家づくり、なかでも注文住宅で家を建てるのは、人生の一大イベント。後悔したくないからとネットで調べて、ハウスメーカーや建築家に話を聞いて……としているうちに、「結局、何がいいの?」「どうやっても失敗しそう」とドツボにハマってしまいがちです。そこで今回は「注文住宅で成功するコツ」を建築家に取材しました。失敗しない家づくりのために、ポイントとコツを押さえておきましょう。最後に建築家が手がけた注文住宅の成功例もご紹介します。
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「家は3回建てないと成功しない」にはワケがある
注文住宅を建てるのは、人生に1回あるかないかなので、ほとんどの人が初めての経験のはず。それに加えて、土地探しから依頼先、建物の設備仕様まで、決断の連続です。しかも現実的な費用や工期、土地の用途地域など、多数の制限があり、俗に「家は3回建てないと成功しない」といわれるほど。では、検討に検討を重ねて注文住宅を建てたはずなのに、失敗してしまうのはなぜでしょうか。まずはその理由をH2DO建築設計事務所の久保和樹さんに聞いてみました。
「そもそもですが、家づくりで失敗したと感じる人は、どのような家が自分にとって成功なのか明確になっていないのではないでしょうか。注文住宅の場合はひとつひとつオリジナルで設計するため、モデルハウスなどがなく、イメージの違いにつながることはあるかと思います」(久保さん、以下同)
なるほど、最近ではさまざまな情報がすぐに手に入ります。不安であれこれ調べ、話を聞くうちに、自分たちのなかにある「理想の家のイメージ」がブレたり、ぼやけてしまうのかもしれません。また、モデルハウスはあくまでも「展示品」「サンプル」。暮らし始めると「アレ…?」というギャップが生まれ、「なんか違うな……」と思う原因になるようです。
ポイント1:自分たちの「成功のカタチ」を明確に描いておく
では、どうすればこうした失敗や後悔を防ぐことができるのでしょうか。
「やはり、理想の家のイメージをしっかりと持っておくことが重要だと思います。○○のために家を建てる!という明確なコンセプト、なぜ注文住宅で建てるか、という立ち返る場所があると成功しやすいでしょう。コンセプトを基に、デザイン性・使いやすさ・住環境などの優先順位などを決めておくと、決断時に納得して選択できると思います」
情報収集をしすぎた、混乱してきたというときに確認できるよう、自分たちが家に求めるもの・家づくりで大切にしたいことをまとめた「コンセプトシート」を作ってもよいかもしれません。
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ポイント2:相性のよいパートナーと模型・3次元パースで確認する
また、モデルハウスがない注文住宅だからこそ、設計者や工務店など、プロとの相性も大切だと言います。
「家づくりをするうえでは、相性のよいパートナーを見つけることも大切ですね。そして、2次元の図面だけでなく、大切なポイントで3次元のパースや模型などでイメージがずれていないか、確認することが重要だと思います」
確かに家を建てるといっても、それをつくっていくのは人です。「よいと思うものを具現化してくれる」「イメージが共有できている」「やりとりにストレスがない」「こちらのオーダーを汲み取ってくれる」など、気持ちのよいやりとりができると、家づくりも成功に近づくことでしょう。
ポイント3:土地探しも建築家・設計者と一緒に行う
一方で、意外な成功のコツとして「土地購入」についてのアドバイスもありました。
「意外と多いのが土地購入後に設計事務所を探すケースなんですが、注文住宅で家づくりをする場合、実は大きなメリットとして『土地探し』をプロと一緒に行える点があるんです。その土地にどのような建物が建つのか、明確に分かるのは設計者・建築家。土地購入前であれば、ぜひ設計事務所・建築家と、家づくりを進めていただければと思います」
家を建てたあとでも、間取りや設備などはリフォームにより変更できます。しかし、周辺環境や用途地域はどうすることもできません。土地によっては、「希望する建物」が建てられないこともあるでしょう。土地が決まっていないのであれば、土地探しもプロに助けてもらうのがよさそうです。
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事例紹介
最後に、久保さんが携わった住まいの成功例をご紹介します。
<例1>KITAMUKI NO IE

施主様は敷地の北側に自然豊かな眺望のある土地を購入し、リビングを2階に設けて自然の借景のある空間を望まれました。北側にメインの開口部を設けながら、環境シミュレーションソフトによって、採光・通風・換気を最適化し、快適な室内環境を実現した家です。

<例2>地上に浮いた地下の家

まず、施主様との“いえづくりワークショップ”で、コンセプトと要望を明確にしました。高密度の商業地域でしたが、鉄筋コンクリート造で外断熱とし、間接光による採光を採用することによって、2階でありながら地下にいるような、都市の喧騒から距離を置いた、静けさと落ち着きのある住空間となりました。


家づくりは、苦労も多いものですが、完成したときの喜びはかけがえないものです。情報に惑わされず、「自分たちが大切にしたい価値観」を見極め、よきパートナーと共に進めることこそが、成功の「鉄則」といえるのではないでしょうか。
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