2,000~2,499万円でどんな家が建つ? あらゆる空間を無駄にしない設計士の家

白壁に窓サッシや屋根を黒色で統一。引き締まった印象の外観
設計士として数百軒の注文住宅を手掛けてきたKさん。自らの設計で理想の家を建てたいという長年の思いを、長女の誕生を機に実らせました。特筆すべきはその手腕が生かされた無駄のない間取りです。日当たりのいい1階南向きに設けた21畳のLDKは、吹き抜けや全開口の大窓が開放感をもたらす家族の団らんに最適な空間。
その一角にはゆるやかに間仕切りした書斎コーナーがあり、水まわりや階段もLDKのフロア内に収めたため、1階には廊下がありません。「お客様にも、なるべく廊下や玄関ホールといった共有部分を省いた間取りの提案を心掛けています。スペースを有効活用し延床面積を抑えれば、低コストにもつながりますから」とKさん。
屋根裏のデッドスペースを余すところなく生かしたロフトも含め、徹底的に空間を活用。エキスパートならではの緻密な設計がK邸の快適性を高め、コストカットも実現しています。

Kitchen
1使い勝手を重視して空間ごとに収納を配置


奥さまのたっての希望で実現したアイランドキッチン。向かって左側には勝手口に続く大型のパントリーを設け、背中合わせにリビング側から出し入れできる収納も配置。右手には洗面所と浴室があり、キッチンから直接アクセスできる効率的な家事動線になっています。
Study space
2リビングの一角に書斎スペースを確保


広いリビングの一角につくった書斎コーナー。「家でも、設計の仕事をするためのパーソナルスペースがほしかったんです。完全な個室にすると狭くて圧迫感があるので、扉を付けずに壁でゆるやかに仕切りました」とKさん。空間に合わせて天板や棚板は造作しています。
Toilet
3リビングのトイレは階段裏につくって目隠し


リビングの中にあり、とても便利な1階のトイレ。食事やくつろぎの場であるリビングダイニング側からは見えないように、LDKの片隅に配置して階段でしっかりと視線を遮っています。トイレの存在が気にならないように配慮された、間取りの工夫が秀逸です。

最近人気のオープンな間取りがポイント。小さい部屋をたくさんつくるのではなく、ワンルームにした広いLDKの一角に書斎コーナーを設けています。書斎を個室にするより、間仕切り壁や建具の費用を削減できますね。

Kidsroom
4おしゃれなロフトで屋根裏空間を生かす



子ども用の個室が必要になったときに壁で仕切れるようにした子ども部屋。はしごをのぼると屋根裏のデッドスペースを利用した約9m2のおしゃれなロフトへ。「今は屋根裏収納にしていますが、1歳の長女が大きくなったらここで遊べるかもしれませんね」とKさん。
Walk in closet
5使いやすさを求めたこだわりの収納力


主寝室につくった大型のウォークインクローゼット。ハンガーパイプのほか、自由に高さ調整ができる可動棚を造作し、使い勝手のよい洋服収納を追求。「以前の家は趣味の物などであふれかえっていたので、各部屋にこだわりの収納をつくりました」とKさん。
在来工法よりも耐震性能の高い軸組みパネル工法を採用したので、安心感が違います。予算内で希望をかなえられるのかどうかを悩まず、まずは建築会社に要望を全て話してみてください。"納得"できる解決策が見つかるかも。

Bedroom
6建築上の制約を勾配天井で克服


寝室は北側の斜線制限で天井の高さに制約があり、広さを出すことが困難でした。そこで、天井全体に勾配を設けることで問題を解消しています。平らな天井よりも開放感のある約11m2の広い空間に仕上がりました。左の扉を開けると、ウォークインクローゼットへ。
Balcony
7面積を抑えてコストを削減


寝室から続くバルコニー。予算が限られる中、家へのこだわりを形にしていく過程で妥協したのがバルコニーの広さでした。「もう少し広くしたかったのですが…。予算内に収めるために、希望よりも少し狭くして、材料費や施工費をコストカットしています」とKさん。

屋根裏の余剰空間をうまく活用して、収納としても利用できるロフトを設置しています。大容量の収納を確保しようとすれば、それだけ床面積を広げる必要がありますし、3階建てにするよりも建築コストはかかりません。

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- 出典:家を買Walker (KADOKAWA)
- 取材・原稿 = 小林優子
- イラスト = あきばさやか
- 間取り図 = 石川三四郎
- 編集 = LIFULL HOME'S
更新日: / 公開日:2019.09.30










