100坪の土地の建築制限
100坪の土地があっても、敷地全体に家を建てられるわけではありません。都市計画法で定められた「建ぺい率」と「容積率」によって、建てられる建物の建築面積や延床面積が制限されるため、事前の確認が不可欠です。
詳しくは、「土地を利用するうえで知っておきたい「建ぺい率」と「容積率」の仕組み」をご覧ください。
100坪の土地に建つ家の広さ
100坪の土地には、二世帯住宅でもゆとりのある家を建てられます。建ぺい率や容積率にもよりますが、広い庭や駐車場を確保しつつ、複数世代が快適に暮らせる部屋数や、大きなLDKを実現することが可能です。
詳しくは、「100坪の土地に建てられる家の広さ・間取りとは」をご覧ください。
居住用以外の土地活用方法
100坪の土地は、自宅を建てる以外にも様々な活用法があります。アパート経営や賃貸併用住宅、駐車場経営など、立地や需要に合わせた活用で収益を得ることも可能です。活用時には税金も考慮し専門家へ相談しましょう。
詳しくは、「100坪の土地の活用例」をご覧ください。

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住宅用の土地として考えたとき、100坪はかなりの広さに相当します。しかし、実際にどのくらいの広さなのか、なかなかイメージできないという人も多いのではないでしょうか。

 

今回は100坪の土地について、具体的な広さのイメージや建てられる家の目安、居住用以外の活用方法を解説します。

100坪ってどのくらいの広さ?

まずは、100坪がどのくらいの広さにあたるのか、数字や事例から見ていきましょう。

1坪はおよそ3.3平米とされているので、100坪は約330平米と換算することができます。

 

330平米といえば、具体的には以下のような例と同じくらいの広さです。

100坪の広さのイメージ例

  • 畳200畳分
  • 25mプール1つ分
  • 一般的なコンビニエンスストア2軒分 ※1
  • 駐車場・乗用車20台分 ※2

※1:ローソン出店ガイドラインを参照、※2:1台当たり横幅3m×縦幅5.5mで計算

このように、住宅用地として考えると、100坪はかなりの広さに相当することが分かります。

住宅金融支援機構の2021年「フラット35利用者調査」によれば、注文住宅の購入における敷地面積の中央値は、全国基準で252.3平米、首都圏では174.0平米となっています。

 

これらのデータと比べると、330平米はかなり高い水準です。特に首都圏エリアで考えれば、中央値の倍近い広さだと判断できます。

土地を利用するうえで知っておきたい「建ぺい率」と「容積率」の仕組み

100坪の土地を持っていても、そのまま土地いっぱいに家を建てられるわけではありません。

 

日本の土地には「建ぺい率」と「容積率」と呼ばれる建物面積の制限が設けられているため、それぞれのルールを正しく理解しておく必要があります。

建ぺい率とは「土地の敷地面積に対する建築面積の割合」のことをいいます。建築面積とは、土地を真上(上空)から見た際の面積のことです。

 

そのため、基本的には1階部分の広さと一致すると考えて問題ありませんが、2階部分に1階よりも張り出している部分があれば、そこを含めた面積で計算されます。

 

建ぺい率の上限は、エリアによって30~80%に定められており、角地など敷地の条件によっては10%緩和される場合があります。

 

建ぺい率が定められているのには、次のようなさまざまな理由があり、安全で快適な暮らしを守るために欠かせないルールのひとつです。

理由

  • 火災の延焼を防ぐ
  • 風通しや日当たりを確保する
  • 景観の美しさを保つ

容積率とは「土地の敷地面積に対する延床面積の割合」を指します。延床面積とは、建物全フロアの床面積の合計のことです。

 

厳密に言えば、ロフトや床下収納のように延床面積に含まれない部分はあるものの、基本的には使える室内スペースの総計と考えていいでしょう。容積率の上限は土地によって50~1300%と大きな違いがあります。

 

たとえば、マンションなどの高層の建物を建てるのであれば、容積率の高い土地を選ぶ必要があります。

 

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100坪の土地に建てられる家の広さ・間取りとは

ここでは、建ぺい率・容積率のルールを踏まえて、実際に100坪の土地に建てられる住宅の間取り目安を見ていきましょう。

100坪の土地で、建ぺい率40%、容積率60%の場合、敷地面積と延床面積の上限はそれぞれ以下のようになります。

  • 敷地面積の上限:100坪×40%=40坪(約132平米)
  • 延床面積の上限:100坪×60%=60坪(約198平米)

この条件で2階建ての家を建てるケースでは「1階30坪、2階30坪」や「1階40坪、2階20坪」といった組み合わせが考えられます。

 

仮に「1階40坪、2階20坪」の組み合わせで間取りを組む場合、以下のような設計が可能です。

「1階40坪、2階20坪」の間取り例(6SLDK

1階部分

    • 玄関4畳、玄関収納1畳
    • バスルーム3畳、洗面所2畳
    • トイレ1畳
    • 収納6畳
    • LDK28畳
    • 居室8畳×2
    • 居室6畳×1
    • ウォークインクローゼット2畳
    • 廊下、階段
    • その他1畳
    •  

2階部分

    • 居室8畳×1
    • 居室6畳×2
    • ウォークインクローゼット2畳
    • トイレ1畳
    • 収納4畳
    • 廊下、階段、ルーフバルコニー

広さや設備から考えれば、二世帯住宅でも十分にゆとりのある住環境を確保できます。

 

さらに、今回の例は建ぺい率40%とやや低めの設定になっているため、庭や駐車場もかなりのゆとりを持たせられるのが特徴です。

 

ただし、カーポートなどの立体的な駐車スペースは、条件によって建ぺい率に含まれる可能性があるので注意しておきましょう。

平屋の場合は、容積率よりも建ぺい率が重要となります。先ほどよりも少し広い割合として、建ぺい率50%と想定すると、1階部分だけでも4LDK~6LDKの間取りを実現できます。

 

一方、3階建ての場合は、容積率が重要です。せっかく建ぺい率が大きくても、容積率が十分でなければ各フロアの広さを確保できないので注意しましょう。

 

容積率が高い土地であれば、居住用だけでなく複数の部屋を持つアパートを建てることも可能です。

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100坪の土地を取得した場合に考えたいこと

土地を取得するときに忘れてはならないのが、土地は所有しているだけで固定資産税がかかることです。

 

100坪は広大な敷地のため、納める税金も少なくありません。広い土地を購入して広い家を建てようとするときは、今後支払い続ける税金も資金計画に盛り込むのがポイントです。

 

また、相続などで取得した場合は、できるだけ早く用途を明確にしましょう。

 

空き家や空き地をそのまま放置していると、ゴミの不法投棄や雑草や虫の発生、獣害などによる近隣トラブルを招きかねません。

 

固定資産税に加え、これら清掃費などにかかる費用も少なくないため、できるだけ早く活用方法を見つけたいところです。

 

特に活用の予定がなければ、売却をして手放してしまうのもひとつの方法です。

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100坪の土地の活用例

坪の広さがあれば、自身の居住用以外にもさまざまな活用方法が考えられます。ここでは、具体的な活用例を紹介します。

利便性のいい土地であれば、アパートやマンションなどの集合住宅を建て、賃貸経営をする方法があります。

 

たとえば、容積率60%以上の土地で「30坪×2フロア=60坪」をアパートにし、残りを駐車場や駐輪場にした場合、イメージとしては一人暮らし向けの部屋を6~8室くらい設けられます。

 

駐車場スペースもゆとりを持って確保できるので、賃貸物件としての強みも持たせられるでしょう。

賃貸併用住宅とは、1つの建物のうち、賃貸物件として貸し出す部分と自身が居住する部分を分けて使う仕組みを指します。

 

自分が住む家を確保しつつ賃料収入を得られる点や、条件を満たせば居住部分に限り、住宅ローンを利用できる点がメリットです。

土地を専門の事業者に貸し出し、サービス付き高齢者向け住宅や介護施設として利用してもらう方法です。

 

運営を専門家に任せられるとともに、高齢者が多い地域では一定のニーズが期待できるため、エリアによっては有効な手段となり得ます。

立地によるものの、駐車場は比較的収益性の高い土地活用方法とされています。

 

前述したとおり、100坪の広さがあれば20台ほどの駐車スペースが確保できるため、都市部などでは大きな収益を見込める可能性もあります。

100坪の土地にはさまざまな用途があり、活用方法によっては大きな収益を上げる可能性もあります。ただし、土地の運用には専門的な知識が必要となるため、不動産会社などの専門家に相談することが大切です。

 

特に、大幅な初期投資が必要な場合は、さまざまなデータを集めたうえで、長期的な視野で判断する必要があります。

 

信頼できる不動産会社を見つけ、場合によっては売却も視野に入れながら、納得のいく活用方法を見つけましょう。

土地

  • 100坪は住宅用地としてはかなり広く、首都圏の敷地面積の中央値と比較して2倍程度の面積に当たる
  • 100坪の土地全体に建物を建てられるわけではない。建ぺい率と容積率の仕組みを理解しよう
  • 100坪の土地は2世帯住宅も実現できる広さ
  • 100坪の土地は固定資産税も高額になりがち。相続で取得したときは維持コストを踏まえ、できるだけ早く活用方針を決めることが重要
  • 土地活用をするなら信頼できる不動産会社を見つけて相談しよう
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初めて家やマイホームの購入を検討する場合は、何から手をつけたらいいのか、誰に相談したらいいのか頭を悩…記事を読む

Q.1:100坪の土地って、具体的にどれくらいの広さですか?

A.1: 100坪は約330m2です。身近なもので例えると「畳200枚分」や「25mプールおよそ1つ分」ほどの広さになります。注文住宅の土地の広さは全国平均で約76坪(約252m2)なので、100坪は平均と比べてもかなり広い土地といえるでしょう。

Q.2:100坪の土地があれば、敷地いっぱいに家を建てられますか?

A.2: いいえ、敷地いっぱいに家を建てることはできません。土地には、安全や日当たりなどを確保するために「建ぺい率(けんぺいりつ)」と「容積率(ようせきりつ)」というルールが定められており、建てられる建物の大きさが制限されています。

Q.3:「建ぺい率」と「容積率」とは何ですか? なぜ知っておく必要があるのですか?

A.3: 「建ぺい率」は、土地の広さに対して建物を真上から見た面積(建築面積)が占める割合のことです。一方、「容積率」は、土地の広さに対して建物の全ての階の床面積を合計した面積(延床面積)が占める割合を指します。これらの割合によって建てられる家の最大の大きさが決まるため、土地探しや家づくりの計画において必ず確認すべき重要なポイントです。

Q.4:100坪の土地には、実際にどれくらいの大きさや間取りの家が建てられますか?

A.4: 土地の建ぺい率や容積率によって異なりますが、例えば「建ぺい率40%、容積率60%」の土地なら、延床面積60坪(約198m2)までの家を建てられます。この広さがあれば、「1階に広いLDKと客間、2階に夫婦の寝室と子ども部屋を2〜3室」といった、部屋数も収納も十分な6SLDKのような間取りも実現可能です。

Q.5:二世帯住宅を考えているのですが、100坪の広さで十分ですか?

A.5: はい、十分に可能です。100坪の土地があれば、各世帯のプライバシーを確保しながら、リビングや水まわりを共有するなど、ゆとりのある二世帯住宅を建てられます。庭や複数台分の駐車スペースも確保しやすいでしょう。

Q.6:広い庭でガーデニングをしたり、車を複数台停めたりしたいです。可能ですか?

A.6:100坪の広さがあり、建ぺい率が低めに設定されている土地なら、建物を建てないスペースを広く確保できます。そのため、広いお庭や家庭菜園、複数台分の駐車スペースを設けることも十分可能です。ただし、屋根付きの駐車場(カーポート)は、条件によって建物の面積に含まれる場合があるため注意しましょう。

Q.7:平屋を建てたい場合、どんな点に注意すればいいですか?

A.7: 平屋は2階建て以上に比べて建物の面積が広くなるため、特に「建ぺい率」が重要になります。例えば建ぺい率が50%の土地なら、50坪(約165m2)までの広い平屋が建てられ、4LDK〜6LDKといった大家族向けのゆったりとした間取りも実現できます。

Q.8:土地を持っているだけで費用がかかると聞きましたが、本当ですか?

A.8: 土地を所有していると、毎年「固定資産税」という税金がかかります。100坪のような広い土地の場合、税額も高くなる傾向があります。家を建てる費用だけでなく、土地を維持していくための費用も資金計画に含めておくことが大切です。

Q.9:親から100坪の土地を相続しましたが、使い道が決まっていません。しばらく放置しても大丈夫ですか?

A.9: 長期間の放置はおすすめできません。使っていない土地でも固定資産税はかかり続けます。それだけでなく、雑草が生い茂ったり、ゴミを不法投棄されたりして、近隣トラブルの原因になる可能性があります。ご自身で使う予定がなければ、早めに売却するか、活用することを検討しましょう。

Q.10:家を建てる以外に、100坪の土地の活用方法はありますか? また、誰に相談すればいいですか?

A.10:様々な活用方法があります。アパートやマンションを建てる「賃貸経営」、ニーズのあるエリアなら「駐車場経営」、事業者に土地を貸す方法などが考えられます。土地活用には専門的な知識が必要なため、ご自身で判断せず、まずは信頼できる不動産会社に相談してみることをおすすめします。

更新日: / 公開日:2019.07.03