建物に渡り廊下をつけるなどの対応が必要です。
こうした法律の条件をクリアすれば、親世帯で1軒、子ども世帯で1軒といったように独立した一戸建てを建てることもできます。
貸し駐車場やアパート経営という選択肢も
90坪の土地があれば家族が住む家を建てるほかに、貸し駐車場やアパート経営といった不動産投資の選択肢もあります。いずれも建築基準法などの制限をクリアすることで建築が可能になります。
そのほか、利益の出し方やプライバシーの確保など検討することはさまざまありますが、広い土地があるからこそ生まれる選択肢といえるでしょう。
注文住宅について住まいの窓口に相談する はじめての家づくり講座
90坪あれば2軒の一戸建て、不動産投資も可能に

不動産投資や賃貸併用住宅も視野に入る広さ
90坪という広い土地があれば住空間を自由にプランニングできます。
土地を区分けするなどすれば、世帯ごとに独立した一戸建てを建てたり、不動産投資をしたりと選択肢の幅も広がります。
家族が今望んでいること、将来望んでいることなどを総括的に考えながら、より良い暮らしを実現させていきましょう。
ポイント
90坪の土地があれば平均的な注文住宅の2倍以上の広さの家を建てられる
大人11人が快適に暮らせる広さであるため、二世帯・三世帯住居も可能
建ぺい率、容積率、そのほか細かな建築制限によって建てられる家の広さが決まる
法律の規定をクリアすれば、世帯ごと独立した一戸建てを建てる、不動産投資をするという選択肢もある
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よくある質問
Q.1 「90坪の土地」と言われても、広さのイメージがつきません。具体的にどのくらいの広さなのでしょうか?
A.1 90坪は約300m2で、学校にある25mプールとほぼ同じ広さです。一般的な注文住宅の平均(約38坪)と比べると2倍以上あり、かなりゆとりのある敷地といえます。
Q.2 90坪の土地があれば、何人家族で快適に暮らせますか?
A.2 国土交通省が示す目安では、大人11人が快適に暮らせる広さとされています。たとえば、夫婦と子ども1〜2人の世帯なら、それぞれの個室や広い共有スペースを十分に確保できます。二世帯住宅や三世帯住宅にも対応できる広さです。
Q.3 90坪の土地があれば、敷地いっぱいに大きな家を建てられますか?
A.3 いいえ、土地の広さいっぱいに家を建てられるわけではありません。家づくりでは、法律で定められた「建ぺい率」と「容積率」という制限を守る必要があります。この割合によって、建てられる建物の最大の大きさが決まります。
Q.4 「建ぺい率」や「容積率」とは何ですか?分かりやすく教えてください。
A.4 「建ぺい率」は、土地を真上から見たときの建物面積の割合です。たとえば、90坪の土地で建ぺい率50%の場合、建物を建てられる面積は45坪です。「容積率」は、土地の面積に対する全フロアの床面積(延床面積)の合計の割合です。容積率100%なら、1・2階の合計で90坪までの家を建てられます。
Q.5 建ぺい率や容積率以外にも、家を建てる上で注意すべき制限はありますか?
A.5 エリアによっては、建物の高さを制限する「高さ制限」や、隣地の日当たりなどを確保するための「斜線制限」「日影規制」があります。これらの制限により、3階建てが建てにくくなるなど家の形に影響が出る場合があるため、設計の際に考慮が必要です。
Q.6 90坪の土地に家を建てる場合、具体的にどのような間取りや設備が可能ですか?
A.6 たとえば、各階45坪ずつの広々とした2階建て住宅も可能です。部屋数の多い間取りや、吹き抜けのある開放的なリビング、大容量の収納もつくれます。来客用と家族用にトイレやバスルームを複数設けるなど、ゆとりのある設計ができるでしょう。
Q.7 広い庭や大きな駐車場を確保することはできますか?
A.7 はい、可能です。たとえば、建物を45坪にすれば、残りの45坪を屋外に使えます。広い庭を設けたり家庭菜園、ガーデニングも楽しめます。車4台以上を収容できるビルトインガレージを設けても、庭のスペースを十分に確保できます。
Q.8 親世帯と子世帯で、同じ敷地内にそれぞれ別の家を建てることはできますか?
A.8 はい、条件を満たせば可能です。1つの敷地に1つの建物が原則ですが、土地を2つに分ける手続き(分筆)をしたり、渡り廊下でつないだりすることで、同じ敷地内に独立した家を2軒建てることもできます。
Q.9 自分が住む家を建てる以外に、90坪の土地の活用方法はありますか?
A.9 広い土地を活かしてアパートや貸し駐車場を経営するなど、不動産投資も選択肢になります。ただし、建物を建てるには建築基準法などの制限を満たす必要があります。家族の将来を考えながら、さまざまな活用法を検討してみるのがおすすめです。
更新日: / 公開日:2020.04.20










